王国冒険者の生活(修正版)

雪月透

文字の大きさ
上 下
176 / 214

176

しおりを挟む
レッドたちは王都への帰路に就いていた。
想定していたよりも予定がすんなりと終わってしまったことに加え、予定よりもお金を使っていたことが理由だった。
「あ~、もう少しくらい居たかったですね。まだ見て回れませんでしたし」
「おまえさんが飯処ばかり見てきただけだろ。武器や防具の出来を見てくるとか、薬師なんだからこちらでよく取れる薬草を買っておくとかあっただろ」
御者をしているレッドから後ろも見ずに言葉をかけられ、マイはむぅっとふくれる。
食べ物を手一杯に買ってきて、それ以上持てないとタカヒロに言われて、他を見てまわるでもなくすぐに宿に戻ることになったのは、自分が原因なので反論出来なかったのだ。

「早く帰ることになったのは、タカヒロ君の用事が早く終わったからだもん。そうじゃなきゃ、もう数日くらい居たでしょう?」
同意を得ようとマイはリベルテの方に視線を向けるが、言っていてタカヒロへの不満に気持ちが向いて、タカヒロに苦情を申し立てる。
リベルテはマイたちのやりとりをいつも通りに微笑んで見守っているのだが、どことなく他に注意を払っているようだったので、マイは邪魔しないようにタカヒロに話を向けただけである。
「そこで僕のせいにされてもねぇ……。早く帰ってゆっくりした方が良くない? お金の問題もないわけじゃないし……」
以前のようにハーバランドで冒険者ギルドの依頼を受けて稼ぎつつならお金の心配は軽減できたが、あれだけ混んでいた上に、タカヒロとマイは冒険者ではなくなっているため、稼ぐことができなくなっているのだ。
さすがに、レッドたちの稼ぎに頼り切るなんて考えをタカヒロは持てなかった。

「伯爵との話はいかがだったのですか?」
リベルテが時折、後方を気にしながらファルケン伯との話はどうだったのか質問してくる。
ハーバランドの宿では聞こうとしなかったし、タカヒロに話をさせもしなかったため、これまでどんな内容だったか話せていなかった。
それと言うのも、ハーバランドがファルケン伯の領地であり、迂闊な話をするのは危険だとリベルテが止めていたからだった。
それが聞いてきたと言うことは、ハーバランドから離れ、内容がどうであれ話をしても良いと、判断したということになる。
ただ、迂闊に話しては危険だからと止められてきた話を本当に話しても良い物かと、タカヒロはリベルテの顔を二度ほど見直し、何も言わなかったので口を開く。
タカヒロ自身も何か感じたものがあったので、リベルテたちに話をしたかったのだ。

「ファルケン伯、すごく彼女のこと褒めてたんですよね。そんなに絶賛する人を他所へ出すものですかね? 居てもらった方が自分にとっても、ハーバランドにとっても良いように思えたんですけど」
「あ~、そう言われて見るとそうだよねぇ」
溜め込んでいた自身の考えを吐き出すタカヒロに、ウンウンとマイが同意する。
リベルテは考え込むように目を瞑り、指先で軽く頭を叩いていた。
「優秀だからこそ、国のために必要だと送った可能性。邪魔になったから送った可能性。問題を起こすだろうと考えて送った可能性。考えられることは多いですね」
リベルテの言葉に、え? と顔を向けるタカヒロとマイ。
「必要だと思ったからって言うのはわかりますよ? 中央がしっかりすればファルケン伯たちの領地にも恩恵はあるのかなって思えますし。でも、邪魔になったからとか、問題を起こしそうだからってなんですか?」
「一番考えやすいのは邪魔になったから、なんですよ。ファルケン伯の相談役になっていたと言うことですが、相談した結果、上手くいったのであれば、その功績は誰のものになると思いますか?」
「ファルケン伯なんじゃないですか? 実際に動いたのは伯爵さんですよね?」
リベルテが首を横に振る。
「必ずしもそうとは認めてくれないのが人の世界ですよ。実際に手配を行ったのは領主であるファルケン伯ですけれど、アンリさんに相談したから上手くいったんだ、成功したんだと言う言葉はどこからか上がってしまうものです。本当に相談されているのですから、否定も出来ません。そうなると、評価され、功績があるとされるのはアンリさんになるのです」

アンリの存在が表に出ていないなら、前に出て実行していたファルケン伯だけが称えられたのかもしれないが、いろいろな施策を口にして実行したり、道具を作ったり、他の人たちの相談にものったりと、彼女は裏に徹しきっていたわけではなかった。
最初は彼女の言葉を信じて、自身にわかるように解釈して、それで実行して成果がでたのだと思う。
初めの頃は、成果に純粋に喜びが勝るだけだっただろう。
だが、段々と彼女に相談する機会が増え、彼女に相談したことで生まれてくる実績に彼女も精力的に動き始めてくる。
いや、周りも彼女の恩恵に預かろうと接触していったというのもあるかもしれない。
それが広がって彼女が前に出てくることで、領主はファルケン伯なのだが、アンリに頼ることが増えていくことにつながってくる。
実際に、彼女が優秀であり、成果を生み出してきているのだから、ファルケン伯より重視する人が出てきても不思議ではない。
ファルケン伯が自身で考えて実施したものでも、成果が出れば彼女に相談したからだとか、失敗すれば彼女に相談しなかったからだと言われるようになっていたことも想像できなくないのだ。
そうなっていたならば、自身の地位、名誉を守るために、彼女を手元に置き続けることを望むか、と言うことになるのだ。

「……そんなことで?」
「そんなことと言いますが、タカヒロさんならばその状況を受け入れられるのですか?」
タカヒロが何かを思い出すように目を上に向け、苦い顔になる。
「ファルケン伯は伯爵位です。貴族としても、領主としても矜持が許さない、と言うのは十分に考えられるのですよ」
「あ、あの。問題を起こしそうって、どうしてそう思ったんでしょうか?」
リベルテに反論出来ず、暗い顔になっていくタカヒロに代わり、マイが手をあげて質問する。
「そうですね……。ファルケン伯を押しのけて前に出るような人であれば、中央に行ったら問題を起こしそうだと思いませんか? 自分より身分が上の方を、自分を拾ってくださった方を押しのけて前に出てくる人ですよ。ファルケン伯は彼女の強くなっていく名声のに手が出せなかったのかもしれませんが、中央ではハーバランドほどの強さはありません。中央に居る貴族の方が強い権力を持っている方も多いですし。王都で問題が起きても、もう中央へ送った後なのですからファルケン伯に責はありませんし、中央で片付ける問題となります」
「え? 推薦したファルケン伯は責められないんですか?」
「まったく無いわけではないのでしょうけれど……、彼女を受け入れたのは中央ですし、ファルケン伯が指示してそうさせただとか、そんな根も葉も無い噂を広げた所でファルケン伯への責にはならないでしょうね。ランサナ砦での功績もありますし。ハーバランドで問題になっていなかったのですから、中央が管理できなかったとかそんな話になるのだと思いますよ」
ファルケン伯がアンリの後ろ盾になるつもりは無く、アンリから手を引いているだろうことを知り、彼女の先を考え、馬車は沈んだ空気となる。
馬車は静かに揺られていく。辺りも静かになっていた。

「リベルテ」
小さくも少し険を含んだ声がレッドから上がる。
リベルテは荷台から身を乗り出さないようにして、後ろを覗き見る。
後方から馬でかなりの速度で近づいてきている者たちが見えたのだ。
「後ろに二! おそらく、周囲にも居るわ!」
「え? 何? 何があったの?」
突如として緊迫した雰囲気になり、不穏さを感じ取ったマイが軽いパニックになって、うっすらと目に涙を浮かべる。
「賊ですか? どうして僕らを!?」
「このタイミングだ、本当に賊かも怪しいぞ」
人数が多く、多少の荷物を載せている馬車の速度より、人一人乗っているだけの馬の方が速い。
見る見るうちに距離が縮まってくる。
そして、ヒュンという風切り音が聞こえてすぐ、荷台の板に刺さる音が響いた。

「うわぁ!?」
「前の方に寄りなさい!」
一本だけで終わるわけがない。
少しでも危険を避けるようにリベルテに促され、マイが荷台の前方の方に身を寄せてうずくまる。
「タカヒロ、やれるか?」
逃げ切れる速さでは無いのだから、身を守るためには戦うしかない。
だが、止まって迎え撃つには周囲に遮蔽物が無く、相手が馬で走りながらではかえって危険な行動となる。
あたりを見回しても遮蔽物に出来そうな物もなければ、平坦な道が続いていた。

「も、森に逃げられないんですか?」
「そこまで相手が待ってくれるならな!」
森の中に馬車で突っ込めはしない。
馬車を降りて走って逃げ込まなくてはいけないのだが、その間は相手からは絶好の的になるだけである。
リベルテが弓を手にしてタカヒロを見る。いつでもいける、と目で訴えていた。
タカヒロは震える手をグッと握り、長く息を吐く。
「よっし、やるよっ!」
タカヒロが後方から迫ってくる相手に向かって腕を振る。
シュンと音が一瞬だけ聞こえると、相手の馬の首元から大きく血が噴出した。
嘶いて棹立ちになった馬から人が落ちる。
そこをリベルテの弓が違わず落馬した相手の喉に刺さり、相手が動かなくなる。
鮮やかな手並みに、タカヒロは思わず唾を飲み込んだ。本気で怖いと思ったのだ。
もう一人の方に続けざまにリベルテが弓を放つが、矢は当たることなく、相手の後方で落ちる。
走っている馬車から動いている相手に当てるのはかなりの腕がいる。
そして、相手は一人やられたことで、大きく警戒しだしたのだから、簡単に当たらない。

荷台から見える範囲に敵の姿が見えなくなって、タカヒロが荷台から身を乗り出そうとする。
「タカヒロ君、あぶないって!!」
マイが乗り出そうとしたタカヒロの服を引っ張って止める。
「なんとかしないと!!」
「タカヒロさん! 岩をばら撒けませんか?」
タカヒロは風の魔法が使い勝手が良いと思っていたため、他の魔法を使うことが浮かんでいなかったことに、あ、と口を開けてしまった。
大きすぎないが小石よりは大き目の岩と呼べるかくらいのものを、荷台から見える範囲の少し外側に向かって撃ち出す。
突然足場が悪くなったことに、馬の足を止めたようであった。
「やった!」
タカヒロが喜んで小さくなっていく敵の姿を見送っていると、血を流して倒れている人を二つほど目にしてしまう。
レッドの方に振り向くと、タカヒロたちの視線に気づいたのかレッドが軽く手をあげる。
どうやら後ろ以外から来ていた敵をレッドが倒していたようであった。
少し視線を落とせば、レッドが腰元に付けていた短剣が二つほどなくなっていた。
レッドたちが改めて強かったことに感心していると、レッドがちょっとすねた様な声でタカヒロを責める。
「俺たちが弱いとか思ったろ? おまえ、モレクで酒おごれな」
「ふふ。いいですね! タカヒロさん、ありがとうございます」
「え? 僕も活躍しましたよね? って言うか、そんなこと思ってませんし、なんでそう思ったんですかー!?」
タカヒロの方を見たわけでもないのに、内心少しだけ思っていたことを指摘されて、タカヒロの声は少し上ずっていた。
少し明るい声が響く馬車から、ハーバランドはすっかりと見えなくなっていた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる

三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。 こんなはずじゃなかった! 異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。 珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に! やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活! 右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり! アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。

エリクサーは不老不死の薬ではありません。~完成したエリクサーのせいで追放されましたが、隣国で色々助けてたら聖人に……ただの草使いですよ~

シロ鼬
ファンタジー
エリクサー……それは生命あるものすべてを癒し、治す薬――そう、それだけだ。 主人公、リッツはスキル『草』と持ち前の知識でついにエリクサーを完成させるが、なぜか王様に偽物と判断されてしまう。 追放され行く当てもなくなったリッツは、とりあえず大好きな草を集めていると怪我をした神獣の子に出会う。 さらには倒れた少女と出会い、疫病が発生したという隣国へ向かった。 疫病? これ飲めば治りますよ? これは自前の薬とエリクサーを使い、聖人と呼ばれてしまった男の物語。

野生児少女の生存日記

花見酒
ファンタジー
とある村に住んでいた少女、とある鑑定式にて自身の適性が無属性だった事で危険な森に置き去りにされ、その森で生き延びた少女の物語

悪役貴族の四男に転生した俺は、怠惰で自由な生活がしたいので、自由気ままな冒険者生活(スローライフ)を始めたかった。

SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
俺は何もしてないのに兄達のせいで悪役貴族扱いされているんだが…… アーノルドは名門貴族クローリー家の四男に転生した。家の掲げる独立独行の家訓のため、剣技に魔術果ては鍛冶師の技術を身に着けた。 そして15歳となった現在。アーノルドは、魔剣士を育成する教育機関に入学するのだが、親戚や上の兄達のせいで悪役扱いをされ、付いた渾名は【悪役公子】。  実家ではやりたくもない【付与魔術】をやらされ、学園に通っていても心の無い言葉を投げかけられる日々に嫌気がさした俺は、自由を求めて冒険者になる事にした。  剣術ではなく刀を打ち刀を使う彼は、憧れの自由と、美味いメシとスローライフを求めて、時に戦い。時にメシを食らい、時に剣を打つ。  アーノルドの第二の人生が幕を開ける。しかし、同級生で仲の悪いメイザース家の娘ミナに学園での態度が演技だと知られてしまい。アーノルドの理想の生活は、ハチャメチャなものになって行く。

【完結】魔王様、溺愛しすぎです!

綾雅(ヤンデレ攻略対象、電子書籍化)
ファンタジー
「パパと結婚する!」  8万年近い長きにわたり、最強の名を冠する魔王。勇者を退け続ける彼の居城である『魔王城』の城門に、人族と思われる赤子が捨てられた。その子を拾った魔王は自ら育てると言い出し!? しかも溺愛しすぎて、周囲が大混乱!  拾われた子は幼女となり、やがて育て親を喜ばせる最強の一言を放った。魔王は素直にその言葉を受け止め、嫁にすると宣言する。  シリアスなようでコメディな軽いドタバタ喜劇(?)です。 【同時掲載】アルファポリス、カクヨム、エブリスタ、小説家になろう 【表紙イラスト】しょうが様(https://www.pixiv.net/users/291264) 挿絵★あり 【完結】2021/12/02 ※2022/08/16 第3回HJ小説大賞前期「小説家になろう」部門 一次審査通過 ※2021/12/16 第1回 一二三書房WEB小説大賞、一次審査通過 ※2021/12/03 「小説家になろう」ハイファンタジー日間94位 ※2021/08/16、「HJ小説大賞2021前期『小説家になろう』部門」一次選考通過作品 ※2020年8月「エブリスタ」ファンタジーカテゴリー1位(8/20〜24) ※2019年11月「ツギクル」第4回ツギクル大賞、最終選考作品 ※2019年10月「ノベルアップ+」第1回小説大賞、一次選考通過作品 ※2019年9月「マグネット」ヤンデレ特集掲載作品

5歳で前世の記憶が混入してきた  --スキルや知識を手に入れましたが、なんで中身入ってるんですか?--

ばふぉりん
ファンタジー
 「啞"?!@#&〆々☆¥$€%????」   〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜  五歳の誕生日を迎えた男の子は家族から捨てられた。理由は 「お前は我が家の恥だ!占星の儀で訳の分からないスキルを貰って、しかも使い方がわからない?これ以上お前を育てる義務も義理もないわ!」    この世界では五歳の誕生日に教会で『占星の儀』というスキルを授かることができ、そのスキルによってその後の人生が決まるといっても過言では無い。  剣聖 聖女 影朧といった上位スキルから、剣士 闘士 弓手といった一般的なスキル、そして家事 農耕 牧畜といったもうそれスキルじゃないよね?といったものまで。  そんな中、この五歳児が得たスキルは  □□□□  もはや文字ですら無かった ~~~~~~~~~~~~~~~~~  本文中に顔文字を使用しますので、できれば横読み推奨します。  本作中のいかなる個人・団体名は実在するものとは一切関係ありません。  

【完結】公爵家の末っ子娘は嘲笑う

たくみ
ファンタジー
 圧倒的な力を持つ公爵家に生まれたアリスには優秀を通り越して天才といわれる6人の兄と姉、ちやほやされる同い年の腹違いの姉がいた。  アリスは彼らと比べられ、蔑まれていた。しかし、彼女は公爵家にふさわしい美貌、頭脳、魔力を持っていた。  ではなぜ周囲は彼女を蔑むのか?                        それは彼女がそう振る舞っていたからに他ならない。そう…彼女は見る目のない人たちを陰で嘲笑うのが趣味だった。  自国の皇太子に婚約破棄され、隣国の王子に嫁ぐことになったアリス。王妃の息子たちは彼女を拒否した為、側室の息子に嫁ぐことになった。  このあつかいに笑みがこぼれるアリス。彼女の行動、趣味は国が変わろうと何も変わらない。  それにしても……なぜ人は見せかけの行動でこうも勘違いできるのだろう。 ※小説家になろうさんで投稿始めました

悪役令嬢エリザベート物語

kirara
ファンタジー
私の名前はエリザベート・ノイズ 公爵令嬢である。 前世の名前は横川禮子。大学を卒業して入った企業でOLをしていたが、ある日の帰宅時に赤信号を無視してスクランブル交差点に飛び込んできた大型トラックとぶつかりそうになって。それからどうなったのだろう。気が付いた時には私は別の世界に転生していた。 ここは乙女ゲームの世界だ。そして私は悪役令嬢に生まれかわった。そのことを5歳の誕生パーティーの夜に知るのだった。 父はアフレイド・ノイズ公爵。 ノイズ公爵家の家長であり王国の重鎮。 魔法騎士団の総団長でもある。 母はマーガレット。 隣国アミルダ王国の第2王女。隣国の聖女の娘でもある。 兄の名前はリアム。  前世の記憶にある「乙女ゲーム」の中のエリザベート・ノイズは、王都学園の卒業パーティで、ウィリアム王太子殿下に真実の愛を見つけたと婚約を破棄され、身に覚えのない罪をきせられて国外に追放される。 そして、国境の手前で何者かに事故にみせかけて殺害されてしまうのだ。 王太子と婚約なんてするものか。 国外追放になどなるものか。 乙女ゲームの中では一人ぼっちだったエリザベート。 私は人生をあきらめない。 エリザベート・ノイズの二回目の人生が始まった。 ⭐️第16回 ファンタジー小説大賞参加中です。応援してくれると嬉しいです

処理中です...