上 下
72 / 103
第2章

70.

しおりを挟む
 


 私がそう決意してから数日後、クラレンス様の国王即位のパレードの日が決まった。
 それからは、より綿密な計画が練られ、そして私たちは来たる日に向けて出発することとなった。

 パレードが行われる場に直接向かうのは、ウィリアム様、キース、ジェラール、私。
 悪魔を転送する予定のダンジョンに向かうのは、コンドラッド、エルザだ。
 パレードを襲撃するのには、大いに戦闘力が必要となってくる。
 言わずもがな実践向きの私たち4人が向かうこととなった。
 今回の戦いでは私はキースの魔法道具のおかげで、魔法発動に必要な言霊を発する事が出来るようになったので複雑な魔法も使える。
 緊迫した何が起こるか分からない状況では、手数が多い方が有利に働く。
 ダンジョンには魔界への転送に成功しているコンドラッド、その助手としてエルザが行く。
 私とエルザは離れることになってしまったけれど、一応はこちらよりも危険が少ない方に行ってもらえたので良かったと思った。
 それに、コンドラッドは魔力量が少ないと言っても、それは王国魔術団に入るだけの魔力がなかったというだけで魔術師としては一流だ。
 エルザと一緒にいてくれるのであれば何も心配はない。


 そんなこんなで、家を出た私たちは山を下っていた。
 コンドラッドであれば、歩かずとも魔法で移動することも可能だが、それは高度な魔法で体力も魔力も使うため、もしもの時のために温存して歩くことにしたようだった。
 コンドラッドの家からダンジョンは、パレードが行われる王都よりも近いので、パレードの日に十分に間に合うからということもあった。
 それでも対決の日は確実に近づいている。

「なあ、リュカ。そっちの荷物重くないか?俺の方は余裕があるからこっちの渡してくれていいぞ」

 “ありがとう。でも、見た目よりも全然重くないから平気だよ。それよりも、もうすぐ分かれることになっちゃうんだからエルザと話してきたら?”

「………あ、ああ、そうだな。そうするよ………」

 前方を歩いていたウィリアム様が振り返り、私の横につくとそう話しかけてきた。
 私はいつも通りの薬などが入った荷物と剣、それに加えてコンドラッドから渡された魔法道具をいくつか持っている。
 だから、鞄は大きくなってしまったけれど十分に持てる重さだった。

 そう思って、ウィリアム様には大丈夫だと言ったんだけど………
 私の返事を聞いたウィリアム様は少しがっかりしたような声を出すと、私の助言通りエルザの近くへと歩いて行った。
 うーん、逆に悪いことしちゃったのかな。
 ウィリアム様はこの前も荷物を持つことにこだわっていたし、エルザに良いところを見せたかったのかもしれない。
 私は断らない方が良かったのかも。
 でも今後の戦いのことを考えると、ウィリアム様だけに多く負担がかかるのは避けたいし。
 ウィリアム様に協力したいとは思うんだけど、難しいなあ。



「あれはリュカと話したくてそばに行ったみたいだね。でも、あんなことしか聞けないから、勘違いされて追い返されてしまったようだよ」

「そうねえ、やっぱりウィルはヘタレな男なのよ。あの日だってあれだけお膳立てしてあげたって言うのに、結局何も伝えられなかったっていうんだから。もう、見てるこっちがもどかしくてたまらなくなるわ」

「はは、そうだねえ。ウィルは正真正銘のヘタレだよねえ」

「………そんなことは俺が一番分かってる。何とでも言え!」

「え?何の話?僕にも聞かせてよ」

 エルザ達の近くに行き、会話に参加したウィリアム様は何だかふてくされたような顔をしていた。
 ここからだと会話の内容は聞こえないけれど、いつもみたいにウィリアム様の事を2人でからかっているみたいだ。
 そこに興味津々という感じのコンドラッドが加わって、さらにウィリアム様はうんざりといった表情になった。
 でも、楽しそうな様子が伝わってきて、本当に気の置けない仲間になったんだなと嬉しく思いながらそんな様子を離れたところから眺めていた。

「まったく、緊張感の欠片もありませんね。これからどういうところに向かっていくのか分かっているのでしょうか」

 “あはは、みんないつも通りだね。でも、こんなときだからこそ暗くなるよりも、笑い合える方が良いんじゃないかな!”

「……それもそうですね」

 ジェラールは私の言葉を聞いて苦笑した。
 ジェラールがそんなみんなの様子を呆れたように眺めているのも、いつも通りのことだ。
 いつも通りということがどれだけ幸せなことか、と考えてしまう。

 みんな、この先が危険な状況になるであろうことは分かっている。
 もしかしたら……なんてことがあるかもしれないことも。
 こんな風にみんなで笑い合うことすら出来なくなってしまう可能性だってある。
 それでも、その可能性をしっかりと考えて受け止めた上で、この当たり前の日々が再び訪れることを信じて疑わない。
 この先、本当にどうなるかなんて誰にも分からないけれど、そんな日々を心から願っていた。



 ***



「それじゃあ、ここでしばらくの別れだね。エルザ、気をつけるんだよ。コンドラッドはやせの大食いだから、つられて一緒に食べすぎて太ったなんてことにならないようにするんだよ」

「な!?失礼ね!そんなことになんてならないわよ!」

「キースさん。女性にそういったことを言うのはマナー違反ですよ」

「エルザ、美味しいものいっぱい食べようね!」

 山のふもとにたどり着き、二手に分かれる道の前まで来た。
 隣国の王都へ行くには右の道へ、ダンジョンに向かうには左の道へ進む。
 いよいよ作戦が始まり出すんだという感覚が身に染みた。
 でも、別れが暗い雰囲気になることはなかった。
 作戦とは全く関係のないことで盛り上がっていた。
 ふふ、こんな時でもみんなが気負いすぎないで話せるなんて、心が通じ合っている証拠なんだろうな。
 皆の顔には笑みが宿っていた。



「リュカ!」

 不意にエルザがそのはきはきとした元気の良い声で私を呼んだ。
 やっぱりエルザからも不安なんてものは感じられない。
 ずっと見慣れてきた強気な笑顔だった。
 だけど、この笑顔もしばらくは見られなくなってしまうのか。

 私がリュカとして生きてきてから今まで、片時もエルザと離れることはなかった。
 いつも一緒にそばにいてくれた。
 それが、こんなに長く離れることになるなんて。
 いつかは来る別れの時はエルザの邪魔にならないようにいなくなろう、なんて考えたことはあったけれど、本当にそんなことになった時のことを私がちゃんと考えていなかったことが今わかった。
 私はエルザと分かれるというこの状況に、酷く動揺していた。

 エルザは………私は大丈夫だろうか。
 そんなことが私の頭をよぎった。
 私の顔には不安の色が浮かんでしまっていたのかもしれない。
 エルザは私の顔を見ると優しく微笑んで、私の両頬をぐにぐにとひっぱった。

「そんな顔しなくても大丈夫よ。周りをみてごらんなさい。ここには私たち2人だけじゃないのよ。頼もしい仲間がいるじゃない。きっとうまくいくわ」

 “………そうだね”

 私なんかよりもずっと頼りになる人達がこんなにいるのだから、心配なことは何もない。
 そんなことは頭では分かっている。
 分かってはいるのだけれど、エルザともう2度と会えないかもしれないとどうしても考えてしまう。

 肯定の返事をしていても、心の中でそう思っていた私の不安を感じ取ったのか、エルザは自分の胸元に手をかけ、首に掛かっていたペンダントを外した。
 それは、私がエルザと出会ってすぐの頃、彼女に渡した赤い宝玉のペンダントだった。
 私が、エリザベートだった頃にウィリアム様に貰ったものでもある。
 エルザは外したペンダントを大事そうに指でなぞると、私の手を取ってペンダントごと包み込んだ。

「このペンダントはあなたに預けておくわ。これ、私にとってとても大切なものなの。ちゃんと次に会ったときにあなたの手で私に渡してね」

 エルザの手から私の手にじんわりと温かさが伝わる。
 きっと、エルザも心のどこかには不安を抱えているのだろう。
 それでも、エルザは分かれて何があったとしても、また会えることを疑っていなかった。
 そして、私を安心させようとして守らなければいけない約束を作ってくれた。
 私とエルザが無事に再び会えるようにと。

 私はエルザから受け取ったペンダントを自分の首にかける。
 宝玉が胸に当たる感覚がとても懐かしかった。
 優しい表情で私を見ていたエルザに、私は約束を絶対に守ると力強く頷いた。



「それじゃあ、そろそろ行くとするか。そっちも気をつけてね。まあ、何かあってもこの“電話”を使って連絡すれば良いから大丈夫なんだけどね」

 コンドラッドとの最後の打ち合わせが終わったキースが、みんなにそう声をかけた。
 キースの言う“電話”という魔法道具は、前にキースがコンドラッドと連絡を取った時や、ダンジョンで皆が離ればなれになったときに使った魔法道具を改良したものだ。
 キースとコンドラッドが何か作っているなと思っていたら、こんな凄いものを短期間で作ってしまっていた。
 遠くにいる人とも話が出来る魔法道具で、電気魔法式遠距離会話装置、略して“電話”だそうだ。
 魔力や魔法石を使わなくてはいけないから頻繁に使うことはできないけど、信じられないほど便利な道具だ。
 こんなものまで作ってしまうなんて、本当にこの人たちがいれば何でもうまくいくような気がしてきた。
 私たちは笑顔で手を振ってから分かれ道を歩み出した。

「あ、そうだリュカ」

 隣国へ向かう道で一番後ろを歩いていた私を、コンドラッドが呼び止めた。
 キースたちはその様子に気がついていないみたいだ。
 コンドラッドは私に近づくと私の両肩に手を置き、真剣な表情で口を開いた。

「………キースのこと頼んだよ」

 そう言ったコンドラッドは重く頷くと、そのままもう一方の道へと進んでいった。
 コンドラッドの声には、キースのことを心配している気持ちがにじみ出ていた。
 いつも飄々として余裕ぶった態度を取っているキースが取り乱すことなんてほとんどない。
 でも唯一の例外は、悪魔が直接的に絡んだときだ。
 彼の様子からはそんな徴候は全く感じられなかったが、長い付き合いのコンドラッドが言っているのだからそうなのかもしれない。

 今まで、キースにはこの短い間に何度も助けられてきた。
 私はキースにまだ恩を返しきれていない。
 キースに何か起こったときは、私が必ず助けになろう。
 私は先を進む彼のどこか寂しそうなその背中を追いかけながら、そんなことを考えていた。



しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

捨てられた王子

もふっとしたクリームパン
恋愛
*『拾われた令嬢』と同じ世界観、ふわっとしてます。そちらも読んで頂けるとより楽しんで頂けると思います。 「私、王太子ダルダ・クニスキンは、婚約者であるメルシア・ソロシアンとの婚約を破棄する事をここで宣言しよう!」  本日は、煌びやかな卒業パーティー。そこに華やかに着飾る黒髪のモナと共に入場し、私は皆に告げる。 「そして、私はこの愛するモナ・ドドイナカと結婚する。以上だ、さぁ卒業パーティーを楽しもうじゃないか」  静まり返る周囲に構うことなく、私はモナとフロアの中央を陣取る。ファーストダンスだ。モナと踊る事を楽しみにしていたのだが、なかなか音楽が始まらない。側近達に視線を送れば、ようやく音楽が流れだし、軽やかなステップで私達は踊り始めた。  気後れでもしているのか、私達に続いて踊り出す者はいなかった。だがそれも無理もない話だ。こんなにも可愛らしいモナと王太子である私、ダルダが踊っているのだからな。例え踊る者がいたとしても、私達が皆の視線を集めてしまい、目にされもしないだろう。  視界の端に元婚約者の姿が見えた気がしたが、愛するモナ以外と踊る気はなかった。私は真実の愛を見つけたのだ、さらばだメルシア。 *見切り発車の為、矛盾が出てくるかもしれません。見つけ次第修正します。 *本編10話と登場人物紹介(本編後のメモ書きあり)で完結。*『捨てられた王子と拾われた令嬢』としてアルファポリス様にも投稿しています。内容は変わりません。 随時、誤字修正と読みやすさを求めて試行錯誤してますので行間など変更する場合があります。 拙い作品ですが、どうぞよろしくお願いします。

どうして私にこだわるんですか!?

風見ゆうみ
恋愛
「手柄をたてて君に似合う男になって帰ってくる」そう言って旅立って行った婚約者は三年後、伯爵の爵位をいただくのですが、それと同時に旅先で出会った令嬢との結婚が決まったそうです。 それを知った伯爵令嬢である私、リノア・ブルーミングは悲しい気持ちなんて全くわいてきませんでした。だって、そんな事になるだろうなってわかってましたから! 婚約破棄されて捨てられたという噂が広まり、もう結婚は無理かな、と諦めていたら、なんと辺境伯から結婚の申し出が! その方は冷酷、無口で有名な方。おっとりした私なんて、すぐに捨てられてしまう、そう思ったので、うまーくお断りして田舎でゆっくり過ごそうと思ったら、なぜか結婚のお断りを断られてしまう。 え!? そんな事ってあるんですか? しかもなぜか、元婚約者とその彼女が田舎に引っ越した私を追いかけてきて!? おっとりマイペースなヒロインとヒロインに恋をしている辺境伯とのラブコメです。ざまぁは後半です。 ※独自の世界観ですので、設定はゆるめ、ご都合主義です。

結婚結婚煩いので、愛人持ちの幼馴染と偽装結婚してみた

夏菜しの
恋愛
 幼馴染のルーカスの態度は、年頃になっても相変わらず気安い。  彼のその変わらぬ態度のお陰で、周りから男女の仲だと勘違いされて、公爵令嬢エーデルトラウトの相手はなかなか決まらない。  そんな現状をヤキモキしているというのに、ルーカスの方は素知らぬ顔。  彼は思いのままに平民の娘と恋人関係を持っていた。  いっそそのまま結婚してくれれば、噂は間違いだったと知れるのに、あちらもやっぱり公爵家で、平民との結婚など許さんと反対されていた。  のらりくらりと躱すがもう限界。  いよいよ親が煩くなってきたころ、ルーカスがやってきて『偽装結婚しないか?』と提案された。  彼の愛人を黙認する代わりに、贅沢と自由が得られる。  これで煩く言われないとすると、悪くない提案じゃない?  エーデルトラウトは軽い気持ちでその提案に乗った。

彼女にも愛する人がいた

まるまる⭐️
恋愛
既に冷たくなった王妃を見つけたのは、彼女に食事を運んで来た侍女だった。 「宮廷医の見立てでは、王妃様の死因は餓死。然も彼が言うには、王妃様は亡くなってから既に2、3日は経過しているだろうとの事でした」 そう宰相から報告を受けた俺は、自分の耳を疑った。 餓死だと? この王宮で?  彼女は俺の従兄妹で隣国ジルハイムの王女だ。 俺の背中を嫌な汗が流れた。 では、亡くなってから今日まで、彼女がいない事に誰も気付きもしなかったと言うのか…? そんな馬鹿な…。信じられなかった。 だがそんな俺を他所に宰相は更に告げる。 「亡くなった王妃様は陛下の子を懐妊されておりました」と…。 彼女がこの国へ嫁いで来て2年。漸く子が出来た事をこんな形で知るなんて…。 俺はその報告に愕然とした。

9番と呼ばれていた妻は執着してくる夫に別れを告げる

風見ゆうみ
恋愛
幼い頃から言いたいことを言えずに、両親の望み通りにしてきた。 結婚だってそうだった。 良い娘、良い姉、良い公爵令嬢でいようと思っていた。 夫の9番目の妻だと知るまでは―― 「他の妻たちの嫉妬が酷くてね。リリララのことは9番と呼んでいるんだ」 嫉妬する側妃の嫌がらせにうんざりしていただけに、ターズ様が側近にこう言っているのを聞いた時、私は良い妻であることをやめることにした。 ※最後はさくっと終わっております。 ※独特の異世界の世界観であり、ご都合主義です。 ※誤字脱字など見直して気を付けているつもりですが、やはりございます。申し訳ございません。教えていただけますと有り難いです。

愛された側妃と、愛されなかった正妃

編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。 夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。 連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。 正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。 ※カクヨムさんにも掲載中 ※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります ※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。

悪役令息、拾いました~捨てられた公爵令嬢の薬屋経営~

山夜みい
恋愛
「僕が病気で苦しんでいる時に君は呑気に魔法薬の研究か。良いご身分だな、ラピス。ここに居るシルルは僕のために毎日聖水を浴びて神に祈りを捧げてくれたというのに、君にはがっかりだ。もう別れよう」 婚約者のために薬を作っていたラピスはようやく完治した婚約者に毒を盛っていた濡れ衣を着せられ、婚約破棄を告げられる。公爵家の力でどうにか断罪を回避したラピスは男に愛想を尽かし、家を出ることにした。 「もううんざり! 私、自由にさせてもらうわ」 ラピスはかねてからの夢だった薬屋を開くが、毒を盛った噂が広まったラピスの薬など誰も買おうとしない。 そんな時、彼女は店の前で倒れていた男を拾う。 それは『毒花の君』と呼ばれる、凶暴で女好きと噂のジャック・バランだった。 バラン家はラピスの生家であるツァーリ家とは犬猿の仲。 治療だけして出て行ってもらおうと思っていたのだが、ジャックはなぜか店の前に居着いてしまって……。 「お前、私の犬になりなさいよ」 「誰がなるかボケェ……おい、風呂入ったのか。服を脱ぎ散らかすな馬鹿!」 「お腹空いた。ご飯作って」 これは、私生活ダメダメだけど気が強い公爵令嬢と、 凶暴で不良の世話焼きなヤンデレ令息が二人で幸せになる話。

勘当されたい悪役は自由に生きる

雨野
恋愛
 難病に罹り、15歳で人生を終えた私。  だが気がつくと、生前読んだ漫画の貴族で悪役に転生していた!?タイトルは忘れてしまったし、ラストまで読むことは出来なかったけど…確かこのキャラは、家を勘当され追放されたんじゃなかったっけ?  でも…手足は自由に動くし、ご飯は美味しく食べられる。すうっと深呼吸することだって出来る!!追放ったって殺される訳でもなし、貴族じゃなくなっても問題ないよね?むしろ私、庶民の生活のほうが大歓迎!!  ただ…私が転生したこのキャラ、セレスタン・ラサーニュ。悪役令息、男だったよね?どこからどう見ても女の身体なんですが。上に無いはずのモノがあり、下にあるはずのアレが無いんですが!?どうなってんのよ!!?  1話目はシリアスな感じですが、最終的にはほのぼの目指します。  ずっと病弱だったが故に、目に映る全てのものが輝いて見えるセレスタン。自分が変われば世界も変わる、私は…自由だ!!!  主人公は最初のうちは卑屈だったりしますが、次第に前向きに成長します。それまで見守っていただければと!  愛され主人公のつもりですが、逆ハーレムはありません。逆ハー風味はある。男装主人公なので、側から見るとBLカップルです。  予告なく痛々しい、残酷な描写あり。  サブタイトルに◼️が付いている話はシリアスになりがち。  小説家になろうさんでも掲載しております。そっちのほうが先行公開中。後書きなんかで、ちょいちょいネタ挟んでます。よろしければご覧ください。  こちらでは僅かに加筆&話が増えてたりします。  本編完結。番外編を順次公開していきます。  最後までお付き合いいただき、ありがとうございました!

処理中です...