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愛されるということ。

何だ、この可愛い生き物は!

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キシミアが起きた事は知っていたルシファルは狸寝入りをした。  

顔を真っ赤にして視線をウロウロしていたが、
潤んだサファイアの瞳がルシファルに向けられる。

『また抱いてしまいたい……』
キシミアは無防備な顔をしながらルシファルを見ていた。
しかも抵抗らしい抵抗もしない。

顔を赤くして、情事の事を思い出しているようだ。

どうやらキシミアはルシファル、自分のルートを選んだようだ。

『好き、ルシファル』
との言質も取った。完全にこちらのルートだ。
ルシファルは笑みが出そうになるが、キシミアは思わぬ態度を取った。



にっこりと、柔らかくキシミアは微笑んだのだ。
自分だけに向けられた笑み。


そして恥ずかしそうに自分の唇に小鳥のようなキスをした。
自発的にキシミアがした事は求愛に応えるという事に近いと断言した。


『何だ、この可愛い生き物は!!?』


ルシファルは悶えているとキシミアはルシファルの胸に顔を寄せて気持ち良さそうに寝ている。
どんな拷問だ、とルシファルは思う。


抱きたいが、キシミアは疲れから眠っている。
例え回復魔法を使ったところで眠いものは眠いのだろう。
ここまで可愛い生き物=キシミアは貴重すぎるとルシファルは感動した。


『両想いって半端なく幸せすぎる……』
キシミアの知らぬところでルシファルは幸せにして、幸せに満ち溢れていたのである。









「キシミア、起きろキシミア」
キシミアを優しい声で起こすルシファル。
あれから多幸感に浸っていたが、半刻を過ぎた為、ベッドに残していたキシミアを揺り起こす。

「んん、、んぅ?ルシファ、ル?」
「キシミア、ずっと眠っていてはいけない。
何かを食べろ」
「ーーーーっ!!?」
声にならない叫びをキシミアはしていた。
どうやら抱かれた後は恥ずかしいとか思っているに違いないとルシファルは思うが、 
恥ずかしくても現実を突きつけなければなるまいと、キシミアの為にも、と。


「ルシファル、俺、あの、」
「お前の気持ちは聞いた、それに私もお前だけを愛している、私の気持ちに応えてくれるな?」
「……っ!」
顔を真っ赤にしているキシミアへ畳み掛けるように言うルシファルに、キシミアはコクリと頷いた。
赤くして俯いているキシミアにルシファルはそっと抱き締める。


『可愛いーーーっ!!』
『カッコいい、ナニコレ!?』
両者は声にならない叫びをあげていた。



ルシファルに言われ、食事を取るキシミア。
人間なのだから身体に栄養は必要だと言って食事を用意してくれたルシファルにキシミアは感謝しかない。

ちゃんとした人間界の食べ物だった。
ルシファルは席を外している。どうやら魔界には魔界の仕事があるらしく、
『執務室へと行くから何かあれば言うといい』と頭を優しく撫でられてキシミアはちょっと幸せ感を味わいながら取る食事は
ルシファルが居ないのはちょっと寂しいけど
居たら居たできっとマトモに食べれそうにないからキシミアは幸せいっぱいであった。

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