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愛されるということ。

邪魔する奴は片っ端から消す。

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「何するんですか、ルシファルー!」
「呼び捨てにされる謂れはない。キシミアと私の仲を聞いて邪魔しに来る奴は容赦しない」
ピンク髪で青い瞳の美少女がルシファルに近づく。
「それにミラヴィ、何で救国の騎士と仲良くなってんのよ!」
「だってキシミア様はわたくしのお友達ですし、キシミア様とルシファル様は婚約されていますし。それより何しに来ましたの?リルベル?」
リルベルと呼ばれた美少女は人差し指でミラヴィを指したかと思えば、すぐにキシミアに指を指した。

「何がお友達よ、救国の騎士よ、そんな奴、私が倒してやるわよ!」
魔法を使ってキシミアに衝撃波を飛ばすとすぐさまルシファルが防御する。


「これ以上、私のキシミアに手を出すならば私が相手になろう。
堕天使のよしみとして黙っていたが、キシミアを攻撃するなら私自ら手を下す」
もはや雰囲気だけで殺せそうなルシファルに屈さないリルベル。かなり怒り心頭なルシファルにキシミアは止めようとするが、
抱き寄せられてキシミアは恥ずかしくて沈黙してしまう。
「ルシファル、アンタ、だまされて」
「黙れ、消し炭にしてくれよう」
雲行きが怪しくなってきた、これはマズいとキシミアが止める。
ルシファルの手に膨大な魔力が集まっているので消し炭確定だとキシミアにはわかった。 

「ちょーと待って、ルシファル!」
「何だキシミア?」
邪魔するなと言わんばかりの圧力がそこにはあって。
リルベルを庇っての行動なのだが、言えばやばくなるし、ややこしくなりそうだとキシミアは思う。


「あ、えーと、お、俺、またルシファルと一緒に居たいなぁ、なーんて」
「何だ、そんな事か。それなら早く言え。
城に戻るぞ」
キシミアのギリギリな嘘をルシファルは肯定するとルシファルはキシミアを抱き締めて翼を広げて、空へと駆ける。



「助けられましたわね、キシミア様に」
今まで黙っていたミラヴィにリルベルに声をかけた。

「金輪際、貴女はキシミア様に逆らわない事ですわ。
ルシファル様の手で消えて無くなりたいなら別ですけど」
そう言って立ち去るミラヴィにリルベルは震えるしかない。


「くやしーーっ!!」
リルベルは敗北したのを痛感したのはニ度目。
ミラヴィの魅力には叶わないという事と、
ルシファルは本気で、本気の目で、自分を消そうとしたところをキシミアに庇われた事、
そして実力でルシファルの心を掴んでいる事に負けたとしかいいようがない。





「キシミア」
「…….ごめん、ルシファル。庇った。
えと、でも居たいなぁってのは本音だから、その、ごめん」
声をかけてきたルシファルにキシミアは正直言ってみた。
上目遣いで見るとルシファルは溜め息をつく。


「二度はない。だが、お前の可愛さに免じて許そう」
「可愛い、のか?」
自分の姿は確かにルシファルやサタン向けなんだろうが、性格はどうか分からないとキシミアは思う。
「無自覚か、やはりタチが悪いな」
やはり自分の性格か。とキシミアは思った。


「庇ったのは頂けないが、その代わり明日は起きあがれないぐらい可愛がってやろう」

「カンベンシテクダサイ、ゴメンナサイ」
カタコトになるキシミアにルシファルはクックッと笑う。


城へと抱っこしながらルシファルは笑う。
その様にキシミアは嬉しくなった。

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