鑑定と治癒魔法のおかげで将来安泰!…だよね?

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じゃあ、なんでシークの怪我は治せないんですか!

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聞いてほしい。

私の治癒魔法、足の欠損直せた。

というのも、騎士団で働き始めて2ヶ月が経った日のこと。

仕事にも慣れ1人で仕事することにもやっと慣れ始めた頃。

たまにサヤさんと2人になることもあるけど基本は1人、そうこの日も1人だった。

「ミーさん!!」

1人の団員が慌てて入ってきた。

「うわっ、どうしたんですか」

「急患です!馬車にひかれたみたいで若い女性が領主館の前で…!」

「すぐいきます!案内してください!」

ほんとは領主館の外だし行くべきではないのかもしれないけれど。

助けられるかもしれない命。行くしかない。

外出中の札をかけ、急いでむかう。

着くとそこには、

大きな血溜まり。そこに、息をしているのかさえ危ういような、顔色の悪い女性が横たわっていた。

女性は、左腕の肘より少し上のあたりで、轢かれてしまったのかほぼちぎれていた。

「っ…。」

実際にここまでの怪我人を見るのは初めてで少し震えてしまう。

でも、自分がやるしかない、助けられるのは、この場では自分しかいない。

「動かない方がいいかと思ってそのままにしてます。」

「…ふー。ありがとうございます。では今から治癒魔法をかけていくのですが、その前に汚れを落とさないといけないので。」

清潔な布、消毒液、大きなシート。

移動は危険と判断してここで全て行う。

自分の力だけでは足りないから色々な人に協力してもらい体制を整える。

緊張、するけど、そんなことも言っていられない。

みんな割と慣れているのかすぐに治癒をかけられる状況になった。

「いきます。」

一番大きな傷、左腕に意識をむける。

「治癒。」

時間はかかりつつも少しずつ傷口が塞がっていくのか分かる。

「ふー。」

ちょっと休憩。

あとは、その他の擦り傷にむけてー。

「治癒。」「治癒。」「治癒。」

時間はかかったけど、上手く治せた。

団員の力を借りつつまだ意識のないお姉さんを医務室のベッドまで連れていく。

「ふー。おつかれ様でした。助かりました、手助けありがとうございました。」

とりあえず団員さんにお礼を。

「いえいえ、、というか!なんですか!あんなに強力だとは思わなかったんですけど!」

そう。

そうなのだ。

欠損を治癒出来てしまった。確かにシークの傷と比べて出来たばかりの傷だから治しやすいっていうのはあるけど。

それにしても治せるとは思っていなかったから。

シークにももっと前に出会っていたら治せていたのかな。

あともう少し技術があがれば治せるようになるのかな。

多少の期待と、多少の失望を抱えつつ、

また1つ自分の魔法の可能性を知った1日だった。

大きく力を使ったせいで今日はすごい疲れてしまったけど。

力になれるんだって、実感出来て嬉しかった。

シークの傷を治せるようになるまで、あと、、、。

あ!そういえば家を買うのにあとどのくらい必要なんだっけ。

貯金する一方で口座残高見てなかった。

明日、薬草取りに行く前に確認しよっと。

今日は疲れたので、早めに寝ます…。
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