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第三章
傀儡の香り (其の三)
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小説に登場した大きな事件全てに、黒の教団が関わっている。
だけど小説には、黒の教団という言葉は一切出てこなかった。
それに教団の狙いはノア王子だったはず。
だけど今、標的をトレイシーへ変えた?
一体なぜ?ノア王子をどうするつもりだったのかはわからないが、目的は達成されていないはず。
もしかして黒の教団自体が、私という異物な存在が現れた結果から出来たものだとしたら?
令嬢だった私が騎士としての道を進み、運命が変わったその修正をしている……?
まさかそんな……。
でも現に今ストーリーから大分脱線してしまっている。
最初はリリーが令嬢から騎士になった、それぐらいだった。
だけど私が騎士学園へ入学したことで、ずっと主席だったピーターの席を私が奪った。
次にノア王子を助けたことで、トラウマが和らぎ彼の性格が変わった。
誘拐事件を防いだことで、エドウィンの主がノア王子から私になった。
そうやって小さな変化の末、トレイシーが男になったのだろうか?
そしてその結果、トレイシーとノア王子の恋愛が始まらなくなってしまった。
小さな変化が大きな変化に。
今更だが物語との主要人物と係わったことで、ストーリーは大きく変わっている。
けれどこの世界はそれを許さないのかもしれない。
軌道修正するために、黒の教団が私の代わりに動き始めた……?
導き出した答えに言葉を失っていると、ガブリエルはティーカップを私の口元へ近づける。
「さぁ、これを飲むんだ」
ティーカップから香る強烈な香りに思わず顔を背けた。
きついお香の煙を直接吸い込んだような刺激に鼻の奥が痛い。
「ッッ、こんなもの飲むわけないでしょう」
首を振り抵抗すると、彼は私の頭をガシッと掴む。
「いや、君は飲むしかない。選択肢なんて最初からないんだ」
ガブリエルはニヤリと笑うと、目線を下げる。
追うように私も目線を下げると、キャサリンの小さな手にはキラリと光るナイフが握りしめられていた。
いつの間に!?
彼はそっと彼女の耳元で囁くと、ナイフを持ち上げ、自分の首へ突きつける。
「なっ、やめなさい!」
「無駄だよ。ほら、早く飲まないと、キャサリンの首が血まみれになってしまうよ。アハハハハハ」
キャサリンはグッとナイフを握りなおすと、切先を喉へ突き立てていく。
だらッと血が一滴流れたその様に、私は必死で叫んだ。
「やめて!飲むから、すぐにやめさせて!」
私の悲痛な表情にガブリエルは楽しそうに笑うと、キャサリンの手を握った。
「キャサリン、ナイフから手を離しなさい。ははっ、君のような正義感溢れる騎士には、やはりこういった戦法が一番有効だね。拷問するよりも楽でいい」
彼女はガブリエルの言葉にコクリと頷くと、手をパッと広げ、ナイフが床へ転がる。
その姿にほっと胸を撫で下ろしていると、ティーカップがすぐ目の前に用意されていた。
薄い緑色のお茶。
以前ノア王子の母親の部屋で見たお茶とよく似ている。
違うのは匂いだけ。
私は意を決してティーカップへ唇を近づけると息を止めグッと飲み込んだ。
熱いお茶が喉を通って行くのを感じた刹那、ガンっと頭が痛み、視界が灰色の靄で覆われたように曇る。
痛みが和らいでくると、麻酔のように思考回路が停止し、頭がぼうっとし始めた。
「君の主人は僕だ、僕の命令には絶対服従だよ。僕の可愛い可愛いリリー」
反響するように響いたその言葉を最後に、体の力が抜け視界が暗闇に染まっていった。
次に目覚めた時、私はガブリエルの隣を歩いていた。
逃げ出すチャンスだと思うが、体が思うように動かない。
私の意思とは関係なく、なぜか廊下をゆっくりと進み続けている。
視界は灰色の靄に覆われ、身体から精神が切り離されているような……これは離人感。
なんなのこれ……どうなっているの?
「やっと薬が馴染んできたようだね。さっそく僕のために動いてもらおうか」
連れて来られたのは、彼の書斎。
ペンと便箋が用意されると、私は椅子へと腰掛ける。
「トレイシーを街へ呼び寄せるんだ」
嘘でしょ……。
彼女を助けるために来たのに……私のせいでッッ。
ダメ、書いちゃダメ!
必死に灰色の靄の世界へ叫んでみるが、全く効果はない。
私は言われた通りに便箋へペンを走らせると、最後にサインを記した。
「いいね、これはこちらから届けておくよ。あまり時間はない、さぁ待ち合わせ場所へ行こうか」
ガブリエルは便せんを折りたたみ封筒に入れると、騎士へ手渡した。
城へもっていかせるのだろう、このままだと本当にまずい。
嫌、嫌、どうしてッッ。
体が言うことを聞かない、声も出せない。
なんでこんなッッ、本当に彼の人形になってしまったというの……。
心がどれだけ悲鳴を上げても、体には何も伝わらない。
私は彼の指示に素直に従うと、ガブリエルの後ろを静かについて行ったのだった。
★おまけ(トレイシー視点)★
リリー様に告白してから数日がたった。
あの日からリリー様と真面に話していない。
正直ここまで露骨に避けられるとは思っていないかった。
姿を見かけて声を掛けようとしても、その前に逃げられてしまう。
お城でバッタリ出会っても、目を合わせてくれず、そのまま立ち去ってしまう。
その度に胸が張り裂けそうに痛くなって、泣きそうになった。
良い関係を築けていたと思っていたのに……。
何とかして関係を修復したくて、宿舎にも尋ねに行った。
けれど現れたのピーター様。
「あー、悪い、リリーは今忙しいんだとさ」
「……そうですか。あの、話だけでも聞いてほしいと伝えてもらえませんか……?」
「あぁ、わかった。ところで一体何があったんだ?あいつに聞いても何もないの一点張りでさ」
「……私が悪いのですわ」
宿舎まで来たけれど会ってもらえない事実に涙が溢れだしそうになる。
私の気持ちはそれほどまでに迷惑だったのかしら……。
「おい、ちょっ、泣くな。あー、リリーちゃんと伝えておくからさ」
私は深く頭を下げると、逃げるようにその場を後にした。
暫くしてリリー様が手紙が届いた。
緑地公園で話をしたいと。
一人で街へ出て行くのは、ノア王子に止められていた。
だけどようやくリリー様と話を出来るチャンスを逃すわけにはいかない。
ちゃんと説明して、前と同じとはいかなくても……また話せるような関係に戻りたい。
私は自分の仕事を早々に片付け休憩時間を作ると、手紙を握りしめ街へ走って行ったのだった。
だけど小説には、黒の教団という言葉は一切出てこなかった。
それに教団の狙いはノア王子だったはず。
だけど今、標的をトレイシーへ変えた?
一体なぜ?ノア王子をどうするつもりだったのかはわからないが、目的は達成されていないはず。
もしかして黒の教団自体が、私という異物な存在が現れた結果から出来たものだとしたら?
令嬢だった私が騎士としての道を進み、運命が変わったその修正をしている……?
まさかそんな……。
でも現に今ストーリーから大分脱線してしまっている。
最初はリリーが令嬢から騎士になった、それぐらいだった。
だけど私が騎士学園へ入学したことで、ずっと主席だったピーターの席を私が奪った。
次にノア王子を助けたことで、トラウマが和らぎ彼の性格が変わった。
誘拐事件を防いだことで、エドウィンの主がノア王子から私になった。
そうやって小さな変化の末、トレイシーが男になったのだろうか?
そしてその結果、トレイシーとノア王子の恋愛が始まらなくなってしまった。
小さな変化が大きな変化に。
今更だが物語との主要人物と係わったことで、ストーリーは大きく変わっている。
けれどこの世界はそれを許さないのかもしれない。
軌道修正するために、黒の教団が私の代わりに動き始めた……?
導き出した答えに言葉を失っていると、ガブリエルはティーカップを私の口元へ近づける。
「さぁ、これを飲むんだ」
ティーカップから香る強烈な香りに思わず顔を背けた。
きついお香の煙を直接吸い込んだような刺激に鼻の奥が痛い。
「ッッ、こんなもの飲むわけないでしょう」
首を振り抵抗すると、彼は私の頭をガシッと掴む。
「いや、君は飲むしかない。選択肢なんて最初からないんだ」
ガブリエルはニヤリと笑うと、目線を下げる。
追うように私も目線を下げると、キャサリンの小さな手にはキラリと光るナイフが握りしめられていた。
いつの間に!?
彼はそっと彼女の耳元で囁くと、ナイフを持ち上げ、自分の首へ突きつける。
「なっ、やめなさい!」
「無駄だよ。ほら、早く飲まないと、キャサリンの首が血まみれになってしまうよ。アハハハハハ」
キャサリンはグッとナイフを握りなおすと、切先を喉へ突き立てていく。
だらッと血が一滴流れたその様に、私は必死で叫んだ。
「やめて!飲むから、すぐにやめさせて!」
私の悲痛な表情にガブリエルは楽しそうに笑うと、キャサリンの手を握った。
「キャサリン、ナイフから手を離しなさい。ははっ、君のような正義感溢れる騎士には、やはりこういった戦法が一番有効だね。拷問するよりも楽でいい」
彼女はガブリエルの言葉にコクリと頷くと、手をパッと広げ、ナイフが床へ転がる。
その姿にほっと胸を撫で下ろしていると、ティーカップがすぐ目の前に用意されていた。
薄い緑色のお茶。
以前ノア王子の母親の部屋で見たお茶とよく似ている。
違うのは匂いだけ。
私は意を決してティーカップへ唇を近づけると息を止めグッと飲み込んだ。
熱いお茶が喉を通って行くのを感じた刹那、ガンっと頭が痛み、視界が灰色の靄で覆われたように曇る。
痛みが和らいでくると、麻酔のように思考回路が停止し、頭がぼうっとし始めた。
「君の主人は僕だ、僕の命令には絶対服従だよ。僕の可愛い可愛いリリー」
反響するように響いたその言葉を最後に、体の力が抜け視界が暗闇に染まっていった。
次に目覚めた時、私はガブリエルの隣を歩いていた。
逃げ出すチャンスだと思うが、体が思うように動かない。
私の意思とは関係なく、なぜか廊下をゆっくりと進み続けている。
視界は灰色の靄に覆われ、身体から精神が切り離されているような……これは離人感。
なんなのこれ……どうなっているの?
「やっと薬が馴染んできたようだね。さっそく僕のために動いてもらおうか」
連れて来られたのは、彼の書斎。
ペンと便箋が用意されると、私は椅子へと腰掛ける。
「トレイシーを街へ呼び寄せるんだ」
嘘でしょ……。
彼女を助けるために来たのに……私のせいでッッ。
ダメ、書いちゃダメ!
必死に灰色の靄の世界へ叫んでみるが、全く効果はない。
私は言われた通りに便箋へペンを走らせると、最後にサインを記した。
「いいね、これはこちらから届けておくよ。あまり時間はない、さぁ待ち合わせ場所へ行こうか」
ガブリエルは便せんを折りたたみ封筒に入れると、騎士へ手渡した。
城へもっていかせるのだろう、このままだと本当にまずい。
嫌、嫌、どうしてッッ。
体が言うことを聞かない、声も出せない。
なんでこんなッッ、本当に彼の人形になってしまったというの……。
心がどれだけ悲鳴を上げても、体には何も伝わらない。
私は彼の指示に素直に従うと、ガブリエルの後ろを静かについて行ったのだった。
★おまけ(トレイシー視点)★
リリー様に告白してから数日がたった。
あの日からリリー様と真面に話していない。
正直ここまで露骨に避けられるとは思っていないかった。
姿を見かけて声を掛けようとしても、その前に逃げられてしまう。
お城でバッタリ出会っても、目を合わせてくれず、そのまま立ち去ってしまう。
その度に胸が張り裂けそうに痛くなって、泣きそうになった。
良い関係を築けていたと思っていたのに……。
何とかして関係を修復したくて、宿舎にも尋ねに行った。
けれど現れたのピーター様。
「あー、悪い、リリーは今忙しいんだとさ」
「……そうですか。あの、話だけでも聞いてほしいと伝えてもらえませんか……?」
「あぁ、わかった。ところで一体何があったんだ?あいつに聞いても何もないの一点張りでさ」
「……私が悪いのですわ」
宿舎まで来たけれど会ってもらえない事実に涙が溢れだしそうになる。
私の気持ちはそれほどまでに迷惑だったのかしら……。
「おい、ちょっ、泣くな。あー、リリーちゃんと伝えておくからさ」
私は深く頭を下げると、逃げるようにその場を後にした。
暫くしてリリー様が手紙が届いた。
緑地公園で話をしたいと。
一人で街へ出て行くのは、ノア王子に止められていた。
だけどようやくリリー様と話を出来るチャンスを逃すわけにはいかない。
ちゃんと説明して、前と同じとはいかなくても……また話せるような関係に戻りたい。
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