21 / 42
如月瑠璃は錆びた弦を掻き鳴らす
性格がアレな子でさ
しおりを挟む
第二十一話
「で、いつから他のバンドメンバー探すんだ?」
いつもの昼食時、ご飯を口に運びながらそう言った渚の言葉に、私と双葉は凄まじい衝撃を受けた。
雷に打たれたかのように私達は動きを止め、そして呟く。
「わ、忘れてた……」
「同じく」
「まず、ちゃんと頭回る人を入れた方がいいかもな」
まるで私達がバカみたいな言い方をしてきた渚に、私は一葉さん直伝のグリグリをお見舞いしてやる。
渚の死角に回り込んで、こめかみに拳を当てて——
「いてててっ⁉︎ 一葉さん程じゃないけど痛いっ!」
「私達よりいい頭なら、少しくらいダメージを与えないと不公平」
「なにが不公平だ⁉︎」
「やっちゃえ瑠璃!」
「ぬおおおっ⁉︎」
無理矢理抜け出した渚は息を乱しながら私と向き合う。
「ふっ……いいのか? そんな態度で」
「どういう意味?」
「折角アタシが、知り合いのベーシストを紹介してやろうと思ったのに」
「ごめんなさい渚さま」
「私達が間違ってました」
「教室で土下座をするな!」
私と双葉の土下座を受けて周囲から畏怖の眼差しを受ける渚はたじたじだ。
逆にダメージを受けた様子で、自分の席に着席し溜め息をつく。
「二人はなんつーか……バカだよな」
「失敬な」
「それは瑠璃だけ——」
「双葉だけ——」
「ん?」
「は?」
「息もピッタリ。類が友を呼んだんだな」
「そうなると渚も」
「は?」
「私達三人は仲良しだもんねー」
「……そ、そうだな」
照れてるね、と。双葉とニヤニヤしながら耳の赤い渚を見ていると、内心を悟られまいと誤魔化そうとしてか、ゴホンッと態とらしく咳払いをして、例の話題を振ってくる。
「で、アタシの知り合いなんだけどな」
「ベース歴は?」
「身長は?」
「どんな性格?」
「好きな食べ物は?」
「アタシに訊くな。後で合わせるから本人に訊けばいい。まあ……ただ、な」
妙に歯切れの悪い渚は、私達に申し訳なさそうに言った。
「ちょっと……性格がアレな子でさ」
「アレってどれ」
「怖い感じなの?」
「怖くはないと思うけど、なんていうか……たまに口を滑らせる奴でさ。そのせいで友達もいないんだけど、悪いやつではないんだ」
そう話した渚の表情はどこか物憂げで、その子のことを少なからず良く思っているからこその表情だろう。渚がこう言うのなら、別に断る必要もない。
私は双葉に目を向けると、すぐに目があった。そのまま双葉は頷く。頷いてくれたということは、同じ考えだということだろう。
「うん、会わせて」
「いつにしよっか」
「いいのか? 性格がアレなのに」
「知り合いって言ってるけど、渚の友達でしょ」
「友達の友達は友達って言うしね!」
「いや、その……そうだな」
本当に初々しい反応だ。
照れ屋だな渚は。
「その子って何歳?」
「二つ下だな」
「えっ、そうなんだ! 渚とはどんな関係で友達になったの?」
「ああ、まあ、色々あって、普通に。今は……向こうがどう思ってるかは知らないけど一応、友達かな」
そう言う渚の表情にはなにか別の感情が蠢いていて、色を見ようと目を凝らせば、ゆらっと何か見えたが……捉え切る前に、双葉の言葉に邪魔される。
「渚と仲のいい後輩かぁ、会うのが楽しみだね、瑠璃」
「え? ああ、うん」
「早く会わせてよ渚!」
「分かった分かった。後で確認とってみる」
そうして渚に、ベーシスト候補と会う日の段取りを任せ、私はなんとなくモヤっとした気持ちでお昼休みを過ごした。
そして、その週の土曜日のお昼。
私と双葉は渚からの連絡を受けて、例のベーシストと会うことになり集合していた。
「どんな子だろう」
「凄いロックな感じの人かもよ?」
いつもお世話になっているセレナーデにて、私と双葉は待ちきれずソワソワしていた。
件の相手と渚を待っている訳だが、今は飲み物だけ注文してのんびりまったりタイム。
約束の時間よりも三十分ほど早く来てしまったので、軽い甘味も今、一葉さんに作って貰っている。そろそろ出来る頃だろう。
「ほら、お待たせ」
「待ってました」
一葉さんが持ってきてくれたのはオーソドックスなパンケーキ。
双葉のおすすめということもあって注文してみたのだ。
別の容器に入っているたっぷりのキャラメルソースをかけて、ナイフで一口サイズに切ったそれを口の中に——
——チャリンッ
口の中に入れようとしたまま、音のした扉の方に目を向ける。
そこには双葉と、彼女の後ろにいる背の低い一人の女の子がいた。
辺りをキョロキョロと店内を見まわしたその子は開口一番、
「寂れた感じで、良いところですね」
と、笑顔で言った。
寂れた感じ……え?
ちょっと聞き間違いだろうか。もし聞き間違いでないのなら……いや、雰囲気がある、と言いたかったのか。そうか、それなら仕方ない。
……ちょっと早速だけど心配になってきた。なにがって、一葉さんの機嫌とか。
そっと私はカウンターの奥にいる一葉さんを伺う。
……良かった、聴こえてなかったっぽい。
私は同じように一葉さんの様子を見ていた双葉と安堵の溜め息を溢した。
「コラッ、またお前はそんなこと言って!」
「あ、す、すみません、良い雰囲気ですって意味で! 悪い意味で言ったんじゃないです!」
「ならまあ、良いけど。気をつけるんだぞ、失礼のないようにな」
「はい!」
そんなやりとりの後、こちらにやって来た二人に目の前の席に座るように促す。
「座って」
「悪いな、待たせたか?」
「全然大丈夫。瑠璃なんてこの通り、完全に寛いでるし」
「美味しそうでつい」
私は手に持っていたフォークに刺したままのパンケーキを口に運ぼうとして——目の前の彼女に目を向ける。
明らかに凝視している。
つぶらな瞳が明らかにパンケーキを捉えて離さない。
私はフォークをすっと、左へ。すると視線も左へ。右へやればそれに従って右へ。……分かりやすい子だ。
身長は百四十ほどだろうか、見た目からして明らかに歳下。雰囲気や仕草からはそれほど大きな差は感じられないが、しっかりした雰囲気がある。精神的にはしっかりしてそうな印象だ。
ただ、今の動きは見るからに子供っぽかったので、よく分からない。
とりあえず私は手に持っていたフォークをそのまま、彼女の目の前に差し出す。
「食べな」
「え……いいんですか?」
「いいよ」
恐る恐るといった調子で——パクッと食べたその姿は、まるでハムスターを連想させる可愛さ。
はあ……尊い。
「で、いつから他のバンドメンバー探すんだ?」
いつもの昼食時、ご飯を口に運びながらそう言った渚の言葉に、私と双葉は凄まじい衝撃を受けた。
雷に打たれたかのように私達は動きを止め、そして呟く。
「わ、忘れてた……」
「同じく」
「まず、ちゃんと頭回る人を入れた方がいいかもな」
まるで私達がバカみたいな言い方をしてきた渚に、私は一葉さん直伝のグリグリをお見舞いしてやる。
渚の死角に回り込んで、こめかみに拳を当てて——
「いてててっ⁉︎ 一葉さん程じゃないけど痛いっ!」
「私達よりいい頭なら、少しくらいダメージを与えないと不公平」
「なにが不公平だ⁉︎」
「やっちゃえ瑠璃!」
「ぬおおおっ⁉︎」
無理矢理抜け出した渚は息を乱しながら私と向き合う。
「ふっ……いいのか? そんな態度で」
「どういう意味?」
「折角アタシが、知り合いのベーシストを紹介してやろうと思ったのに」
「ごめんなさい渚さま」
「私達が間違ってました」
「教室で土下座をするな!」
私と双葉の土下座を受けて周囲から畏怖の眼差しを受ける渚はたじたじだ。
逆にダメージを受けた様子で、自分の席に着席し溜め息をつく。
「二人はなんつーか……バカだよな」
「失敬な」
「それは瑠璃だけ——」
「双葉だけ——」
「ん?」
「は?」
「息もピッタリ。類が友を呼んだんだな」
「そうなると渚も」
「は?」
「私達三人は仲良しだもんねー」
「……そ、そうだな」
照れてるね、と。双葉とニヤニヤしながら耳の赤い渚を見ていると、内心を悟られまいと誤魔化そうとしてか、ゴホンッと態とらしく咳払いをして、例の話題を振ってくる。
「で、アタシの知り合いなんだけどな」
「ベース歴は?」
「身長は?」
「どんな性格?」
「好きな食べ物は?」
「アタシに訊くな。後で合わせるから本人に訊けばいい。まあ……ただ、な」
妙に歯切れの悪い渚は、私達に申し訳なさそうに言った。
「ちょっと……性格がアレな子でさ」
「アレってどれ」
「怖い感じなの?」
「怖くはないと思うけど、なんていうか……たまに口を滑らせる奴でさ。そのせいで友達もいないんだけど、悪いやつではないんだ」
そう話した渚の表情はどこか物憂げで、その子のことを少なからず良く思っているからこその表情だろう。渚がこう言うのなら、別に断る必要もない。
私は双葉に目を向けると、すぐに目があった。そのまま双葉は頷く。頷いてくれたということは、同じ考えだということだろう。
「うん、会わせて」
「いつにしよっか」
「いいのか? 性格がアレなのに」
「知り合いって言ってるけど、渚の友達でしょ」
「友達の友達は友達って言うしね!」
「いや、その……そうだな」
本当に初々しい反応だ。
照れ屋だな渚は。
「その子って何歳?」
「二つ下だな」
「えっ、そうなんだ! 渚とはどんな関係で友達になったの?」
「ああ、まあ、色々あって、普通に。今は……向こうがどう思ってるかは知らないけど一応、友達かな」
そう言う渚の表情にはなにか別の感情が蠢いていて、色を見ようと目を凝らせば、ゆらっと何か見えたが……捉え切る前に、双葉の言葉に邪魔される。
「渚と仲のいい後輩かぁ、会うのが楽しみだね、瑠璃」
「え? ああ、うん」
「早く会わせてよ渚!」
「分かった分かった。後で確認とってみる」
そうして渚に、ベーシスト候補と会う日の段取りを任せ、私はなんとなくモヤっとした気持ちでお昼休みを過ごした。
そして、その週の土曜日のお昼。
私と双葉は渚からの連絡を受けて、例のベーシストと会うことになり集合していた。
「どんな子だろう」
「凄いロックな感じの人かもよ?」
いつもお世話になっているセレナーデにて、私と双葉は待ちきれずソワソワしていた。
件の相手と渚を待っている訳だが、今は飲み物だけ注文してのんびりまったりタイム。
約束の時間よりも三十分ほど早く来てしまったので、軽い甘味も今、一葉さんに作って貰っている。そろそろ出来る頃だろう。
「ほら、お待たせ」
「待ってました」
一葉さんが持ってきてくれたのはオーソドックスなパンケーキ。
双葉のおすすめということもあって注文してみたのだ。
別の容器に入っているたっぷりのキャラメルソースをかけて、ナイフで一口サイズに切ったそれを口の中に——
——チャリンッ
口の中に入れようとしたまま、音のした扉の方に目を向ける。
そこには双葉と、彼女の後ろにいる背の低い一人の女の子がいた。
辺りをキョロキョロと店内を見まわしたその子は開口一番、
「寂れた感じで、良いところですね」
と、笑顔で言った。
寂れた感じ……え?
ちょっと聞き間違いだろうか。もし聞き間違いでないのなら……いや、雰囲気がある、と言いたかったのか。そうか、それなら仕方ない。
……ちょっと早速だけど心配になってきた。なにがって、一葉さんの機嫌とか。
そっと私はカウンターの奥にいる一葉さんを伺う。
……良かった、聴こえてなかったっぽい。
私は同じように一葉さんの様子を見ていた双葉と安堵の溜め息を溢した。
「コラッ、またお前はそんなこと言って!」
「あ、す、すみません、良い雰囲気ですって意味で! 悪い意味で言ったんじゃないです!」
「ならまあ、良いけど。気をつけるんだぞ、失礼のないようにな」
「はい!」
そんなやりとりの後、こちらにやって来た二人に目の前の席に座るように促す。
「座って」
「悪いな、待たせたか?」
「全然大丈夫。瑠璃なんてこの通り、完全に寛いでるし」
「美味しそうでつい」
私は手に持っていたフォークに刺したままのパンケーキを口に運ぼうとして——目の前の彼女に目を向ける。
明らかに凝視している。
つぶらな瞳が明らかにパンケーキを捉えて離さない。
私はフォークをすっと、左へ。すると視線も左へ。右へやればそれに従って右へ。……分かりやすい子だ。
身長は百四十ほどだろうか、見た目からして明らかに歳下。雰囲気や仕草からはそれほど大きな差は感じられないが、しっかりした雰囲気がある。精神的にはしっかりしてそうな印象だ。
ただ、今の動きは見るからに子供っぽかったので、よく分からない。
とりあえず私は手に持っていたフォークをそのまま、彼女の目の前に差し出す。
「食べな」
「え……いいんですか?」
「いいよ」
恐る恐るといった調子で——パクッと食べたその姿は、まるでハムスターを連想させる可愛さ。
はあ……尊い。
2
青春ガールズバンドストーリー!
お気に入りに追加
3
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

百合系サキュバスにモテてしまっていると言う話
釧路太郎
キャラ文芸
名門零楼館高校はもともと女子高であったのだが、様々な要因で共学になって数年が経つ。
文武両道を掲げる零楼館高校はスポーツ分野だけではなく進学実績も全国レベルで見ても上位に食い込んでいるのであった。
そんな零楼館高校の歴史において今まで誰一人として選ばれたことのない“特別指名推薦”に選ばれたのが工藤珠希なのである。
工藤珠希は身長こそ平均を超えていたが、運動や学力はいたって平均クラスであり性格の良さはあるものの特筆すべき才能も無いように見られていた。
むしろ、彼女の幼馴染である工藤太郎は様々な部活の助っ人として活躍し、中学生でありながら様々な競技のプロ団体からスカウトが来るほどであった。更に、学力面においても優秀であり国内のみならず海外への進学も不可能ではないと言われるほどであった。
“特別指名推薦”の話が学校に来た時は誰もが相手を間違えているのではないかと疑ったほどであったが、零楼館高校関係者は工藤珠希で間違いないという。
工藤珠希と工藤太郎は血縁関係はなく、複雑な家庭環境であった工藤太郎が幼いころに両親を亡くしたこともあって彼は工藤家の養子として迎えられていた。
兄妹同然に育った二人ではあったが、お互いが相手の事を守ろうとする良き関係であり、恋人ではないがそれ以上に信頼しあっている。二人の関係性は苗字が同じという事もあって夫婦と揶揄されることも多々あったのだ。
工藤太郎は県外にあるスポーツ名門校からの推薦も来ていてほぼ内定していたのだが、工藤珠希が零楼館高校に入学することを決めたことを受けて彼も零楼館高校を受験することとなった。
スポーツ分野でも名をはせている零楼館高校に工藤太郎が入学すること自体は何の違和感もないのだが、本来入学する予定であった高校関係者は落胆の声をあげていたのだ。だが、彼の出自も相まって彼の意志を否定する者は誰もいなかったのである。
二人が入学する零楼館高校には外に出ていない秘密があるのだ。
零楼館高校に通う生徒のみならず、教員職員運営者の多くがサキュバスでありそのサキュバスも一般的に知られているサキュバスと違い女性を対象とした変異種なのである。
かつては“秘密の花園”と呼ばれた零楼館女子高等学校もそういった意味を持っていたのだった。
ちなみに、工藤珠希は工藤太郎の事を好きなのだが、それは誰にも言えない秘密なのである。
この作品は「小説家になろう」「カクヨム」「ノベルアッププラス」「ノベルバ」「ノベルピア」にも掲載しております。
セーラー服美人女子高生 ライバル同士の一騎討ち
ヒロワークス
ライト文芸
女子高の2年生まで校内一の美女でスポーツも万能だった立花美帆。しかし、3年生になってすぐ、同じ学年に、美帆と並ぶほどの美女でスポーツも万能な逢沢真凛が転校してきた。
クラスは、隣りだったが、春のスポーツ大会と夏の水泳大会でライバル関係が芽生える。
それに加えて、美帆と真凛は、隣りの男子校の俊介に恋をし、どちらが俊介と付き合えるかを競う恋敵でもあった。
そして、秋の体育祭では、美帆と真凛が走り高跳びや100メートル走、騎馬戦で対決!
その結果、放課後の体育館で一騎討ちをすることに。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる