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ロリばばぁとまたギルドで揉め事を起こそう

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目覚めると俺はベッドに横たわっていた

身体を起こそうとする

「うぐっ」

身体の節々が痛い…
風邪をひいた時のような痛みだ

「起きたか?」

「ハナ…ごめん俺どのくらい寝てた?」

「無理せんでよい、魔力切れの反動じゃ
きつかろう?大体半日くらいじゃ
もうすぐ夜明じゃよ」

半日…結構寝てたな

「もしかしてハナ寝てない?」

「寝てはおらんが別に気にせんでよいぞ
儂もちょっと注意が足らんかった」

「魔力切れの事?これは別にハナが悪い訳じゃなあでしょ」


だんだんと魔力操作が出来てくるのが楽しくて
調子に乗ってしまった自分のせいだ

「いや、途中で言おう言おうとしてたのじゃが
あまりにコゾの魔力操作が面白くての
魅入ってしまったわい」

「面白かった?」

「コゾには悪いとは思うがかなり面白かったぞい、生体具現化自体出来る者は少ないが、身体中のあらゆるところから腕が出て来るのは…魔法というより奇術じゃな」

確かに魔法という概念がなかったら
サーカスみたいなもんだよな

「じゃが魔力切れのおかげでわかったことはある
コゾの莫大な魔力はたった半日で回復するということじゃ」


俺の魔力ってもう全快なのかな
身体中痛いからイマイチわからん

「それって普通より早い?」

「かなりな
魔力回復スピードは個人差がかなりあって、一般的な魔法使いは一度魔力切れを起こすと3日は目覚めん
魔力が全快になるまで起きないのじゃ
そして魔力の回復には睡眠が必要じゃが
魔力切れで意識を失った時の魔力回復には
通常の睡眠での回復の倍時間がかかるんじゃ」

「魔力って結構回復するの遅いんだね」

「普通は魔力をギリギリまで使ったりはせんからな
あと魔力量が多い者ほど回復は遅い傾向がある
コゾはそれだけの魔力量で一晩の睡眠で回復してしまうのじゃからかなりのもんじゃ」

「魔力回復が早くなるなら練習もたくさんできるね」


「そうじゃな、それと起きたなら身体の調子は悪いじゃろうから無理せんようにな
儂は少し眠らせてもらうわい」

「あ、ごめんごめん
看病してくれてありがとうハナ、ゆっくり寝てていいよ」


その後ハナはベッドに入り、朝御飯までの少しの間
眠りについていた
自分はというと身体の調子はイマイチだったが、魔力は戻っているよくなのでそれまで魔力操作の練習をしていた


朝御飯を済ませて俺達は少し遅めでギルドに向かう
相変わらずギルドは混んでいるが
クエストボードの前にはあまり人はいない
時間をずらしたからだろう


「今日はどうするんじゃ?またなんか変な事をやらかすのか?」


からかうようにハナは俺の事を見てくる
そんなに毎日毎日悪だくみはしないよ?


「今日は普通にクエストを受けるよ
魔法の実践練習も兼ねてもう少し高ランクの依頼を
受けてみようかな」


「そうじゃな、グレイウルフではコゾの相手にならんようじゃし、どれか受けたいクエストを選ぶがよい
無理そうなクエストなら止めるから心配いらん」

なら安心だ
どうしようか…




《冒険者募集シルバー以上推奨》

カクレ鉱山の調査及び魔物討伐

報酬     調査内容による(解決報酬金貨1枚)



「ねえハナこのクエストどうかな?」

「調査系か…こういうのはかなり渋いぞ?
なんせこのギルドが判断する内容じゃしの
調査だけではほとんど報酬は期待できまい」

「そっか、でも解決すれば問題ないよね?」

「随分自信があるようじゃの、何か考えが…
いや、後の楽しみにとっておくかの
危険度的にはそこまで問題あるとは思えんが
出てくる魔物次第じゃな
こういうのは基本調査メインで出来れば解決といった感じじゃよ」


それで調査報酬が期待できないんじゃ
誰も受けないのでは…


「あえて表示はしてないのじゃが、魔物の討伐報酬は出るからの、腕に自信があれば問題ないわい
ここらで出てくる魔物というのもある程度決まっておるしの」

「サルくらいの魔物は出ない?」

「まず出ないじゃろうな」

「じゃあこれにしよう」


即断即決


俺達はギルドの受付に向かうと各受付で何人か並んではいたが一箇所だけ空いていたので
そこに向かった
そこの受付に鎮座しているのはエリカ嬢
人気ないのかね

「はい、これ受けます」

「かしこまりました」

エリカ嬢が依頼書をチェックする

「特に問題ありません、それではお気をつけて
いってらっしゃいませ」

相変わらず無感情のロボットのようだ
俺はじゃあ行こうかなと思い振り返ると
ハナが渋い顔をしてこちらを見ていた

「コゾよ、前にグレイウルフの依頼を受けた時もこんな感じじゃったか?」


前?えーっと…
確かあの時は…

「そういえばあの時は別の人だったけど、
グレイウルフの特長とか教えてくれたね」

「じゃろう?」

「でも今回はまずは調査でしょ?何が出るかとかまだわかってないんじゃない?」

「違うぞコゾよ、そもそもこのクエスト依頼が来てる時点で何がしかの被害はでておる
その情報がギルドにはあるはずなんじゃ」


ふーんそういう事か

俺は振り返ってエリカ嬢を見る
こちらの会話は聞こえていないようだ


「ちょっといいですか?」

「どういったご用件でしょうか」

エリカ嬢はこちらと目を合わせようともしない
斜に構えて手元の資料をパサパサしている

仕事してるようにみせてお前さぁ
その資料無駄に弄ってるのわかるからな
俺は目がいいんだよ
そっちがその気なら俺にも考えがあるぞ


俺は大声で話し始めた

「あのぅ!さっきエリカさんから受けたクエストのぉ!詳しい情報教えてくれないですかねぇ!!
何の説明もなしに行ってらっしゃいじゃ困るんですけどねぇ!!!
それともこのギルドは命に関わるクエストに関する必要な情報を、冒険者には教えないで送り出すんですかねぇ!!!
もしかしてクエストの情報料とか必要ですかぁ?
いくら払えば教えてもらえますかぁ!!
情報無しでクエストに行くの嫌なんですけど
何の情報もないんですかぁ!!
教えてくださーい
このハジの街のギルドはクエストを受ける時に
受付で情報料が必要なんですかぁ~」


周りの冒険者達が何事かとこちらを見ている
大体の冒険者は俺の事を何大声でさけんでるんだといった感じで見ているが、幾人かは渋い目で
エリカ嬢を見ている

あの感じ、エリカ嬢がどういう女か分かっているんだろうなぁ
だからここには誰も並んでないんだ

エリカ嬢をチラリと見た
ぶるぶると震えているがその表情は怒りに満ちている
震えているのは怯えではなく怒りそのものなんだろう


エリカ嬢はスッと立ち上がると後ろを振り返り
足を後ろへ振りかぶり

『ドガァ!!!』

目にも止まらぬ速さで椅子を蹴り飛ばした
吹っ飛んだ椅子は遠くの壁まで一直線で辿り着き粉々に砕けた
こちらをチラリと見ると意外にも表情は穏やかだった

「失礼いたしました、ただ今代わりのものを寄越します」

エリカ嬢は一礼すると奥の扉へと入っていった

あそこは確かこの間上司のイガリィが出てきたところだな
イガリィを連れてくるのだろうか


まぁそんな事どうでもいいか
多分もうこの受付で座る彼女を見る事は無いだろう


エリカ嬢が穏やかな表情をしていたあの時
俺は見た

その目の奥に確かに






俺に対する殺意を秘められていたのを


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