乙女ゲームの世界は大変です。

あみにあ

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乙女ゲームの世界

新たな始まり (さくら視点)

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◇side:タロ

「タロくん、ありがとうございました。
 そろそろあがってください」

昼ご飯を食べて戻ってきた宮司さんが、授与所に座っていた僕に声をかけた。

「あ、はい。
 けど、今日は学さんが歯医者さんに行ってて帰りにこちらに寄ってくれるので、それまでここで待たせてもらってもいいですか?
 前にクラフトマーケットで絵を買ってくれた歯医者さんで、神社のすぐ近くらしいので」
「それは構いませんが……こんなお昼どきに歯医者やっているんですか?」
「あ、いえ。
 ほんとは午前中の予約だったんですけど、歯医者さんから電話があって、予約のミスで他の人と時間が重なってしまったので時間をずらしてもらえないかって言われて、それでお昼になったらしいです」

僕が事情を説明すると、宮司さんはちょっと難しい顔になった。

「歯医者って、もしかして北側の通りのビルの2階に入っているところですか?」
「はい、神社のちょっと北って言ってましたから、たぶんそうだと思いますけど、それがどうかしたんですか?」
「それが実はですね。
 たぶんなのですが、あそこの歯医者さんも男性を好きになる方ではないかと思うのですよ。
 松下さんと似たタイプの若くてがっしりした体つきのかっこいい男性と一緒に歩いているところを、何回か見かけたことがあるので、もしかしたら松下さんのこともデートにでも誘うつもりなのではないかと、少し気になってしまいまして。
 今日は木曜日ですから、歯医者は午後から休診というところも多いでしょうし」
「えっ! そんなの困ります!」

宮司さんの話を聞いた僕は慌てて立ち上がった。

「すいません、お先に失礼します!」
「あ、その歯医者、神社の裏から通りに出て右にちょっと行ったところですから」
「はい、ありがとうございます!」

そうして僕は荷物を持つと仕事着の作務衣を脱ぎつつ北へと走った。

————————————————

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感想 10

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みんなの感想(10件)

sae
2020.09.14 sae

彩華闇落ちじゃくて良かった~(;つД`)

続きまたお待ちしています♪

作者さんの別作品も楽しく読ませていただいてますよー(*・∀・*)ノスキデス

2020.09.14 あみにあ

sae 様

コメントありがとうございます!
お読み頂けて嬉しいです(*'ω'*)
他の作品も読んで頂けて嬉しいです(#^^#)
更新が遅くなっておりますが、次の三連休には更新するので、楽しんで頂ければ嬉しいです!


解除
hiyo
2020.09.01 hiyo

とても楽しく読ませて頂いています。
やっぱり帝国の属国になるのでしょうか~?
皇女さまとの対決がどうなるのか……

続きをお待ちしています~!

2020.09.05 あみにあ

hiyo 様

コメントありがとうございますm(__)m
返信が遅くなり申し訳ございません(;´Д`)
内容を拝見させて頂き……投稿する作品をお間違えではと……(;・∀・)

解除
sae
2020.08.10 sae

おもしろいです(*´∀`)
更新楽しみにしています♪

2020.08.11 あみにあ

sae 様

コメントありがとうございます!
楽しんで頂けて嬉しいです(*ノωノ)

書き溜めた分が終わってしまったので……更新がゆっくりになると思いますが……最後まで必ず書き上げますのでお付き合い頂けると嬉しいです(*'ω'*)

こういったコメント頂けると、とても励みになります!
なるべく早く更新できるよう頑張ります!

解除

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