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それぞれのスタート

突然のデート

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昨日、アサギリ様からデートに誘われた私はもう気分はかなり嬉しくて。
手紙に書いてあったのだ。


『明後日、デートに行かないか?結婚後のものも揃えてあるが、
私としてはもっと知りたい』


ただ簡潔に、でもきちんと私を知りたいと思ってくれるのが嬉しい。
アサギリ様と思うと心が高鳴る。


昔からアサギリ様は無口だったけれど、優しい。
無表情だったけれど、顔を緩ませれたら嬉しいのだから。

「あまりアサギリ様はきらびやかなドレスは苦手なのよね。
気合いが入りすぎた時を思い出すと少し苦かったなぁ・・・」
アサギリ様はシンプルなのと慎ましいものが好きだから、と。

「いつも通りの街娘の格好がいいかな、でもデートだからうーん・・・
気合いが入りすぎない、ブルーのワンピースで行こう。
アサギリ様が贈ってくれたものだし。」

明日に備えて寝よう。
私は明日を思いながらベッドに入った。









「急に誘ってびっくりしただろう、イヴ。すまない・・・」
「いえいえ!アサギリ様、私はとても嬉しかったのです。
でもお仕事でご多忙だったのでは?」
「そう言ってもらえるだけでいい。仕事は気にするな。」
そう言って馬車までエスコートしてくれるアサギリ様にドキドキする。


「今日は雑貨屋を見に行こう」
「はい、アサギリ様!」
顔を緩ませたアサギリに私は笑顔で頷くと更に緩んだ。



『幸せだぁ・・・』
馬車に乗りながらニコニコしてしまう私を優しい目で見てくれるアサギリ様。

「街についたようだ。行こう、イヴ」
「はい」
そう言ってエスコートした後に手を握ってくれるのはアサギリ様で。
いつも優しい手が私をしっかり包み込んでくれるのはいつだっただろうと思う。

多分、学園在学してからだったはず、それが当たり前になって。



「イヴ、領地の方はどうだ?大丈夫だったか」
「はい!無事に領民に行き渡りました、アサギリ様のお陰です」
「そうか、ならよかった」
今日はなんかいい日かも!

アサギリ様が無口じゃない、話しかけてくれるのだから。


結婚まで後数日だけど、この人ならと思う。
アクセサリーを数点購入し、ウィンドウショッピングを楽しんだ。

少しデートが早めに終わった事もあり、私はアサギリ様の家にお邪魔する事になった。
アサギリ様の部屋に入り、お茶を楽しみつつ、
思い立ったのか、アサギリ様は部屋を出ていく。

数分後、ある赤茶色の箱をアサギリ様は私に差し出してくれた。


「イヴに渡したいものがある・・・受け取ってくれるか?」
受け取るとネックレスが入っていて、すごく綺麗で一瞬で気に入ってしまった。


「これ、は、?」

「これは我が家に伝わる魔石だ。主に正妻となる者に送られるネックレスだ。」
赤、ガーネットとサファイアが埋め込まれている。
これはかなり価値のあるものだとわかった。ましてや正妻、と言ってくれるアサギリ様。


「あらゆる攻撃や呪文返ししてもくれる、受け取って欲しい。


改めて言うが、私と結婚してください。


イヴリシア・リンフォード公爵令嬢」

屈んで私に求婚するアサギリ様に私は驚いたの当時に瞳が、涙が決壊した。

そんな様子の私にアサギリは驚いたものの私は涙ながら頷く。




「はい、喜んで。アサギリ・フォン・ファースリング様」


ベッドに抱えられて、押し倒されてアサギリ様と初めてキスをした。
顔中にキスされ、愛しいと言ってくれるみたいで。

「アサギリ様、くすぐったいです」
「私の事は、アスでいい」
「はい、・・・アス様。」

キスが段々と熱をこもり、重なった唇から熱を感じる。








「抱いても、いいか?イヴ。」
「はい、アス様。






器用に服を脱がされて、お互いに裸になっていた。
私の家にはもう泊まると連絡したらしい。


口の中ない張り込む舌、アス様のだ。触れ合うと強い意志で絡め取られる。



無駄のない筋肉がついた身体、優しい赤い瞳には劣情が入り混じって。


身体中を舐め取られ、私は恥ずかしすぎて。
でも気持ちよくて。




アス様の愛部に酔いしれ初めてしまった。





























続く













次は甘いです。
本番なので、少し長くなります。





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