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新しい旅へ!

笑顔が良過ぎる!

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「キシミアか。」
「貴方は魔王の、ルシファル・ザラスティア?」
「その通りだ」
キシミアの口の中が乾く。まだまだ登場する予定は先のハズのルシファルがここにいる。


剣を構えつつ、現れたルシファルを見ると


『やっぱりどこもかしこもイケメンーーッ!!』
んんっ!と声に出してしまいそうで悶えそうなとこを抑える。

『やっぱりBLゲームのように物語が進まないのか、ややこしいな。これは、』
ルシファルが登場した時点でBLゲームの内容ではない。

これは色々と展開がマズい。


ルシファルと戦うとなると、色々とマズい。
精神的にこたえるものがあるが、力が遠く及ばない。
現にルシファルが現れた事すら気付かなかったとキシミアは思う。



「キシミア、私の嫁になれ」

「はい?」

思わず聞き返してしまった言葉にキシミアは、頭が爆発すらしそうになった。

そこには微かに微笑むルシファルの姿。


『推しの笑顔ありがとうございます~!!

っていうかちょっと待って!

ルシファル、あり得ない発言したよね!?』


「頷いたな。それと聞こえなかったか、私の嫁になれと言っている。」
「!?」
『ヤバい、言霊を取られた!!』
言霊とはこの世界では、約束すら意味する。
頷いた訳では無いが、それと同じような発言をすれば魂が縛られてしまう。


『推しのためならって思うけど、
その発言は初恋の人に捧げて貰いたかったー!!
最高の笑顔が見れるハズだったのにー!』
推しのためなら自分は譲っても構わない。むしろ、笑顔が最優先な訳なキシミア。


顔を真っ青にしたり真っ赤になったりとキシミアは混乱していた。

そんなキシミアを見てルシファルは微笑む。



「やはりは可愛いな」
ボソリとつぶやくルシファルにキシミアは混乱しているため、聞こえなかった。


「私とお前は言霊によって縛られた、これからは先はキシミア、お前は私のものだ。」
「お、俺は了承できない!」
ルシファルの言葉についていけず、キシミアは反論した。


『推しの笑顔は初恋の人にあるべきだろ!?
というか何で俺!?
世界軸がおかしいよぉ!』

半泣きしそうなキシミアの態度にルシファルは笑い出した。


「私はお前が必要なんだ、キシミア」
爆弾発言にキシミアの精神はブッ壊れた。



『推しの笑顔と必要発言、ありがとうございますーーっ!!もう悔いはないよ!』

「キシミア」
スッと近づいてくるルシファルにキシミアはどうしたらいいか判断がつかないと思うと、

ルシファルに抱きしめられていた。
そしてルシファルの指がキシミアに触れると、
真正面にルシファルの顔が近づいてくる。


「えっ、ちょ、まっ、、」
「キシミア、お前は可愛いな。」
「んぅ!?」
そういうと重なる唇に、キシミアは大混乱を起こした。


『推しとのまさかの初キスー!?もぉだめ、
どーなってんの、運営ー!!』
こんな展開はなかった事にキシミアは運営に文句を浴びせたのだったが、


ぬるりとしたものが口に入ってきて、目を見開くキシミア。

絡み合うように口付けるルシファルにキシミアは気絶すら許されなかった。
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