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番外編
睡眠の秋 ねこくんver.
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9月
外に出るだけで疲労がたまりそうな暑さも和らいだ、9月のある日のことであった。
あの楽しかった夏休みにもとうとう終わりが訪れ、今日から大学が始まった。
しばらく早起きをしていなかったため、未だに寝ぼけている頭でなんとか大学へと行くと、久しぶりにいつも一緒にいたメンバーの顔を見た。
俺はそちらへ近づき声をかけた。
「おはよ~」
「お~って、すげー眠そうだな笑」
俺が相当、眠そうな顔をしていたのか、はっしーは笑いながらそう言った。
「はっしーの言う通り!すごく眠い...どうしよう、俺、今日の授業全部寝るかも...」
「それはヤバすぎ笑ねこもそう思わないか?」
はっしーがそうねこくんに振ると、ねこくんは苦笑していた。
「明人、久しぶりだね!でも、さすがに全部寝るのは...笑」
「けど、人間の三大欲求のうちの一つだよ?睡眠に、食欲に、せ「ちょっと、待った!」...何?」
俺が三大欲求を順に言おうとしたら、はっしーからのストップがかかった。
そして、はっしーは焦った顔をして、“やめろ”と必死に口パクで伝えてきた。
俺は一瞬戸惑ったが、冷静になると、確かにねこくんの前で最後のものを言うのは遠慮したほうが良さそうだと気づいた。
俺はわかったと伝えるためにはっしーに頷き返すと、ほっと安心したような表情をした。
いつもなら、ねこくんの前でこういう話は避けるのにな~
これ、完全に思考働いてないわ...
そう思いながら、話題を転換した。
「そう言えば食欲って言うと、今、一応秋だし、食欲の秋だよな~」
「?そういえば、もう秋だったね~」
ねこくんは突然の話題の転換に不思議そうな顔をしていたが、同意してきた。
「なんとかの秋って、他に読書と運動があるけどさ、睡眠の秋を加えてもいいんじゃないのかなと思うんだよね~」
「お前...どれだけ寝たいんだよ...」
はっしーは少し引いた様子でこちらを見てきた。
俺はその様子に釈然としないながらも、語り始めた。
「考えてみなよ、食べた後も運動した後も眠くなるだろ?読書に至っては、読んでいる途中に眠くなるし、そもそも暑すぎず、寒すぎずっていうこの気温自体が、眠ってくださいって言っているようなものじゃないか!それなのに睡眠の秋を加えないってどうなのさ!?」
「た、確かにそうかもな...?」
はっしーは俺の熱弁に押されたようで、疑問形ながらも賛成した。
ねこくんは俺の様子に目を丸くし、はっしーの戸惑う様子を見ては笑っていた。
「ふふふ、明人、すごく眠いんだね笑でも、授業は起きていないとだよ?」
ねこくんは天使のような笑顔で現実を突きつけてきた。
くっ...なんて残酷なんだ...!でも、ねこくんなら許せる!
そう思いながら、俺は遠い目をして「そうだね...」と返事した。
そんなことを話している間に、先生が到着し、ついに授業が始まってしまった。
最初の30分ぐらいは起きていられたのだが、そこから睡魔との戦いが始まった。
自然と落ちてくる瞼を指で強制的に開け、思考停止しそうな頭を自分の手をつねることで覚ますなど様々な工夫をしたが、限界は近かった。
もう眠すぎる!限界!...というか、結局授業の内容が頭に入ってこないなら、妄想していたほうがマシじゃない?寝ているよりは良いでしょ...!
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
ねこくんver
僕は大学でいつも通り授業を受けていると、隣からメモを取るペンの音が聞こえないことに気づいた。
そういえば数分前からやけに隣が静かだったな~と思いながらそちらに目を向けると、はっしーが机に肘をついて寝ていた。
はっしーの手元にあるプリントも十分前くらいにやったところの範囲で、そんなに前から寝ちゃっていたんだとクスッと笑ってしまった。
しかし、このままでは先生に見つかって怒られてしまうかもしれないと思い、僕ははっしーの腕をツンツンとつついて起こそうとした。
全然起きないな...でも、声かけようにも席一個空けて座っているから、大きい声を出すか、移動しないといけないし...どうしようかな?
う~んと悩みながら、はっしーを眺めていても起きる気配は全くなかった。
これは完全に熟睡しているなと苦笑しつつ、取りあえずそっとしておいて授業に集中することにした。
授業も終盤に入ってきているが、未だにはっしーは寝たままだった。
この授業ほとんど聞いてないけど大丈夫なのかな?というか、今日だけじゃなくて今までも何回か寝ていた気がするんだけど...
本人曰く、「プリントだけで理解できる!」というのだからすごいなとは思うが...
先生の話も雑談に入ってしまったので、もう聞いていなくてもいいかなと思い、はっしーを見ていると、ふと頬杖をついてない方の手が視界に入った。
はっしーの方が大きいような?いや、自分が小さいのかな?
そう、はっしーと自分の手を見比べながら考え始めると、僕はちゃんと比べてみたくなってしまった。
そして、僕ははっしーがちゃんと寝ているかチラッと表情を確認した後に、ソロ~っと自分の手をはっしーの手の横に近づけていった。
あ、やっぱりはっしーの方が大きかったな~あと、僕よりも男らしい手な気がする...
何か言い表し難いけど、なんとなく骨ばっている感じとか、なんて心の中で思いながら手を開いたり握ったりしていた。
しかし、ふと僕は何をやっているんだろうと我に返ると、徐々に頬が熱くなった。
はっしーが寝ているから良いものの、いや、寝ていても良くないか...あ~恥ずかしい...
また、はっしーが起きないようにそっと手を引こうとしたとき、手を掴まれた。
僕は思わず声を上げそうになったのを、なんとかもう片方の手で押さえたが、心臓はバクバクと大きな音を立てていた。
え、え、どういうこと...?なんで手を掴まれているの?というか、僕の手を掴んでいるのってはっしーだよね?
あまりにも衝撃的過ぎて、僕は下を向いたまま隣を見ることができなかった。
え、はっしー起きていたの?いつから...?いや、聞くのも怖いな...
心の中でオロオロとしていると、はっしーはいつの間にか僕と恋人繋ぎの状態にしてギュッと握ってきた。
僕の心臓はさらに大きな音を立てていて、恥ずかしさから余計に横を見ることができなくなってしまった。
なんで、恋人繋ぎ!?これ、絶対僕のことからかっているでしょ!
それでも僕は横を見られないため、しばらくされるがままになっていると、はっしーは指で僕の手の甲を撫ぜた。
その瞬間、背中にゾクッとした刺激が走り、僕は焦ってようやくはっしーの方を向けた。
はっしーは相変わらず頬杖をついたまま、ニヤリとした意地の悪い笑みを浮かべていた。
この表情はやっぱり僕のことをからかっていたんだ!
それがわかり、僕は思わず口を少し尖らせて睨んだ。
それから小声ではっしーに問いかけた。
「はっしー、僕をからかって楽しかった?」
「まぁね!いや~人が寝ているときに限って可愛いことしてくれるよな~」
その言葉に少し前に抱いていた疑問が脳裏をよぎった。
僕は、ぎこちない笑みを浮かべながらその疑問を口に出した。
「あのさ...ちなみにはっしーはいつから起きていたの...?」
「ん~?ねこに腕をつつかれたときくらいからかな~」
それだいぶ前だから!とツッコミを入れたくなったが、まだ授業中だからと落ち着かせた。
「それなら、ちゃんと起きてなよ!」
「ちゃんと起きてはいたよ?目が開いてなかっただけで。まぁ、ねこの行動は全部見ていたけど笑可愛かったな~」
それは起きていないんじゃ...?と思ったが、それよりも羞恥の方が勝り、その考えはどこかへ吹き飛んでいった。
恥ずかしすぎる...もうはっしーの顔見られない...
僕は顔を手で覆おうとして、そういえばまだ手を繋いだままだということを思い出した。
そして、その手を解こうとしたが、はっしーには解く気がないようでさらに力を少し加えてきた。
さらに恥ずかしくなり、脳内ではパニックという言葉で埋め尽くされていた。
もう顔を上げていることも耐えられなくなり、机に伏せることで現実逃避した。
はっしーは隣からおーい!起きろよ~と楽しそうな声を出して聞いてきたが僕は無視をした。
こんな状況なのに起きられる訳ないよ!というか、こんなことになるならはっしーのことなんて放っておけばよかった...
と、遠い目になりながら、そのままふて寝することにしたのだった。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
ねこくん、可愛すぎる!!ツンツンとか、手の大きさ比べちゃうのとか!
マジで、天使 of the天使!最高かよ!?
まぁ、全部俺の妄想なんですけどね笑
でも、二人が恋人繋ぎをこっそりしているのを、俺は後ろからこっそり眺めたい!(←ここ大事!邪魔はしないぜ!)
そして、それをおかずにお昼ご飯を食べるから!!
それだけで、俺の中ではご飯が高級料理になるからwww
そう机をダンダンと叩きたいのを強力な精神力で押さえつけていると、先生から追加のプリントが配布された。
それは前から順に送られてくるのだが、案の定、目の前に座っているはっしーは寝ていた。
そのため、はっしーの隣に座っているねこくんがプリントを一時的に受け取って、俺に回してくれた。
俺は素早く後ろにプリントを渡すと、すぐに目の前の二人に注目した。
え、現実でもねこくんのツンツンが見られたりするんですかね!?
それはヤバイって!マジでヤバイ!
写真を撮りたい!けど、撮れない!クソッ!!
肉眼で脳に刻み込むしかないのか...!
リアルになったら鼻血が出ること必至!と思いながら、ドキドキとその瞬間を待っていると、驚きの光景が目の前で繰り広げられた。
ねこくんははっしーの分のプリントを手に持って、それではっしーの頭をペシッと叩いていた。
俺は一瞬目を丸くしたが、あまりにも俺の妄想の中のねこくんのイメージと違いすぎて、ブッと吹き出してしまった。
ねこくんは俺の方を向いてキョトンとした顔をしたが、はっしーが起きたのに気づくとそのプリントを渡していた。
俺は無言で机に伏せって、肩を揺らしながらお腹を抱えて笑った。
やっぱり、現実は妄想と違うけど、現実は現実で面白いわ~
どっちのねこくんも俺は推していくよ!
と、俺は心の中で親指を立てて、授業を受けたのだった。
外に出るだけで疲労がたまりそうな暑さも和らいだ、9月のある日のことであった。
あの楽しかった夏休みにもとうとう終わりが訪れ、今日から大学が始まった。
しばらく早起きをしていなかったため、未だに寝ぼけている頭でなんとか大学へと行くと、久しぶりにいつも一緒にいたメンバーの顔を見た。
俺はそちらへ近づき声をかけた。
「おはよ~」
「お~って、すげー眠そうだな笑」
俺が相当、眠そうな顔をしていたのか、はっしーは笑いながらそう言った。
「はっしーの言う通り!すごく眠い...どうしよう、俺、今日の授業全部寝るかも...」
「それはヤバすぎ笑ねこもそう思わないか?」
はっしーがそうねこくんに振ると、ねこくんは苦笑していた。
「明人、久しぶりだね!でも、さすがに全部寝るのは...笑」
「けど、人間の三大欲求のうちの一つだよ?睡眠に、食欲に、せ「ちょっと、待った!」...何?」
俺が三大欲求を順に言おうとしたら、はっしーからのストップがかかった。
そして、はっしーは焦った顔をして、“やめろ”と必死に口パクで伝えてきた。
俺は一瞬戸惑ったが、冷静になると、確かにねこくんの前で最後のものを言うのは遠慮したほうが良さそうだと気づいた。
俺はわかったと伝えるためにはっしーに頷き返すと、ほっと安心したような表情をした。
いつもなら、ねこくんの前でこういう話は避けるのにな~
これ、完全に思考働いてないわ...
そう思いながら、話題を転換した。
「そう言えば食欲って言うと、今、一応秋だし、食欲の秋だよな~」
「?そういえば、もう秋だったね~」
ねこくんは突然の話題の転換に不思議そうな顔をしていたが、同意してきた。
「なんとかの秋って、他に読書と運動があるけどさ、睡眠の秋を加えてもいいんじゃないのかなと思うんだよね~」
「お前...どれだけ寝たいんだよ...」
はっしーは少し引いた様子でこちらを見てきた。
俺はその様子に釈然としないながらも、語り始めた。
「考えてみなよ、食べた後も運動した後も眠くなるだろ?読書に至っては、読んでいる途中に眠くなるし、そもそも暑すぎず、寒すぎずっていうこの気温自体が、眠ってくださいって言っているようなものじゃないか!それなのに睡眠の秋を加えないってどうなのさ!?」
「た、確かにそうかもな...?」
はっしーは俺の熱弁に押されたようで、疑問形ながらも賛成した。
ねこくんは俺の様子に目を丸くし、はっしーの戸惑う様子を見ては笑っていた。
「ふふふ、明人、すごく眠いんだね笑でも、授業は起きていないとだよ?」
ねこくんは天使のような笑顔で現実を突きつけてきた。
くっ...なんて残酷なんだ...!でも、ねこくんなら許せる!
そう思いながら、俺は遠い目をして「そうだね...」と返事した。
そんなことを話している間に、先生が到着し、ついに授業が始まってしまった。
最初の30分ぐらいは起きていられたのだが、そこから睡魔との戦いが始まった。
自然と落ちてくる瞼を指で強制的に開け、思考停止しそうな頭を自分の手をつねることで覚ますなど様々な工夫をしたが、限界は近かった。
もう眠すぎる!限界!...というか、結局授業の内容が頭に入ってこないなら、妄想していたほうがマシじゃない?寝ているよりは良いでしょ...!
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
ねこくんver
僕は大学でいつも通り授業を受けていると、隣からメモを取るペンの音が聞こえないことに気づいた。
そういえば数分前からやけに隣が静かだったな~と思いながらそちらに目を向けると、はっしーが机に肘をついて寝ていた。
はっしーの手元にあるプリントも十分前くらいにやったところの範囲で、そんなに前から寝ちゃっていたんだとクスッと笑ってしまった。
しかし、このままでは先生に見つかって怒られてしまうかもしれないと思い、僕ははっしーの腕をツンツンとつついて起こそうとした。
全然起きないな...でも、声かけようにも席一個空けて座っているから、大きい声を出すか、移動しないといけないし...どうしようかな?
う~んと悩みながら、はっしーを眺めていても起きる気配は全くなかった。
これは完全に熟睡しているなと苦笑しつつ、取りあえずそっとしておいて授業に集中することにした。
授業も終盤に入ってきているが、未だにはっしーは寝たままだった。
この授業ほとんど聞いてないけど大丈夫なのかな?というか、今日だけじゃなくて今までも何回か寝ていた気がするんだけど...
本人曰く、「プリントだけで理解できる!」というのだからすごいなとは思うが...
先生の話も雑談に入ってしまったので、もう聞いていなくてもいいかなと思い、はっしーを見ていると、ふと頬杖をついてない方の手が視界に入った。
はっしーの方が大きいような?いや、自分が小さいのかな?
そう、はっしーと自分の手を見比べながら考え始めると、僕はちゃんと比べてみたくなってしまった。
そして、僕ははっしーがちゃんと寝ているかチラッと表情を確認した後に、ソロ~っと自分の手をはっしーの手の横に近づけていった。
あ、やっぱりはっしーの方が大きかったな~あと、僕よりも男らしい手な気がする...
何か言い表し難いけど、なんとなく骨ばっている感じとか、なんて心の中で思いながら手を開いたり握ったりしていた。
しかし、ふと僕は何をやっているんだろうと我に返ると、徐々に頬が熱くなった。
はっしーが寝ているから良いものの、いや、寝ていても良くないか...あ~恥ずかしい...
また、はっしーが起きないようにそっと手を引こうとしたとき、手を掴まれた。
僕は思わず声を上げそうになったのを、なんとかもう片方の手で押さえたが、心臓はバクバクと大きな音を立てていた。
え、え、どういうこと...?なんで手を掴まれているの?というか、僕の手を掴んでいるのってはっしーだよね?
あまりにも衝撃的過ぎて、僕は下を向いたまま隣を見ることができなかった。
え、はっしー起きていたの?いつから...?いや、聞くのも怖いな...
心の中でオロオロとしていると、はっしーはいつの間にか僕と恋人繋ぎの状態にしてギュッと握ってきた。
僕の心臓はさらに大きな音を立てていて、恥ずかしさから余計に横を見ることができなくなってしまった。
なんで、恋人繋ぎ!?これ、絶対僕のことからかっているでしょ!
それでも僕は横を見られないため、しばらくされるがままになっていると、はっしーは指で僕の手の甲を撫ぜた。
その瞬間、背中にゾクッとした刺激が走り、僕は焦ってようやくはっしーの方を向けた。
はっしーは相変わらず頬杖をついたまま、ニヤリとした意地の悪い笑みを浮かべていた。
この表情はやっぱり僕のことをからかっていたんだ!
それがわかり、僕は思わず口を少し尖らせて睨んだ。
それから小声ではっしーに問いかけた。
「はっしー、僕をからかって楽しかった?」
「まぁね!いや~人が寝ているときに限って可愛いことしてくれるよな~」
その言葉に少し前に抱いていた疑問が脳裏をよぎった。
僕は、ぎこちない笑みを浮かべながらその疑問を口に出した。
「あのさ...ちなみにはっしーはいつから起きていたの...?」
「ん~?ねこに腕をつつかれたときくらいからかな~」
それだいぶ前だから!とツッコミを入れたくなったが、まだ授業中だからと落ち着かせた。
「それなら、ちゃんと起きてなよ!」
「ちゃんと起きてはいたよ?目が開いてなかっただけで。まぁ、ねこの行動は全部見ていたけど笑可愛かったな~」
それは起きていないんじゃ...?と思ったが、それよりも羞恥の方が勝り、その考えはどこかへ吹き飛んでいった。
恥ずかしすぎる...もうはっしーの顔見られない...
僕は顔を手で覆おうとして、そういえばまだ手を繋いだままだということを思い出した。
そして、その手を解こうとしたが、はっしーには解く気がないようでさらに力を少し加えてきた。
さらに恥ずかしくなり、脳内ではパニックという言葉で埋め尽くされていた。
もう顔を上げていることも耐えられなくなり、机に伏せることで現実逃避した。
はっしーは隣からおーい!起きろよ~と楽しそうな声を出して聞いてきたが僕は無視をした。
こんな状況なのに起きられる訳ないよ!というか、こんなことになるならはっしーのことなんて放っておけばよかった...
と、遠い目になりながら、そのままふて寝することにしたのだった。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
ねこくん、可愛すぎる!!ツンツンとか、手の大きさ比べちゃうのとか!
マジで、天使 of the天使!最高かよ!?
まぁ、全部俺の妄想なんですけどね笑
でも、二人が恋人繋ぎをこっそりしているのを、俺は後ろからこっそり眺めたい!(←ここ大事!邪魔はしないぜ!)
そして、それをおかずにお昼ご飯を食べるから!!
それだけで、俺の中ではご飯が高級料理になるからwww
そう机をダンダンと叩きたいのを強力な精神力で押さえつけていると、先生から追加のプリントが配布された。
それは前から順に送られてくるのだが、案の定、目の前に座っているはっしーは寝ていた。
そのため、はっしーの隣に座っているねこくんがプリントを一時的に受け取って、俺に回してくれた。
俺は素早く後ろにプリントを渡すと、すぐに目の前の二人に注目した。
え、現実でもねこくんのツンツンが見られたりするんですかね!?
それはヤバイって!マジでヤバイ!
写真を撮りたい!けど、撮れない!クソッ!!
肉眼で脳に刻み込むしかないのか...!
リアルになったら鼻血が出ること必至!と思いながら、ドキドキとその瞬間を待っていると、驚きの光景が目の前で繰り広げられた。
ねこくんははっしーの分のプリントを手に持って、それではっしーの頭をペシッと叩いていた。
俺は一瞬目を丸くしたが、あまりにも俺の妄想の中のねこくんのイメージと違いすぎて、ブッと吹き出してしまった。
ねこくんは俺の方を向いてキョトンとした顔をしたが、はっしーが起きたのに気づくとそのプリントを渡していた。
俺は無言で机に伏せって、肩を揺らしながらお腹を抱えて笑った。
やっぱり、現実は妄想と違うけど、現実は現実で面白いわ~
どっちのねこくんも俺は推していくよ!
と、俺は心の中で親指を立てて、授業を受けたのだった。
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