王国冒険者の生活(修正版)

雪月透

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改良された状態を保つ魔道具の試用がてら、イドラ湖の魚を王都に運搬するだけという、依頼を受けたレッドたちであったが、そのイドラ湖で思わぬ出会いを得ることとなってしまった。
魚を釣って運ぶと言う気楽な依頼だったはずなのだが、一転して気の抜けない状況となっってしまったのだ。
突然、レッドたちの目の前に現れたソータと言う少年は、しばらくともに行動をしたことがあるマイたちより、ずっと何をしたいのか、何を考えているのかわからない存在だったからである。

しかし、それはそれ。
元の仕事は、イドラ湖の魚を取って魔道具の箱に入れて、王都に運ぶものである。
レッドたちは魚を釣っては、箱に入れていく。
箱に入れると言っても、さすがに生きたままではない。内臓を取ってから入れている。
そうしないと状態をどれだけ保てるかわからないし、生きたまま運ぼうとするのであれば、甕などの大きなものの方が良い。
それに死んだ状態でなければ、数を詰めていくことができないのである。
もっとも、依頼は三箱であったため、そんなに大量に釣る必要も無かった。

「っし! 魚はこんなもんでいいか」
「そうですね。あまり詰め込んでも、移動している間に、身が擦れてしまうでしょうから」
桶に入れた魚の数を数えて、リベルテがこれくらいでいいだろうと見積もる。
「……あんなのでもなきゃ、久々に良い時間を過ごせたと思うんだが……」
少し離れたところで楽しげに魚竿を垂らしているソータを見て、レッドが愚痴る。
「ですが、放置していく方が出来ませんよ。……今日もここで一泊して、明日、王都に戻りましょうか」
「そうだな……」
リベルテは頬に手を当てて、ため息をつきつつレッドを諭すように言い、余裕を持って王都に戻る予定を立てる。
レッドも気分は上がらないままであるが、空を見上げ、予定に同意した。
魔道具の試用を兼ねた魚の運送であるが、何日持ったかを正しく報告すれば良いため、急がなくては行けない依頼ではない。
依頼主のラングはウルクへ向かっていて王都に不在であるし、会頭がいないのであれば、この運んだ魚をすぐに流通させる、だなんて話にはならないはずなのだ。
あって、ラングの商会に勤めている者たちに、振舞われるか、商品となるよう加工の材料にまわされるくらいだろう。
馬車を急がせることで、魔道具の耐久性を確認すると言う事も必要かもしれないが、ラングからそこまで頼まれていないし、荷馬車を急がせるなんて緊急時以外ではほとんど無いのだ。
大きく荷台を揺らしてしまうことになり、品物を痛ませたり、破損させたりしてしまうかもしれないのだ。
お試しなのだから、普段の荷馬車の扱いでどうなるかを確認した方が良いのである。

そして何より、今回は、道中の食事の問題と、ソータ少年の問題があった。
今回、魔道具は魚を運ぶ用の箱しか無いため、王都から持ち込んできた食材なんて無く、これまでどおりの保存食である、干し肉と小麦粉を練って焼き固めたものしか用意していない。
レッドたちもずっとこれで凌ぐつもりは無く、野営の度に、近場を散策して採取してこようと考えていたのだが、ソータ少年を拾ったことで、考えていた以上に食糧が足りなくなってしまったのだ。
野営時に、何か取れればいいなでは無く、何か取ってこないと、と言う状況になったのである。

そして、ソータ少年。
先ほどの食事の問題もあるが、荷馬車があるとは言え、どう見ても旅に慣れているようには見えないのである。
予定通りの行程でその間の食事を切り詰めるか、当初の予定を全て放り投げて王都まで急がせる、と言うことも手段として考えられる。
しかし、魔道具の試用が依頼の目的であるし、食事を抜くとか大きく揺れる馬車に乗ると言うのは、ソータ少年が持たないか、その力を使い出して暴れてしまう不安が大きかったのだ。

ここイドラ湖でもう一泊することにしたため、今日はリベルテが釣り上げた魚を串に刺して準備し、レッドが火を熾していく。
ソータ少年は、レッドの作業を興味津々といった様子で眺めていた。
レッドもあまり気にしないようにしつつも、出来る所を見せたくなったのか、風向きを見て薪を組みあげ、それからマッチで火を点けた。
「へ~、そうやって火を点けるんですねぇ」
もの珍しそうに言うソータ少年の言葉に、逆にレッドが興味を引かれる。
「ソータはどうやって火を点けてるんだ?」
タカヒロやマイたちは、マッチで火を点けることに疑問も持たなかったし、扱ったことがことがある手つきだったし、タカヒロは面倒くさいのか、時折、魔法で火を点けていた。
この少年もタカヒロのように魔法の力を持っているかもしれないと、考えたのである。
しかし、ソータ少年は考え事をするように、目を右上に向けていった。

「ん~、いや、たぶん、同じようなものはあったと思いますけど、僕は使ったことが無いので。わざわざ外に出て、火を熾すなんて面倒なことしたくないですし。それに、家はオール電化だったから、火なんて使わなかったですね」
聞きなれない言葉もあるが、ソータ少年の言葉にレッドは疑問符ばかりが浮かんでくる。
同じように火を点ける道具がありながら、火を使わない生活。
火を熾すことは外に出なければ不要で、面倒な事だと言うのである。
オールデンカと言うのがどういう意味なのか、物なのかもわからないが、暖を取ったり、食べ物を焼いたりするのに、火が不要な生活なのだと思うことにするしかなかった。
それと、タカヒロに近い面倒くさがりで、やはり、旅には全く慣れて居なさそうなのは間違いないと、言うことだけは感じ取れるものだった。

レッドとソータ少年の間にリベルテが入ってきて、魚を指した枝を火の近くに刺して行く。
二日続けてではあるが、満足に食事できるのはありがたいし、魚は頻繁に口にすることは無い物であれば、レッドたちには十分なものだった。
しかし、ソータ少年は不平をこぼす。
「え~、また魚ですか?」
ソータ少年の不平に、レッドは少しばかりイラツキを覚えた。
食事を取れるだけ良い生活であり、オルグラント王国であっても、満足な食事を取れていない人は少なくないのだ。
この世界に来て、まだ何も出来ていない少年が、食事をもらえているだけでもありがたいと思うのではなく、不平を言うのだ。レッドが苛立つのも当然であった。
「他に食うものは、朝に食わせた干し肉と小麦粉の焼いた物だけだぞ?」
「どっちもたいして美味しくないじゃないですか」
『神の玩具』はその持っている力によって何をするか分からないと言うことと、ソータ少年がまだ子どもくらいに見えることから、放っておくのも危険だと世話を焼いているだけであり、食事を与えているのは善意でしかないのだ。
面倒を見なければ行けない、なんて義務などない。
それなのに、ソータ少年の態度からは、どこかレッドたちが面倒をみて当然と言うような素振りが見え、レッドたちの考えなど全く解さず、文句だけを言い募ってくる。

「なら自分で探して来い。嫌なら食わなくてかまわん」
レッドが突き放すように言うと、ソータ少年が更に文句を言い募る。
「それは酷くないですか? そんなこと許されませんよ!? レッドさんたちが僕を保護したなら、最後まで面倒を見るべきです」
「何が酷いんだ? 許されないって誰にだ? 保護したと言うが、保護された側が偉そうに言う理由はあるのか? 俺らはお前を保護しなきゃならない理由なんて無い」
冒険者の依頼でも、依頼主や依頼先から文句を言われることはある。
配送の仕事では遅いと言われたり、討伐の仕事では戦った場所が悪かったとして、被害が出たと難癖をつけられたり、採取の仕事では時期が過ぎていたり、環境が悪くて手に入らないことがあるのだが、必要数はどうしても手に入らないことを説明しても、こちらが無能だと罵られたこともある。
どれも依頼を受けた冒険者にすれば、理不尽な文句なのであるが、生活していくために依頼を受けていかなくてはいけないのだから、なんとか耐えてきた。
もっとも、冒険者相手だからと無理難題をふっかけてきていたり、過剰な見下しをしてくるなどあった場合は、ギルドからその相手からの仕事は破棄して良いように処理し、報酬の何割かだけでももらえるようにされており、幾分か守られている運用になっている。

しかし、今ここで、このソータと言う少年は、冒険者からすれば、まったく関係が無いのである。
元々受けている依頼には関係が無いし、ソータ少年から依頼を受けているわけでもない。
たまたま仕事できた来た先で会っただけであり、思惑が無いわけではないが、善意で食事も分けているのに、不平を言い募られても、聞き届ける必要など無いのだ。
レッドだって、そこまで気は短くないし、すぐ怒るような人間ではない。
それでも、世話押してもらって当然。食事も望む物にしろ、と不平をぶつけられれば、口調も早めに、言葉も多少荒くなりながら、言い返してしまうのも仕方が無いものだった。

レッドがソータ少年に言い返すと、ソータ少年は言い返されたことに驚いたのか、不満そうな顔をしつつも、体を小さくし、黙ってしまった。
そんなソータ少年を見て、レッドは言い過ぎたかと思ったが、言い返されたことに驚いていたことから、なんで、言い返されないと思っていたのか、ソータ少年の方が立場が上であるような態度になったのか、疑問が尽きなかった。

レッドとリベルテが焼けた魚に手を伸ばすと、ソータ少年も黙って手を伸ばし、食べるだけ食べて、さっさと横になりに行ってしまった。
残った二人は焚き火が消えないように、薪を足したり、動かしたりしながら、なんとなく火を見続けていた。
「……なんなんだろな。マイやタカヒロたちと同じだと思うんだが、全然違うな」
レッドが小声で言葉を漏らす。
「ずいぶんとあのお二人と違いますね……。ハーバランドに居た人とも違います。もしかしたら、あの頬に縦傷のある男やアクネシアに居る人とは、同じなのかもしれませんが。ハヤトと言う方とは、どうでしょうか……。私にはまだわかりません」
リベルテがこれまで見たり聞いたりした『神の玩具』と思われる人たちと、ソータ少年を比べて行く。
実際に会ったこともない人物も居るが、レッドは聞いていて、そう間違ってもいなさそうだとと小さく笑う。

自分たちが持っている力を思うままに振るうのではなく、この世界に合わせながら、この世界で生きて行こうとしてくれている人たち。
そうではなく、自分たちが持っている力を使うことで、この世界を自分に合わそうとし、この世界を思うままに生きようとする者達。
過ぎた力を持っているということについては、この世界で生きている人たちにとっては迷惑である。
それでも、後者の者たちは、この世界で生きている人たちにとって、より怖ろしい相手と言う事になる。
自分の思うままに生きると言う事は、他者を思いやらないと言うことである。
遠慮を覚えるなら思うままではない。そうしないから思うままなのだ。
だからこそ、レッドの小さな笑いは、明るさも楽しさも含まれてはいなかった。

不貞腐れて寝ているソータからは、今までと違う場所にいると言うことを把握しながらも、前までと同じ生活を送れると考えているような言動が感じられ、レッドたちが考える、思うままに生きようとする者達に近いものを感じさせられていた。
リベルテを先に寝かせ、レッドが火の番をすることに決める。
レッドは焚き火を見ながら、その手は腰元の剣をずっと触り続けていた。

翌朝、干し肉と小麦粉を焼いたものを食べて、野営の荷物を片付けていく。
ソータも普通に起きはしたが、手伝う素振りは見せず、片づけていくレッドとリベルテの姿を見ているだけであった。

「そんじゃ、出すぞ」
レッドの声で、荷馬車が王都に向けて進めはじめる。
道は出来ているが、整地されているわけでは無いため、時折、小石に乗り上げて荷台を大きく揺らす。
レッドたちは慣れたものであるが、ソータはとても痛そうに、そして不満そうに外を見続けていた。

何事も無く道を進み、陽が傾き始める前に野営地を決めて、荷馬車を止める。
レッドは早々と食べられるものが無いか、探しに向かっていく。
残ったリベルテは火の準備を進めていくのだが、この間、ソータ少年は何も喋らず、じっと馬車の側で座っていた。
また言い返されることを恐れているのか、ソータ少年はひたすら口を開こうとしない。
マイたちならば、レッドやリベルテがすることで興味を引いたことや分からないことがあれば聞いてきたり、今であればレッドの後をついて行ったりしたものである。
しかし、ソータ少年はそんな行動を取る素振りも見せなかった。
興味がないのか、知りたいとも思わないのか。
リベルテにはますますもって、ソータ少年が何を考えているのかわからなくなっていた。

しばらくして、レッドが自生していた野菜と野草、そしてすっかり夏毛となり短くなっているシャギーラガモフを一羽引っさげて戻ってくる。
「レッド、やりましたね!」
これで食事が断然良くなる、と喜ぶリベルテ。
「おう!」
笑顔を返すレッドは、そのままラガモフを捌いていく。
「うわ……」
レッドたちからすれば手馴れたものであるが、ソータは捌かれていくラガモフを目にして引いていた。
レッドたちは特に気にするでも無く、ラガモフの肉を切り分けていく。
そして、リベルテが火に掛けた鍋で肉を焼きつつ、土で汚れている部分の皮を剥いた野菜を順次投入していき、最後に水を足して煮込んでいく。
塩と野草で味を調えていくころには、良い匂いが広まっていた。
あまり美味しいと言えない干し肉を齧るより、美味いが串焼きの魚に齧り付くより、温かいスープがありがたい。
陽射しが暖かい時期とは言え、陽が落ちれば薄い服では肌寒い時がるし、何よりスープは嵩が増せるのである。いっぱい食べた気になれるのだ。
レッドがこの匂いに出来上がりが待ちきれなくなってソワソワし始めてしまい、リベルテに笑われる。

リベルテが出来上がったと言えば、レッドはすでに持っていた器をリベルテに差し出す。
レッドは仕方なさそうに小さく笑いながら、器にスープをよそってレッドに返す。
ソータ少年の分もよそい、目の前においてあげると、ソータ少年は恐る恐ると言った様子で手に取った。
レッドが勢いよく頬張っていく中、ソータ少年はスープの中に入っているラガモフの肉をじっと見つめ、やや経ってから目をつぶって口に放り込んだ。
「……美味しい」
そして久々にこぼした言葉は、とても年頃の少年らしい言葉であり、レッドとリベルテはなんとなくほっとして、思わず微笑んでしまう。
「こういう温かいものを食べてる時は、だれも変わらないのかもな」
お腹一杯食べたレッドは、リベルテに謝りつつ横になると、ソータ少年もそれに倣う。
リベルテはそんな二人に少し呆れながら、笑顔で火の番をするのだった。

その日以降、また少しずつ口を開きだしたソータ少年は、レッドとリベルテにあれこれと質問し始める。気になる物は多かったようであった。
少し前のマイやタカヒロの様子を思い起こさせ、どことなく明るい雰囲気でレッドたちの荷馬車は王都にたどり着く。
王都の門の大きさに声を上げるソータ少年には微笑ましかったが、王都は賑やかで、そして慌しい様子を見せていた。
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