私、処女は絶対に好きな人にあげるって決めてるんです!ーエッチなトラブルだらけの異世界で童顔JKは処女を守り抜くことができるのか?!

泡芙蓉

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3話 私も恥ずかしい服を着なければいけないんでしょうか?

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案内されたのは客間だった。



客間に通じる廊下を歩いている内に落ち着いたので、すでに涙は止まっていた。



来客用のソファはとてもふかふか。

高級そうな素材なので、私が座っていいのかなとドキドキした。

隣にルナが座り、安心させようとしてくれているのか手を握ってくれる。



「初めてこの世界に来たばかりなのに、怖い思いしてビックリしたわよね。あの2人、根は悪い人じゃないから許してあげてね」

「リエラは人が良すぎるよ。悪気がなくてもギルドの中で喧嘩することがマナー違反だって、大人ならわかるでしょ」



リエラさんは部屋に入ってすぐに自己紹介をしてくれた。

なんでもこのギルドのマスターの孫で、普段は受付の仕事をしているらしい。



水色のゆるくウェーブのかかった長い髪に深い青色の瞳。

とても綺麗な女性で、ルナが美少女ならリエラさんは大人の落ち着いた美しさがある。



ルナのように水着のような服装ではないけれど、彼女も胸元が大きく開いた紺色のワンピースを着ており、スカートの丈もパンツが見えそうなくらい短い。

お淑やかな雰囲気のリエラさんでさえこんなに際どい服装なのだから、やっぱり文化の違いなのかもしれない。



リエラさんが淹れてくれた紅茶を一口飲む。

すると気持ちがすーと落ち着いて爽やかな心地がした。



「ふふ、男の人は熱くなると周りのことが見えなくなるからしょうがないわ。ユナちゃんも運が悪かったと思って許してあげてね」

「いえ、リヒトさん、私を助けてくれたのに泣いてしまったから、逆に申し訳ないなって……」

「ユナちゃんは優しくていい子ね。大丈夫、きっとその気持ちわかってくれるはずよ。あとで私からも言っておくね」

「もう、リエラは甘いんだから。あの2人に気を使う必要はないし、リヒトは今日のことで少しは自分の行いを悔い改めればいいのよ」

「まあまあ。あ、そういえば、ユナちゃんの服ボタン取れちゃったんだよね」



リヒトさんの手が服にひっかかって胸のあたりのボタンが全て取れちゃったんだった。

ボタン飛んでいったから、見つからなかったら針と糸を借りても付け直すことができない。

どうしよう。



「最初に会ったときから、なんで身体にあっていない服を着ているんだろうと不思議だったんだよね」

「それは、この世界に来てからなぜか体形が変わって、胸がすごく大きくなってしまったの」



胸が大きくなったって改めて誰かに言うのは、やっぱり恥ずかしいな。



「聞いたことがあるわ。アースモンドから来た人はこっちの世界に適応するために身体が変化するって。その影響かしら」

「それなら新しい服が必要だよね。私の服でよかったらあげるよ」



ルナの服というと、水着のような服になるのだろうか。

それはちょっと――いや、とてつもなく恥ずかしいから着たくない。



「えっと、ルナの服は、恥ずかしい……かな」

「そうかな? あたしファッションセンスには自信があるんだけどな」

「いや、そういうことじゃないんだけど……」

「それなら私の服を着るといいわ。体形はほとんど変わらないから、サイズを治さなくても大丈夫なはずよ」



ルナの服よりはリエラさんのワンピースの方がマシかもしれない。

せっかく親切にしてくれているんだから、断ったら失礼だよね。



「リエラさん、すいませんがよろしくお願いします」

「ええ、まかせて。ルナちゃんに似合う服を探してくるから」



そう言ってリエラさんは部屋を出て行った。



私が似合う服って言ってたけど、どんな服を持ってくるんだろう。

リエラさん美人だから、どの服も私じゃ似合わない気がする。



そんなことを考えていると、ルナが身体を寄せてきた。



右手は私の手を握ったまま、左手は背中からスカートに入れてあるシャツを引き抜いて背中の真ん中を指が這う。



「ルナ、あの、何してるの?」

「ふふ、何って?」



目を細めておかしそうにルナは怪しく微笑む。



彼女の左手が器用にブラのホックを外すのが感触でわかった。



「あの、なんでブラのホックを外しているのかなって?」



私は恥ずかしくて顔が熱くなり、ルナの顔を見ていられず視線を外す。



両肩の紐についているフックを器用に外し、ルナは私のブラを引き抜いた。



ブラを取り返そうとしたけど、すでにルナの手元にあるのでそれは敵わなかった。



「ユナ、こういう下着が好きなんだ。ピンクに白いフリルって子供っぽくてかわいいね」



私に見せつけるように両手でブラを持って、悪戯っぽく笑いながらそんなことを言う。



「返してよ~」



恥ずかしくて目頭が熱くなる。

同性でも、自分の下着をこんな風に見られるのはとても恥ずかしい。



「いいじゃん。どうせもうサイズが合わなくてつけられないんだからさ」

「いや、いくら友達でも自分の下着を見られるのは恥ずかしいんだよ。それに何も言わないでいきなり外されてビックリしたんだから」

「それはごめんって。でも胸が大きくなったのにブラをつけたままだと苦しいかなって思ったんだ」



そういうことだったんだ。

いきなり外されたからビックリしたけど、私のために外してくれたんだね。



それならそれで先に言って欲しかった。



「そうだったんだ。ありがとう。でもやっぱり返して」

「どうしよっかな」



ルナから下着を取り返そうと手を伸ばしたとき、扉が開いてリエラさんが入ってきた。



「お待たせ。ふふ、可愛いの見つけてきたから、ユナちゃんが着てくれるの楽しみだわ」



ルナはいつの間にか私の下着をどこかに隠したようで、手には何も持っていない。

リエラさんの前で下着の話をするのは恥ずかしいので、これ以上問いただすことはできなかった。



「まずはこれを着てみて」



赤と黒の服を渡された。

ルナの服よりも布の面積が広いから、やっぱりリエラさんに頼んで正解だった。



「あの、どこで着替えたらいいですか?」

「ここでいいわよ。窓があるけど、塀が歩道から見えないようになっていて男の人に見られることはないから大丈夫」

「そうだね。女同士だから安心して着替えていいよ」



女同士でも初対面の相手の前で着替えるのは恥ずかしいけど、リエラさんとルナは全く気にしていないようだ。

こっちの世界では布の面積が少ない服を着るくらいだから、同性同士なら人前で着替えるのには抵抗を感じないのかもしれない。



嫌とは言える雰囲気ではないので、恥ずかしいけどここで着替えることにした。



借りたローブをルナに返し、ブレザーとシャツ、スカートを脱ぐ。

脱いだ服はルナが畳んで机に置いてくれた。



そしてリエラさんが持ってきてくれた服を着る。



「あの、リエラさん。服のサイズが小さいみたいなんですけれど……」

「そんなことないわよ。思った通りサイズぴったりね!」



全然サイズあっていませんよ……。



上に着た黒い服は、胸の半分から下がはみ出ているし、赤いチェックのプリーツスカートはパンツが見えそうなほど短い。

ぱっと見て大丈夫かなと思ったけれど、胸が大きくなった分目測を誤ったみたいだ。

これを着て外を歩くなんて恥ずかしくて死んじゃうよ。



「ユナ、すごく可愛いよ! さすがリエラ!」

「ふふ、思った通りね。本当は私が着たくて買ったんだけど、家に帰って冷静になってみると少し子供っぽ過ぎるなって思って結局着なかったのよね。だからユナちゃんが着てくれることになって嬉しいわ」



にこにこと嬉しそうに私を笑顔で見つめるリエラさんを見ると、恥ずかしいからこの服はいらないとは言えない。

こんなにいい人の親切心を断ることはできないよ。



私は諦めて文化の違いを受け入れることにした。



「あ、あと他にも服を持ってきたから全部着てみてね。絶対似合うはずだから」

「うわあ、どれも可愛い! リエラ、自分で着ればいいのに!」

「ふふ、私ももう5歳若かったら気兼ねなく着ていたんだけど、もう20代だから恥ずかしいのよ。こういうのは10代の子が着るからいいのよね」



いや、20代でも若いと思うし、胸を大きく出してパンツが見えそうな丈のワンピース着ているんならこの服を着ても全然問題ない気がするんだけど。

何が違うのかわからない。



そんなことを思いながら、言われるままいくつか着替えた。

どれも布面積よりも肌が露出する面積の方が圧倒的に多い。

だいたい上下が大きく分かれていて、違うのは胸がどういう風に露出しているかやショートパンツかミニスカートかの違いだったり。



確かに可愛いとは思うけど、でも現実でこんな服を着ることになるなんて思わなかった。



こういうのは可愛い女の子がコスプレで着るもので、普通で地味で冴えない私が着ても誰の得にもならないと思う。

けどリエラさんとルナはとても楽しそう。



2人が満足しているならいいのかな。



全て着替え終え、全部で6種類の服をリエラさんが譲ってくれた。

最初に来た黒い服に赤のチェックのプリーツスカートに黒のニーハイを履き、おまけにブーツもくれた。

すごく恥ずかしい服装なんだけど、でも上下ワンセットに加えブーツもくれるなんてリエラさんはとてもいい人だ。

それなのに恥ずかしいから着たくないというのは我儘だろう。



「リエラさん、ありがとうございます。あの、今は何もできないですけれど、いつか必ずお礼をします」

「気にしなくていいのよ。可愛いユナちゃんに私の服を着てもらうことができてすごく楽しかったんだから」



リエラさんは満足そうに微笑み、紙袋に服を入れてくれて渡してくれた。
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