ある腐男子の妄想

佐野 臣

文字の大きさ
上 下
14 / 31
本編

14 脳内で補正してしまえばいいんだよ! side はっしー

しおりを挟む
はっしー side

午後に入ってお客さんの数は減ったと思うけど、俺の担当している実験、全然客足が途切れないんだけど!?
こんなんじゃねこと全然話せないんじゃね?

そう思いながらも、子供たちに囲まれているし、皆すごく楽しそうな顔をしているため、俺は期待に応えないといけないなと発表し続けていた。

その発表中、視線の先にねこの姿を見つけた。
ねこは他の奴と楽しそうに話していて、それを見て俺はなぜかモヤっとした。
そして、ねこと話している奴にムッとして思わず睨み付けてしまった。

なんでそいつと話してるんだよ...
俺は全然話せてないのに、そんなに楽しそうな顔までしてさ~
何?そいつの方が俺といるよりいいの?

そんな暗い感情が心の内で渦巻いているときに視線を感じた。
その視線はねこからで、ねこは少し怯えたような表情をしていた。

俺はその表情に少し驚き、もしかしたら今の感情が顔に出ていて、その表情をさせてしまったのかもしれないなと思った。
だから、俺は安心させてあげようとねこに微笑みかけた。

それにねこが隣の奴よりも俺のことを見てくれていることに少し暗い感情が晴れた。

そのまま、ねこを見続けていると、ねこは少し顔を赤くさせて照れたような表情になった。
また、この状況に困惑しているようだった。

俺はそれを見て、なぜか優越感を感じていた。
俺の表情一つでねこの様子が変わっていくことに密かに嬉しく思った。

しばらくして、お客さんから声がかかったためそちらを向いたが、視界の端でねこの顔がさらに赤くなっているのが見られて、俺は心の奥でほくそ笑んだ。

ねこはそんな奴よりも俺のことを選ぶよな?

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


...おっかしいな~
なんか、はっしーヤンデレ化した...?

あれ~?ちょっとした嫉妬とか妄想してたはずなんだけど...
もう完全に趣味が入り込んじゃってる気がするな~
あははは、もうどうしようもないわ!

でもこのあと、また同じようなことが起きたら完全に監禁ルートに入っちゃうような雰囲気なんですけど...
危険すぎるな...
うん、嫉妬の妄想はここらへんで止めた方がいいわ...
はっしーのキャラ崩壊も激しいし!
やっぱり個性は大事にした方がいいと思うんだよ!
俺の趣味で勝手にヤンデレキャラにしてしまうのは、はっしーに申し訳ないし...
全然そんなキャラじゃないのに...

でも、普段怒らない人が怒ったら怖いってよく言うけどさ~はっしーみたいな明るい人がヤンデレ化したら結構怖い気がするんだよね(苦笑)

徹底的にやりそう...

あ、想像したら鳥肌立った。
うん、本当にやめよう!考えない方がいい!
とりあえず、絶望感は少し拭えたし!

それにしても、現場を見てないと趣味多めになってしまうんだな...一つ学んだわ...

これからは気をつけよう!
しおりを挟む

処理中です...