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攻防戦は繰り広げられる。
クリスマス・イヴのデート?
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「プレゼントしてみて、絶対に喜ぶからさ!」
雫がそう言ってニコニコとピアスが入った紙袋を望に渡す。
「は、はぃ……」
恋愛については雫の方が上手だ、と望は勝てないと悟った。
クリスマス・イヴ
特に予定を入れてなかった望はある着信で飛び起きた。
それは幼馴染みの誠一郎から。
『今日、柳崎がそっちに行くからデートしてやって』
急いで支度するとカバンの中にクリスマスプレゼントを閉まって。
「先輩、おはよー」
「おはよう、って言うか急にイヴにデートを誘う相手、間違えてない?」
「間違えてないよ」
真剣な顔をした昴に溜め息をつく。
「私はデートというものはした事がない、お手並拝見させて貰おうか」
望がそういうと昴の瞳が輝く。
「デートをって、誰とも?」
「した事はないな、勉強ばかりだったから」
そういうと昴は手を引っ張られる。
「楽しい事や面白いとこにいこ?」
そうして連れてこられたのは遊園地。
「遊園地なんて小学校以来だ」
「マジでか。今、色んな施設が出来てんの。
まわってこ」
ゴーカートにジェットコースター、お化け屋敷。
特にグロテスクなお化け屋敷は終始、昴にくっついていた。
その様に昴はご満悦である。
「科学的にあり得ないのに~!」
そういった望は恐怖でカタカタと震えて、途中から昴にくっついて目を閉じていた。
なんとかお化け屋敷を脱出して望は頭を抱える。
「定番だけど、メリーゴーランド、乗る?」
「男同士が乗ったらきみ悪いだろうが」
「じゃあ次いこ」
レーザーポインターで点数稼ぎや動物との触れ合いに、望の心はお化け屋敷の事など忘れて、やっと微笑んだ。
「笑った……」
至近距離で笑顔を見せた望に昴は手を握りしめた。
今まで笑った事もない望の笑顔は可愛くて。
多分、見た事があるのは自分だけ、と思うと昴は決心する。
夕暮れに、最後に観覧車に入ると街中は輝いて雪も降り出した。本格的に降り出している。
「ホワイトクリスマスか」
「車を手配するから」
濡れて帰らせてしまったら風邪を引くと思いながら、昴はスマホに電話をかける。
その隙にカバンからいそいそと例のぶつ、クリスマスプレゼントを昴の膝に置いた。
昴の瞳は見開き、真っ直ぐに望に向けられる。
「今年、頑張ったからね。ご褒美」
「俺に?」
「要らなかったら、」
「要る」
悩みながらも聞いてきて、即座に答える昴が少しおかしいなと望は思う。
昴は丁寧に開けるとオニキスのピアス。
小ぶりで下品なものではない、上品な石。
「ピアス……」
びっくりした顔をしている昴に望はちょっとだけ驚く。こんな表情も出来たのかと。
「あの、気にいら」
「すげー嬉しい。絶対につける、後はコレ。
俺から」
昴がカバンから出すとぬいぐるみにプレゼントが持っている。
そのプレゼントを開くと、
「ネックレス?」
一粒、小さなダイヤモンドの粒を中心に周りが円になっていた。
女性ものっぽいなって思う。
「それ、肩凝りにも効くように磁器ネックレスのチェーン。マネージャーの仕事、大変そうだから」
肩こりは確かにあったが、そこまで気づかれていたとは思わず、望は言葉を失う。
「俺の事、少しは好きになった?まだ嫌い?」
「!!」
思わぬ発言に望は、昴は自信過剰だと思っていた。だけど本当は違うのだと気づく。
臆病だったりするんだ、と。自分の気持ちをあるだけ伝えているけどそれは伝えなきゃ伝わらないから、と。
『逃げっぱなしの自分に真っ直ぐに見つめてくれて、気にかけてもくれて、
有言実行のように試合で悔しくてたまらないという姿を見せてくれたのに……』
自分はどうだろうかと、勝ち負けばかり考えて昴の気持ちなど考えてなかったと気づく。
だとしたら出す答えは、
「好きだよ」
雫がそう言ってニコニコとピアスが入った紙袋を望に渡す。
「は、はぃ……」
恋愛については雫の方が上手だ、と望は勝てないと悟った。
クリスマス・イヴ
特に予定を入れてなかった望はある着信で飛び起きた。
それは幼馴染みの誠一郎から。
『今日、柳崎がそっちに行くからデートしてやって』
急いで支度するとカバンの中にクリスマスプレゼントを閉まって。
「先輩、おはよー」
「おはよう、って言うか急にイヴにデートを誘う相手、間違えてない?」
「間違えてないよ」
真剣な顔をした昴に溜め息をつく。
「私はデートというものはした事がない、お手並拝見させて貰おうか」
望がそういうと昴の瞳が輝く。
「デートをって、誰とも?」
「した事はないな、勉強ばかりだったから」
そういうと昴は手を引っ張られる。
「楽しい事や面白いとこにいこ?」
そうして連れてこられたのは遊園地。
「遊園地なんて小学校以来だ」
「マジでか。今、色んな施設が出来てんの。
まわってこ」
ゴーカートにジェットコースター、お化け屋敷。
特にグロテスクなお化け屋敷は終始、昴にくっついていた。
その様に昴はご満悦である。
「科学的にあり得ないのに~!」
そういった望は恐怖でカタカタと震えて、途中から昴にくっついて目を閉じていた。
なんとかお化け屋敷を脱出して望は頭を抱える。
「定番だけど、メリーゴーランド、乗る?」
「男同士が乗ったらきみ悪いだろうが」
「じゃあ次いこ」
レーザーポインターで点数稼ぎや動物との触れ合いに、望の心はお化け屋敷の事など忘れて、やっと微笑んだ。
「笑った……」
至近距離で笑顔を見せた望に昴は手を握りしめた。
今まで笑った事もない望の笑顔は可愛くて。
多分、見た事があるのは自分だけ、と思うと昴は決心する。
夕暮れに、最後に観覧車に入ると街中は輝いて雪も降り出した。本格的に降り出している。
「ホワイトクリスマスか」
「車を手配するから」
濡れて帰らせてしまったら風邪を引くと思いながら、昴はスマホに電話をかける。
その隙にカバンからいそいそと例のぶつ、クリスマスプレゼントを昴の膝に置いた。
昴の瞳は見開き、真っ直ぐに望に向けられる。
「今年、頑張ったからね。ご褒美」
「俺に?」
「要らなかったら、」
「要る」
悩みながらも聞いてきて、即座に答える昴が少しおかしいなと望は思う。
昴は丁寧に開けるとオニキスのピアス。
小ぶりで下品なものではない、上品な石。
「ピアス……」
びっくりした顔をしている昴に望はちょっとだけ驚く。こんな表情も出来たのかと。
「あの、気にいら」
「すげー嬉しい。絶対につける、後はコレ。
俺から」
昴がカバンから出すとぬいぐるみにプレゼントが持っている。
そのプレゼントを開くと、
「ネックレス?」
一粒、小さなダイヤモンドの粒を中心に周りが円になっていた。
女性ものっぽいなって思う。
「それ、肩凝りにも効くように磁器ネックレスのチェーン。マネージャーの仕事、大変そうだから」
肩こりは確かにあったが、そこまで気づかれていたとは思わず、望は言葉を失う。
「俺の事、少しは好きになった?まだ嫌い?」
「!!」
思わぬ発言に望は、昴は自信過剰だと思っていた。だけど本当は違うのだと気づく。
臆病だったりするんだ、と。自分の気持ちをあるだけ伝えているけどそれは伝えなきゃ伝わらないから、と。
『逃げっぱなしの自分に真っ直ぐに見つめてくれて、気にかけてもくれて、
有言実行のように試合で悔しくてたまらないという姿を見せてくれたのに……』
自分はどうだろうかと、勝ち負けばかり考えて昴の気持ちなど考えてなかったと気づく。
だとしたら出す答えは、
「好きだよ」
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