ある腐男子の妄想

佐野 臣

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本編

16 Oh, my God!!

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ごまかすのが上手くなりそうな未来に俺が遠い目をしている間、はっしーと亮くんは騒いでいた。

「なぁ、はっしー暇~」
「はぁ~?そう言いながら来んなよ!重い!!」
「疲れたぁ~」

お前ら二人は何をしているんだと思い、二人の方に目を向けると、亮くんがはっしーの背から首に腕を回して抱きついているような格好になっていた。

..............................え、何してるの?

あ~疲れすぎて幻覚見え始めちゃったかな?
現実で起こるなんてそんなことないよね~
あはははは

でも、夢だとしてもはっしー×ねこくんを推してる俺がですよ?
まさか違うカプの幻覚なんて見るのか...?

いや、これはこれでありなんですけどね~
でも何か違うというか、やっぱりねこくんの方が萌えるんですよね~
というか、本当に幻覚見えてたらヤバくね?
普通に考えて現実だよね?
うん、もう一回確認しよう!

この間、約1秒。
とても思考がフル回転いたしました。

そして、もう一度確認のために見てみると...

現実だったあああああああああぁぁぁぁぁぁぁ

Oh, my God!!何と言うことだ!こんなことが起こっていいのか!?
ねこく~ん、はっしーが取られちゃうよおおおおおおぉぉぉぉ!!!!
って、ねこくん見てない!!嘘でしょ!?

え、待って待って待って。本当にヤバイ。
ちょっちょっと思考が、思考が働かない!
ちょっと一旦、離脱しよう!
死んじゃう死んじゃう!

軽くパニック状態に陥りながら、一年生が発表している様子を見に行こうとその場を離れようとしたら、

「あれ、何か誤解してません?」

と、亮くんが声をかけてきた。

は?何のこと?パニックになりすぎて全然話聞いてなかったわ!
というか、はっしーに抱きついた状態で聞いてくんな!
まじでこの場を離れたいんだよ!

「してないしてない!あ、ちょっと一年生の様子見てくるわ!」

そう言って、一年生の様子を見に行ったが、全然集中できなかった。

本当に心臓に悪い...
亮くんて唐突にかき乱してくるんだよな~
いろんな人と絡んでるしさ~

あれ、意図せずにやってるから怖いんだよね...

図らずもはっしー×亮くんのカプが誕生するところだったよ...
ねこくんという者がいながら他の奴にそこまでの接触を許すなんて、浮気だぞはっしー!
今回はねこくんが見ていなかったから救われたけど、次はないぞ!!

いや、待てよ?
冷静に考えると何であんなに抱きつく必要があったんだ?
それに、はっしーも全然放そうとしなかったし...

はっ!まさか…三・角・関・係?

はっしーとねこくんがいい感じだけど、亮くんがはっしーを狙っていて、ねこくんへの当てつけのようにマウントを取りに行ったというのか!?
見てなかったけど!
はっしーは、はっしーで、他の男子とねこくんが仲良さそうに話してるのを見たときに嫉妬したから、自分も同じことをしてねこくんに嫉妬してほしかったとか!?
見てなかったけど!

全部不発で残念だったな!
そんな邪なことを考えているからいけないんだよ!
きっと純粋なねこくんを守るために、神が見せないようにして二人に天罰を下したんだな!
二人とも、ねこくんを見習え!!
(↑上から目線ww)

そうして、すっかりお落ち着きを取り戻した頃にイベント終了の合図が部長からかかった。
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