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8話
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「ということで決着はついた」
「そうでしたか。ありがとうございました、殿下」
ウィラード王子からバーバラとドーラの処分を聞かされたキャロラインは同情しなかった。
「私を非情だと思いますか?」
「された仕打ちを考えれば非情だとは思えない。それよりも処分が温いのではないかと言われるかと思っていたぞ」
「別に極刑を望んだりはしませんので……」
「だが一生メイドとして働くことになった。それはどう考える?」
「メイドというところがいいですね。今まで私をメイドのように扱き使う立場だったのだから、今度は自分が扱き使われればいいです」
「ははは、その通りだな」
キャロラインは本心からそう考えていた。
二人の関係は隠し事をしない関係であり、ウィラード王子も素直に感情を出した。
「それで問題は片付いた。では次の問題だ」
「はい」
「キャロライン、君を愛している」
「……私もです、殿下」
突然の堂々たる告白に、キャロラインも恥ずかしさを覚えつつ素直に気持ちを口にした。
「君を妻に迎えたいと思うが現実的ではない。あまり言いたくはないが君は男爵家の娘であり、母親は平民だ。正式な妻として迎えることはできない」
「……それは仕方のないことです。私だって理解できます」
「だからといって諦めたくはない。そこでだ、愛妾として迎えたい。どうだろうか?」
キャロラインにとって、その提案はむしろ都合がいいように思えた。
妻という立場は義務が伴うが愛妾ならばそれほどのものでもない。
身分相応だとも思えた。
何よりも王子の愛妾になれるのであれば今までとは比べ物にならない立場になることは間違いない。
「謹んでお受けいたします」
「そうか、ありがとう、キャロライン。愛妾だろうが君を愛し大切にすることを約束する」
「ウィラード殿下、あなたのそばにいられるだけで私は幸せです」
「ははっ、まったく可愛らしいことを言うな」
こうしてキャロラインはウィラードの愛妾として城での新しい生活を始めることになった。
バーバラは王子の不興を買いキャロラインを虐げたことが罪に問われ一生王宮のメイドとして働くことが決まった。
それに伴いジェンキンス男爵はバーバラに離婚を告げた。
ジェンキンス男爵もまた自由を手にしたのだ。
しかも娘のキャロラインはウィラード王子の愛妾となった。
立場は愛妾であれウィラード王子から愛されていることは明らかだった。
娘が幸せを手にしたことを父として喜ぶのは当然だった。
バーバラとドーラはメイドとして毎日働かされていた。
しかも一番下っ端であり一番嫌な仕事を押し付けられる立場だ。
夏は暑さと異臭に悩まされつつトイレ掃除をし、冬は寒さに震えながら水仕事をさせられた。
自分たちがキャロラインにしたことが何倍にもなって返ってきて彼女たちは後悔したが罪は消えることがない。
良い縁に恵まれることもなく、一生このまま働くのかと考え、彼女たちは絶望した。
「そうでしたか。ありがとうございました、殿下」
ウィラード王子からバーバラとドーラの処分を聞かされたキャロラインは同情しなかった。
「私を非情だと思いますか?」
「された仕打ちを考えれば非情だとは思えない。それよりも処分が温いのではないかと言われるかと思っていたぞ」
「別に極刑を望んだりはしませんので……」
「だが一生メイドとして働くことになった。それはどう考える?」
「メイドというところがいいですね。今まで私をメイドのように扱き使う立場だったのだから、今度は自分が扱き使われればいいです」
「ははは、その通りだな」
キャロラインは本心からそう考えていた。
二人の関係は隠し事をしない関係であり、ウィラード王子も素直に感情を出した。
「それで問題は片付いた。では次の問題だ」
「はい」
「キャロライン、君を愛している」
「……私もです、殿下」
突然の堂々たる告白に、キャロラインも恥ずかしさを覚えつつ素直に気持ちを口にした。
「君を妻に迎えたいと思うが現実的ではない。あまり言いたくはないが君は男爵家の娘であり、母親は平民だ。正式な妻として迎えることはできない」
「……それは仕方のないことです。私だって理解できます」
「だからといって諦めたくはない。そこでだ、愛妾として迎えたい。どうだろうか?」
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身分相応だとも思えた。
何よりも王子の愛妾になれるのであれば今までとは比べ物にならない立場になることは間違いない。
「謹んでお受けいたします」
「そうか、ありがとう、キャロライン。愛妾だろうが君を愛し大切にすることを約束する」
「ウィラード殿下、あなたのそばにいられるだけで私は幸せです」
「ははっ、まったく可愛らしいことを言うな」
こうしてキャロラインはウィラードの愛妾として城での新しい生活を始めることになった。
バーバラは王子の不興を買いキャロラインを虐げたことが罪に問われ一生王宮のメイドとして働くことが決まった。
それに伴いジェンキンス男爵はバーバラに離婚を告げた。
ジェンキンス男爵もまた自由を手にしたのだ。
しかも娘のキャロラインはウィラード王子の愛妾となった。
立場は愛妾であれウィラード王子から愛されていることは明らかだった。
娘が幸せを手にしたことを父として喜ぶのは当然だった。
バーバラとドーラはメイドとして毎日働かされていた。
しかも一番下っ端であり一番嫌な仕事を押し付けられる立場だ。
夏は暑さと異臭に悩まされつつトイレ掃除をし、冬は寒さに震えながら水仕事をさせられた。
自分たちがキャロラインにしたことが何倍にもなって返ってきて彼女たちは後悔したが罪は消えることがない。
良い縁に恵まれることもなく、一生このまま働くのかと考え、彼女たちは絶望した。
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