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第一章
第二の召喚:前編
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私は今日も仕事が終わり、明かりがついていない部屋へと帰宅すると、深いため息をついた。
疲れた体を引きずり、今日あった事をタクミに報告する。
「ねぇ……タクミ。今日は新しい仕事を任されたんだ。えへへ、新人の中で私だけなんだよ……すごいでしょ?」
シーンと静まり帰った部屋の中、もちろん返事は返ってこない。
私は寂しさを堪え、徐に立ち上がると、軽い眩暈に襲われた。
どうもあのへんな夢を見てから、体調がおかしい。
私はデスクワークで疲れた目に、水で濡らしたハンカチをのせると、ドサッとソファーへと寝そべった。
ソファー横になった瞬間……またあの不快感に襲われる。
頭がガンガンと痛み始めたかと思うと、脳がゆらゆらと揺れ始める。
うぅっ……またこれ……。
私は必死にソファーへ手をつくと、ゆっくりと体を持ち上げた。
ダメ……このまま意識を飛ばしちゃたら……また……あの変な夢を見るかもしれない……。
私は必死に頭を押さえ、薄っすら目を開けると部屋が不自然に歪んでいく。
なに……これ……。
私は覚束ない足取りながらも、何とかソファーから立ち上がると、頭の痛みが更にひどくなっていった。
胸やけするような気持ち悪さに襲われ、視界が霞んでいく。
次第に体から変な汗が流れだすと、ペタペタとワイシャツが肌に張り付いていった。
私は一度深く瞳を閉じると、喉から上がってくる異物を必死に飲み込んだ。
(あまり抵抗しないほうがよろしいかと……)
ふと男の声が耳に届いた。
(そのまま抵抗を続けるようでしたら、その場所に囚われてしまいますよ……)
頭の中に響くその言葉に、恐る恐る目を開けてみると……そこは私の部屋ではない、マーブル模様の不思議な空間が映し出された。
「いやぁ!!!!何なのよ……これ……!!!」
その叫び声を上げた瞬間、私の意識は薄れていった。
ハッと目を覚ますと、先ほどまで感じていた、嗚咽感や不快感はきれいさっぱりなくなっていた。
ここは……?
私はゆっくりと体を起こし辺りをぐるりと見渡すと、綺麗に整頓されたシンプルな部屋が映る。
見たこともない部屋を呆然と眺めていると、狭く質素な部屋のドアが、ギギギッと音を立てながらゆっくりと開いた。
「おはようございます、異世界のお姫様」
異世界の姫……?
私は声の主へ視線を向けると、そこにはあの夢の中で見た、優しそうな精悍な顔立ちに、プラチナの長い髪の男が佇んでいた。
「あなたは……あの時の……」
「ふふっ、覚えて頂けて光栄です」
「あなたが私を呼んだの……?」
男は爽やかな笑みを浮かべると、深く頷いた。
「どうして……、どうしてなの?……早く戻して!」
「それはまた後程。先に味見をさせてもらわないと……」
男は仮面のような笑顔を張り付けたまま、私をじっと見つめると、どこからか杖を取り出した。
杖……?
物語登場する魔法使いが持っていそうな木でできた長い杖を、男は徐に掲げた。
すると杖の周辺から蔓のようなものがニョキニョキニョキと現れ始める。
なに……何のよ、これ……!
私は異様な光景に、唇ををわなわなと震わせていると、笑みを深めた男と視線が絡んだ。
その瞬間、蔓が私の方へと勢いよく向かってきたかと思うと、私の手首、足首に巻き付いていく。
「ぃやぁっ、なんなのよ、これ……!」
私は必死に蔓を外そうと、もがけばもがくほど、蔓はどんどん私の体に絡みついていく。
次第に身動きが取れなくなり、見る見るうちに私の体は蔓に吊るしあげられた。
「先に捕まえてしまわないと、あなたはすぐに、逃げ出そうとしますからね……」
男は悠々とした様子で、一歩一歩こちらへ近づいてくると、蔓に吊るされた私の前で立ち止まった。
「今日は……この前のような服ではないのですね……」
男は興味深そうに私の服へ視線を向ける中、徐に腕を持ち上げると、私の黒いブレザーに手を伸ばす。
ブレザーのボタンを外し、その下にある真っ白なワイシャツへと視線を向けると、深くため息をついた。
「なんだか……とても脱がし辛そうですね……」
男の言葉に私は必死に抵抗しながら、目の前に佇む男を無言で睨みつける。
「ふふ、その表情……とってもいいですね。……歪ませてみたくなる」
男は私のYシャツのボタンを外し始めると、張り付けていた笑みが少し崩れた。
「はぁ……面倒ですね……蔓に任せましょうか」
男はボソッと呟くと、高く杖を掲げた。
すると私に巻き付いていた蔓たちがモゾモゾと動き始める。
「なっ……何……なんなのよ!!!」
蔓は手首と足首を捕えたまま、ウネウネとした動きで、小さな隙間から私のブラウスの中へ侵入すると、素肌を這いずりまわる。
「やぁっ……いやぁっ……、あぁぁん……やだぁっ」
蔓は私のブラウスを内側から強く開くと、Yシャツのボタンがあちこちへと飛び散った。
ブラウスが大きく開き下着が露わになると、ブラジャーを外そうとしているのか、蔓は私の背中でウネウネと激しく動き回った。
そんな様子を楽しそうに眺める男の姿に苛立ちを感じると、声を振り絞り叫んだ。
「やめて!!!あぁん、どうしてっ……こんな事するのよ!!!」
私の言葉に男は答える気がないのか、ニッコリ笑みを浮かべると、杖先を小さく振った。
疲れた体を引きずり、今日あった事をタクミに報告する。
「ねぇ……タクミ。今日は新しい仕事を任されたんだ。えへへ、新人の中で私だけなんだよ……すごいでしょ?」
シーンと静まり帰った部屋の中、もちろん返事は返ってこない。
私は寂しさを堪え、徐に立ち上がると、軽い眩暈に襲われた。
どうもあのへんな夢を見てから、体調がおかしい。
私はデスクワークで疲れた目に、水で濡らしたハンカチをのせると、ドサッとソファーへと寝そべった。
ソファー横になった瞬間……またあの不快感に襲われる。
頭がガンガンと痛み始めたかと思うと、脳がゆらゆらと揺れ始める。
うぅっ……またこれ……。
私は必死にソファーへ手をつくと、ゆっくりと体を持ち上げた。
ダメ……このまま意識を飛ばしちゃたら……また……あの変な夢を見るかもしれない……。
私は必死に頭を押さえ、薄っすら目を開けると部屋が不自然に歪んでいく。
なに……これ……。
私は覚束ない足取りながらも、何とかソファーから立ち上がると、頭の痛みが更にひどくなっていった。
胸やけするような気持ち悪さに襲われ、視界が霞んでいく。
次第に体から変な汗が流れだすと、ペタペタとワイシャツが肌に張り付いていった。
私は一度深く瞳を閉じると、喉から上がってくる異物を必死に飲み込んだ。
(あまり抵抗しないほうがよろしいかと……)
ふと男の声が耳に届いた。
(そのまま抵抗を続けるようでしたら、その場所に囚われてしまいますよ……)
頭の中に響くその言葉に、恐る恐る目を開けてみると……そこは私の部屋ではない、マーブル模様の不思議な空間が映し出された。
「いやぁ!!!!何なのよ……これ……!!!」
その叫び声を上げた瞬間、私の意識は薄れていった。
ハッと目を覚ますと、先ほどまで感じていた、嗚咽感や不快感はきれいさっぱりなくなっていた。
ここは……?
私はゆっくりと体を起こし辺りをぐるりと見渡すと、綺麗に整頓されたシンプルな部屋が映る。
見たこともない部屋を呆然と眺めていると、狭く質素な部屋のドアが、ギギギッと音を立てながらゆっくりと開いた。
「おはようございます、異世界のお姫様」
異世界の姫……?
私は声の主へ視線を向けると、そこにはあの夢の中で見た、優しそうな精悍な顔立ちに、プラチナの長い髪の男が佇んでいた。
「あなたは……あの時の……」
「ふふっ、覚えて頂けて光栄です」
「あなたが私を呼んだの……?」
男は爽やかな笑みを浮かべると、深く頷いた。
「どうして……、どうしてなの?……早く戻して!」
「それはまた後程。先に味見をさせてもらわないと……」
男は仮面のような笑顔を張り付けたまま、私をじっと見つめると、どこからか杖を取り出した。
杖……?
物語登場する魔法使いが持っていそうな木でできた長い杖を、男は徐に掲げた。
すると杖の周辺から蔓のようなものがニョキニョキニョキと現れ始める。
なに……何のよ、これ……!
私は異様な光景に、唇ををわなわなと震わせていると、笑みを深めた男と視線が絡んだ。
その瞬間、蔓が私の方へと勢いよく向かってきたかと思うと、私の手首、足首に巻き付いていく。
「ぃやぁっ、なんなのよ、これ……!」
私は必死に蔓を外そうと、もがけばもがくほど、蔓はどんどん私の体に絡みついていく。
次第に身動きが取れなくなり、見る見るうちに私の体は蔓に吊るしあげられた。
「先に捕まえてしまわないと、あなたはすぐに、逃げ出そうとしますからね……」
男は悠々とした様子で、一歩一歩こちらへ近づいてくると、蔓に吊るされた私の前で立ち止まった。
「今日は……この前のような服ではないのですね……」
男は興味深そうに私の服へ視線を向ける中、徐に腕を持ち上げると、私の黒いブレザーに手を伸ばす。
ブレザーのボタンを外し、その下にある真っ白なワイシャツへと視線を向けると、深くため息をついた。
「なんだか……とても脱がし辛そうですね……」
男の言葉に私は必死に抵抗しながら、目の前に佇む男を無言で睨みつける。
「ふふ、その表情……とってもいいですね。……歪ませてみたくなる」
男は私のYシャツのボタンを外し始めると、張り付けていた笑みが少し崩れた。
「はぁ……面倒ですね……蔓に任せましょうか」
男はボソッと呟くと、高く杖を掲げた。
すると私に巻き付いていた蔓たちがモゾモゾと動き始める。
「なっ……何……なんなのよ!!!」
蔓は手首と足首を捕えたまま、ウネウネとした動きで、小さな隙間から私のブラウスの中へ侵入すると、素肌を這いずりまわる。
「やぁっ……いやぁっ……、あぁぁん……やだぁっ」
蔓は私のブラウスを内側から強く開くと、Yシャツのボタンがあちこちへと飛び散った。
ブラウスが大きく開き下着が露わになると、ブラジャーを外そうとしているのか、蔓は私の背中でウネウネと激しく動き回った。
そんな様子を楽しそうに眺める男の姿に苛立ちを感じると、声を振り絞り叫んだ。
「やめて!!!あぁん、どうしてっ……こんな事するのよ!!!」
私の言葉に男は答える気がないのか、ニッコリ笑みを浮かべると、杖先を小さく振った。
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