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24-4話 飯塚清士郎 「召喚した化物」
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ヴァゼル伯爵は、みんなに聞こえるように声を一段上げた。
「ポンティアナック。我らの世界では稀代の悪女と言われております」
伯爵ほど腕のたつ人が「やべえ」と言うからどんな者かと思ったが、意外に女性なのか。
「巨大な闇の魔術と獰猛な爪。好きな食べ物は若い男の精巣。引きちぎって食べるのが好みです」
それを聞いて、男子の一部が思わず股を押さえた。それはやべえ。
「ですのでキング殿、かかわらぬほうが……」
「かかわらぬとも、来るかもしれん」
ハビスゲアルの言葉に、ヴァゼル伯爵がゆっくり振り返って睨んだ。
「来る、とはどういう事ですかな」
「ここは魔力が強い。そして、若い男性が多く暮らしております。その危険をお伝えしたく、お邪魔した次第です」
たしか、サラマンダーもそうだった。魔力の強い土地に惹かれてきた。おまけに夜行族だ。同じく空を飛んでくる。
「ハビじい」
「……はっ、キング殿、この愚老のことですかな」
「うん。二つ、わからないことがある。なぜおれらに教える? そして、この場所に目処をつけながら、なぜ、お前は攻めてこない」
ハビスゲアルは今一度、居住まいを正した。
「お答えいたします。一つ目は、ポンティアナックを放置すれば犠牲者が増える一方。しかし、倒せそうな者は教会におりません」
「おれらを退治に利用しようと?」
「正直に申し上げますと、そうです。しかしここも予想以上に人がおりました。危険であることも事実」
ハビスゲアルは周りを見回した。森の民が増えたので人数はすでに百を超える。
「二つ目、攻めなかったのは、ここの中がわからぬからです。わからぬ土地を攻めて兵を死なすのは愚行の極みでありましょう」
「なるほどな。じゃあ、これで里の中はわかった。攻めてみるか?」
周りに緊張が走った。
「はて、何も見ておらず、何も知りませぬ」
「へぇ。見逃すと?」
「それよりも、何やら森の民から奇病を治す方法があるとの噂です」
キングとハビスゲアルが互いを見合った。キングが思わず笑う。
「ああ、そんな噂を聞くねー」
「それが本当であれば、森の民が我が国の命運を握っていると言えます」
「プレッシャーかけんなよ」
キングは嫌そうに腕を組んだ。
「愚老が心配するに、物資などはどうしているのかと」
「ああ、それねー、大変みたいだよー。病人がわんさか増えたから」
「ならば、物資を積んだ馬車を森に放置してみましょうか」
「いいねー、森の精霊が喜ぶよ」
「うむ。それでは」
ハビスゲアルが腰を浮かしかけた所で、キングが声をかけた。
「ハビじい、お茶残ってる」
「これは失礼致しました」
座り直し、ささっと茶を飲んでいこうとしたが、目を見開く。
「これは……美味しゅうございますな」
「でしょう。どうです? もうすぐパンが焼き上がる。煮詰めたイチジクもあったよな、喜多?」
調理班のリーダー、喜多絵麻が微笑んだ。
「イチジクとリンゴバターがあります」
ハビスゲアルはツルツルの頭をなでた。
「これは困った。イチジクの煮詰めは大の好物でして」
「じゃあ、決まり。みんな、朝メシにしようぜ」
キングが立ち上がった。みんなも朝食の準備に散る。
朝食は頭脳班の研究室で食べることにした。
部屋にはキングと俺、姫野、ヴァゼル伯爵にジャムさん。そしてハビスゲアルだ。
ハビスゲアルは、イスに座り、壁の本棚を眺めている。
「よくぞ、これほど揃えたものです」
「ああ、ほとんどドクのだけどな」
「一度、そのドク殿と話をさせてもらえませぬか?」
キングが俺を見た。ドクの病気のことだろう。
「ドクもゲスオも、完治するには、もう少しかかると思う」
キングがうなずいた。
「それで、どうする? その性悪女を」
俺はキングにたずねた。キングが腕を組み考える。
「急に来られるより、迎え撃ったほうがいいと思う。プリンスは?」
「俺も同感だ。姫野は?」
「そうね、わたしもそう思うわ」
俺は異世界人の二人を見た。
「お二人のご意見は?」
ジャムさんがうなずく。
「ここを戦場とするのか? そこが考えどこだな」
「でも、ジャム師匠、へたに外で戦ってこっちに来たら」
「そうだな。それもある」
ジャムさんとキングの心配はもっともだ。俺はその中間となる案を提案した。
「里のものは山に非難。中央で戦闘班が迎え撃つ」
「そうだな。そんなとこだろうな」
俺はヴァゼル伯爵のほうを向いた。
「伯爵は同族だ。戦うので?」
「すべての男の敵ですよ。あの醜女は。幸い魔術を使えるものが二人。戦士が三人。なんとかなるでしょう」
戦士が三人とは、俺とキングとジャムさんだろう。魔術が二人? みんながハビスゲアルを見た。
「伯爵、ハビじいって、強いの?」
「かなりの使い手かと。流れる魔力はかなりの物です」
「まじか、おれと戦った時、なんで使わなかったんだ?」
ハビスゲアルは目をしばたたかせた。
「それは、そちらに魔法が効かないからです」
「うわっ、ハビじい、早合点したな。魔法解けるのって、友松の掃除スキルだけだぞ」
「なんと!」
「っつうか、スキル与えたの自分だろ!覚えてねえのかよ」
「28人も覚えておれるか! いや失礼しました。覚えておりませぬ」
俺は思わず笑いが込み上げた。
「ん? プリンス?」
「キング、お前は、ほんとうにキングだな」
「なんだそれ」
「そう思いませんか? 伯爵」
「わかりますよ。さらりと今、敵に手の内を晒しました。しかし、予想するにハビスゲアル殿は、これで逆に魔術が使いずらくなってしまった」
ハビスゲアルとキングが眉をひそめた。それぞれ考えた事は違うと思うが。
「キング殿は豪放磊落。まあ馬鹿とも言えますが」
「伯爵、馬鹿とはひどい」
キングの言葉を無視して、ヴァゼル伯爵は俺の方を向いた。
「次に召喚されるなら、ぜひとも我が夜行族の世界へ。もちろんプリンスとヒメノ両名も」
「この三人か。我が軍にも欲しかったな」
ジャムさんまで、しみじみ言った。
「伯爵、忘れてる。俺らが行くとゲスオも行く」
「むむ!ドク殿なら大歓迎ですが、ゲスオ殿ときましたか……」
あまりに真剣に悩むので、ハビスゲアル以外の全員が笑った。
「ポンティアナック。我らの世界では稀代の悪女と言われております」
伯爵ほど腕のたつ人が「やべえ」と言うからどんな者かと思ったが、意外に女性なのか。
「巨大な闇の魔術と獰猛な爪。好きな食べ物は若い男の精巣。引きちぎって食べるのが好みです」
それを聞いて、男子の一部が思わず股を押さえた。それはやべえ。
「ですのでキング殿、かかわらぬほうが……」
「かかわらぬとも、来るかもしれん」
ハビスゲアルの言葉に、ヴァゼル伯爵がゆっくり振り返って睨んだ。
「来る、とはどういう事ですかな」
「ここは魔力が強い。そして、若い男性が多く暮らしております。その危険をお伝えしたく、お邪魔した次第です」
たしか、サラマンダーもそうだった。魔力の強い土地に惹かれてきた。おまけに夜行族だ。同じく空を飛んでくる。
「ハビじい」
「……はっ、キング殿、この愚老のことですかな」
「うん。二つ、わからないことがある。なぜおれらに教える? そして、この場所に目処をつけながら、なぜ、お前は攻めてこない」
ハビスゲアルは今一度、居住まいを正した。
「お答えいたします。一つ目は、ポンティアナックを放置すれば犠牲者が増える一方。しかし、倒せそうな者は教会におりません」
「おれらを退治に利用しようと?」
「正直に申し上げますと、そうです。しかしここも予想以上に人がおりました。危険であることも事実」
ハビスゲアルは周りを見回した。森の民が増えたので人数はすでに百を超える。
「二つ目、攻めなかったのは、ここの中がわからぬからです。わからぬ土地を攻めて兵を死なすのは愚行の極みでありましょう」
「なるほどな。じゃあ、これで里の中はわかった。攻めてみるか?」
周りに緊張が走った。
「はて、何も見ておらず、何も知りませぬ」
「へぇ。見逃すと?」
「それよりも、何やら森の民から奇病を治す方法があるとの噂です」
キングとハビスゲアルが互いを見合った。キングが思わず笑う。
「ああ、そんな噂を聞くねー」
「それが本当であれば、森の民が我が国の命運を握っていると言えます」
「プレッシャーかけんなよ」
キングは嫌そうに腕を組んだ。
「愚老が心配するに、物資などはどうしているのかと」
「ああ、それねー、大変みたいだよー。病人がわんさか増えたから」
「ならば、物資を積んだ馬車を森に放置してみましょうか」
「いいねー、森の精霊が喜ぶよ」
「うむ。それでは」
ハビスゲアルが腰を浮かしかけた所で、キングが声をかけた。
「ハビじい、お茶残ってる」
「これは失礼致しました」
座り直し、ささっと茶を飲んでいこうとしたが、目を見開く。
「これは……美味しゅうございますな」
「でしょう。どうです? もうすぐパンが焼き上がる。煮詰めたイチジクもあったよな、喜多?」
調理班のリーダー、喜多絵麻が微笑んだ。
「イチジクとリンゴバターがあります」
ハビスゲアルはツルツルの頭をなでた。
「これは困った。イチジクの煮詰めは大の好物でして」
「じゃあ、決まり。みんな、朝メシにしようぜ」
キングが立ち上がった。みんなも朝食の準備に散る。
朝食は頭脳班の研究室で食べることにした。
部屋にはキングと俺、姫野、ヴァゼル伯爵にジャムさん。そしてハビスゲアルだ。
ハビスゲアルは、イスに座り、壁の本棚を眺めている。
「よくぞ、これほど揃えたものです」
「ああ、ほとんどドクのだけどな」
「一度、そのドク殿と話をさせてもらえませぬか?」
キングが俺を見た。ドクの病気のことだろう。
「ドクもゲスオも、完治するには、もう少しかかると思う」
キングがうなずいた。
「それで、どうする? その性悪女を」
俺はキングにたずねた。キングが腕を組み考える。
「急に来られるより、迎え撃ったほうがいいと思う。プリンスは?」
「俺も同感だ。姫野は?」
「そうね、わたしもそう思うわ」
俺は異世界人の二人を見た。
「お二人のご意見は?」
ジャムさんがうなずく。
「ここを戦場とするのか? そこが考えどこだな」
「でも、ジャム師匠、へたに外で戦ってこっちに来たら」
「そうだな。それもある」
ジャムさんとキングの心配はもっともだ。俺はその中間となる案を提案した。
「里のものは山に非難。中央で戦闘班が迎え撃つ」
「そうだな。そんなとこだろうな」
俺はヴァゼル伯爵のほうを向いた。
「伯爵は同族だ。戦うので?」
「すべての男の敵ですよ。あの醜女は。幸い魔術を使えるものが二人。戦士が三人。なんとかなるでしょう」
戦士が三人とは、俺とキングとジャムさんだろう。魔術が二人? みんながハビスゲアルを見た。
「伯爵、ハビじいって、強いの?」
「かなりの使い手かと。流れる魔力はかなりの物です」
「まじか、おれと戦った時、なんで使わなかったんだ?」
ハビスゲアルは目をしばたたかせた。
「それは、そちらに魔法が効かないからです」
「うわっ、ハビじい、早合点したな。魔法解けるのって、友松の掃除スキルだけだぞ」
「なんと!」
「っつうか、スキル与えたの自分だろ!覚えてねえのかよ」
「28人も覚えておれるか! いや失礼しました。覚えておりませぬ」
俺は思わず笑いが込み上げた。
「ん? プリンス?」
「キング、お前は、ほんとうにキングだな」
「なんだそれ」
「そう思いませんか? 伯爵」
「わかりますよ。さらりと今、敵に手の内を晒しました。しかし、予想するにハビスゲアル殿は、これで逆に魔術が使いずらくなってしまった」
ハビスゲアルとキングが眉をひそめた。それぞれ考えた事は違うと思うが。
「キング殿は豪放磊落。まあ馬鹿とも言えますが」
「伯爵、馬鹿とはひどい」
キングの言葉を無視して、ヴァゼル伯爵は俺の方を向いた。
「次に召喚されるなら、ぜひとも我が夜行族の世界へ。もちろんプリンスとヒメノ両名も」
「この三人か。我が軍にも欲しかったな」
ジャムさんまで、しみじみ言った。
「伯爵、忘れてる。俺らが行くとゲスオも行く」
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