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中等部
お兄様は私のもの (香澄視点)
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ムカツク、ムカツク、ムカツク!!
せっかく厳しい御婆様を呼んだのに、あの女は全てクリアしてしまった。
ダメ出しされてすぐに追い返されると思ったのに!
あぁもう、なんなのよ!
お兄様は私のだけのものなのに!
どうしてあんな女なんかに!
御婆様に認められても、私は絶対に認めないわ。
お兄様は絶対にあの女に騙されているのよ。
今に見てなさいよ、化けの皮をはがしてやるんだから!
ヘラヘラと笑う一条彩華を睨みつけながら、私はそう誓ったの。
あの女が家にやってくるたびに、あれやこれやと兄から引き離そうと画策する。
だけどあまり効果は得られなかった。
それもそのはず、女がお兄様にまとわりついていると考えていたのに、実際は違ったから。
どうも兄が彼女を気に入り、傍に居ようとするの。
その姿に、さらに苛立った。
兄には嫌われたくない、だけどあの女は大嫌い。
隠れていっぱい意地悪した。
だけどあの女、全然めげないのよね。
私のことを舐めたようなあの笑顔が苛立って仕方がない。
あぁ、本当にムカつく、絶対に許さない、許さないわ。
どんな手を使っても、お兄様との仲を裂いてやる。
そう思い続けて2年、私は中等部へと進学した。
初等部は兄とは違う女学園に通っていたから、邪魔をすることができなかった。
だから中等部は母に無理を言って、兄と同じ学園へと進学させてもらったの。
もちろん成績は何の問題もないわ。
未だ兄の隣に並ぼうとするあの女の本性を暴いて、兄の目を覚まさせてあげる。
私は入学する学園の制服に袖を通すと、鏡の前に立ち自分の姿を見つめた。
入学式当日。
学園にあの女が笑いながら、私に手を振る姿が目に入映った。
笑っていられるのも今のうちよ!
そう思いながら彼女を強く睨みつけると、いつもの困った笑顔を浮かべていた。
あの女はいつもそう。
私はどれだけ辛辣な態度を取ろうとも、目があえば手を振って微笑みかける。
どれだけ意地悪しても、どれだけきつい言葉を投げても、彼女はいつも私に笑顔を向けるの。
只の偽善者なのか、いい子ちゃんぶっているのか。
怒ったり、泣いたり、逃げ出したり、取り乱す彼女の姿を一度も見たことがなかった。
今まで兄に近づく女を沢山排除してきたわ。
成功していないのは、あの女だけ……。
そういえば、お兄様の周りに女性が集まるようになったのはいつからだっけ。
まぁ、当然だよね~。
だって兄は勉強もできてスポーツも万能、それにとっても優しくてカッコイイ!
加えて名家生まれとくれば、女性が放っておくはずないわ。
そんな兄に取り入ろうと、たくさんの女たちが兄に擦り寄っていた。
まぁそんな低俗な女を、兄が相手をするはずないけどね。
兄の気を引くのが難しいとわかった女たちは、次に私へ媚びを売り始めるようになっていった。
笑顔で私へと微笑む裏では私の悪口を言い、兄を紹介しないとわかると、私の前から去っていく。
最初の頃はそれがわからなくて、苦い経験をしたわ。
友達だと思っていた人が、裏で私の陰口を言っている現場に遭遇した時は今でも覚えている。
「あんなわがままの子、二条君が居なければ仲良くなんてするはずがないわ」
その言葉を聞いて、私は思いっきりその女にビンタをかましたのは良い思いでね。
あの女だってきっと同じ。
笑顔で取り繕っていっても、裏では碌な女じゃないはずよ!
そう気付いてから私は、近づいてくる女たちに冷たい言葉を浴びせ、嫌がらせし、兄に近寄らせないようにを虚勢はってきた。
暫くすれば兄狙いのバカな女たちは、私に敵意を向ける。
そうなれば兄は私を守ってくれるわ。
彼女たちの醜い姿を露にさせて傍に居られなくさせるの。
だけどあの女だけどうしてそうならないの?
絶対あいつの裏の顔を暴いて、お兄様を取り戻して見せるんだから――――。
そう意気込みな、ますは敵情視察。
あの女を知るいい機会、行動を監視してみましょう。
兄以外の男へ媚びをうっているかもしれなしね。
中等部に入学してすぐに、私はあの女のストーキングを始めた。
あるときは木の陰に隠れ、またある時は教室の窓からこっそりと顔をだす。
またある時は電柱から覗き込み、またまたある時は望遠鏡を使って彼女の姿をじっと観察してた。
だけど調べれば、調べるほど、彼女はよくできた人間だった。
男性と話すことはなく、会話をしたとしても挨拶程度。
周りからの評判もよく、同級生や下級生、上級生にも一目置かれていた。
彼女は自分の家の権力を振りかざす事もなく、どんな人たちにも平等に接し、人の悪口や陰口を言っている姿を見たことがない。
それに加え成績優秀、才色兼備、面倒見もいい。
そんな彼女は常に人と適度な距離を保ち接していた。
仲が良いのは兄と華僑家の男だけ。
華僑家の男は短髪の可愛い系イケメン、お兄様と並ぶと本当に絵になるわ~。
彼女は二人に心を許しているようで、日ごろ教室内で見せないような幼さが残る笑顔を見せていた。
その後も彼女の監視を続けていると、最近どうもお兄様を避けていることに気が付いた。
最初の頃は昼も一緒、休憩時間も一緒、下校も一緒にしていたのに、露骨に彼女は一人で行動する。
どうしてそんなことをするのか皆目見当もつかないけど、私にとっては万々歳。
兄も避けられていると気づき始め、元気がなく悲しい表情を見せ始める。
だけど私はこの状態が長く続き、一刻も早く兄の気持ちがなくなることを祈っていた。
しかし避ける日が続けば続くほど、兄の様子がおかしくなっていく。
家では平然を保っていたのに、最近では家でも暗い表情で苦しそうに顔を歪める。
意気消沈した様子で、口数が減り、じっと何かを考え込む時間が多くなった。
そんなお兄様に声をかけてみるけど、いつもとは違う弱々しい笑顔だった。
なによ、何なのよ……ッッ。
どうして、どうしてお兄様はそんなにあの女がいいの?
避けるような女忘れちゃえばいいのに。
ねぇいつもみたいに笑ってよ……。
せっかく厳しい御婆様を呼んだのに、あの女は全てクリアしてしまった。
ダメ出しされてすぐに追い返されると思ったのに!
あぁもう、なんなのよ!
お兄様は私のだけのものなのに!
どうしてあんな女なんかに!
御婆様に認められても、私は絶対に認めないわ。
お兄様は絶対にあの女に騙されているのよ。
今に見てなさいよ、化けの皮をはがしてやるんだから!
ヘラヘラと笑う一条彩華を睨みつけながら、私はそう誓ったの。
あの女が家にやってくるたびに、あれやこれやと兄から引き離そうと画策する。
だけどあまり効果は得られなかった。
それもそのはず、女がお兄様にまとわりついていると考えていたのに、実際は違ったから。
どうも兄が彼女を気に入り、傍に居ようとするの。
その姿に、さらに苛立った。
兄には嫌われたくない、だけどあの女は大嫌い。
隠れていっぱい意地悪した。
だけどあの女、全然めげないのよね。
私のことを舐めたようなあの笑顔が苛立って仕方がない。
あぁ、本当にムカつく、絶対に許さない、許さないわ。
どんな手を使っても、お兄様との仲を裂いてやる。
そう思い続けて2年、私は中等部へと進学した。
初等部は兄とは違う女学園に通っていたから、邪魔をすることができなかった。
だから中等部は母に無理を言って、兄と同じ学園へと進学させてもらったの。
もちろん成績は何の問題もないわ。
未だ兄の隣に並ぼうとするあの女の本性を暴いて、兄の目を覚まさせてあげる。
私は入学する学園の制服に袖を通すと、鏡の前に立ち自分の姿を見つめた。
入学式当日。
学園にあの女が笑いながら、私に手を振る姿が目に入映った。
笑っていられるのも今のうちよ!
そう思いながら彼女を強く睨みつけると、いつもの困った笑顔を浮かべていた。
あの女はいつもそう。
私はどれだけ辛辣な態度を取ろうとも、目があえば手を振って微笑みかける。
どれだけ意地悪しても、どれだけきつい言葉を投げても、彼女はいつも私に笑顔を向けるの。
只の偽善者なのか、いい子ちゃんぶっているのか。
怒ったり、泣いたり、逃げ出したり、取り乱す彼女の姿を一度も見たことがなかった。
今まで兄に近づく女を沢山排除してきたわ。
成功していないのは、あの女だけ……。
そういえば、お兄様の周りに女性が集まるようになったのはいつからだっけ。
まぁ、当然だよね~。
だって兄は勉強もできてスポーツも万能、それにとっても優しくてカッコイイ!
加えて名家生まれとくれば、女性が放っておくはずないわ。
そんな兄に取り入ろうと、たくさんの女たちが兄に擦り寄っていた。
まぁそんな低俗な女を、兄が相手をするはずないけどね。
兄の気を引くのが難しいとわかった女たちは、次に私へ媚びを売り始めるようになっていった。
笑顔で私へと微笑む裏では私の悪口を言い、兄を紹介しないとわかると、私の前から去っていく。
最初の頃はそれがわからなくて、苦い経験をしたわ。
友達だと思っていた人が、裏で私の陰口を言っている現場に遭遇した時は今でも覚えている。
「あんなわがままの子、二条君が居なければ仲良くなんてするはずがないわ」
その言葉を聞いて、私は思いっきりその女にビンタをかましたのは良い思いでね。
あの女だってきっと同じ。
笑顔で取り繕っていっても、裏では碌な女じゃないはずよ!
そう気付いてから私は、近づいてくる女たちに冷たい言葉を浴びせ、嫌がらせし、兄に近寄らせないようにを虚勢はってきた。
暫くすれば兄狙いのバカな女たちは、私に敵意を向ける。
そうなれば兄は私を守ってくれるわ。
彼女たちの醜い姿を露にさせて傍に居られなくさせるの。
だけどあの女だけどうしてそうならないの?
絶対あいつの裏の顔を暴いて、お兄様を取り戻して見せるんだから――――。
そう意気込みな、ますは敵情視察。
あの女を知るいい機会、行動を監視してみましょう。
兄以外の男へ媚びをうっているかもしれなしね。
中等部に入学してすぐに、私はあの女のストーキングを始めた。
あるときは木の陰に隠れ、またある時は教室の窓からこっそりと顔をだす。
またある時は電柱から覗き込み、またまたある時は望遠鏡を使って彼女の姿をじっと観察してた。
だけど調べれば、調べるほど、彼女はよくできた人間だった。
男性と話すことはなく、会話をしたとしても挨拶程度。
周りからの評判もよく、同級生や下級生、上級生にも一目置かれていた。
彼女は自分の家の権力を振りかざす事もなく、どんな人たちにも平等に接し、人の悪口や陰口を言っている姿を見たことがない。
それに加え成績優秀、才色兼備、面倒見もいい。
そんな彼女は常に人と適度な距離を保ち接していた。
仲が良いのは兄と華僑家の男だけ。
華僑家の男は短髪の可愛い系イケメン、お兄様と並ぶと本当に絵になるわ~。
彼女は二人に心を許しているようで、日ごろ教室内で見せないような幼さが残る笑顔を見せていた。
その後も彼女の監視を続けていると、最近どうもお兄様を避けていることに気が付いた。
最初の頃は昼も一緒、休憩時間も一緒、下校も一緒にしていたのに、露骨に彼女は一人で行動する。
どうしてそんなことをするのか皆目見当もつかないけど、私にとっては万々歳。
兄も避けられていると気づき始め、元気がなく悲しい表情を見せ始める。
だけど私はこの状態が長く続き、一刻も早く兄の気持ちがなくなることを祈っていた。
しかし避ける日が続けば続くほど、兄の様子がおかしくなっていく。
家では平然を保っていたのに、最近では家でも暗い表情で苦しそうに顔を歪める。
意気消沈した様子で、口数が減り、じっと何かを考え込む時間が多くなった。
そんなお兄様に声をかけてみるけど、いつもとは違う弱々しい笑顔だった。
なによ、何なのよ……ッッ。
どうして、どうしてお兄様はそんなにあの女がいいの?
避けるような女忘れちゃえばいいのに。
ねぇいつもみたいに笑ってよ……。
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