29 / 40
『第2の街シドネス』
28.迷宮という響き
しおりを挟む「よし、来たか」
俺は目の前のプレイヤーを見て、そう言った。
「はい!早く行きましょう!」
目の前のプレイヤー、『大剣狂』のアリスは俺を急かす様にそう口にする。そんな様子に笑いながら、俺はゆっくりと応答した。
「ああ」
「う~ん…ありませんねぇ…」
「まあ、そう簡単に見つかるわけないだろうな」
中々迷宮が見つからずに愚痴るアリスに俺が言う。確かランキングは”迷宮の難易度・見つかりにくさ・攻略数”で決まるんだっけ。早く見つけなくちゃ出遅れるな……
俺はシドネスの近くの草原で思考する。温存している場合じゃないな…出来ればAPなどの消費は迷宮まで控えていたかったが、その迷宮が見つからないんじゃ始まらない。俺は〈アーツ〉を駆使することにした。
「ちょっと待ってろ」
アリスにそう言うと、不思議そうな顔をしていたが何か案があるのだろうと考えたのか素直に「分かりました」と返事をしていた。
「〈跳躍〉…!」
《盗賊》アーツの〈跳躍Ⅳ〉を発動させ、一気にその場で大ジャンプをする。いつもは加減しているのだが、今回は全力で使った。靴の特殊効果「兎の脚力」等も手伝い、とんでもない高さまで調薬することに成功した。
「〈空中遊歩〉」
その状態で〈空中遊歩Ⅱ〉を重ねて使用することにより更に上空へと舞い上がる。そして、その滞空時間の間に俺はスキルを発動する。
「《視界強化》―――片眼集中…!」
最近《視界強化》の使い分けがやっと出来てきた。そのうちの一つが”片眼集中”だ。単純に俺が名付けただけで、アーツという訳ではない。
効果は単純に片目に、強化を施すことによりその片目のみ強化の幅を大幅に上昇させるやり方だ。ただしこれは失敗すると一発で眼がショートするので焦ってしまう戦闘にはあまり向かない。
片目集中を使ったお陰で、更にくっきりと辺りを見渡せるようになった。ついでに言うと、少しズームも出来るようになった。…まあ、ズームに関しては他の眼系スキルだと最初から出来る事が多いらしいけど…
すると、遠くの森林から何かが飛び出ている……あれは『始まりの街』の南の森林だな…前はあんなの無かったから迷宮の一部で間違いないだろう。
しかし、遠いな…向かう途中で迷宮移動してしまうかもしれないが…行くか。
「おーい、アリス。あったぞ!」
俺は”落下”しながらアリスに迷宮を発見したことを伝える。
しかし、アリスはそんな俺の声なんて気にする様子もなく、焦っている。何で?
「の…ノア!そのまま落ちると落下で死んじゃいますよ!!」
…?ああ、そういうことね。まぁ、落ち方さえ間違わなければ大体靴の特殊効果の「兎の脚力」「強固の魂」「分厚い装甲」「衝撃耐性」でどうにかできるんだけどな。慢心はいけない。
俺はアリスの声を聞きながら、そのまま着地をする。
「兎の脚力」で下半身全体をバネの様に使い衝撃等々を逃がし、地面に着地した際の莫大なダメージは「分厚い装甲」でカットし、「強固の魂」で微量のダメージさえも通さない。更におまけとして、「衝撃耐性」で保険を掛けてた。
―――――ズドォォォォォォン!!!!
「はい!生きてる!」
俺は勝ち誇ったような顔をして、アリスの方向を向いた。(まぁ、仮面で表情は見えないんだけどね)
「規格外…ですね……」
俺が煽っていく中、アリスは呆然と俺が着地した地面を見つめていた。その部分には約3m程の大きな陥没が出来ていた。
* * * * * * * * * * * * *
「よし!移動してないな!」
「ですね!」
俺とアリスはどうにか迷宮移動する前に辿り着いた。かなり大変だった……と言っても走り続けただけだけどな。
俺は迷宮チェックをする。
〔迷宮名:魔女の屋敷〕攻略ペア数:0
魔女が住んでいたとされる屋敷。見た目の割に中は非常に広く、何らかの魔法が掛かっていると見られる。
レア度:★★★☆☆
難易度:★★★★☆
※この迷宮にはボスがいます。ボスを倒すとポイントを獲得できます。
ふむ……大丈夫。というか、まだここは攻略されていないっぽいな。レア度も高いし、見つかりにくい迷宮なのだろうか。ボスはいるらしいが、案外難易度が高いが…。まあ、何にせよラッキーだ。
「アリス、俺たちがここは一番乗りっぽいぞ」
「おお!ホントですか!なら早く行きましょうよ!それで一番にクリアしましょう!」
「ああ、そうだな」
アリスは思い切り魔女の屋敷の扉を開けた。
中は意外と整っており、まるで今も誰かが住んでいる様な…そんな雰囲気がある。
「暗いですね…」
「だな…光はバレるか…〈ナイトアイ〉、〈ナイトトゥルー〉」
俺は、自分とアリスに〈ナイトアイⅠ〉を掛けた。ちなみに〈ナイトトゥルー〉は自分にしか発動できない奴だから…APが勿体無いからアリスには掛けなかったとかじゃないから……
〈ナイトトゥルー〉は《闇魔法》Lv50時に獲得したアーツだ。性能は簡単に言うと暗い所に紛れられる。それだけだ…が案外強い。眼が悪い敵だと俺を認識さえしなくなる優れモノだ…暗いとこ限定だけど…
まあもう一つ、気配を隠す系のアーツは最近ゲットしたから良いんだけどね。
「おお!見やすくなりました!便利ですね!」
「ああ、そうだろ?」
それが中途半端な《闇魔法》だよ。何て言える筈も無く、ありきたりな返事をした。
俺とアリスは屋敷内の適当な扉を一つ開け、臨戦態勢を整えたが…敵はいなかった。どうやらこの部屋には何もいない様だ。
「ここは何でしょうか?」
「うーん…錬金術か調薬部屋ってとこだろ」
俺は机の上に置かれている空のポーション瓶や書かれているレシピの様なモノから読み取り、そう判断した。残念ながらレシピの文字は読むことが出来ない。もしかしたら凄い事が書いてあるかもしれないのになぁ…
俺はついでと言わんばかりに、空のポーション瓶を幾つかぬす……貰って部屋を出た。
次の扉は書庫だった。所狭しと本棚が置かれており、非常に狭い通路となっている。一応アリスと別々にその部屋を捜索したが何もなかった。
「あれ~?何にもありませんね」
遠くからのんびりとしたアリスの声が聞こえてくる。多分、何にもないと油断しているんだろう。
俺は「一応だが、気を付けておけよ」と注意しようとした瞬間―――、
――――ガタタタタタタタタタタタッ!
突如として巨大な本棚が全て同時に揺れ始めた………いや、違う。
「アリス!ここから出ろ!!すぐにだ!」
揺れだしたのは―――――何千冊とある”本”の方だ!
「ふぇ!?」
アリスは突然の事で一瞬動揺したが、すぐに全てを理解したのか邪魔くさい大剣を持ち物にしまい、走って扉から出てくる。……いや、と言うかよく大剣背負って狭い通路通れたな…、って今はそんなこと気にしてる場合じゃない!
「閉めるぞ!」
俺はすぐに扉を勢いよく閉める。アリスもその扉を両手で必死に抑える。そして、次の瞬間―――――
――――ドガン!ドガガガガガガガ!ドガァン!………
俺達が必死に抑える扉に何かがぶつかる音が響く。その衝突音はどんどんと増えていく。そしてどうしようもなく、扉にヒビが入っていく。バリバリ、バリバリ。破片が飛ぶ。
扉が完全に破壊される前に遠くへ退避する。すると――――扉から大量の本が飛び出てきた。
本は全て空中に浮いており、牙がある本、周りに障壁を張っている本、氷の礫を自らの周りに出現させている本など様々な種類がいる。
俺が冷静に判断し戦闘態勢に入ろうとした時、横から声が聞こえる。
「焼きます――――!〈炎剣発現〉!」
そう口にした瞬間、アリスが持っていた大剣に炎がボワッ!と宿る。どうやらアリスは炎で本を焼くつもりらしい。屋敷は木造だけど……大丈夫だろうか。
「そらァ!」
アリスは密集して浮いている本達に走って近付き、そのまま大きく炎の大剣を振り上げる。それだけで一気に本は燃えて消滅する。どうやら火属性は有効らしい。
「まぁ、そんな属性俺は持ってないけどね…!」
皮肉を言いながら俺は床を思い切り蹴る。
するとどうしてか、俺の姿は残像の様なものを残し、消える。そしてそのすぐ後―――――、
大量に本が浮いている場所の中心地に出現する。はっはっは。アリスが驚いている顔が見えるな。
「―――〈マンティススライサー〉」
刹那、制圧力が高い〈マンティススライサーⅠ〉を放つ。鎌が俺の周りに具現化し、どんどんと本を斬り裂いていく。噛みついたり、魔法を放とうとしてくる本もいるがそう言う本を優先的に倒しているので問題ない。
そんな時、突然〈危険信号〉が警告音を鳴らす。しかし俺が見える範囲じゃどこからも脅威なんて分からない。直感で避けようとしたが、何かを本能が理解し、その場でいきなりしゃがみ込む。
するとその上を雷の魔法が飛来していった。多分装備の特殊効果「野兎の勘」が働いたのだろう。モブルは本当に良い仕事をしてくれた。こんなに高性能な服は中々無い。
「〈トリプルスラッシュ〉」
俺は残っている本達に向かってアーツを放つ。しかしあまり当たらなかった。しまった。スラッシュ系統のアーツは一発に重点を置いているから当たりにくいか。
すぐに他の手に切り替えようと本達の方を向いたら―――、
「ふぅー!いい汗かきました!」
もう片付いてた。火属性強えぇ………!
その後、俺がどうしてあんなに早く移動できたのかと聞かれたので簡単に説明してやった。
「単純だ。気配消し系のアーツを重ねまくって、移動系アーツを使うだけだ」
そう、酷く単純だ。
俺がやったのは《隠密》《立体機動》〈ナイトトゥルー〉〈気配隠蔽Ⅰ〉〈忍び足〉を一気に強く発動し、その状態を維持したまま〈跳躍Ⅳ〉を使っただけだ。途中で〈空中遊歩Ⅱ〉〈瞬発Ⅲ〉を使って方向転換はしたが…。
というかこの使い方で成功したの初めてだ。
今まで全く成功しなかったんだよなぁ…!この技は暗いとこじゃなくちゃ成立しないし…!
「タイミングシビアですよ……そういう無理矢理アーツを重ねる使い方は……」
――といっても結構努力したんだぞ?訓練場で練習しまくったんだからな。そこ等辺は褒めて欲しいところだ。
「何から何まで――――ちょっとアレですよ」
――――――いや、何がだよ。
プレイヤー:ノア
【スキル一覧】
《短剣》Lv81(↑6UP)《体術》Lv85(↑2UP)《闇魔法》Lv61(↑6UP)
《盗賊》Lv88(↑8UP)《隠蔽》Lv73(↑7UP)《立体機動》Lv87(↑10UP)
《視覚強化》LvMAX(↑9UP)(進化可能)《調薬》Lv30《採掘》Lv17
《遊泳》Lv50
控えスキル
《釣り》Lv39《鍛冶》Lv24
スキルポイント:202
【二つ名】
終焉スキラー・終焉兎
【称号】
失敗の経験者・因縁を果たす者・真実を知る者・《**》なる大罪人・歩く厄介箱・不屈・GM泣かせ
* * * * * * * * * * * * *
〈クリティカルヒット〉
弱点ヒットの確率を限りなく高めた短剣技。〈スラッシュ〉などより、スイングは遅いが威力は高い。クリティカル率超上昇。
〈マンティススライサー〉
巨大な鎌の様なものを具現化させ敵を薙ぎ払う短剣技。隙が大きい分、当たった時のダメージは大きい。
0
お気に入りに追加
1,072
あなたにおすすめの小説
病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない
月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。
人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。
2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事)
。
誰も俺に気付いてはくれない。そう。
2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。
もう、全部どうでもよく感じた。
【書籍化確定、完結】私だけが知らない
綾雅(要らない悪役令嬢1/7発売)
ファンタジー
書籍化確定です。詳細はしばらくお待ちください(o´-ω-)o)ペコッ
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。
優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2024/12/26……書籍化確定、公表
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
『王家の面汚し』と呼ばれ帝国へ売られた王女ですが、普通に歓迎されました……
Ryo-k
ファンタジー
王宮で開かれた側妃主催のパーティーで婚約破棄を告げられたのは、アシュリー・クローネ第一王女。
優秀と言われているラビニア・クローネ第二王女と常に比較され続け、彼女は貴族たちからは『王家の面汚し』と呼ばれ疎まれていた。
そんな彼女は、帝国との交易の条件として、帝国に送られることになる。
しかしこの時は誰も予想していなかった。
この出来事が、王国の滅亡へのカウントダウンの始まりであることを……
アシュリーが帝国で、秘められていた才能を開花するのを……
※この作品は「小説家になろう」でも掲載しています。
魔法のせいだからって許せるわけがない
ユウユウ
ファンタジー
私は魅了魔法にかけられ、婚約者を裏切って、婚約破棄を宣言してしまった。同じように魔法にかけられても婚約者を強く愛していた者は魔法に抵抗したらしい。
すべてが明るみになり、魅了がとけた私は婚約者に謝罪してやり直そうと懇願したが、彼女はけして私を許さなかった。
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
新星間戦記CIVILIZATION
りゅうじんまんさま
SF
西暦2048年。大崩壊というかつてない戦争と大災害により人類の大半が失われることとなった。
そして、の大崩壊から3000年以上の月日が流れた時代・・・。
再び繁栄を極めた人類は繰り返される歴史の運命に翻弄されることとなる。
「第一次星間大戦」である。
その人類初となる星間大戦で多くのものを失った少年がいた。
彼の名はジェス・ディーン。
彼を含めた人類皆が沢山のものを失い、傷つきながらその戦争はようやく終結することとなる。
そして、終戦したその大戦からたった4年・・・。
ようやく訪れた平和を感じる間もなく、再び宇宙は激しい戦いの炎へ巻き込まれていく。
第二次星間大戦の勃発・・・。
いろいろなものを経験し、失いながら大人になった少年は・・・。
片腕と片目を失った幼馴染の操艦士
異星先住民の血を引く砲撃手
数奇な運命で行動を共にする民間人の索敵手
姉との確執を持つ凄腕の整備士
そして百戦錬磨の二足機動兵器小隊長の少女たちとの交友を育みながら、
父の残した人智を超えた性能を持つ機動戦艦を駆って宇宙の戦場を駆け抜ける。
その先にある未来は人類の安寧か、それとも再び訪れる滅びか・・・・。
全宇宙の運命は一人の少年に託されようとしていた・・・。
(本作品は2007年に作者が公開した同タイトルのシミレーションゲームのシナリオを小説化したものです。設定など一部原作と異なります。)
*小説家になろうにも投稿しております。
俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない
亮亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。
不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。
そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。
帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。
そして邂逅する謎の組織。
萌の物語が始まる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる