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エリザベート嬢はあきらめない
厨房の秘密
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ドリミア学園の生徒会長が、リアム・ノイズからアルベール・ロレーヌに変わった頃、1人の幹部職員が、国の宰相(さいしょう)セザール・エドモンドの推薦で採用されている。
名前をフレイル・アローンという。彼は自分が採用されてすぐに、自分と反りが合わない食堂の責任者を解雇した。
そして自分の知り合いを、新しい食堂の責任者として採用した。名前をオーバン・フランチェスという。
オーバンが採用されてすぐに、シェフも変わっている。
学園長をはじめ、生徒達にも人気があったシェフで、名前をカルロス・ディーンという。
彼は「病気の妻と一緒に隣国にある療養所で過したいから」という理由で退職してしまった。
退職を決めるひと月ほど前にカルロスは、フレイルとオーバンに、とんでもない事を言われていた。
『食材の発注先を変えたよ』
今の発注先は、カルロスが全国を食べ歩いた時に見つけた、極上の食材業者だった。
その食材業者の主人は、生まれながらに、植物を育てたり、家畜を育てる才能があり、それに必要な魔力も持っていた。
カルロスは彼の作る食材の味に惚れ込み、学園の厨房に食材を入れてくれるように、お願いをしたのだ。
その仕入れ先の食材の質の高さと、カルロスの料理人としての才能のおかげで、学園の食堂の料理の美味しさは評判になり、ドリミア学園の自慢の1つに挙げられる程になったのだ。
それなのに発注先を変えた?
どこに?
自分に何の相談もなく?
「新しい発注先はフレイル様の知り合いの業者だ。前の発注先には私から連絡しておいたよ。君には事後報告になってしまって申し訳なかったが」
新しい食堂の責任者オーバンは、そんな重大なことをサラリと言ってのけた。
なんと言うことか。
この厨房のシェフは私だ。
たとえ食堂の責任者といえども、食材や料理の内容への口出しは許せない。
しかし、本当にカルロスを驚かせ憤らせるのは、これから語られる内容だった。
「今日から、この袋を利用する事になった」
そう言ってオーバンに渡されたのは、2つの魔法の収納カバンだった。
魔法の収納カバンは食材の収納保管場所として利用されていた。その中では、材料の新鮮度は保たれ、肉類も傷むことはない。
「注文した生徒の身分によって、食材を変える事になった。
『侯爵家以上のご子息やご息女用の食材カバンは赤』
『その他の生徒の食材カバンは緑』
厨房に注文の連絡が来る時に、取り出すカバンの色を指定するので、調理場では、何の問題もないはずだ。
調理方法は『赤』『緑』とも同じにするのだ。味を出来るだけ近づけて欲しい。
君のような一流のシェフが調理すれば、どのようなレベルの食材も、高級食材を使った料理と同じくらい美味しくなると聞いている。
生徒達から料理の味についての文句が出ないように、しっかりと調理して欲しい。」
カルロスは何を言われたのか理解できなかった。生徒によって食材を使い分ける?
味がわかりそうな高位貴族の子女にだけ、今まで通りのレベルの食材を使って料理を提供する?
他の生徒にはレベルを下げた食材を使った料理を提供する?
食材のレベルを下げて浮いたコストを、自分達で山分けする?
なんと姑息なゲス野郎どもなんだ!
学園の幹部職員が聞いてあきれる。それにこのオーバンという男。こんな人物が食堂の責任者になっていたとは・・
天下のドリミア学園も終わりだな。
カルロスは驚き過ぎて、反論もできなかった。
調理場の専門魔法はとても便利に出来ている。
どちらかの色のボタンを押すだけで、そのカバンから『その生徒が注文した料理に必要な材料』が、すぐに調理できる状態で現れるのだ。
『調理』には魔法を使わない。それがこの世界の基本のスタイルだ。
『調理』以外は、働く料理人それぞれが、便利に魔力を使っている。
後片付けなどは、魔法を使うのでアッという間に出来る。
食堂では専門的な魔法によって、注文と同時に支払いが出来るようになっている。
注文時に生徒の名前と支払い者の名前(殆どの場合が親の名前)が分かる。親の身分をここで確認できるのだ。
どちらのカバンから食材を取り出すかは、この注文時に判断され、わかりやすく表示さる。
材料費は以前のままの金額を報告して、レベルを下げて出た差額を、自分達の懐に入れようという計画のようだ。
彼らは用意周到で、先生や生徒会役員から注文があった時には、今までどおりの高級食材を使った料理を届ける予定のようだ。
その悪巧みの仲間に入らないかと、誘われたのだ。
カルロスは彼らの依頼を断った。そして、その数日後に、妻が病に倒れた。
先日までピンピンしていた明るい元気な妻が、急に倒れて寝たきりになったのだ。フレイルとオーバンが、何かした可能性がある。
「奥さんの病気のために、隣国で最高の療養所を紹介しよう」
フレイルはカルロスに、多額の退職金と一緒に療養先まで紹介した。
よほど、彼に国から出て行って欲しかったのだろう。
カルロスは、フレイルが宰相セザールの推薦で、学園に入ってきた事を知っていた。
王国の宰相まで絡んでいては、自分が太刀打ち出来るはずがない。
カルロスは、多額の退職金と一緒に療養先まで紹介してくれるという話を、受ける事にしたのだ。
家族を守るためにだった。これ以上、妻を巻き込みたくはなかったのだ。
しかし、実は、宰相のセザールはこの汚職には全く関与していなかった。
自分が推薦して採用した人物が、このような姑息な犯罪を考えているとは、思いもしなかった。
ただ、彼は、新しい発注先の業者から接待を受け、多額の賄賂を受けとり、食堂の責任者に愛人を紹介されただけだった。まったく、馬鹿なエロ親父だ。
「何処にいても料理は出来る」
カルロスは、妻の身体を治して、新たな人生を歩む決意をしたのだった。
それから数ヶ月後に、エリザベートがドリミア学園に入学してきたのだ。
そして、食材の品質低下の事を知った生徒会長アルベールにより、調査が進んでいったのだ。
アルベールの報告を受けて、学園長はすぐに動いた。学園長からの連絡は宰相セザールの耳にも入った。
アルベールは正確に汚職を把握していた。けれど、幹部職員のフレイルと宰相セザールの関係だけは、残念ながら掴めていなかったのだ。
学園長から汚職の事を聞かされた宰相セザールは、フレイルとオーバンを問い詰めた。
しかし、逆に賄賂のことなどで脅されてしまう。
「そのまま犯罪に関わった者を泳がせておいて欲しい」
セザールは、この事件は大きな事件との繋がりあるから、あとの事は国に任せて欲しいと学園長に話した。
学園長はアルベールの調査を止めた。
勿論、大きな事件との繋がりなど全くない。
食堂の責任者、オーバン・フランチェスは、この少し前から更なる悪巧みを考えて、すでに取り掛かっている。
厨房に1人の女性スタッフがいる。彼女はスラリとしたスタイルで、清潔感のある料理人で、名前をエレナという。
彼女は以前からこの厨房で働いている真面目な従業員だ。
彼女は魅了の魔法が使える。けれど、彼女自身に自覚はなかった。
彼女の能力に気がついたオーバンは、宰相(さいしょう)セザールに彼女を紹介したのだ。
彼女には、宰相様の接待をするように申し付けていた。
魅了の魔法は、本人が好意を持って欲しいと、願った相手にしか通じない。
だから、今まで気付かれずにきたのだ。
エレナは人と接するのが苦手だったので、あまり友人もいなかった。
オーバンは巧みにエレナが宰相セザールに興味を持つように仕向けていった。
そして、もし、セザールを誘惑する事が出来たら、彼女に自分のアシスタントの地位を与えると言ったのだ。
エレナはセザールに近づいた。
そして、アッという間に彼を虜にして、愛人としての地位を手に入れた。
食堂で責任者のアシスタントとして働きながら、週末には宰相セザールがくれた屋敷に帰っていく。そんな生活が続いていた。
エレナはだんだん自分が特別な存在だと考えるようになっていった。
オーバンの考えに毒されていった。
そして、その気になれば誰でも自分の虜に出来るのだと考えるようになっていった。
しかし、オーバンには魅了魔法をかける事は出来ない。「オーバンには魅了魔法をかけない」と「魔法契約」をしたのだ。
そんなある日、オーバンはエレナに生徒会長のアルベール・ロレーヌを、自分の虜に出来るかと尋ねた。
「オーバンさん、私に出来ないと思いますか?あの人気者の生徒会長、アルベール・ロレーヌが、私の虜になると考えるだけでワクワクするわ」
「これで、あのアルベール会長も我々の仲間になったようなものだな」
それから数日後にエレナは動いた。
名前をフレイル・アローンという。彼は自分が採用されてすぐに、自分と反りが合わない食堂の責任者を解雇した。
そして自分の知り合いを、新しい食堂の責任者として採用した。名前をオーバン・フランチェスという。
オーバンが採用されてすぐに、シェフも変わっている。
学園長をはじめ、生徒達にも人気があったシェフで、名前をカルロス・ディーンという。
彼は「病気の妻と一緒に隣国にある療養所で過したいから」という理由で退職してしまった。
退職を決めるひと月ほど前にカルロスは、フレイルとオーバンに、とんでもない事を言われていた。
『食材の発注先を変えたよ』
今の発注先は、カルロスが全国を食べ歩いた時に見つけた、極上の食材業者だった。
その食材業者の主人は、生まれながらに、植物を育てたり、家畜を育てる才能があり、それに必要な魔力も持っていた。
カルロスは彼の作る食材の味に惚れ込み、学園の厨房に食材を入れてくれるように、お願いをしたのだ。
その仕入れ先の食材の質の高さと、カルロスの料理人としての才能のおかげで、学園の食堂の料理の美味しさは評判になり、ドリミア学園の自慢の1つに挙げられる程になったのだ。
それなのに発注先を変えた?
どこに?
自分に何の相談もなく?
「新しい発注先はフレイル様の知り合いの業者だ。前の発注先には私から連絡しておいたよ。君には事後報告になってしまって申し訳なかったが」
新しい食堂の責任者オーバンは、そんな重大なことをサラリと言ってのけた。
なんと言うことか。
この厨房のシェフは私だ。
たとえ食堂の責任者といえども、食材や料理の内容への口出しは許せない。
しかし、本当にカルロスを驚かせ憤らせるのは、これから語られる内容だった。
「今日から、この袋を利用する事になった」
そう言ってオーバンに渡されたのは、2つの魔法の収納カバンだった。
魔法の収納カバンは食材の収納保管場所として利用されていた。その中では、材料の新鮮度は保たれ、肉類も傷むことはない。
「注文した生徒の身分によって、食材を変える事になった。
『侯爵家以上のご子息やご息女用の食材カバンは赤』
『その他の生徒の食材カバンは緑』
厨房に注文の連絡が来る時に、取り出すカバンの色を指定するので、調理場では、何の問題もないはずだ。
調理方法は『赤』『緑』とも同じにするのだ。味を出来るだけ近づけて欲しい。
君のような一流のシェフが調理すれば、どのようなレベルの食材も、高級食材を使った料理と同じくらい美味しくなると聞いている。
生徒達から料理の味についての文句が出ないように、しっかりと調理して欲しい。」
カルロスは何を言われたのか理解できなかった。生徒によって食材を使い分ける?
味がわかりそうな高位貴族の子女にだけ、今まで通りのレベルの食材を使って料理を提供する?
他の生徒にはレベルを下げた食材を使った料理を提供する?
食材のレベルを下げて浮いたコストを、自分達で山分けする?
なんと姑息なゲス野郎どもなんだ!
学園の幹部職員が聞いてあきれる。それにこのオーバンという男。こんな人物が食堂の責任者になっていたとは・・
天下のドリミア学園も終わりだな。
カルロスは驚き過ぎて、反論もできなかった。
調理場の専門魔法はとても便利に出来ている。
どちらかの色のボタンを押すだけで、そのカバンから『その生徒が注文した料理に必要な材料』が、すぐに調理できる状態で現れるのだ。
『調理』には魔法を使わない。それがこの世界の基本のスタイルだ。
『調理』以外は、働く料理人それぞれが、便利に魔力を使っている。
後片付けなどは、魔法を使うのでアッという間に出来る。
食堂では専門的な魔法によって、注文と同時に支払いが出来るようになっている。
注文時に生徒の名前と支払い者の名前(殆どの場合が親の名前)が分かる。親の身分をここで確認できるのだ。
どちらのカバンから食材を取り出すかは、この注文時に判断され、わかりやすく表示さる。
材料費は以前のままの金額を報告して、レベルを下げて出た差額を、自分達の懐に入れようという計画のようだ。
彼らは用意周到で、先生や生徒会役員から注文があった時には、今までどおりの高級食材を使った料理を届ける予定のようだ。
その悪巧みの仲間に入らないかと、誘われたのだ。
カルロスは彼らの依頼を断った。そして、その数日後に、妻が病に倒れた。
先日までピンピンしていた明るい元気な妻が、急に倒れて寝たきりになったのだ。フレイルとオーバンが、何かした可能性がある。
「奥さんの病気のために、隣国で最高の療養所を紹介しよう」
フレイルはカルロスに、多額の退職金と一緒に療養先まで紹介した。
よほど、彼に国から出て行って欲しかったのだろう。
カルロスは、フレイルが宰相セザールの推薦で、学園に入ってきた事を知っていた。
王国の宰相まで絡んでいては、自分が太刀打ち出来るはずがない。
カルロスは、多額の退職金と一緒に療養先まで紹介してくれるという話を、受ける事にしたのだ。
家族を守るためにだった。これ以上、妻を巻き込みたくはなかったのだ。
しかし、実は、宰相のセザールはこの汚職には全く関与していなかった。
自分が推薦して採用した人物が、このような姑息な犯罪を考えているとは、思いもしなかった。
ただ、彼は、新しい発注先の業者から接待を受け、多額の賄賂を受けとり、食堂の責任者に愛人を紹介されただけだった。まったく、馬鹿なエロ親父だ。
「何処にいても料理は出来る」
カルロスは、妻の身体を治して、新たな人生を歩む決意をしたのだった。
それから数ヶ月後に、エリザベートがドリミア学園に入学してきたのだ。
そして、食材の品質低下の事を知った生徒会長アルベールにより、調査が進んでいったのだ。
アルベールの報告を受けて、学園長はすぐに動いた。学園長からの連絡は宰相セザールの耳にも入った。
アルベールは正確に汚職を把握していた。けれど、幹部職員のフレイルと宰相セザールの関係だけは、残念ながら掴めていなかったのだ。
学園長から汚職の事を聞かされた宰相セザールは、フレイルとオーバンを問い詰めた。
しかし、逆に賄賂のことなどで脅されてしまう。
「そのまま犯罪に関わった者を泳がせておいて欲しい」
セザールは、この事件は大きな事件との繋がりあるから、あとの事は国に任せて欲しいと学園長に話した。
学園長はアルベールの調査を止めた。
勿論、大きな事件との繋がりなど全くない。
食堂の責任者、オーバン・フランチェスは、この少し前から更なる悪巧みを考えて、すでに取り掛かっている。
厨房に1人の女性スタッフがいる。彼女はスラリとしたスタイルで、清潔感のある料理人で、名前をエレナという。
彼女は以前からこの厨房で働いている真面目な従業員だ。
彼女は魅了の魔法が使える。けれど、彼女自身に自覚はなかった。
彼女の能力に気がついたオーバンは、宰相(さいしょう)セザールに彼女を紹介したのだ。
彼女には、宰相様の接待をするように申し付けていた。
魅了の魔法は、本人が好意を持って欲しいと、願った相手にしか通じない。
だから、今まで気付かれずにきたのだ。
エレナは人と接するのが苦手だったので、あまり友人もいなかった。
オーバンは巧みにエレナが宰相セザールに興味を持つように仕向けていった。
そして、もし、セザールを誘惑する事が出来たら、彼女に自分のアシスタントの地位を与えると言ったのだ。
エレナはセザールに近づいた。
そして、アッという間に彼を虜にして、愛人としての地位を手に入れた。
食堂で責任者のアシスタントとして働きながら、週末には宰相セザールがくれた屋敷に帰っていく。そんな生活が続いていた。
エレナはだんだん自分が特別な存在だと考えるようになっていった。
オーバンの考えに毒されていった。
そして、その気になれば誰でも自分の虜に出来るのだと考えるようになっていった。
しかし、オーバンには魅了魔法をかける事は出来ない。「オーバンには魅了魔法をかけない」と「魔法契約」をしたのだ。
そんなある日、オーバンはエレナに生徒会長のアルベール・ロレーヌを、自分の虜に出来るかと尋ねた。
「オーバンさん、私に出来ないと思いますか?あの人気者の生徒会長、アルベール・ロレーヌが、私の虜になると考えるだけでワクワクするわ」
「これで、あのアルベール会長も我々の仲間になったようなものだな」
それから数日後にエレナは動いた。
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