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『第2の街シドネス』

28.迷宮という響き

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「よし、来たか」

 俺は目の前のプレイヤーを見て、そう言った。

「はい!早く行きましょう!」

 目の前のプレイヤー、『大剣狂』のアリスは俺を急かす様にそう口にする。そんな様子に笑いながら、俺はゆっくりと応答した。

「ああ」






「う~ん…ありませんねぇ…」

「まあ、そう簡単に見つかるわけないだろうな」

 中々迷宮が見つからずに愚痴るアリスに俺が言う。確かランキングは”迷宮の難易度・見つかりにくさ・攻略数”で決まるんだっけ。早く見つけなくちゃ出遅れるな……

 俺はシドネスの近くの草原で思考する。温存している場合じゃないな…出来ればAPなどの消費は迷宮まで控えていたかったが、その迷宮が見つからないんじゃ始まらない。俺は〈アーツ〉を駆使することにした。

「ちょっと待ってろ」

 アリスにそう言うと、不思議そうな顔をしていたが何か案があるのだろうと考えたのか素直に「分かりました」と返事をしていた。

「〈跳躍〉…!」

 《盗賊》アーツの〈跳躍Ⅳ〉を発動させ、一気にその場で大ジャンプをする。いつもは加減しているのだが、今回は全力で使った。靴の特殊効果「兎の脚力」等も手伝い、とんでもない高さまで調薬することに成功した。

「〈空中遊歩〉」

 その状態で〈空中遊歩Ⅱ〉を重ねて使用することにより更に上空へと舞い上がる。そして、その滞空時間の間に俺はスキルを発動する。

「《視界強化》―――片眼集中…!」

 最近《視界強化》の使い分けがやっと出来てきた。そのうちの一つが”片眼集中”だ。単純に俺が名付けただけで、アーツという訳ではない。

 効果は単純に片目に、強化を施すことによりその片目のみ強化の幅を大幅に上昇させるやり方だ。ただしこれは失敗すると一発で眼がショートするので焦ってしまう戦闘にはあまり向かない。

 片目集中を使ったお陰で、更にくっきりと辺りを見渡せるようになった。ついでに言うと、少しズームも出来るようになった。…まあ、ズームに関しては他の眼系スキルだと最初から出来る事が多いらしいけど…

 すると、遠くの森林から何かが飛び出ている……あれは『始まりの街』の南の森林だな…前はあんなの無かったから迷宮の一部で間違いないだろう。

 しかし、遠いな…向かう途中で迷宮移動してしまうかもしれないが…行くか。

「おーい、アリス。あったぞ!」

 俺は”落下”しながらアリスに迷宮を発見したことを伝える。

 しかし、アリスはそんな俺の声なんて気にする様子もなく、焦っている。何で?

「の…ノア!そのまま落ちると落下で死んじゃいますよ!!」

 …?ああ、そういうことね。まぁ、落ち方さえ間違わなければ大体靴の特殊効果の「兎の脚力」「強固の魂」「分厚い装甲」「衝撃耐性」でどうにかできるんだけどな。慢心はいけない。

 俺はアリスの声を聞きながら、そのまま着地をする。

「兎の脚力」で下半身全体をバネの様に使い衝撃等々を逃がし、地面に着地した際の莫大なダメージは「分厚い装甲」でカットし、「強固の魂」で微量のダメージさえも通さない。更におまけとして、「衝撃耐性」で保険を掛けてた。


―――――ズドォォォォォォン!!!!


「はい!生きてる!」

 俺は勝ち誇ったような顔をして、アリスの方向を向いた。(まぁ、仮面で表情は見えないんだけどね)

「規格外…ですね……」

 俺が煽っていく中、アリスは呆然と俺が着地した地面を見つめていた。その部分には約3m程の大きな陥没が出来ていた。


 * * * * * * * * * * * * * 

「よし!移動してないな!」

「ですね!」

 俺とアリスはどうにか迷宮移動する前に辿り着いた。かなり大変だった……と言っても走り続けただけだけどな。

 俺は迷宮チェックをする。


 〔迷宮名:魔女の屋敷〕攻略ペア数:0
 魔女が住んでいたとされる屋敷。見た目の割に中は非常に広く、何らかの魔法が掛かっていると見られる。
 レア度:★★★☆☆
 難易度:★★★★☆
 ※この迷宮にはボスがいます。ボスを倒すとポイントを獲得できます。


 ふむ……大丈夫。というか、まだここは攻略されていないっぽいな。レア度も高いし、見つかりにくい迷宮なのだろうか。ボスはいるらしいが、案外難易度が高いが…。まあ、何にせよラッキーだ。

「アリス、俺たちがここは一番乗りっぽいぞ」

「おお!ホントですか!なら早く行きましょうよ!それで一番にクリアしましょう!」

「ああ、そうだな」

 アリスは思い切り魔女の屋敷の扉を開けた。
 中は意外と整っており、まるで今も誰かが住んでいる様な…そんな雰囲気がある。

「暗いですね…」

「だな…光はバレるか…〈ナイトアイ〉、〈ナイトトゥルー〉」

 俺は、自分とアリスに〈ナイトアイⅠ〉を掛けた。ちなみに〈ナイトトゥルー〉は自分にしか発動できない奴だから…APが勿体無いからアリスには掛けなかったとかじゃないから……

 〈ナイトトゥルー〉は《闇魔法》Lv50時に獲得したアーツだ。性能は簡単に言うと暗い所に紛れられる。それだけだ…が案外強い。眼が悪い敵だと俺を認識さえしなくなる優れモノだ…暗いとこ限定だけど…

 まあもう一つ、気配を隠す系のアーツは最近ゲットしたから良いんだけどね。

「おお!見やすくなりました!便利ですね!」

「ああ、そうだろ?」

 それが中途半端な《闇魔法》だよ。何て言える筈も無く、ありきたりな返事をした。





 俺とアリスは屋敷内の適当な扉を一つ開け、臨戦態勢を整えたが…敵はいなかった。どうやらこの部屋には何もいない様だ。

「ここは何でしょうか?」

「うーん…錬金術か調薬部屋ってとこだろ」

 俺は机の上に置かれている空のポーション瓶や書かれているレシピの様なモノから読み取り、そう判断した。残念ながらレシピの文字は読むことが出来ない。もしかしたら凄い事が書いてあるかもしれないのになぁ…

 俺はついでと言わんばかりに、空のポーション瓶を幾つかぬす……貰って部屋を出た。

 次の扉は書庫だった。所狭しと本棚が置かれており、非常に狭い通路となっている。一応アリスと別々にその部屋を捜索したが何もなかった。

「あれ~?何にもありませんね」

 遠くからのんびりとしたアリスの声が聞こえてくる。多分、何にもないと油断しているんだろう。
 俺は「一応だが、気を付けておけよ」と注意しようとした瞬間―――、


 ――――ガタタタタタタタタタタタッ!


 突如として巨大な本棚が全て同時に揺れ始めた………いや、違う。

「アリス!ここから出ろ!!すぐにだ!」


 揺れだしたのは―――――何千冊とある”本”の方だ!

「ふぇ!?」

 アリスは突然の事で一瞬動揺したが、すぐに全てを理解したのか邪魔くさい大剣を持ち物にしまい、走って扉から出てくる。……いや、と言うかよく大剣背負って狭い通路通れたな…、って今はそんなこと気にしてる場合じゃない!

「閉めるぞ!」

 俺はすぐに扉を勢いよく閉める。アリスもその扉を両手で必死に抑える。そして、次の瞬間―――――


 ――――ドガン!ドガガガガガガガ!ドガァン!………


 俺達が必死に抑える扉に何かがぶつかる音が響く。その衝突音はどんどんと増えていく。そしてどうしようもなく、扉にヒビが入っていく。バリバリ、バリバリ。破片が飛ぶ。


 扉が完全に破壊される前に遠くへ退避する。すると――――扉から大量の本が飛び出てきた。


 本は全て空中に浮いており、牙がある本、周りに障壁を張っている本、氷の礫を自らの周りに出現させている本など様々な種類がいる。

 俺が冷静に判断し戦闘態勢に入ろうとした時、横から声が聞こえる。

「焼きます――――!〈炎剣発現〉!」

 そう口にした瞬間、アリスが持っていた大剣に炎がボワッ!と宿る。どうやらアリスは炎で本を焼くつもりらしい。屋敷は木造だけど……大丈夫だろうか。

「そらァ!」

 アリスは密集して浮いている本達に走って近付き、そのまま大きく炎の大剣を振り上げる。それだけで一気に本は燃えて消滅する。どうやら火属性は有効らしい。

「まぁ、そんな属性俺は持ってないけどね…!」

 皮肉を言いながら俺は床を思い切り蹴る。
 するとどうしてか、俺の姿は残像の様なものを残し、消える。そしてそのすぐ後―――――、

 大量に本が浮いている場所の中心地に出現する。はっはっは。アリスが驚いている顔が見えるな。

「―――〈マンティススライサー〉」

 刹那、制圧力が高い〈マンティススライサーⅠ〉を放つ。鎌が俺の周りに具現化し、どんどんと本を斬り裂いていく。噛みついたり、魔法を放とうとしてくる本もいるがそう言う本を優先的に倒しているので問題ない。

 そんな時、突然〈危険信号〉が警告音を鳴らす。しかし俺が見える範囲じゃどこからも脅威なんて分からない。直感で避けようとしたが、何かを本能が理解し、その場でいきなりしゃがみ込む。

 するとその上を雷の魔法が飛来していった。多分装備の特殊効果「野兎の勘」が働いたのだろう。モブルは本当に良い仕事をしてくれた。こんなに高性能な服は中々無い。

「〈トリプルスラッシュ〉」

 俺は残っている本達に向かってアーツを放つ。しかしあまり当たらなかった。しまった。スラッシュ系統のアーツは一発に重点を置いているから当たりにくいか。

 すぐに他の手に切り替えようと本達の方を向いたら―――、

「ふぅー!いい汗かきました!」

 もう片付いてた。火属性強えぇ………!

 その後、俺がどうしてあんなに早く移動できたのかと聞かれたので簡単に説明してやった。


「単純だ。気配消し系のアーツを重ねまくって、移動系アーツを使うだけだ」

 そう、酷く単純だ。
 俺がやったのは《隠密》《立体機動》〈ナイトトゥルー〉〈気配隠蔽Ⅰ〉〈忍び足〉を一気に強く発動し、その状態を維持したまま〈跳躍Ⅳ〉を使っただけだ。途中で〈空中遊歩Ⅱ〉〈瞬発Ⅲ〉を使って方向転換はしたが…。

 というかこの使い方で成功したの初めてだ。

 今まで全く成功しなかったんだよなぁ…!この技は暗いとこじゃなくちゃ成立しないし…!

「タイミングシビアですよ……そういう無理矢理アーツを重ねる使い方は……」

 ――といっても結構努力したんだぞ?訓練場で練習しまくったんだからな。そこ等辺は褒めて欲しいところだ。

「何から何まで――――ちょっとアレですよ」

 ――――――いや、何がだよ。




プレイヤー:ノア
【スキル一覧】
《短剣》Lv81(↑6UP)《体術》Lv85(↑2UP)《闇魔法》Lv61(↑6UP)
《盗賊》Lv88(↑8UP)《隠蔽》Lv73(↑7UP)《立体機動》Lv87(↑10UP)
《視覚強化》LvMAX(↑9UP)(進化可能)《調薬》Lv30《採掘》Lv17
《遊泳》Lv50

控えスキル
《釣り》Lv39《鍛冶》Lv24

スキルポイント:202

【二つ名】
終焉スキラー・終焉兎

【称号】
失敗の経験者・因縁を果たす者・真実を知る者・《**》なる大罪人・歩く厄介箱・不屈・GM泣かせ


* * * * * * * * * * * * * 

〈クリティカルヒット〉
 弱点ヒットの確率を限りなく高めた短剣技。〈スラッシュ〉などより、スイングは遅いが威力は高い。クリティカル率超上昇。

〈マンティススライサー〉
巨大な鎌の様なものを具現化させ敵を薙ぎ払う短剣技。隙が大きい分、当たった時のダメージは大きい。
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