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恋人の条件
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「…コンプレックス?」
首筋に触れていた熱が離れた。
「……誰かに何か言われたとか?」
「は…い。まあ、そんなところです」
「この間の元カレ?」
「…とは別の人、です」
今度はスマホに手を伸ばしながら夏目さんが尋ねる。
「ソイツ…いや、秋本以外の元カレ全員、名前と住所、分かる?」
「わ、分かりません。連絡先も消しちゃってるし」
本当は名前くらい覚えてるけど。
元カレ全員の名前と住所聞いてどうしようって言うのよ?
夏目さんには教えるのは危険だと、頭の中で警鐘が鳴った。
「秋本一哉には?見せてない?」
コクコクと頷くと、夏目さんは怪訝そうな顔をした。
「本当に?三年も付き合ってて?」
「私が嫌がることは絶対しない人だったので」
言い切ると、夏目さんはもどかしそうに頭をガシガシと掻いた。
「俺は、凛のカラダがどんなのでも気にしないし、全部見たい」
ああ、交渉決裂。
やっぱり夏目グループのお坊ちゃまだ。
コレを見たら、夏目さんもドン引きしちゃうんだろうな。
でも、元々住む世界の違う人だったから、これで良かったのかもしれない。
そう思って、諦めかけたとき。
Tシャツの裾から差し込まれた手が、私の薄い胸をふわりと包んだ。
「だから、ココはこれから俺がいっぱい可愛がって、凛が自信つくまで大きくしてから見る」
まさか、そう来るとは─!
夏目さんらしいと言えば、夏目さんらしい。
思わず吹き出してしまった。
「─あと、俺も一個だけ条件がある」
「何ですか?」
「俺のこと、『仁希』って呼んで」
『条件』だなんて言うから、どんな無理難題を突きつけられるかと思ったら。
そんなのお安い御用─なはずだったのに。
「仁希…さん」
「『さん』要らない」
急に恥ずかしくなってしまって。
夏目さんにもすかさず突っ込まれてしまった。
「に……仁希」
呼び方を変えただけで、嫌でも意識させられる。
私たちの関係性が変わったこと。
これからもっと、変わっていくこと。
「うん、上出来」
上品な微笑みを讃えた夏目さんは優しく私を抱きしめてくれた。
そして直後、私の背中に腕を回し背中のホックを外した。
「…えっ!?」
続いて片方ずつTシャツの肩口から出たストラップを下げ、腕から引き抜く。
「えっ?えっ!?」
最後に襟口に手を突っ込み、私から完全にブラを取り払ってしまったのだ。
その間わず5秒。
見られた…!
型崩れした後もワイヤーを抜いて使っていた年季の入ったブラを…!!
だけど、羞恥と絶望で震える私をよそに、夏目さんは手にしたブラをあろうことか顔に当て、「スン」と鼻を鳴らして言った。
「始めようか、凛」
「やっ、あっ、あ…っ」
突如ふ、と手の力を抜いて、触れるか触れないかくらいのタッチでくすぐる。
まるで私が強い刺激に慣れ始めたのが分かったかのようなタイミング。
「ふ…う、ぅ…」
焦らさないで、もっとちゃんと触って欲しい。
耐えきれなくなって、少し身を捩ると─
胸ではなく、頸を甘噛みされた。
予想外の場所への刺激に首をすくめると、夏目さんが襟足に顔を埋める形になって。また鼻をスン…スンスンッと鳴らす。
今度は間違いない。
「ちょっ…変なとこ嗅がないで…!!」
恥ずかしくて、首を捻って抗議しようとすると、キュッと乳首を摘まれた。
「あっ、あんっ、あぁっ…!」
「…これ、何の匂い?」
「し、知らな…っ、んっ」
「シャンプーかな?甘くて、すごくいい匂いがする」
言いながら、夏目さんは自分の右手の指を、だらしなく開いた私の口に入れて舐めさせると、Tシャツの裾から侵入させた。
首筋に触れていた熱が離れた。
「……誰かに何か言われたとか?」
「は…い。まあ、そんなところです」
「この間の元カレ?」
「…とは別の人、です」
今度はスマホに手を伸ばしながら夏目さんが尋ねる。
「ソイツ…いや、秋本以外の元カレ全員、名前と住所、分かる?」
「わ、分かりません。連絡先も消しちゃってるし」
本当は名前くらい覚えてるけど。
元カレ全員の名前と住所聞いてどうしようって言うのよ?
夏目さんには教えるのは危険だと、頭の中で警鐘が鳴った。
「秋本一哉には?見せてない?」
コクコクと頷くと、夏目さんは怪訝そうな顔をした。
「本当に?三年も付き合ってて?」
「私が嫌がることは絶対しない人だったので」
言い切ると、夏目さんはもどかしそうに頭をガシガシと掻いた。
「俺は、凛のカラダがどんなのでも気にしないし、全部見たい」
ああ、交渉決裂。
やっぱり夏目グループのお坊ちゃまだ。
コレを見たら、夏目さんもドン引きしちゃうんだろうな。
でも、元々住む世界の違う人だったから、これで良かったのかもしれない。
そう思って、諦めかけたとき。
Tシャツの裾から差し込まれた手が、私の薄い胸をふわりと包んだ。
「だから、ココはこれから俺がいっぱい可愛がって、凛が自信つくまで大きくしてから見る」
まさか、そう来るとは─!
夏目さんらしいと言えば、夏目さんらしい。
思わず吹き出してしまった。
「─あと、俺も一個だけ条件がある」
「何ですか?」
「俺のこと、『仁希』って呼んで」
『条件』だなんて言うから、どんな無理難題を突きつけられるかと思ったら。
そんなのお安い御用─なはずだったのに。
「仁希…さん」
「『さん』要らない」
急に恥ずかしくなってしまって。
夏目さんにもすかさず突っ込まれてしまった。
「に……仁希」
呼び方を変えただけで、嫌でも意識させられる。
私たちの関係性が変わったこと。
これからもっと、変わっていくこと。
「うん、上出来」
上品な微笑みを讃えた夏目さんは優しく私を抱きしめてくれた。
そして直後、私の背中に腕を回し背中のホックを外した。
「…えっ!?」
続いて片方ずつTシャツの肩口から出たストラップを下げ、腕から引き抜く。
「えっ?えっ!?」
最後に襟口に手を突っ込み、私から完全にブラを取り払ってしまったのだ。
その間わず5秒。
見られた…!
型崩れした後もワイヤーを抜いて使っていた年季の入ったブラを…!!
だけど、羞恥と絶望で震える私をよそに、夏目さんは手にしたブラをあろうことか顔に当て、「スン」と鼻を鳴らして言った。
「始めようか、凛」
「やっ、あっ、あ…っ」
突如ふ、と手の力を抜いて、触れるか触れないかくらいのタッチでくすぐる。
まるで私が強い刺激に慣れ始めたのが分かったかのようなタイミング。
「ふ…う、ぅ…」
焦らさないで、もっとちゃんと触って欲しい。
耐えきれなくなって、少し身を捩ると─
胸ではなく、頸を甘噛みされた。
予想外の場所への刺激に首をすくめると、夏目さんが襟足に顔を埋める形になって。また鼻をスン…スンスンッと鳴らす。
今度は間違いない。
「ちょっ…変なとこ嗅がないで…!!」
恥ずかしくて、首を捻って抗議しようとすると、キュッと乳首を摘まれた。
「あっ、あんっ、あぁっ…!」
「…これ、何の匂い?」
「し、知らな…っ、んっ」
「シャンプーかな?甘くて、すごくいい匂いがする」
言いながら、夏目さんは自分の右手の指を、だらしなく開いた私の口に入れて舐めさせると、Tシャツの裾から侵入させた。
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