すれ違いをしちゃう話

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隣にいることが、ツラい。1

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Side翔

涙が止まらない。

「もう…。ツライ。猛の隣にいるのが。ごめん。」

猛は不愛想で、口下手。むすっとしてるときが多いけど、

そんな猛が見せる気の抜けた笑顔が好きだった。

でも、でも猛の隣は僕じゃなかったみたい…。

一昨日、きれいな女の人と歩いてる猛を見かけた。

女の人は、すごく美人で、隣で笑ってる猛とお似合いだった。

そう、笑ってた。

僕の前ではたまにしか笑わないのに…。

浮気とかするタイプじゃないってわかってる。

嘘がつけるタイプでもないの、わかってる。

でも、でも猛は、一昨日は仕事で遅くなるから会えない、って。

嘘を。…っ。嘘をついたんだ。

笑顔の猛と、嘘をついた猛。

それは、見覚えのある姿じゃなくて。

遠く、遠く見えたんだ。

そして、猛の隣で笑う、自分の姿が想像できなくなった。

今までありがとう。楽しかった。

大好きだったよ。
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