私、処女は絶対に好きな人にあげるって決めてるんです!ーエッチなトラブルだらけの異世界で童顔JKは処女を守り抜くことができるのか?!

泡芙蓉

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1話 私、異世界に来ちゃったの?!

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それは学校からの帰り道のこと。

所属している美術部の展覧会がもうすぐあるので、それに向けて部活が終わっても1人残って絵を描いていた。

そのため帰宅するころには日が沈んで、外はすでに暗くなっていた。



街灯に照らされた住宅街の中にある道を歩いていると、ふと、背後の足音が気になった。

なんとなくずっとついて来る気がするのだ。



ためしにその場で立ち止まってみる。

すると背後の足音も止まる。

歩き出すと、背後の足音も動き出す。

また立ち止まってみると、背後の足音も止まる。

それでわかった。

ストーカーだ。



まさか自分を狙うストーカーがいるとは思わなかった。

自分で言って悲しくなるけど、私は自分の容姿がお世辞にも可愛いとは思わない。

クラスの中でもランクは下の下。

だから友達が痴漢やストーカーについて話しているときも自分には関係ないと思っていた。

なのに私を狙う人がいるなんて……。



いや、もしかしたら後ろの人はエッチな目的ではなく、殺し目的の通り魔なのかもしれない。

たまにニュースで誰でもいいから殺したかったという犯人がいるけど、それなら可能性はある。



どうしよう。

死にたくない。



私は怖くなってストーカーから逃げるために駆けだした。

すると後ろからついてきた人も私を追いかけて来た。



近くに交番がある。

逃げきれなくてもそこまで行けば助けて貰える。



だけど運動音痴な私は簡単に追いつかれ、腕を掴まれた。

振り向くと鼻息のあらいおじさんが私に迫っていた。



「ふひーふひー、待ってよ由奈ちゃん。僕、由奈ちゃんと仲良くなりたいだけなんだよ」



抵抗する間もなく抱きつかれた。

突然のことで何がなんだかわからない。

頭が真っ白になって抵抗することができなかった。

そのまま地面に押し倒される。



「ふひー、怯えなくても大丈夫だよ。大人しくしていたら痛いことはしないからね」



臭い息が顔にかかる。

おじさんの顔が私に迫ってくる。

どうしよう、どうしよう。

悲鳴を上げたいのに声がでない。

初めては好きな人がよかった。



ふいに地面が金色に輝いた。

光が私とおじさんを包み、身体がふわっと軽くなる。



気が付くと私は知らない場所に立っていた。



どこかヨーロッパのような雰囲気の煉瓦造りの建物が並ぶ街並み。

ピンクや水色、緑色など、様々な色の髪をした人が鎧や露出の多い服など様々な格好で歩いている。

まるでゲームの中に迷い込んでしまったかのような景色に、呆然としてしまう。



夢なのだろうか。

さっきまでいつもの帰り道で知らないおじさんに襲われていたのに、いきなり知らない場所に来ているなんて。

しかもみんなコスプレをしている。

夢じゃないのなら、ここはどこかのイベント会場?

それにしてはほとんどの人が堀の深い顔立ちをしているのには違和感がある。

おじさんに襲われて意識を失った私はここに捨てられたのだろうか。

でもそれにしては身体に痛みはない。

襲われたのなら怪我をしているか、最悪死んでいてもおかしくはないと思うんだけど。



自分の身体を改めようとして、胸元に目がいった。



なんと胸が大きくなっていた。

元のサイズの5倍ほどの大きさになっている。

下から持ち上げてみるとずっしりと重みがある。

制服のシャツのボタンがはちきれそうで、少し息苦しい。



なんなのこれ。

やっぱりこれは夢だよね。

だって、いきなり胸が大きくなるなんて絶対にありえないもん。



近くに噴水があったので、自分の姿をしっかりみようと覗き込む。

鏡のようにはっきりと見えるわけではないが、それでも澄んだ水に映し出される自分の胸は大きくなっていた。

心なしかお腹が締まってお尻が大きくなっているように見える。

海外モデルもビックリのスタイルのよさに思わず胸を寄せてポーズを取ってみる。



だが元々の童顔と横に水平に切りそろえられた子供っぽい前髪のせいでセクシーというよりも子供が頑張って背伸びしているようにしか見えない。

髪を染めて前髪を伸ばせば少しは大人っぽくなるだろうか。



そんなことを考えていると、肩を叩かれた。



「ひゃ!」



驚いて後ろを振り返ると、可愛い少女が立っていた。

大きな瞳に形の通った鼻筋、薄い唇、透き通るような肌と薄く桜色に染まった頬。

桃色の長い髪は両サイドに結んでいる。

テレビでは見たことあるけど、現実でこんなに可愛い少女を見たのは初めてだ。

クラスにもすごくモテる子がいたけど、この子の方が圧倒的に可愛い。



服装はほぼ水着のような格好で、上半身はビキニ、下半身はパンツが見えそうなほど短いプリーツスカートにニーソだ。

白いフード付きローブを羽織っているが、本人はその恥ずかしい恰好を隠す気はさらさらないようでローブの前面は全開だ。

彼女も今の私と同じように胸が大きくとてもスタイルがいい。

見ているこっちが恥ずかしくなってくる。



「ごめんね。驚かせるつもりはなかったの。あたしはルナ・アルベローサ。ルナって呼んでね」



可愛く小首を傾げて覗き込むルナに内心ドキドキする。

こんなに可愛い少女にフレンドリーに話しかけられたのは初めてだから、とても緊張する。



「え、えっと、私は高橋由奈です」

「なんだかルナとユナって語感が似ているね! ここで出会えたのはきっと運命だよ! よろしくねユナ!」

「よ、よろしくお願いします」



ニコニコと初対面なのに物怖じしないルナにどう対応していいのかわからない。

私は部類で言えば陰キャだから、クラスでは地味なグループに所属していた。

こういう相手にはどう反応したらいいのかわからない。



「ねえユナ! ユナもニホンってところから来たの?」



ニホンと言われて、イントネーションが違うから一瞬何のことかわからなかったけど、すぐに日本のことだと理解した。



「そうですけど……」

「やっぱり! ユナみたいに街中で1人オロオロしている人は大概ニホンから来た人って聞いてたから、すぐにわかっちゃった」



それってどういうこと?

ここって私が住んでいる日本じゃないの?

それに私以外にも同じような境遇の人がいるってこと?



「あの、ここって日本じゃなくて、外国なのでしょうか?」



日本語が通じるのに外国にいるというのはおかしなことだとわかっているんだけど、でもそれしか彼女の言葉に対する質問が見つからなかった。



「外国というよりも異世界かな」

「異世界??」

「そう、異世界。ユナは日本があるアースモンドからあたし達がいる世界のハートランドに迷い込んで来たんだよ」

「えっと……」



異世界に私が迷い込んだ?

そんなこと現実でありえるの?

でもそれなら日本とは違う西洋風の街並みもカラフルな髪色も、鎧や露出の多い服装も説明がつく。



「日本に帰るにはどうしたらいいんでしょうか?」

「それは難しいと思うよ。知り合いにニホンから来た人がいるんだけど、こっちに来て10年経つのに未だに帰る方法が見つからないらしいんだよね」

「そんな……、これから私、どうしたらいいのでしょうか……」



10年探しても帰る方法が見つからないのに、私なんかが帰ることなんてきっとできない。

知らない土地で知り合いもいないのに、どうやって生活したらいいんだろう。



「心配しなくても大丈夫だよ。あたしがユナのお世話をするから!」

「え、でもそんな、迷惑じゃ……」

「あたしたちが出会ったのは運命って言ったでしょ! ここで会ったのも何かの縁。こういうときは素直に甘えたらいいんだよ!」

「ルナさん、ありがとうございます」



怖い思いをした後に突然知らない場所に連れて来られて不安だったからか、ルナさんに優しくされて目頭が熱くなる。



「泣くなんて可愛いな、もう」



ルナさんが私の目元を指で拭ってくれる。



「あと、あたしとユナはもう友達だから、敬語もさんづけも必要ないよ。これからルナって呼んでね」

「うん、ルナ。私、ルナに出会えてよかった」

「あたしも、ユナみたいに可愛い子に出会えて嬉しいよ」



本当にルナに出会えてよかった。

もしルナに出会えなかったら私、ここでどうなっていたのかわからない。

もしかしたらホームレスになって家もなく彷徨い歩いて、最後は寒さと飢えに苦しんで死んでいたかもしれない。

それを考えるだけでゾッとした。



「まあ、あたしがお世話すると言っても、生活費は自分で稼いでもらうからそこはよろしくね」

「うん、もちろんだよ。でも、どうやってお金稼いだらいいんだろう」



もう高校生だからバイトができるんだけど、まだ一度もやったことはない。

友達に一緒にバイトしようと誘われたことはあるんだけど、仕事をするのが不安で結局理由をつけて断っていた。



今更だけど、やっておいたほうが何かの経験になったのかなと思うと後悔してしまう。



「そこは冒険者ギルドがあるから問題ないよ」

「冒険者ギルド?」

「そう。元々は冒険者が旅先で仕事に困らないように結成されたギルドなんだけど、国籍を持たない異世界の人でもギルドに入れば仕事が貰えるんだよ」

「私でも大丈夫かな」

「大丈夫! 異世界から来た人はみんな特別なスキルを持っているから、ギルドから入ってくれってお願いするほどだもん」



スキルってことは技術のことだよね。

私は平均的な偏差値の普通の高校にいるから、他の人よりも秀でた知識なんて何もない。

成績も中の中。

工業高校みたいに専門的なことを学べる学校だったらよかったのかもしれないけど、残念ながら仕事に役に立ちそうなことは学んでいない。



「私全然特別な知識や技術をもっていないよ」

「スキルってそういうことじゃないから大丈夫。まずはギルドに行ってみよう。そうしたらスキルを鑑定してくれるから、ユナにあった仕事を紹介してくれるよ」



スキルの鑑定って、何かテストでもするのかな。

それで悪い結果を取ってしまったら仕事を紹介してもらえないのかな。



今から不安ばかりだけど、弱音を吐いてばかりだと私のためにギルドに案内してくれるルナに申し訳ないので、それ以上は黙ってついて行くことにした。
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