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新しい旅へ!

とりあえず今日は帰って貰いました。

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キシミアを強く抱きしめながら、深くなる口付け。

「んん、や、ル、ルシ」
弱々しい抵抗しか出来ず、キシミアはルシファルの胸に縋る。

口付けが終わると肩で息をしながら、顔を真っ赤にしたキシミアにルシファルは微笑む。


「可愛いな、キシミア。もっとその姿を見せてくれ」
衣類を剥がそうとしているルシファルに、キシミアはありったけの力でルシファルをぶつけた。

『これ以上はムリ!貧相な体だし、
それに!街の中でいたされるのはムリ!』
よろけながらキシミアは睨んだ。


『それに何かこのルシファルは変だ、こんなふうなキャラじゃない!』
こんな笑顔、というか雰囲気は確かに威厳があってルシファルらしいけど、目の前のルシファルは邪悪で腹黒そう。とキシミアは思う。


「まるで猫のようだな。そんなに睨んだところで誘っているようにしか見えんぞ?」
「貴方が勝手に!」
キシミアはこのルシファルはエロいと判断した。
どこでストーリーを間違えたのか、
いやBLゲームではなく、こちらの世界では現実。
キシミアはルシファルが何故にここまで執着するとは思いもよらなかった。

「契約は完了した。また来るぞ、キシミア」
「!!」
口付けにも意味があったのだとキシミアは気づいた。手の甲に堕天使の羽根のようなものが浮かんでいる。

瞬時に消えるルシファルにキシミアは脱力して、顔を真っ赤にさせた。


『推しに攻められた、というか、
まるで初恋の人が自分のように錯覚してしまいそうだ……。』
甘い笑顔に甘い言葉。


『やっぱり堕天使なだけに人を堕とすのがうますぎる』
手の甲に堕天使の羽根のような紋様を浮かんでしまった時点で、キシミアはルシファルのものだと刻まれてしまったのだ。


『とりあえず居ないみたいだし、しっかり仕事をせねば!』
街の人たちの快方して帝国にも帰らないといけない。それにこの紋様はかなりマズい。

包帯をして手の甲を隠すしかなく、キシミアは回復魔法を唱えた。







ルシファルside



可愛かったな、キシミアは!とルシファルは思う。
いや、あんなに目がウルウルしてて真っ赤な顔をしてるキシミアを見れてルシファルは満足していた。

まさかたまたま見てたBLゲームで主人公の可愛さにやられた、なんて言えないよねー。とルシファルはニヤニヤしている。

ルシファルも転生者だった。転生する前からキシミアがお気に入りでもある。

しかしながらキシミア(あおいは知らない)がルシファルルートになると、ルシファルはキシミアを溺愛し、かなりヤバめで過激なBLゲームになる。


ルシファルはその過激なルートを歩ませる事が目標である。

もうそれを見て可憐なキシミアが大胆になっちゃったりとか、我慢出来ず姿を現したのだった。

契約魔法すら使って。



これでキシミアに邪な考えを持つ者は近づけなくしたのである、いわゆる結界魔法を使いつつ。


「早く蕩けたキシミアが見たいなぁ☆」

ルシファルは上機嫌で魔界へと帰っていった。








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