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深い繋がり。
婚約者同士の関係。
しおりを挟む真白 小雪(ましろ こゆき)side
僕の名前は真白 小雪。17歳。僕には幼馴染み兼婚約者がいる。
本当に絵本から飛び出したかのようなリアルな王子様が。
彼の名前は北王子 華音(きたおうじ かいん)
僕は彼と一緒じゃないと満足には眠れない。いや、まだ幼馴染みだし、
意識はした事がない訳じゃないけど………というか意識してる。
だって彼は本当に完璧で性格も穏やか。
僕と一緒に居て嫌じゃないのかなって思うぐらい。僕はそんなに可愛い外見でもなく、
至って普通なのだから。
何か大きいと言われる青い瞳を隠したくて、
外見も卑屈に見えちゃって今日もまたメガネをかける。
「おはよう小雪。そんなメガネは俺の前ではかけなくていいよ」
「おはよう、華音くん、でも恥ずかしいし、」
彼、華音くんはいつも同じベッドに寝ている。僕は小さな頃に両親を早くに亡くして、
北王子家で預けられた。
僕は目の前で両親を亡くしたショックから不眠症になってしまった。
その気持ちを汲んでか、北王子のおばさんやおじさんは僕を本当の息子のように
僕を慕ってくれて大切にしてくれている。僕もお義父さんとお義母さんと呼んでいる。
本当にありがたい存在であるけれど、華音くんはどうなんだろう。
ただでさえ冴えない僕はどう映っているのだろうか。
僕は平凡だから。
彼は本当に王子様で。人気もあって生徒会長でもある。
どうしても卑下してしまう。
「小雪以上に大切なものはないよ」
「華音くん………」
にっこりと笑ってメガネを取ってしまう華音くんに僕は慌ててしまう。
そしてギュッと抱きしめてくれる。
「さぁ父さんと母さんとのご飯だし、
小雪のメガネを外すように母さんから言われてるからね。行こうか、小雪」
「うん………でも学校に着いたら返してね?」
「うん、わかってるよ」
にっこりと微笑む華音くんは本当に王子様だ………。
いつも僕はこの笑顔には勝てないのだから。
北王子 華音side
俺の幼馴染みは本当に可愛い。眠っている顔は女の子よりも可愛い。
目をうっすら開けてパチパチする様は小動物かっ!!!と叫びたいぐらいに。
潤んだ青い瞳にやられた人間、というか狂った人間は数知れず。
俺の最愛の婚約者、真白 小雪である事や幼馴染みである事も含めて
人間が近寄らないように徹底している。
昔、血走った輩を闇に葬り去った記憶が蘇るけど、
小雪の幸せにするのは俺の役目だ。こんな可愛い婚約者はいない!!
幼い頃から不眠症になり、俺の傍でしか寝ない小雪。
というか、俺じゃないと眠れないとか可愛すぎるだろ!!!!って思う。
小雪は俺に遠慮しがちだ、きっと傍に居て眠るというのにも恐縮しがちで臆病であった。
もっともっと甘えてくれていいのだが、まだ小雪に自分の気持ちを打ち明けていない。
すごいいい場面で、というか完璧な場面で告白して、
結婚を申し込みたい、小雪の前ではカッコいい北王子 華音で居たい。
そんなこんなで幼馴染み・友達以上、恋人未満の関係になってしまっている。
高校卒業までは恋人以上になると決めていた。
部屋から出ると小雪の手を繋ぎながら、小雪は僅かに微笑む。
そんな当たり前の生活を俺たちはしている。
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