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背中を壁に押し付けられ、ピストンが激しくなると、竿の硬さが増す。
何度目かの絶頂を迎えると、体がビクビクッと痙攣し、力が入らない。
彼の腕の中でされるがままになっていると、我慢していた喘ぎ声が響いた。
「~~~んんッ、うぅん、はぁ、ふぅあ、あぁッッ」
「ねぇさん、出すよ」
ピクピクと痙攣する蜜壺をこじ開けるように竿が突き上げられると、中に熱い液体が注がれた。
絶頂したばかりの体には強すぎる刺激に、私は壁からずれ落ちながら座り込む。
彼の体がそっと離れると、絨毯に蜜が滲んだ。
「うぅ……ッッ、パトリック、どうしてこんなことするの……。婚約者がいるでしょ……」
涙を拭いながら、婚約者という言葉を口にすると、胸が張り裂けそうになる。
彼の答えを待ってみるが、何も返ってこない。
恐る恐る顔を上げると、そこに義弟の姿はなかった。
私は乱れた服を整え涙を拭うと、おもむろに立ち上がる。
誰もいない部屋を出て脱衣所へ向かうと、冷たい水で顔を洗った。
鏡で己の姿を見つめながら、乱れた心を落ち着かせると、私はウェインの待つ部屋へ戻った。
先ほどの行為はおくびにも出さす、彼を玄関先まで見送る。
扉を開け出て行く彼の背を追いかけようとした刹那、後ろから声が響いた。
「ウェイン殿、もうお帰りになるのですか?」
「やぁ、パトリック殿」
その声に血の気がさっと引くと、私は恐る恐るに振り返る。
そこにはニッコリと笑みを浮かべるパトリックの姿。
どうしてここに?
まさか彼に伝える気なの……?
私は彼を見つめたまま固まると、手足が徐々に冷たくなっていく。
パトリックが私の隣へやってくると、ボソッと耳元で囁いた。
「大丈夫、そんな顔しないで。何も言わないよ」
彼は私の腰へ腕を回すと、ウェインへ顔を向ける。
「姉は体調が優れないようなので、ここからは僕がお送りしますよ」
とんでもない言葉に彼を見ると、回されていた腕に力が入り、私を後ろへ下がらせる。
「あのッ、いえ、私がッッ」
「ねぇさん無理しないで。顔色が悪いよ」
「すまない、体調が悪かったのか。そうとは知らず……無理をさせてしまったかな」
「いえ、そんな……ッッ」
彼はおどおどと戸惑う私の姿に、ニッコリ笑みを浮かべながら制止すると、ウェインを連れて外へと歩いて行った。
去っていく二人の姿に、どうすればいいのかわからない。
パトリックの気持ちがわからない。
婚約を決めたはずなのに、どうして私を解放してくれないの。
どうしてこんなことをするの?
その後、パトリックは何事もなかった様子で戻ってきた。
何の話をしたのか聞きたいが、聞けるはずない。
彼からなんの連絡もないところを見ると、関係を話したわけではないのだろう。
ならどうして送るなんて言ったのかしら……?
ぐるぐると渦巻く感情は大きくなっていくが、消えることはなかった。
それから毎夜、パトリックは私の部屋へ来るようになった。
昔はよく一緒のベッドで眠っていたが、今は違う。
深いキスに熱い愛撫。
体の奥から溶けそうなほどに強く激しく私を求めてくる。
拒否できない自分が悲しい。
夜になると彼が来ると期待し体が疼いてしまう自分は、なんて愚かなのだろうか。
このままではいけないと、私はウェインへ手紙を送った。
街へ一緒に出掛けようと、家だとまた邪魔をされるかもしれないから。
そうして約束の日、私は出かけるための着替えを済ませ部屋のドアノブを握ろうとした刹那、その前に扉が大きく開いた。
「ねぇさん、どこへ行くの?」
パトリックは不機嫌な表情で私を見下ろした。
そんな視線に負けぬよう顔を上げると、彼の胸を押し返す。
「パトリックには関係ないでしょう」
「……あいつに会いに行くの?させないよ」
なぜ彼が知っているのか。
私は目を大きく見開いていると、腕を掴まれ部屋へ引き戻される。
ベッドへ連れていかれると、腕が体の後ろで縛られた。
そのままベッドへ倒されると、青い瞳がこちらを睨む。
怒りを含んだその瞳に、体を小さく震わせると、彼の手がスカートの中へ伸びた。
「パトリックやめてッ、解いて!」
腕が縛られうまく身動きが取れない。
脚を開かされ密壺があらわになると、そこに固い何かが触れた。
彼のではない、冷たく硬い異物。
「なにっ、ぃやっ、嫌ッッ」
「僕が代わりに断ってきてあげる。ねぇさんはここで大人しくしているんだよ」
彼は優しく私の頭を撫でると、布団を上にかけた。
「なっ、ダメっ、パトリックやめて!あぁ、やぁっ、なんなのこれッッ。ああぁん」
蜜壺の中でうねうねと異物が動き始める。
奥へ奥へ入り込んでいくと、愛蜜がドロッと溢れ出した。
必死に彼を引き留めようとするが、彼は振り向くことなく部屋を出て行ってしまった。
どうして邪魔ばかりするのよ。
悔しさと惨めさに涙が溢れ出す。
何とか体を起こそうとすると、蜜壺の中で異物が激しく暴れだした。
「あぁん、ぃやっ、あぁぁぁん」
シーンと静まり変える部屋に響く喘ぎ声。
体の力が抜けると、またベッドへ沈んでしまった。
私は恥ずかしさに布団を噛むと、痺れる感覚に必死で耐えたのだった。
何度目かの絶頂を迎えると、体がビクビクッと痙攣し、力が入らない。
彼の腕の中でされるがままになっていると、我慢していた喘ぎ声が響いた。
「~~~んんッ、うぅん、はぁ、ふぅあ、あぁッッ」
「ねぇさん、出すよ」
ピクピクと痙攣する蜜壺をこじ開けるように竿が突き上げられると、中に熱い液体が注がれた。
絶頂したばかりの体には強すぎる刺激に、私は壁からずれ落ちながら座り込む。
彼の体がそっと離れると、絨毯に蜜が滲んだ。
「うぅ……ッッ、パトリック、どうしてこんなことするの……。婚約者がいるでしょ……」
涙を拭いながら、婚約者という言葉を口にすると、胸が張り裂けそうになる。
彼の答えを待ってみるが、何も返ってこない。
恐る恐る顔を上げると、そこに義弟の姿はなかった。
私は乱れた服を整え涙を拭うと、おもむろに立ち上がる。
誰もいない部屋を出て脱衣所へ向かうと、冷たい水で顔を洗った。
鏡で己の姿を見つめながら、乱れた心を落ち着かせると、私はウェインの待つ部屋へ戻った。
先ほどの行為はおくびにも出さす、彼を玄関先まで見送る。
扉を開け出て行く彼の背を追いかけようとした刹那、後ろから声が響いた。
「ウェイン殿、もうお帰りになるのですか?」
「やぁ、パトリック殿」
その声に血の気がさっと引くと、私は恐る恐るに振り返る。
そこにはニッコリと笑みを浮かべるパトリックの姿。
どうしてここに?
まさか彼に伝える気なの……?
私は彼を見つめたまま固まると、手足が徐々に冷たくなっていく。
パトリックが私の隣へやってくると、ボソッと耳元で囁いた。
「大丈夫、そんな顔しないで。何も言わないよ」
彼は私の腰へ腕を回すと、ウェインへ顔を向ける。
「姉は体調が優れないようなので、ここからは僕がお送りしますよ」
とんでもない言葉に彼を見ると、回されていた腕に力が入り、私を後ろへ下がらせる。
「あのッ、いえ、私がッッ」
「ねぇさん無理しないで。顔色が悪いよ」
「すまない、体調が悪かったのか。そうとは知らず……無理をさせてしまったかな」
「いえ、そんな……ッッ」
彼はおどおどと戸惑う私の姿に、ニッコリ笑みを浮かべながら制止すると、ウェインを連れて外へと歩いて行った。
去っていく二人の姿に、どうすればいいのかわからない。
パトリックの気持ちがわからない。
婚約を決めたはずなのに、どうして私を解放してくれないの。
どうしてこんなことをするの?
その後、パトリックは何事もなかった様子で戻ってきた。
何の話をしたのか聞きたいが、聞けるはずない。
彼からなんの連絡もないところを見ると、関係を話したわけではないのだろう。
ならどうして送るなんて言ったのかしら……?
ぐるぐると渦巻く感情は大きくなっていくが、消えることはなかった。
それから毎夜、パトリックは私の部屋へ来るようになった。
昔はよく一緒のベッドで眠っていたが、今は違う。
深いキスに熱い愛撫。
体の奥から溶けそうなほどに強く激しく私を求めてくる。
拒否できない自分が悲しい。
夜になると彼が来ると期待し体が疼いてしまう自分は、なんて愚かなのだろうか。
このままではいけないと、私はウェインへ手紙を送った。
街へ一緒に出掛けようと、家だとまた邪魔をされるかもしれないから。
そうして約束の日、私は出かけるための着替えを済ませ部屋のドアノブを握ろうとした刹那、その前に扉が大きく開いた。
「ねぇさん、どこへ行くの?」
パトリックは不機嫌な表情で私を見下ろした。
そんな視線に負けぬよう顔を上げると、彼の胸を押し返す。
「パトリックには関係ないでしょう」
「……あいつに会いに行くの?させないよ」
なぜ彼が知っているのか。
私は目を大きく見開いていると、腕を掴まれ部屋へ引き戻される。
ベッドへ連れていかれると、腕が体の後ろで縛られた。
そのままベッドへ倒されると、青い瞳がこちらを睨む。
怒りを含んだその瞳に、体を小さく震わせると、彼の手がスカートの中へ伸びた。
「パトリックやめてッ、解いて!」
腕が縛られうまく身動きが取れない。
脚を開かされ密壺があらわになると、そこに固い何かが触れた。
彼のではない、冷たく硬い異物。
「なにっ、ぃやっ、嫌ッッ」
「僕が代わりに断ってきてあげる。ねぇさんはここで大人しくしているんだよ」
彼は優しく私の頭を撫でると、布団を上にかけた。
「なっ、ダメっ、パトリックやめて!あぁ、やぁっ、なんなのこれッッ。ああぁん」
蜜壺の中でうねうねと異物が動き始める。
奥へ奥へ入り込んでいくと、愛蜜がドロッと溢れ出した。
必死に彼を引き留めようとするが、彼は振り向くことなく部屋を出て行ってしまった。
どうして邪魔ばかりするのよ。
悔しさと惨めさに涙が溢れ出す。
何とか体を起こそうとすると、蜜壺の中で異物が激しく暴れだした。
「あぁん、ぃやっ、あぁぁぁん」
シーンと静まり変える部屋に響く喘ぎ声。
体の力が抜けると、またベッドへ沈んでしまった。
私は恥ずかしさに布団を噛むと、痺れる感覚に必死で耐えたのだった。
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