聖女の異世界恋愛事情

あみにあ

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聖女の異世界恋愛事情

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ある日突然に……私は異世界へと連れてこられた。
いつもと同じ生活を繰り返す中で、何の予兆もなかった。
あの日、気がついたら礼拝堂のような場所に、佇んでたんだよね……。

この異世界へ来た当初、状況が全くのみこめない中、突然能われた私の辺りには、遠巻きに人が集まっていた。
そんな中、私の目の前にやってきたのは、ニッコリと優しい笑みを浮かべた男だった。
彼は魔法使いのような風貌に、少女漫画に出てきそうなほど、美しく容姿が整っていた。
それが彼……オルシャーと私の出会いだった。

かっこいい……。
その理想的な男性に見惚れていたが……そんな彼からの第一声が最低なものだった。

「異世界の者だと言うので期待していたのですが……ふっ、こんな子供が……」

何なのこいつ……っっ。
あいつの鼻で笑ったあの姿、今でもはっきりと思い出せる。
勝手に呼び出しといて、その言い草はひどいでしょう!
そんなこんなで始まり、イケメンが口を開くと、優し気な顔に似合わない毒舌ばかりが飛び出してきたんだよね。

連れてこられた当初は、異世界に召喚されたって言う事実を中々受け入れられなかったし、怒りもわいた。
でもいくら怒って、嘆いても、帰る事は出来なかった。
過去今まで異世界から召喚された聖女の中、元の世界へ帰った者はいないのだそうだ。
その話に、(帰る事が出来ない……)そう改めて実感すると、私はしっかりと前を向いた。
嘆いていてもしょうがない、郷に入っては郷に従えそう思い、私の異世界での新しい生活が始まったんだ。

最初に出会ったあの男は、オルシャーと名のると、私の世話役として傍につくことになった。
私の居た世界では学んでこなかったダンスのレッスンや、この世界の教養、それにマナー訓練も全て彼が教えてくれた。
嫌味ばかりでよく言い合いになったけれど、彼の厳しい言葉や、意地悪な言葉の中には、いつも優しさが隠れて居るんだと、気が付いたんだよね。
いつもきついことを言いながらも、困った様子を見せれば手を差し伸べてくれる。
見た目はもろ好みだし……そんな彼の内側を知っていくと、どんどん私は彼に惹かれていった。

そうして異世界で新しい生活を送る中、私はこの国の王女様と対面することになった。
初見では釣り目の鋭い瞳に、薔薇の花の様に輪とした姿に多少ビビっていたが……話してみると、若干気が強そうな感じはするが、実は不器用で、とても純粋なお嬢様だとわかったんだ。
そんな彼女はこの世界で只一人の王女にも関わらず、権力を振りかざすことも、傲慢な態度を見せることもなく、私と同じ目線で話してくれる素晴らしい人だった。
そして……自分の為ではなく、誰かの為に頑張れる、それが私にとっての王女様の印象だった。

でも王女様に出会って、私はある事に気が付いたんだ。
直接本人から聞いたわけではないけれど、オルシャーの表情を見ればすぐにわかる。
彼は……王女様の事が好きなんだと……。
王女の前では私にみせたことないような自然な表情見せるし、雰囲気が違うんだよね。
でもそう気が付いた時にはもう遅かった……。
私の胸の中で膨らんだ彼への恋情を、消し去る事なんて出来なかったんだ。

オルシャーが王女様を好きだと気が付いて……、王女を嫌いになれればよかったんだけれど……。
王女様を知れば知るほど、聡明でそれでいて可愛らしい一面を見せる彼女を好きになっていった。
オルシャーが好きになるのも理解できるほどに……。
そんな王女様には、どうやら婚約者がいるようだった。
オルシャーなのかと思い早速調べてみると、顔は良いのだけれど……少々ヘタレな男が王女様の婚約者だった。

容姿は申し分ないが……素直になれない格好つけで、残念な王子様。
そんな残念な男だが、彼女の婚約者がオルシャーでない事実に、私はほっと胸をなでおろしていた。
そうしてオルシャーには悪いが……私は王女と残念王子をひっつけようと模索し始めたんだ。
王女は何でも抱え込んでしまう性格で、王子の態度にいらぬ誤解を抱いている。
王子は素直になれない小学生みたいな男だし、このままだと王女とすれ違う未来が簡単に想像できる。
王女様も立場上なのか……相手の気持ちを考えすぎるところがあるんだよね。
まぁ、でもそんな二人だったが……色々紆余曲折がありながらも、二人の想いは無事通じたんだ。
いやぁ色々と大変だったなぁ……。


そうして今日は……そんな二人の結婚式だった。
王女の招待でオルシャーと一緒に、私も結婚式へ参列することになった。
異世界来た当初から変わらず傍に居てくれる彼。
彼は見目は優男にみえるが、腹の中は真っ黒、それでも私は彼の良いことろをたくさん知っている。
嫌味を言いながらも、私を気にかけてくれる優しい彼。
それに日ごろとは違うビシッときまった正装姿に、先ほどから心臓が騒がしく高鳴っていた。

そんなオルシャーにエスコートされる中、私は王女のウェディングドレス姿を眺めていた。
あまり彼の方へ目を向けると、平常心ではいられないからね。
だってかっこいいし……なんかキラキラして見えるんだもん。
そんな事を思いながらチラっと彼に視線を向けると、オルシャーは真っすぐに王女様を見つめていた。
その瞳は美しく、目を反らせることが出来ない。
そんな彼を眺める中、儚げに映るその姿に、私は声にならない声で呟いた。

(オルシャーごめんなさい)

彼にこの声は届いていないだろ……そう思った瞬間に、彼は私の視線に気が付いた様子で、こちらへ顔を向けた。
彼の吸い込まれそうな瞳に胸が更に高鳴る中、私は無意識に唇を開いていた。

「悲しい……?」

私の言葉にオルシャーは驚き目を見開いたかと思うと、美しい笑みを浮かべてみせる。

「ははっ、そうですね……。悲しくないと言えば嘘になりますが……自分が思っていたよりもダメージは少ない様です。まぁ、王女の事は彼女に婚約者出来た際に、気持ちの整理をしておりましたので大丈夫です。ふふっ、気にかけて頂きありがとうございます。まさかあなたに心配される日が来るとは思いませんでしたよ」

「べっ、別に、心配なんて……っっ。もう、いつも一言多いわよね!」

「クスッ、あなたは本当に素直な反応を見せてくれますね。顔が真っ赤ですよ。それよりも、あなたは大丈夫なのですか?アーサー殿に好意をよせておられたでしょう?あなたが自分から率先して話しておられたのは、彼だけですからね」

オルシャーの言葉に目が点になる中、私は慌てて口を開いた。

「ちょっ、はぁっ!私はアーサー様の事を好きじゃないわ!なんであんな残念な王子の事なんて……。好きな人は……別にいるものっっ」

私が好きなのあなたです……とは言えない。
私は頭を垂れモジモジとしていると、オルシャーは驚いた様子で私をじっとみつめていた。

「ほう、それは初耳ですね。ですが……あなたのようなじゃじゃ馬娘を貰って頂ける男性はおられるのでしょうか?」

オルシャーはからかうように口角を上げると、クスクスと笑って見せる。

「煩いわね!!じゃじゃ馬じゃないわ!マナーだって、ダンスだって……ほぼほぼ身に着けたんだからね」

プイっと顔背けそう叫ぶと、オルシャーは優しい笑みを浮かべながらに、私へ手を伸ばした。

「そうでしたね。ですがそうやって眉間に皺を寄せていると、可愛い顔が台無しですよ。ふふっ」

彼の言葉に一気に顔に熱が高まると、私は慌てて彼から距離を取る。
何、突然!!今のは反則でしょ!!
真っ赤になりながらあたふたしていると、彼の小気味よい笑い声が耳に届いた。

「あなたの反応はいつ見ても楽しいですね」

「もうっ!!!またそうやってからかうんだから~~~っっ」

私は必死に顔の熱を冷ます中、幸せな二人の式は順調に進んでいった。


そうして式が終わった数日後、私はオルシャーに連れられるまま、無事に夫婦となった二人へ挨拶をしに向かう中、王宮の廊下を歩いていた。
広く静かな廊下を並んで歩いていると、オルシャーは徐にため息をつきながらに、小さく口を開いた。

「はぁ……王女様もご結婚してしまいましたし、そろそろ私も婚約者を作らないといけませんね」

「えっ!?どっ、どうして!?」

「そんなに驚くところですか?……私はこれでも貴族ですからね。跡取りを残すことは、貴族の義務。今までも何度か責付かれて先延ばしにしておりましたが、王女が結婚してしまった今……婚約者を作らない理由もありませんからね。父上が今頃婚約者候補を探しているでしょう」

「オルシャー様は……好きでもないのに、婚約するの……?」

「そうですね。あなたの世界はどうなのかわかりませんが、この世界では好きでもない人と婚約することは当たり前ですよ。あのお二人が珍しいだけです。貴族という柵には複雑な事情がありますからね」

彼に婚約者が出来る……。
その言葉が頭の中で反芻する中、胸の奥がギリギリと痛み始めた。
彼はずっと王女様を想い続けていたから……まさか他のパートナーが出来るとは考えてもいなかった。
このまま彼に婚約者が出来てしまえば、こうやって私のパートナーになる事もなくなってしまう。
もしかしたら……私の世話役もやめてしまうのかな……。
その事実に目の前が真っ暗になると、その後の記憶はほとんどなかった。
王女様に会い祝福の言葉を伝えて……気がついたら私は部屋に戻っていたんだ。

そうしてオルシャーの事について心を悩ませる中、時間は流れるように過ぎていった。
そんなある日、今日はオルシャーにこの国の歴史について学んでいた。
そんな中、彼の姿を見ると、どうしても《婚約者》というワードが何度も頭の中でチラつき、勉強に身が入らない。
彼が説明する姿をぼうっと眺めていると、突然に彼の青い瞳が私を覗き込んだ。

「聞いております?はぁ……最近元気がないようですね、あなたらしくもない。どうかしたのですか?」

私は彼の言葉に首を振ると、強く唇を噛んだ。

「はぁ……言いたくなければ結構です。そのウジウジとした重い態度を何とかして頂けませんかね。全くこっちも暇じゃないんですよ。いつも威勢はどこへいったのですか?」

オルシャーは私へ呆れた様子を見せる中、突然にトントントンとノックの音が部屋に響いた。
部屋に待機していたメイドが扉を開けると、そこにはオルシャーとよく一緒にいる執事の姿が現れた。
その姿にオルシャーは扉へ向かい、何かコソコソと話したかと思うと、不機嫌な様子で私の元へ戻ってくる。

「すみません、今日はここまでにしましょう」

「……どうしたの?」

「いえ、父上が私を呼んでいるようなのです。まぁ、十中八九婚約者の事でしょうね。あなたも今日は集中出来ていない様子ですし、また後日」

婚約者……。
とうとう彼に婚約者が出来てしまうのだろうか。
そう思うと胸が激しく痛みはじめる。

彼が出て行き、一人になった部屋で私はベッドへダイブすると、枕をギュッと抱きしめ、そのまま顔を埋めた。
このままじゃ……オルシャーに婚約者が出来てしまう。
でもオルシャーは私をそういった目で見ていないだろう。
長い間一緒に居るからこそわかる。
振られると分かっているのに、告白なんて……。
でもこのままじゃ、彼に婚約者が出来てしまう。
それはやっぱり嫌だ。
堂々巡りする中、私は枕から顔を上げると、急いでベッドから起き上がった。
振られてしまうと分かっていても……やっぱりこの想いを伝えることが出来ないままに終わらせるのは嫌。

私はそのままベッドから飛び降りると、部屋を勢いのままに飛び出した。
廊下に居たメイドや執事、すれ違う騎士達へオルシャーの向かった先を尋ねながらに、私はひたすらに走っていった。

(令嬢が廊下を走ってはいけませんよ)

彼に呆れながらよく注意された言葉が頭をチラつくが……私は必死に彼の元へ走ったんだ。

そうして広い廊下を抜けた先に大きな庭園が見えると、そこに貴族令嬢と楽しく話す彼の姿が目に映る。
私はわき目もふらずに二人の傍へ走り寄ると、彼の腕を強引に引き寄せ、貴族令嬢から引き離した。

「オルシャー様、婚約しないでください!!私が好きなのはあなたなんです!!!私が……私があなたを幸せにするから!今は私の事を好きじゃなくても、いつか必ず好きになってもらえるように頑張るから!だから婚約しないで!……ずっと私の傍に居て下さい」

自分の想いを伝えるままに、無我夢中で私はオルシャーへしがみつくと、女性のクスクスとした笑い声が耳に届く。

「あらあらとても情熱的ね~。ふふっ、あなたが噂の聖女様ね。心配しないで、私は婚約者ではないわ。初めまして、私はオルシャーの姉ステラと申します。こんな腹黒な愚弟に、あなたのような可愛い人がおられるのなら……父上の婚約話は断っても大丈夫そうねぇ~」

へぇっ……姉……ですと……。
私はその場で固まる中、口もとに手をあてながらに肩を揺らすステラへが視界に映る。
よく見ると二人は似ている……同じ青い瞳に、容姿も、それになんといって雰囲気が同じだった。
そんな彼女の姿を呆然と眺める中、私は次第に冷静さを取り戻していくと、先ほどの大胆な行動に、耳まで真っ赤に染まっていく。

あぁ……っっ、私は……一体何をやってるのよ!!
自分の恥ずかしい行動に慌てふためきながらにオルシャーから体を離すと、顔が燃えるように熱くなっていた。
するとオルシャーは逃げようとする私を、逃がさないと言わんばかりにグイッと強く抱き寄せた。
バランスを崩し彼の厚い胸板に顔を埋めると、壊れそうなほど胸が激しく波打っていく。
恥ずかしさと驚きに狼狽する中、ふと彼の吐息が耳元にかかった。

「ふふっ、こんな情熱的な告白初めてですよ」

「まっ待って!!今のはなし……っっ」

「それは無理な話ですねぇ~。さぁ、あなたどうやって私を好きにさせてくれるのですか?」

彼は今まで見たことないほどの満面の笑みを浮かべると、ゆっくりと私へ顔を寄せる。
その姿に見惚れる中、柔らかい彼の唇を頬に感じると、私の顔は益々赤く染まっていった。
きっと今鏡を見ると、茹蛸のようになっているだろうなぁ……。

「ははっ、そんな反応をされると、益々虐めたくなりますねぇ」

すると彼はチュッと唇を重なると、突然の出来事に脳の処理が追い付かなくなる。
私は彼の柔らかい唇を感じるままに、その場で意識を失った。



そうして次に目覚めた時は自室のベッドの上だった。
そこには意地悪そうな笑みを浮かべたオルシャーが私の手を握りながらに、ベッド脇へと腰かけている。

「あれ……私……っっ」

寝ぼけた脳が次第にはっきりとしてくると、先ほどの大胆な告白が頭をよぎり、顔が赤く染まりながらに心臓が激しく動く。
私は咄嗟に隠れるように布団を頭からかぶると、いつもの笑い声が耳に届いた。

「ははっ、おはようございます。あなたの情熱的な告白に、姉も父上も婚約者を探すのはやめるそうです。ですので、あなたのアプローチを楽しみにしてますからね」

オルシャーは低音ボイスでそう囁くと、ベッドが軋む音が響く。
布団の上から彼の温もりを感じる中、そっと布団から顔を出してみると、いつもの意地悪な笑みが目の前に映った。
余裕の表情を浮かべるその姿に、私は顔を真っ赤にしたまま彼を睨みつけると、新たな目標を胸にゆっくりと体を起こした。
今に見てなさいよ……。

「……っっ、絶対に私の事を好きだと言わせてやるんだからね!!!」


そうして二人は……。
それはまた別のお話で。
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みんなの感想(1件)

おろしポン酢

この二人のお話を是非に続編希望です!

オルシャー様の動揺する姿も見てみたいし、聖女様の名前を呼ぶ所も見てみたいです。

あみにあ
2019.04.06 あみにあ

コメントありがとうございます(*´Д`)

楽しんで頂けて嬉しいです!

連載とまではいきませんが……短編で書きます!
楽しんで頂けるよう頑張ります!
ありがとうございました(*'ω'*)

解除

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