ある腐男子の妄想

佐野 臣

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本編

3 仲間をゲット

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サークルに入って1ヶ月くらいが経った。
実験を発表するようなサークルで、この1ヶ月実験の内容を覚えるのに苦労していた。

やばい...意外とハードだ...

しかし、俺はしっかりと観察だけは怠らなかった!
そしてまた新たなカプの存在も見つけ始めていた...

このサークル、思ったよりも宝庫だぞ?
もう腐った人に対する罠ですかってくらいには絡みがあるな...

まぁ、他のカプもいいんだがやっぱり一番は、はっしー×ねこくんですねー
同学年なだけあって絡みをよく見れるし、他のカプは先輩とかになっちゃうから関わりが薄いっていうのもあるかもなー
こう普段の生活とかも見れた方が萌えるっていう...

......これ、俺だけかな?思ってるの...

まぁいいや!でも、他にも加点ポイントがありまして!
この1ヶ月の間に情報を集めましてですねー
なんと!ねこくんが年上ということが判明しました!
全然、年上だと思ってなかった...
だって、可愛すぎるんだもん!

...男がもんはキモいな......

まぁそんなことは置いといて。
俺、年上受けっていうのがすごい好きで、かつそれに対する攻めはヘラヘラしたやつっていうか、「年上?へーそうなんだーで?」って言っちゃうような攻めが好きなんですよ!
まぁ、癪だけどはっしーはそんな感じですね...
だから、余計にこう性癖に刺さるんだよなー

ついでにはっしーが次期部長候補って言われてるらしい。あってもなくても、いらない情報だけど笑

あともう一つありまして...
サークルで活動中になんか視線感じるなーと思ってたら、その視線の原因の女子と目が合いまして...
ここで大体恋が始まる場面なんだが、俺たちは違った...

「?どうかした?俺になんか用?」
「いや、あ、まぁ用かな?」

その女子は何か俺に用があったらしい。
しかし、その内容は話しにくいのか少し小さい声で話し始めた。

「あのさ...明人くんって、よくはっしーとねこくん見てるよね?」

俺はその問いかけに少し焦った。

うわ、見られてたのか...やべぇー

「...そうか?でもそれがどうかした?」
「あの、つかぬことをお伺いしますが、薔薇って良くないですか?」

彼女はそう言いながらはっしーとねこくんの方を見ていた。

............薔薇?薔薇って薔薇だよな...?
あの赤い花...の....!?はっ!そういうことか!
薔薇は隠語の方か!つまり、この女子は俺と同類であるのか...?
でも流れ的にもあの二人を見て言っているのならば同類であることは確実だ。

だが不安は残る...
これまで隠して来たからな...それに腐男子ってバレたら肩身狭くなるだろうし。

だから、俺は一つ仕掛けることにした。

これに反応があれば同類のはずだ!

「あぁ、いいと思うよ。俺も話が変わるんだけど、ねこくんってネコだよな?」

そう言うと彼女はピクッと反応した。

これはわかっているな。

俺と彼女は少しの間、沈黙し、じっとお互いをお互いに見た。
そして、彼女も感じ取ったのだろう、俺が腐男子であることを...

俺たちはどちらともなく手を出し取り合った。

「お前、仲間だったのか...全然気づかなかった。」
「上手く隠していたからねー明人くんこそ仲間だと思ってなかったわ。」
「でもよくわかったな?」
「よくあの二人に視線を向けていたからねー」

どんだけ、無意識に見てたんだ俺は!恥ずかしい!

「まじかー気をつけないとな...」
「いやいや、でもそのおかげで確信を持って聞けたし、結果オーライじゃない?笑」
「そうなのか...?まぁいっか!でも本当に仲間見つかってよかったわー捌け口がなくてさーかといって自分から暴露していくのも勇気いるし...」
「それな!私もあんまりいなくて!これからは同士としてよろしく!」
「こちらこそよろしく!情報提供はバンバンしていくよ!」

そんなこんなで俺たちはすぐに連絡先を交換し、協力関係が始まったとさ。
めでたしめでたし、なんつって笑

まぁそんな訳で、ねこくんが年上とかそういう情報を知ることができたということであるよ。
俺のいなかった一年間の情報をめっちゃ提供してもらった笑
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