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冬の寒さもすっかり抜け、暖かい陽が差し込み、柔らかな風が吹くようになっていた。
アクネシアに攻め込み、オルグラント王国の武威を示す戦いが行われるはずであったが、アクネシアの領土に踏み込むことは無く、ランサナ砦に向かってきたモンスターの大軍と戦うだけに終わったことは、人々にとって満足のいく結果ではなかった。
だからなのか、あの戦争の後、アクネシアがランサナ砦に攻め込んでくることを予見し、兵を差し向けたと言う、王の先見性を称える話が王都に広まっている。
結果だけから考えれば、王を称えるのも間違っていない。
だがそれ以上に、モンスターとの戦闘で負傷した人、そして亡くなった人たちに対して、称賛の声が上がっていることが、あの戦いに参加した者たちにとって嬉しいものとなっていた。

「なんとなくわかるが、落ち着かないな」
オルグラント王国の力によってではないが、アクネシアが滅びたと言うことで、戦争への意欲は収まりを見せ、しばらく時間が経ったと言うのに、戦勝を祝った賑やかさが続いている。
「賑やかなことは良いことですよ? 沈んでしまうよりはずっと……」
リベルテもレッドと同じように少し落ち着かない様子ではあるのだが、にこやかに人通りを見ていた。

「だがなぁ……。すっきりしないままだからな」
レッドが落ち着いていないのは、いまだに続く戦勝を祝う賑わいだけでは無く、旧アクネシア方面に関する不明確さがあった。
「……そうですね。あれ以来、あのモンスターたちの姿が見かけられないそうですから……」
ランサナ砦の戦いの後、アクネシアはキスト聖国によって倒され、キストの領土となっている。
そして、キスト聖国が治めるようになってから、ぱったりとあの醜悪なモンスターたちが一切、国境沿いに姿を見せることが無くなったのである。
国境沿いの林などに生息していたモンスターよりも知恵があり、武器を扱うあのモンスターたちは一筋縄でいかない相手であった。
オルグラント王国の兵や冒険者たちにとって脅威となっていたので、姿を見かけなくなったと言うのはありがたいことなのだが、突然、ぱったりと姿を見かけなくなると言うのは、不気味で仕方が無いものである。

「それに、見かけなくなっても、あの辺りにいたモンスターたちがその数は大きく減らしているようです。かなり荒らされているらしいので、しばらくの間は採取できるものは無い、と言う話です」
旧アクネシア方面について、確認出来ている情報を捕捉するリベルテであったが、その表情は暗い。
モンスターが少ない、採取できるものも少ないというのは、依頼が減るということである。
雑用を主な仕事ととして依頼を出してもらい、その報酬によって生活を送る冒険者であるから、採取の依頼が減ると言うのは死活問題である。気持ちが沈むのも分かろうというものだ。

依頼が減っている事情もあって、レッドたちは今、王都を散策していた。
決して、仕事がなかったとか、争奪戦に負けたと言うわけではない。
「まぁ、ゆっくり出来る時はゆっくりとしようぜ。切羽詰るような生活にはなってないし。……それに、ゆっくり出来ない人たちもいるからな」
レッドがある方角に顔を向ける。
「……さすがに、この件については、城の判断は正しいと思いますよ」

ランサナ砦近郊の戦闘で、怪我を負った兵と冒険者は多い。
あのモンスターの大軍を相手にして殲滅したのだから、よく戦ったと言うものである。
怪我人が多いことからか、依頼があれば治療するよ、とキスト聖国の使者がひっきりなしに城に押しかけてきているらしい。
それだけではなく、国土を接するようになったのだから国交も広げろ、と来ているらしいのだ。
しかし、城はそのどちらも受け入れなかった。

そのため、怪我人の治療に各地の薬師が集められ、薬の調合に、治療にと忙しなく動き回っている。
治療とは、怪我の治療だからと適当に傷薬を渡せばいい、と言うものではない。
経過によって、効いてる効いてない、量を増やす減らすがあるのだ。
数日から数週間にかけて、怪我人たちを見て回らる必要があるため、薬師たちは今一番忙しいものとなっている。
本来であれば、薬のために採取の依頼が多く出されているはずなのだが、旧アクネシア方面では取れないため、シュルバーン、ウルクの辺りに集中することになる。
他の場所でも採取出来るには出来るが、旧アクネシア方面で採取出来ていた分を補おうとすると、他の地域も資源が枯渇してしまうことに繋がってしまう。
ここで採り尽しても、今は良いかもしれないが、また多くの怪我人が出た時にはどこの地域でも手に入らないことになりかねない。
そのため、採取の依頼は全体的に制限が掛けられるようになったのだ。

「まぁなぁ……。いつの間にかアクネシアを滅ぼしてやがるくらい、不審な国だからな。そんな国と国交を広げたりしたら、アクネシアと同じようにされるかもしれないからな」
レッドは少し険のある目で、少し遠くに見える聖職者を向けてしまう。
アクネシアからオルグラントへ逃げ込てきた人たちは、ハーバランド、モレク辺りに住まうこととなっていた。
しかし、彼らも仕事をしなければ生活出来ないし、逃げてきた人が多いこともあって住居が足らず、王都に流れてくる人たちもいたのだ。
レッドたちは、そんな王都に流れてきたアクネシアの人たちに会いに行き、話を聞くようにしていた。

アクネシアについて知っているのはその人たちであり、あの時に何があったのかも知っているとすれば、その人たちだからである。
彼らに会って話を聞くことで、少しでもアクネシアの情報がわかるし、彼ら自身の考えや人となりを知ることが出来るので、警戒した方が良い人物なのかどうか判断がつけられるようになる。
キストについて少しでも情報を集められると言うこともあり、彼らに会いに行くと言うのは、必要なことでもあったのだ。

そして、彼らの多くから聞いてわかったのが、帝国戦の一件は、アクネシア王国にとって想定外の出来事であったらしいと言うことだった。
アクネシアはグーリンデと比べると、その国の性質からか精強な兵を持っているとは言えなかった。
アクネシアはどちらかと言うと、直接戦争をするより、嫌がらせや謀を用いて、相手を弱らせることを主としていた国であったのだ。
そこで、モンスターを呼び出せると言う男が突然、アクネシアの城に招かれたらしく、彼の言うことを聞くモンスターを見て、切り札にしようと考えていたらしい。
そして帝国戦で足を引っ張ってしまい、アクネシアのせいで負けたとあっては、アクネシアの立場がかなり悪くなってしまうと考え、モンスターを呼び出して帝国の足止めを命じた。
呼び出されたモンスターは予想より強く、帝国兵を倒していったのだが、そこからはアクネシアの上層部にとって予想外な行動に出て、オルグラント、グーリンデの兵にも襲い掛かったのだ。
立場を悪くするよりもさらに悪く、近隣全てを敵に廻すこととなってしまったのである。

全方位に備えなければいけなくなったアクネシアは、これまで以上に人々を徴兵し動員させたが、アクネシアで生活をしている人たちの生活に大きな影響を及ぼしてしまう。
それでも国を守るためにと耐えていたそうなのであるが、兵は足りない状況だったのだ。
件のモンスターを呼びだせる男に、帝国戦のことを不問にする代わりに、兵となるモンスターを多く呼び出せと命じたことが、彼らがアクネシアを離れる原因となったそうである。
モンスターを呼び出せる男は、ただ多くのモンスターを呼び出すだけではなく、より強そうなモンスターも呼び出したのだ。
アクネシアの上層部は彼を絶賛し、その男とモンスターたちを優遇し始めたそうだが、それも仕方は無い。
モンスターなのだから兵としての給与は不要であり、鍛えなくても初めから強く、その男がいる限りまた呼び出せるとあれば、国にとって優遇したくなるのは、嫌なものであるが分かりはするものである。
モンスターたちの食事であるが、最初は犯罪人たちが充てられていたらしい。
しかし、次第にモンスターが普通に生活をしている人たちを襲いだすのだが、モンスターが処罰されることは無く、モンスターを止めようとしたり、モンスターを攻撃した者、そえを放置する国を批判した人たちほど、モンスターを仕向けられることになったそうである。
アクネシアの人たちにとって、これほどの脅威はなかっただろう。
その国で生きているのに、国はその人たちを守ろうとしないのである。
そして、周囲が全て敵となっているため、生活が良くなる思いは抱けない。
そんな中、キスト聖国だけはアクネシアと国交を開いたらしく、支援だと食料や人も送ってきたそうである。
もしかしたら、アクネシアの人たちにとって、キスト聖国は唯一の救いだったのかもしれない。
そして……、アクネシアの上層部は、自分たちの生活が苦しくなり始めてきたため、肥沃な土地を持っているオルグラントに先に攻め込むことにしたのである。
モンスターの大群が送り出されたことで、アクネシアの人たちはホッとしたことだろう。
だが、モンスターの大群が居なくなってしばらくした後、何の前触れも無く、アクネシアの城から煙が立ち上ったそうである。
気がつけば、キスト聖国の人たちが城を制圧し、アクネシアの人たちを襲い始めた。
救いだと思っていた相手であったが、それは幻想だったのである。
キスト聖国は耽々とアクネシアを攻め取る準備を進めていたのだ。
キストに裏切られ、このままアクネシアに残ることも出来ないと理解した人たちがオルグラントへ逃げ出してきたのだが、どういうわけか、ずっと先にオルグラントへ向かったはずのモンスターの大群が林で待機していて、逃げ出そうとしていた人たちに襲い掛かりだしたそうである。
そして、必死に抵抗しながら逃げたのが、あのランサナ砦の戦闘に繋がったのだ。
キストの鮮やか過ぎる手並みと件のモンスターを呼び出せる男がどうなったのか、まだ不明なままのことは多いが、レッドとリベルテは思いため息を吐くしかなかった。

王都を散策していても、余裕のある手持ちでなければ、ただ軽く見て回るしか出来ない。
人波を避けるように、レッドたちはついつい、いつもの酒場に向かってしまうのだった。
馴染みの場所になっているだけあり、レッドたちにとって、どういった時でも落ち着ける場所となっていたのである。
「どんぐり亭」も人が多く入っているのだが、レッドたちは落ち着いて辺りを見回し、席が空いたところをすかさず陣取った。
「ふぅ~……」
椅子に座るなり、深く息を吐いてしまうレッドに、リベルテはクスッと笑ってしまう。
笑われたことで、レッドはリベルテにじとっと目を向ける。
「いろいろ考えちまうことがあって疲れるんだよ。……それにちょいと前より、疲れが抜けにくくなったのも感じるしな」
言っているうちに目は床に落ちていき、声も小さくなっていく。
自分で年老いてきていると口にしたのだが、自分でへこんでいったのだ。

「あのような戦いがあって、それからすぐに隣国となったキストについて、考え事ですからね。私もレッドほどではないですが……」
リベルテも軽く首や肩を動かすと、少し鈍い音がしてしまい、眉をしかめていた。

「店で不景気な顔をしないでください! ここは楽しく飲んで、食事をするところです!」
この店の看板娘がレッドたちの側で仁王立ちする。
「す、すみません……」
「ごめんなさい」
レッドたちもこの店で勝てる相手ではないため、慌てて謝る。
「では、もういいです。それではご注文は?」
レッドたちが謝ると、サラッと態度を戻して注文を伺う看板娘。
この切り替えの速さと態度、そして見た目もあって人気が高いのだ。

「あ~。まずは酒を……、エールでいいか? それとおすすめを一品」
「わかりました。ありがとうございま~す」
看板娘を前にしてメニューに長く悩むのも憚られ、レッドがとりあえずの注文をすると、看板娘は笑顔で注文を受けて去っていく。
看板娘を見送ると、レッドたちは顔を見合わせて、思わず苦笑してしまう。
彼女の切り替えの速さを見ると、考え込みすぎていた自分たちに笑うしかなかったのだ。
たが、考えなくてはいけないことでもあるので、苦い笑いになったのである。

それからあまり待つこと無く、ササッと運ばれてくる料理。
「それでは、ごゆっくりと~」
あちこちから注文で呼ぶ声に応え、これまたササッと去っていく看板娘を見送って、レッドたちはまずエールから口にする。
「……っはぁっ!」
グビグビッと半分ほどを、一気に飲み込んだレッドが一息つく。
「おじさんくさいですよ、それ」
当然ながらこのような飲み方は、そこいらで騒いで飲んでいるおじさん方と同じであり、リベルテが小さく笑う。
「……いいんだよ。ちびちび飲むような酒じゃないし……。さて、メシはどんなもんかな~っと」
少し低い皿に汁に浸かった肉の料理。
これまでに食べたことが無いが、この店の料理なら外れは無いと、フォークを刺してがぶっとかぶりつく。
想像してなかった酸味が強く、思わずエールに手が伸び、残りを飲み干してしまう。
「あ~、びっくりしたぁ」
もうエールが無くなってしまい、追加のエールを注文する。

レッドの反応を見ていたリベルテは、ナイフで口に運びやすい大きさに切ってから口にする。
たしかに酸味は強めだが、甘みもあり、思っていたより肉が柔らかかった。
「これはまた……良いですね」
疲れている身体には酸っぱいものが効くと言われており、リモの絞り汁を混ぜた水などが好まれている。すっきりさを感じられる程度の薄めの酸味が好まれるのだ。
ビネガーを使った料理も良いとされているが、この言葉だけを鵜呑みにした人が作った料理は料理ではない。
ごく稀に、言葉だけから判断して作ろうとする人が居るらしく、酸っぱいだけの料理を食べさせられ、リモの絞り汁を飲まされ、疲れが飛ぶ前に悶絶することになる犠牲者が出たりするらしい。
レッドの付近では、そんな人を見かけた事は無い。
ちゃんと味見をする人たちばかりであると言うことのだが、レッドはリベルテに感謝したほうがいいのかもしれない。
この手の犠牲者の話は毎年、一人くらいは聞くのである。

それはさておき、レッドも改めて肉を口に運ぶ。
先ほどより、心構えが出来ているため、酸味が美味しく味わえる。
じっくりとかみ締めていると、ぬっと陰が差す。顔を上げると、店主が立っていた。
「……これ、まだメニューにないやつですか?」
レッドがそう尋ねると、店主がニヤッとしてうなずく。
メニューにはまだ載せていない料理をおすすめとして出してきたらしい。
レッドたちは試しに使われることが多いのだが、これもこの店との付き合いの長さと言える。
「アクネシアで創られる料理だそうだ。ディアの硬いところの肉を使ってる」
「え? そんなに硬くなかったですよ?」
店主の言葉にリベルテが驚きの声を入れてしまう。
「ワインとビネガーとちょいとハーブをいくつか入れて、じっくりと漬け込んでな。そんでこれまたじっくりと煮込んだものだ。味の調えについちゃあ、ここでうだうだ言うもんじゃねぇな。気になるなら教えてもらって来い」
酒場であるが、料理にこだわっている店主だけあり、早々とアクネシアの人たちと仲を深め、料理を教わってきたらしい。
まだアクネシアの人たちに対して、遠慮と言うか忌避感が持たれている現状で、この人には敵わないなと、レッドは思わされる。
レッドたちですら、アクネシアの人たちと会って話をするには、周囲にかなり気を遣う必要があったのだ。
表立って、仲を深めてきたらしい店主は、周囲に振り回されない、料理に対しての意志の強さが感じられた。
店主をよく知っている人からすれば、料理バカ、となるらしいが……。

「そりゃ、ごもっともで」
「そう言えば、他の国と確かな交流はしていませんね。今年の豊穣祭には、グーリンデの料理が出てくるかもしれませんねぇ」
「このアクネシアの料理もありそうだ」
レッドたちが今まで食べたことが無い、新しい料理が食べられるかも、と先の行事に思いを馳せる。
「そうやってあちこちの美味いもんが食えるように、早くなれば良いな。俺もまだまだ勉強が足りんからな」
豪快に笑う店主に、そうなればここでいろんな料理を楽しめることになるだろうと、レッドたちの顔も笑顔になっていく。
暗い顔になりそうなことばかりであるが、こうして美味しいものを食べる時、人は笑顔になれるものである。
先はわからないことばかりだが、レッドはこうして笑えていれば良いなと思いを馳せるのであった。
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