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最悪の出会い。
対面する二人。
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まさかの驚きにサクヤはブツブツと呟いていた。
自分も童顔だが、美形の青年たちは実はおじさんと呼べる年齢に。
これからどうしたらとサクヤが考えながら歩いていくと、
ある部屋にヤナギが止まった。それは必然的にサクヤも止まる。
「ここがレオさまのお部屋になります」
ヤナギがそういうとゴクリと喉がなるサクヤ。
「失礼します。レオさま」
扉をノックしてガチャと開けると一人の青年がこちらを見ている。
「………そのお子ちゃまが月の御子なんだ?」
「サクヤさまは18歳ですよ、レオさま。とっくに成人は迎えています」
ヤナギがフォローしているが、バカにしたような笑みを浮かべてサクヤを見つめる。
「まだまだお子ちゃまかと思った」
クスクス笑う濃い紫に近い黒髪に赤い瞳が見遣る。
『この国は年齢不詳が多すぎる!!この王子、レオさまか。
父親のリツさまでさえ同じ年代に見えるのだけど!?』
レオという青年はまだまだツッコミどころがあるし、
色々と自分がバカにされているのだが、サクヤはパニックだった。
「月の御子さまはお名前すら言えないのか?お子ちゃまだな?」
「っ!サクヤです、お子ちゃまではありません!!」
更にバカにされて我に返ったサクヤはレオを睨む。
「名前すら名乗れないなら、お子ちゃまだろ?」
「ここに来たばかりなんですから、色々と考える事があるんです!
あなたこそ、名前も名乗らないじゃないですか!」
サクヤの言葉にレオはおかしそうに笑った。
「おやおや、失礼した。
俺はレオ。レオ・ムーンブライトだ」
まだバカにしたように笑うレオにサクヤは悔しそうな顔をする。
『こんな腹黒王子を俺がどうか出来るの!?』
もう頭はこれでいっぱいいっぱいだ。サクヤは頭を抱えたい気分になる。
「レオさま、いい加減になさいませ。
サクヤさまも異世界から来ているのですから」
ヤナギがそういうとクスクス笑うだけにするレオだが、言葉を続ける。
「俺の呪いを解こうとか考えてんだろ?
時間と労力の無駄だな。俺はこの呪いを享受している。
後、半年後で呪いは完成するさ」
「なんでそこまで呪いを受け入れているんですか?
呪いなんでしょう、死ぬかもしれないのに?」
「それこそ、お前に関係ないだろ」
一言、レオは言い切った。鋭い瞳をこちらに向けて。
その言葉にカチンと来たサクヤは言い切った。
「放っておける訳ないでしょうが!!
死にたがり屋の奴を!!俺は医者なんだから尚更だ!」
「医者?これはこれは………とても思えないな」
「ハイデンさん、この人だけと会話させてください」
「わかりました」
そういうとヤナギは去っていく。今まで会話を挟まなかったのだ。
多分、この王子は自分に何か言いたい事があるのだと。
だからヤナギを部屋から遠ざけた。
「おや、察知がいいみたいだな」
「アンタは何が言いたい?」
今まで何かを言いたげだったのだと思ったら合っていたようだ。
「俺の呪いは『本気になる相手が居なければ呪いは解けない』つまり、
俺は愛する人間がなれば、っていうか、人を愛せるようになれれば死なない。
でも俺は愛する気はないから」
「俺が愛せない世界なんて興味ない、一緒に死んで欲しい。月の御子」
「は?」
何を言っているのだとサクヤは固まった。
自分も童顔だが、美形の青年たちは実はおじさんと呼べる年齢に。
これからどうしたらとサクヤが考えながら歩いていくと、
ある部屋にヤナギが止まった。それは必然的にサクヤも止まる。
「ここがレオさまのお部屋になります」
ヤナギがそういうとゴクリと喉がなるサクヤ。
「失礼します。レオさま」
扉をノックしてガチャと開けると一人の青年がこちらを見ている。
「………そのお子ちゃまが月の御子なんだ?」
「サクヤさまは18歳ですよ、レオさま。とっくに成人は迎えています」
ヤナギがフォローしているが、バカにしたような笑みを浮かべてサクヤを見つめる。
「まだまだお子ちゃまかと思った」
クスクス笑う濃い紫に近い黒髪に赤い瞳が見遣る。
『この国は年齢不詳が多すぎる!!この王子、レオさまか。
父親のリツさまでさえ同じ年代に見えるのだけど!?』
レオという青年はまだまだツッコミどころがあるし、
色々と自分がバカにされているのだが、サクヤはパニックだった。
「月の御子さまはお名前すら言えないのか?お子ちゃまだな?」
「っ!サクヤです、お子ちゃまではありません!!」
更にバカにされて我に返ったサクヤはレオを睨む。
「名前すら名乗れないなら、お子ちゃまだろ?」
「ここに来たばかりなんですから、色々と考える事があるんです!
あなたこそ、名前も名乗らないじゃないですか!」
サクヤの言葉にレオはおかしそうに笑った。
「おやおや、失礼した。
俺はレオ。レオ・ムーンブライトだ」
まだバカにしたように笑うレオにサクヤは悔しそうな顔をする。
『こんな腹黒王子を俺がどうか出来るの!?』
もう頭はこれでいっぱいいっぱいだ。サクヤは頭を抱えたい気分になる。
「レオさま、いい加減になさいませ。
サクヤさまも異世界から来ているのですから」
ヤナギがそういうとクスクス笑うだけにするレオだが、言葉を続ける。
「俺の呪いを解こうとか考えてんだろ?
時間と労力の無駄だな。俺はこの呪いを享受している。
後、半年後で呪いは完成するさ」
「なんでそこまで呪いを受け入れているんですか?
呪いなんでしょう、死ぬかもしれないのに?」
「それこそ、お前に関係ないだろ」
一言、レオは言い切った。鋭い瞳をこちらに向けて。
その言葉にカチンと来たサクヤは言い切った。
「放っておける訳ないでしょうが!!
死にたがり屋の奴を!!俺は医者なんだから尚更だ!」
「医者?これはこれは………とても思えないな」
「ハイデンさん、この人だけと会話させてください」
「わかりました」
そういうとヤナギは去っていく。今まで会話を挟まなかったのだ。
多分、この王子は自分に何か言いたい事があるのだと。
だからヤナギを部屋から遠ざけた。
「おや、察知がいいみたいだな」
「アンタは何が言いたい?」
今まで何かを言いたげだったのだと思ったら合っていたようだ。
「俺の呪いは『本気になる相手が居なければ呪いは解けない』つまり、
俺は愛する人間がなれば、っていうか、人を愛せるようになれれば死なない。
でも俺は愛する気はないから」
「俺が愛せない世界なんて興味ない、一緒に死んで欲しい。月の御子」
「は?」
何を言っているのだとサクヤは固まった。
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