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不毛な戦い7
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「別にあなたの為じゃないし」
「分かってます」
「あのまま話が進んでたら、奏音ちゃん絶対断れないし、むしろ『私が何とかしなきゃ』とか考えて、身も心もボロボロになるまで頑張っちゃうから」
「まあそうでしょうね。奏音さん、道訊かれたら目的地まで連れていっちゃうタイプですから」
そういえば、この間の羽立くんとのお見合いのときも、それで遅刻しそうになったんだよね。
だって、あのおばあちゃん、何回教えても逆方向に歩いていくし、心配で見てられなかったんだもん…って、何で羽立くん知ってるんだろう。
「そう!そうなの!!絶対求められていること以上のことしちゃうから!!」
「ですね。万一そのバカ息子と結婚なんてことになったら、毎日帰って来ない相手のためにしこたま手料理作って待ちそうですよね。それも何年でも」
円香に慣れて来たのか、女の子相手に随分打ち解けた羽立くんの様子に、嬉しいような、寂しいような…とモヤモヤしていたらー
「分かる!でも許せない!!私だって奏音ちゃんの手料理食べたことないのに!」
「俺、ありますけどね。」
「わ、私なんて奏音ちゃんと温泉入ったことあるもん!!」
「…俺、毎日一緒に寝てますけど?」
円香はともかく、羽立くんは酔ってないはずなのに、話があらぬ方へ進み始めたところで車の動きが止まった。
円香の家の前に着いたらしい。
「ほら、さっさと降りてください。早く帰って俺のベッドに奏音さん寝かせてあげたいんで」
ドアの開く音と同時に、ふわっと甘い香りがした途端、私の頬にふにゅっとやわらかなものが触れた。
「おやすみ、奏音ちゃん」
「あーーーーーーっ!?」
円香の声と、羽立くんの絶叫が同時に耳に入った後、静まり返った車内で、私は今度こそ寝入ってしまった。
「分かってます」
「あのまま話が進んでたら、奏音ちゃん絶対断れないし、むしろ『私が何とかしなきゃ』とか考えて、身も心もボロボロになるまで頑張っちゃうから」
「まあそうでしょうね。奏音さん、道訊かれたら目的地まで連れていっちゃうタイプですから」
そういえば、この間の羽立くんとのお見合いのときも、それで遅刻しそうになったんだよね。
だって、あのおばあちゃん、何回教えても逆方向に歩いていくし、心配で見てられなかったんだもん…って、何で羽立くん知ってるんだろう。
「そう!そうなの!!絶対求められていること以上のことしちゃうから!!」
「ですね。万一そのバカ息子と結婚なんてことになったら、毎日帰って来ない相手のためにしこたま手料理作って待ちそうですよね。それも何年でも」
円香に慣れて来たのか、女の子相手に随分打ち解けた羽立くんの様子に、嬉しいような、寂しいような…とモヤモヤしていたらー
「分かる!でも許せない!!私だって奏音ちゃんの手料理食べたことないのに!」
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「わ、私なんて奏音ちゃんと温泉入ったことあるもん!!」
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円香はともかく、羽立くんは酔ってないはずなのに、話があらぬ方へ進み始めたところで車の動きが止まった。
円香の家の前に着いたらしい。
「ほら、さっさと降りてください。早く帰って俺のベッドに奏音さん寝かせてあげたいんで」
ドアの開く音と同時に、ふわっと甘い香りがした途端、私の頬にふにゅっとやわらかなものが触れた。
「おやすみ、奏音ちゃん」
「あーーーーーーっ!?」
円香の声と、羽立くんの絶叫が同時に耳に入った後、静まり返った車内で、私は今度こそ寝入ってしまった。
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