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俺の彼女の照れ隠し
太んないでね!
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「はぁー」
息をはくと、真っ白な息がでる。
もう、完璧に冬なんだなと思った。
彼女いわく、
今年の冬は去年より暖かいらしい。
なんでだろうと、わらっていた。
「おしるこできたから、もう入りなよ」
庭の窓からヒョッコリ顔を出した彼女は、
「さむ!」
といって、すぐに引っ込んでしまった。
俺は、
「おう」
と短く返事をして、部屋にはいった。
ブワッと、暖かい空気が全身を駆け巡る。
感覚のなかった手足に、感覚が戻っていく。
「ほら、のみなよ」
そう言った差し出されたおしるこには、
おもちがたくさんはいっていた。
俺は急いで手を洗ってきて、
おしるこの中のおもちにかぶりつく。
うん、うまい。
俺は、バクバクと食べて、ふと、目線に気がついた。
「ふぁに?」
口の中のおもちをひっしにかみながら、
彼女の方を見る。
「最近よく食べるね、おもち」
「んまぁ、美味しいからね」
そういってまた、口に放り込む。
このおしるこは、彼女の手作り。
ここだけの話、俺は正直おもちが嫌いだった。
「だった」っていうとは、彼女が何年かまえ、
俺にこのおしるこを作ってくれたとき。
おもちは嫌いだけど、彼女の手料理だと
喜んで食べたところ、
おもちがめちゃくちゃ美味しかった。
きっと、彼女が何かしたのだろうと聞いたが、
うちで食べているおもちと変わらなかった。
いまだにわからないが、
彼女のおもちだけは食べられる。
だからかついつい、食べてしまうのだ。
「うまいよ、ありがと」
そういって笑うと、彼女は顔をそらして
「太らないでね」
そう、小さな声で言った。
幸せ太りって言うのも、悪くないかもしれない。
息をはくと、真っ白な息がでる。
もう、完璧に冬なんだなと思った。
彼女いわく、
今年の冬は去年より暖かいらしい。
なんでだろうと、わらっていた。
「おしるこできたから、もう入りなよ」
庭の窓からヒョッコリ顔を出した彼女は、
「さむ!」
といって、すぐに引っ込んでしまった。
俺は、
「おう」
と短く返事をして、部屋にはいった。
ブワッと、暖かい空気が全身を駆け巡る。
感覚のなかった手足に、感覚が戻っていく。
「ほら、のみなよ」
そう言った差し出されたおしるこには、
おもちがたくさんはいっていた。
俺は急いで手を洗ってきて、
おしるこの中のおもちにかぶりつく。
うん、うまい。
俺は、バクバクと食べて、ふと、目線に気がついた。
「ふぁに?」
口の中のおもちをひっしにかみながら、
彼女の方を見る。
「最近よく食べるね、おもち」
「んまぁ、美味しいからね」
そういってまた、口に放り込む。
このおしるこは、彼女の手作り。
ここだけの話、俺は正直おもちが嫌いだった。
「だった」っていうとは、彼女が何年かまえ、
俺にこのおしるこを作ってくれたとき。
おもちは嫌いだけど、彼女の手料理だと
喜んで食べたところ、
おもちがめちゃくちゃ美味しかった。
きっと、彼女が何かしたのだろうと聞いたが、
うちで食べているおもちと変わらなかった。
いまだにわからないが、
彼女のおもちだけは食べられる。
だからかついつい、食べてしまうのだ。
「うまいよ、ありがと」
そういって笑うと、彼女は顔をそらして
「太らないでね」
そう、小さな声で言った。
幸せ太りって言うのも、悪くないかもしれない。
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