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第三章
※旅の終焉⑥
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何か割れる音が部屋に響きわたると、激しく床が揺れ始める。
振動のせいなのだろうか……パリンと窓が割れると、部屋の中へ外から風が吹き込んできた。
風でカーテンが激しく舞う中、部屋に光が差し込むと、薄暗い部屋が明るく照らされていく。
私は魔導士の姿を確認しようと体を動かしたその刹那……強く髪を引っ張られ引き寄せられると、イーサンの腕の中に囚われた。
激しい痛みに顔を顰めていると、冷たいナイフが首へ触れる。
横目に映るナイフに畏怖する中、私は必死に震える手を持ち上げた。
逃げなきゃ……。
ここで逃げなきゃ……また……いや……!!!
何とかナイフを奪おうと、彼の逞しい腕へ強く爪を立ててみると、彼の舌が私の耳裏を舐める。
「あぁっ、ひぃっ、あぁぁん」
「大人しくしてろ。後でじっくり可愛がってやるからよ」
耳元で囁かれた低い声に、ゾクゾクとした感覚が全身に走ると、足の力が抜け、今にも倒れそうになる。
するとイーサンは私の体を支えるように、容赦なく髪を引き上げると、痛みに体が強張っていった。
「体には触れねぇ。今のあんたじゃすぐにいっちまうからなぁ~。ちゃんと話すまで、絶頂せてやらねぇよ」
魔導師は徐に杖を構えると、腕に刺さっていたナイフを引き抜き、床へと投げ捨てる。
腕から真っ赤な血が流れ、伝っていく様に私は泣きそうになると、必死に抵抗をみせた。
「いたっ、あぁ……いやぁっ、離して……っっ」
「おぃ、魔導師止まれ!!杖を捨てろ。……それ以上動くと、この女がどうなってもいいのか?」
イーサンはドスのきいた声でそう言い放つと、キラリッと光るナイフが視界を掠める。
すると私の抵抗を押さえつけるかのように、刃先を私へと向けた。
彼の言葉に魔導師はその場でピタリと動きを止めると、ゆっくりとこちらへ顔を向ける。
外の光が差し込み、明るくなった部屋の中には、エメラルド瞳に、プラチナの髪を長く伸ばした……よく知るエヴァンの姿があった。
どうして……、どうしてエヴァンがここにいるの?
あの時……彼をあの魔法には、巻き込んでいないはず。
ならまさか……私を追って……?
ここに居るはずのない彼の姿に呆然とする中、エメラルドの瞳がじっと私を見据えていた。
彼の瞳が光に反射し、キラキラと幻想的に輝いている。
「俺は殺しのプロだ。お前が妙な動きを見せれば、すぐにこの女の首をかっきってやる」
その言葉にエヴァンはゆっくりと手を離すと、杖がカランッと床へ転がっていった。
「これでよろしいでしょうか?」
エヴァンはそっと両手を上げると、静かにイーサンへと顔を向けた。
イーサンは私を連れたままに転がった杖の元へ向かうと、その杖を蹴り上げ窓の外へと蹴り飛ばす。
「動くなよ」
イーサンはエヴァンから一切視線を反らせる事無く、警戒するようにじっと見据える中、エヴァンは無表情で佇んでいる。
「どうして……、なんで!!」
私はエヴァンへ向けてそう叫ぶと、イーサンはニヤリと笑った。
「ふ~ん、この魔導師はお前の男のなのか?残念だなぁ~せっかく助けに来てくれたのに。この男はここで死ぬ。そしてお前は俺の女になるんだ」
「いやよ!!なるわけ……っっ、いたぁっ、あぁ、ヒィッ、やめてぇ……あぁ、あぁぁぁん」
イーサンは私の首筋へかみつくと、ピリピリとした強い痛みに体が震える。
そのまま彼の舌が首筋をつたっていくと、体が激しく疼き始めた。
痛いと快楽に力が抜け、グッタリと彼へ身を預ける中、イーサンは私をまた強く引き寄せると、扉の方へと歩き始める。
「もうすぐ仲間がやってくる。あんたはもう終わりだ」
仲間……。
このままじゃ……エヴァンが捕まってしまう。
私のせいで……どうしよう……どうすれば……。
目の前にナイフが何度もチラつく中、私は必死に身をよじらせてみるが……回された彼の腕外れる気配はない。
「こらっ、また噛まれたいのか?」
放たれた彼の言葉に私は大きく肩を跳ねさせると、自然と体が硬直していく。
そんな私の様子にイーサンはニヤリと口角を上げると、エヴァンを見据えたまま、ナイフの柄を胸元の突起へグリグリと押し当てた。
「あっ、ふぅっ、あぁぁん」
「そうやって可愛くないておけ。あんたの肌に傷はつけたくねぇんだ」
強い刺激に脚がガタガタと震え始めると、太ももに愛蜜が流れおちていく。
私は彼の腕の中でグッタリと体を預けていると、ふと体に廻る魔力を感じられることに気が付いた。
魔力が……戻っているわ。
でもどうして……。
あっ、もしかして……さっきの割れる音は……エヴァンが魔法を封じている何かを壊した音……?
私はチラリッと目線を上げると、ニヤニヤと笑みを浮かべるイーサンと視線が絡む。
「妙な真似はするなよ。お前は大人しく俺の傍に居ればいい」
イーサンは何かを察してたのか……そう私へ釘をさすと、捕らえる力がより強くなった。
振動のせいなのだろうか……パリンと窓が割れると、部屋の中へ外から風が吹き込んできた。
風でカーテンが激しく舞う中、部屋に光が差し込むと、薄暗い部屋が明るく照らされていく。
私は魔導士の姿を確認しようと体を動かしたその刹那……強く髪を引っ張られ引き寄せられると、イーサンの腕の中に囚われた。
激しい痛みに顔を顰めていると、冷たいナイフが首へ触れる。
横目に映るナイフに畏怖する中、私は必死に震える手を持ち上げた。
逃げなきゃ……。
ここで逃げなきゃ……また……いや……!!!
何とかナイフを奪おうと、彼の逞しい腕へ強く爪を立ててみると、彼の舌が私の耳裏を舐める。
「あぁっ、ひぃっ、あぁぁん」
「大人しくしてろ。後でじっくり可愛がってやるからよ」
耳元で囁かれた低い声に、ゾクゾクとした感覚が全身に走ると、足の力が抜け、今にも倒れそうになる。
するとイーサンは私の体を支えるように、容赦なく髪を引き上げると、痛みに体が強張っていった。
「体には触れねぇ。今のあんたじゃすぐにいっちまうからなぁ~。ちゃんと話すまで、絶頂せてやらねぇよ」
魔導師は徐に杖を構えると、腕に刺さっていたナイフを引き抜き、床へと投げ捨てる。
腕から真っ赤な血が流れ、伝っていく様に私は泣きそうになると、必死に抵抗をみせた。
「いたっ、あぁ……いやぁっ、離して……っっ」
「おぃ、魔導師止まれ!!杖を捨てろ。……それ以上動くと、この女がどうなってもいいのか?」
イーサンはドスのきいた声でそう言い放つと、キラリッと光るナイフが視界を掠める。
すると私の抵抗を押さえつけるかのように、刃先を私へと向けた。
彼の言葉に魔導師はその場でピタリと動きを止めると、ゆっくりとこちらへ顔を向ける。
外の光が差し込み、明るくなった部屋の中には、エメラルド瞳に、プラチナの髪を長く伸ばした……よく知るエヴァンの姿があった。
どうして……、どうしてエヴァンがここにいるの?
あの時……彼をあの魔法には、巻き込んでいないはず。
ならまさか……私を追って……?
ここに居るはずのない彼の姿に呆然とする中、エメラルドの瞳がじっと私を見据えていた。
彼の瞳が光に反射し、キラキラと幻想的に輝いている。
「俺は殺しのプロだ。お前が妙な動きを見せれば、すぐにこの女の首をかっきってやる」
その言葉にエヴァンはゆっくりと手を離すと、杖がカランッと床へ転がっていった。
「これでよろしいでしょうか?」
エヴァンはそっと両手を上げると、静かにイーサンへと顔を向けた。
イーサンは私を連れたままに転がった杖の元へ向かうと、その杖を蹴り上げ窓の外へと蹴り飛ばす。
「動くなよ」
イーサンはエヴァンから一切視線を反らせる事無く、警戒するようにじっと見据える中、エヴァンは無表情で佇んでいる。
「どうして……、なんで!!」
私はエヴァンへ向けてそう叫ぶと、イーサンはニヤリと笑った。
「ふ~ん、この魔導師はお前の男のなのか?残念だなぁ~せっかく助けに来てくれたのに。この男はここで死ぬ。そしてお前は俺の女になるんだ」
「いやよ!!なるわけ……っっ、いたぁっ、あぁ、ヒィッ、やめてぇ……あぁ、あぁぁぁん」
イーサンは私の首筋へかみつくと、ピリピリとした強い痛みに体が震える。
そのまま彼の舌が首筋をつたっていくと、体が激しく疼き始めた。
痛いと快楽に力が抜け、グッタリと彼へ身を預ける中、イーサンは私をまた強く引き寄せると、扉の方へと歩き始める。
「もうすぐ仲間がやってくる。あんたはもう終わりだ」
仲間……。
このままじゃ……エヴァンが捕まってしまう。
私のせいで……どうしよう……どうすれば……。
目の前にナイフが何度もチラつく中、私は必死に身をよじらせてみるが……回された彼の腕外れる気配はない。
「こらっ、また噛まれたいのか?」
放たれた彼の言葉に私は大きく肩を跳ねさせると、自然と体が硬直していく。
そんな私の様子にイーサンはニヤリと口角を上げると、エヴァンを見据えたまま、ナイフの柄を胸元の突起へグリグリと押し当てた。
「あっ、ふぅっ、あぁぁん」
「そうやって可愛くないておけ。あんたの肌に傷はつけたくねぇんだ」
強い刺激に脚がガタガタと震え始めると、太ももに愛蜜が流れおちていく。
私は彼の腕の中でグッタリと体を預けていると、ふと体に廻る魔力を感じられることに気が付いた。
魔力が……戻っているわ。
でもどうして……。
あっ、もしかして……さっきの割れる音は……エヴァンが魔法を封じている何かを壊した音……?
私はチラリッと目線を上げると、ニヤニヤと笑みを浮かべるイーサンと視線が絡む。
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