[R18] 異世界は突然に……

あみにあ

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第一章

彼女が消えた世界1

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彼女のいなくなったベットには、召喚する際に用意した人形が横たわっていた。

「くそっ、おい!魔導士、今すぐ召喚しろ」

「はぁ……殿下……、無茶言わないでください。異世界召喚は結構魔力を消費するんですよ。そうですね……次は一月後ぐらいでしょうか」

「一月だと!?……そんなに待てるか!何とかしろ!!」

「まぁ、頑張ってみますが、……あまり期待しないで頂きたいですね」

王子は魔導士の言葉に悪態をつくと、傍にあった枕を掴み、ベットに横になっている動かない人形へと投げつけた。
そんな王子の様子にロングヘヤの男は大きくため息を吐くと、王子をそのままに部屋を後にした。

王子の部屋からでた彼は徐に立ち止まると、企むような微笑みを浮かべていた。


****王子視点****

一人部屋に残された俺は、先ほどまで彼女を抱いていたベッドへと横たわっていた。
彼女の温もりがかすかに残る布団を強く握りしめると、苛立ちが募っていく。
くそっ、全然足りねぇ……。
目を閉じれば、先ほどの彼女の姿が鮮明に蘇った。

怯えならがも俺の腕の中で、甘い喘ぎ声を上げる彼女の姿。

嫌だ嫌だと逃げながらも、俺にしがみ付いてくる彼女の小さな手。

それにあの……自分の意志を持つ、力強い漆黒の瞳。

あの瞳に俺だけを映し出したい……。

そんな欲望が渦巻く中、俺はベッドへ横たわる人形を強く握りしめた。

今まで何人も女を抱いたがこんな気持ちになったのは初めてだな……。

あのツヤのある漆黒の長い髪に触れ、乱れる彼女の姿をもう一度感じたい。

他の男の事なんて考えられなくなるまで、無茶苦茶にしてやりたい。

そんな彼女の姿を思い浮かべながら、俺は深く息を吐いた。

ふと顔を上げると、先ほどの魔導士の姿が頭をよぎる。
一ヶ月……。
先ほど召喚した際に感じた魔力量は凄まじかったが……、そんなにかかるものだろうか。
魔導師の様子に変わったところはなかった……。
俺は軽く服を整え、扉へと向かうと、外で待機している騎士へ声をかけた。

「おい、魔導士の動向を見張らせろ。少しでも魔力を発したら俺に報告するんだ」

「畏まりました」

騎士は王子の言葉に深く礼を取ると、伝達用の蝶を作り出し、王宮にいる魔導士、騎士へと飛ばしていく。
その姿を確認すると、俺はまた部屋へと戻っていった。
誰も居ない静かな部屋で、俺はベッドへ横になると、天を仰ぎ目を閉じる。
シーツにはまだ彼女の甘い香りが残り、俺の下半身が疼き始めていた。


俺はこの国の王に生まれた。
この国は女性の数が極端に少なく、数少ない女は国宝の様に扱われていた。
子孫を残すため、女は複数の男と結婚でき、男は女の為に尽くす。
それがこの国の常識だ。
まぁ、平民は女を得る事にかなり苦労するらしいが、俺はこの国の王だからな。
黙っていても、嫌というほど女は擦り寄ってくる。
だから俺は女に苦労したことはなかった。

やりたくなったら適当に女を見繕い、只欲望を満たすためだけに抱いていた。
もちろん、避妊は欠かさずしてある。
そんな俺は一度抱いた女を、二度と抱く事ない。
何度も抱けば、勘違いする女が出てくるからな。
稀に俺の事を嫌がる女もいるが、そんな女も体を開けば、あっさり俺の虜になる。
だから不確かな女の気持ちに、いちいち一喜一憂する男の気持ちはさっぱりわからない。

一人の女に入れあげる貴族を何人も見てきたが、その気持ちは全く理解できなかった。
性的処理以外に、あんな煩く、わがままで、無駄に高いプライドを持つ女を相手にするなんて、煩わしくて仕方が居ない。
体の関係以外に、求める物なんて何もなかった。

でもそんな中、勘違いする女も出てくる。
自分が一番でないと、気がすまない愚かな女。
手当たり次第に、女を抱いていると、その女同士で小競り合いが始まった。
そんな女たちを適当に宥めていたが……なぜかその事が昨日の王族の議会に持ちあがった。
今まで散々放置していたのに、一体どうしたって言うんだ…?
何でも魔導士が俺の女癖の悪さを指摘したらしい……全く意味がわかんねぇ。
今まで見て見ぬふりをしていたあの魔導士が、突然どうして王族へ告げ口したんだ?
まぁ理由を聞いても、あのくえない魔導士の事だ、教えてくれることはないだろう……。

そうして議会に持ち上がった事で、俺は体目当てで女を抱く事を禁止された。
早々に婚約者を作り、その女を愛せだと……。
馬鹿も休み休み言え。
あんな愚かな女共を、婚約者にするなんてありえない。
生涯ともにすると考えるだけで、頭が痛くなる。

そんな時、魔導士が俺にある提案を持ち掛けてきたんだ。

「殿下、私のお言葉で大変な目にあったようで……申し訳ございません。代わりと言っては何ですが、私、新しい召喚魔法を取得致しました……もしよければ、殿下好みの女性を異世界から召喚しましょうか?」

異世界の女?
別の世界から女を連れてくるのか……?

「そんな事が可能なのか?」

「はい、異世界の女性でしたら、あと腐れもなく楽でございましょう……告げ口することは致しません。お約束します」

魔導師は深く笑みを浮かべると、真っすぐ俺に視線を向ける。

「ほう、面白そうだな。すぐに呼び出して見せろ」

そう命令すると、魔導士は藁人形をベッドへ投げ、高々と杖を掲げた。

壮大な魔力の中、そこに現れた一人の少女。
見目は年端もいかぬ幼い少女に見えたが……服を脱がせると十分に成長した胸に、絹のように滑らかな白い肌に、魅了された。
彼女に快楽を与えると、小鳥の囀りの様な心地いい声に、俺の下半身は疼いていく。
逃げようと必死に抵抗見せる彼女に何度も何度も絶頂させ、俺に屈服させようとするが、彼女は最後の最後まで自分の意志を持ち続けた。
その姿は勇ましく、美しい……俺あ目を逸らせることができなくなった。
俺だけを見ろ……こんな気持ち、今まで一度も経験した事はない。
正直もう他の女を抱ける気がしなかった。

次魔導士に召喚させたら、すぐにでも婚約者にしよう。
逃げても必ず捕まえて、俺の物にしてみせる。
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