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初めての出会いから・・・
第一印象は・・・
しおりを挟む初めて婚約者という者ができたのは、
私、イヴリシア・リンフォードが4歳の時だった。
婚約者はアサギリ・フォン・フォースリング様、当時12歳。
今では26歳の若くして宰相の立場にいらっしゃる方。
侯爵嫡子であり、義兄弟は腹違いの弟のアステル様。
8歳差の婚約者でもあり、筆頭公爵家出身である私から見ると、
アサギリ様は言ってはいけないと思うけれど兄のように思っていた。
アサギリ様は薄い金の髪に、赤色の瞳を持っている。
性格は無表情・無関心・イケメン、つまりクールビューティーな方だと思う。
かと言って私は銀髪のロングストレートでの水色の瞳は持つ、
湖の女神と持て囃されるぐらいまでには成長した。
そう私、イヴリシアがもうじき・・・半月でアサギリ様との結婚を控えているから。
半月で成人になり、18歳になるから。
両親が仲がいい為、またアサギリ様が言っていたのは不明だけれど、
真実は見えないけれどアサギリ様は決して私を裏切るような行為も一切せず、
私、イヴリシア本命で必ずと言っていいほど、彼は周囲の女性には目もくれなかった。
私は悩んでいるのは彼の、アサギリ様の相手は本当に私でいいのかと心配になるぐらい、
彼がとても出来る人でもあるし、実際に彼は優しいのだ。
周囲は分かりづらく、無口ではあるけれど・・・。
そんなクールビューティーな彼と私は結婚していいのかとなと年頃だからこそ、
悩んできたのだ。いくら周りは私を褒めてくれるけど。
母に話をしたら「マリッジブルーかしら?」と笑われている。
だって、だって、
アサギリ様、カッコいいんだもん、と初恋を拗らせるぐらいには。
初めて会った時は、アサギリ様と私は子供で。
屋敷に魔物(モンスター)が隠れて潜み、2人きりになった時に現れた。
その時に唖然としていたアサギリ様は私を庇い、傷を負った。何とか魔物をアサギリが倒して倒れた時に私は泣いた。
深く後悔もした。あの時、私は回復魔法を得意としていて、
幼ながら、泣きながら治療を必死にやっていた。
魔物が居たから仕方がないと言われたけど。
私には悲しかった、アサギリ様のおでこには少し傷が残ってしまったから。そう、月が三日月のような跡が。
私は悲しくて、必死になって治した。
魔力が尽きるまで。
魔力が尽きるまで寝込んでしまった私をアサギリ様は初めて顔を緩まされた。
その時には恋に落ちた。
まだ4歳だった私から見たら衝撃的だったから。
何度も会って、ポツポツと会話して、
でも気遣ってくれるのも分かって。
フォースリング家、いえアサギリ様からの強い希望の婚約の打診が来てからは、なおさら。
婚約を断る事も逃げる事なんて思わなかったけど、段々と居た堪れなくなって。
本当にアサギリ様の妻、という気持ちが嬉しくもあり、
モヤモヤしたりして、ニヤニヤしたりして、まぁ百面相している現在。
アサギリ様との結婚は、アサギリ様は宰相だけど次期公爵としての立場に就く。
公務や領地に関しては私は常に父と切磋琢磨し、努めているので、
次期公爵の本来は私になる。
アサギリ様は国のトップである宰相なのだから、これ以上の仕事はと、私が念入りに断った。
筆頭公爵家の私と宰相の彼、アサギリ様のと結婚が段々と近づいてきた。
私は仕事ばかり(主に領地経営や領民に関してばかり)
これで筆頭公爵家の私はやっていけるのだろうかと不安になったりする。
そう、私は正直に言おう。
計算ばかりというか仕事ばかりして、社交会でやって行ける自信がないから余計に。
このアサギリ様との婚約者、ましてや妻などの仕事も出来るのかなぁと不安な日々を
送っている有様なのだった。
続く
初めまして、いちご大福です。
久方ぶりに純愛を書こうとしたのはアニメを一気見したから。
恋に恋する乙女、イヴですが、
旦那になるアサギリは全く違うタイプです。
色々と拗れますが、よろしくお願いします。
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