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「何…言ってるの?」
「気づいていないとでも思ってました?俺がいつも理科準備室からあの人のことを見てたとき、俺の隣で、俺以上に目ぇキラッキラさせてあの人のこと見てたじゃないですか」
「違う…全然違う!!」
矢吹に恋をして輝く羽立くんを、瞳に映したまま目が合ったら、羽立くんのことが好きだとバレてしまいそうで、グラウンドを見つめるしかできなかったのだ。
気持ちを隠すためにとった些細な仕草を、そんな風に誤解されていたなんて。
「違うなら、どうしてあの人のことを隠してたんですか?俺には残業って嘘ついて、ずっとこうしてあの人と二人きりで会ってたんじゃないですか?」
私を問い詰める声には燃えるような嫉妬の色がはっきりと現れていて、確信する。
羽立くんは、まだ矢吹のことが好きなのだと。
そうと分かれば、今日あったことも、自分の気持ちも、羽立くんに話すことはできない。
限られた事実を伝えるしかない。
「それは絶対ない。海斗とホテルに来たのは、今日が初めてだよ。信じて…」
「こんな所でこんな…、いかにも事後って格好で言われて納得できると思います?あなた、仮にも俺がいるのに、好きでもない男に抱かれるような女じゃないでしょう!?」
羽立くんを守るためなら、好きでもない男にだって抱かれるような女だよー
叫びたい衝動を必死で押し殺して、私は力なく頭を左右に振る。
それを見た羽立くんが唸るように言った。
「…つまり、俺が抱いてもいいんだな?」
羽立くんは私の体を抱え上げ、そのままベッドになだれ込んだ。
なぜこの流れで羽立くんが私を抱こうとするのか理解できない。
一人戸惑っていると、羽立くんはすぐさま仄暗い瞳で私の唇を見つめ、少し強めに親指で撫でた。
「…どんなふうにあの人とキスした?」
そのまま下顎を引いて口を開かれ、人差し指が口に侵入し、今度は舌をぐにぐにと押される。
「んぅっ…」
「この前俺としたみたいにこの小さな舌を絡め返した?」
指を引き抜きながら嫉妬心むき出しで吐き捨てた羽立くんは、唇を強く押し付け、舌を強引に割り入れ、息もできない程口腔内をかき混ぜた。
もしかしてー
こんな状況で、こんな形で求められているというのに、相手が羽立くんというだけで蕩けそうになってしまう脳の片隅で、彼が私を抱こうとする理由を必死で探す。
そして、キスをやめて鼻先を項に埋めた羽立くんの言葉が、私の頭の中の仮説を裏付けた。
「奏音さんの肌からあの人の匂いがするなんて…気が狂いそうだ…!」
ああ、やっぱりー
羽立くんは、私を通して矢吹を感じている。
私を抱くことで矢吹を抱いているんだ。
それでも、いい。
矢吹は明日にでも私を抱くかもしれない。
それなら、今ここで、どんな形でもいいから羽立くんに抱いて欲しい。
言葉にできない思いを込めて、羽立くんの背中にそっと、ぎゅっと腕を回す。
それを合図に、羽立くんは矢吹が付けた痕を一箇所残らず噛み付くように辿り始めた。
「気づいていないとでも思ってました?俺がいつも理科準備室からあの人のことを見てたとき、俺の隣で、俺以上に目ぇキラッキラさせてあの人のこと見てたじゃないですか」
「違う…全然違う!!」
矢吹に恋をして輝く羽立くんを、瞳に映したまま目が合ったら、羽立くんのことが好きだとバレてしまいそうで、グラウンドを見つめるしかできなかったのだ。
気持ちを隠すためにとった些細な仕草を、そんな風に誤解されていたなんて。
「違うなら、どうしてあの人のことを隠してたんですか?俺には残業って嘘ついて、ずっとこうしてあの人と二人きりで会ってたんじゃないですか?」
私を問い詰める声には燃えるような嫉妬の色がはっきりと現れていて、確信する。
羽立くんは、まだ矢吹のことが好きなのだと。
そうと分かれば、今日あったことも、自分の気持ちも、羽立くんに話すことはできない。
限られた事実を伝えるしかない。
「それは絶対ない。海斗とホテルに来たのは、今日が初めてだよ。信じて…」
「こんな所でこんな…、いかにも事後って格好で言われて納得できると思います?あなた、仮にも俺がいるのに、好きでもない男に抱かれるような女じゃないでしょう!?」
羽立くんを守るためなら、好きでもない男にだって抱かれるような女だよー
叫びたい衝動を必死で押し殺して、私は力なく頭を左右に振る。
それを見た羽立くんが唸るように言った。
「…つまり、俺が抱いてもいいんだな?」
羽立くんは私の体を抱え上げ、そのままベッドになだれ込んだ。
なぜこの流れで羽立くんが私を抱こうとするのか理解できない。
一人戸惑っていると、羽立くんはすぐさま仄暗い瞳で私の唇を見つめ、少し強めに親指で撫でた。
「…どんなふうにあの人とキスした?」
そのまま下顎を引いて口を開かれ、人差し指が口に侵入し、今度は舌をぐにぐにと押される。
「んぅっ…」
「この前俺としたみたいにこの小さな舌を絡め返した?」
指を引き抜きながら嫉妬心むき出しで吐き捨てた羽立くんは、唇を強く押し付け、舌を強引に割り入れ、息もできない程口腔内をかき混ぜた。
もしかしてー
こんな状況で、こんな形で求められているというのに、相手が羽立くんというだけで蕩けそうになってしまう脳の片隅で、彼が私を抱こうとする理由を必死で探す。
そして、キスをやめて鼻先を項に埋めた羽立くんの言葉が、私の頭の中の仮説を裏付けた。
「奏音さんの肌からあの人の匂いがするなんて…気が狂いそうだ…!」
ああ、やっぱりー
羽立くんは、私を通して矢吹を感じている。
私を抱くことで矢吹を抱いているんだ。
それでも、いい。
矢吹は明日にでも私を抱くかもしれない。
それなら、今ここで、どんな形でもいいから羽立くんに抱いて欲しい。
言葉にできない思いを込めて、羽立くんの背中にそっと、ぎゅっと腕を回す。
それを合図に、羽立くんは矢吹が付けた痕を一箇所残らず噛み付くように辿り始めた。
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