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第三章 動き出す歯車
第十七話
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ーーーー城下町
「ここがブルタニア帝国か…」
天使のような容姿の小柄な少年がお城を見つめながらつぶやいた
「僕は選ばれた人間だもの。すむ場所はこのくらいでないとね……さぁ、行こうか」
少年はわき目も振らずまっすぐとお城へ向かい歩き出した
ーーーー城内 執務室
「殿下、シェリ様は覚えが早くてとても優秀な方ですね」
「そうか、それは喜ばしい事だな。だが、あまり無理はさせないでくれよ?」
「分かっています。シェリ様は頑張り屋さんですので私が止めているくらいです」
「ふふ、シェリ様らしいですね」
ほのぼのとした空気の中
バンッ
「た、大変だ!」
ジェラルドが慌ただしく入って来た
「いったい何事ですか。騒々しい」
「そ、それが」
言葉につまり中々話し出さないジェラルド
「なんです?早く言ってください。」
しびれを切らしたユアンが眉を顰め先を促す
「今、客室に自分は『精霊の愛し子』だと名乗っている少年がきているん…」
「なんですって!?」
「どう言う事だ!精霊の愛し子を名乗るなど!それに何故私の許可もなく客室へ通しているんだ!」
ラシードは怒りで声が大きくなる。愛し子を軽々しく名乗るなどあってはならない事だからだ
「それが…ラシードに話が行く前に大臣に話がいってしまって…」
大臣と聞き不振に思ったラシードは確認の為ジェラルドに問うた
「……なに?大臣とはガランか?」
「そうだ」
「……裏がありそうですね。」
ガランは老臣であるが、常に自分の利になる事ばかりを考えている。その為ならば何でもする男だ。
「必ずな。計画していたように周到だ」
臣下より先に城の者が伝令をすることは殆どない。ガランに等は特にだ
「どうする?」
「……付き合ってやるさ。シェリが愛し子なのは変えられない事実だからな。」
ニヤリと笑うラシード。
「そうだな……でも俺たち以外は知らない事だぞ?」
「それを利用するのですね?」
シェリの事を知っているのは幸いにも近しい者達ばかりであった
「ふ、そうだ。しばらくはシェリが愛し子だと言う事は伏せておく」
「わかりました」
(これからガランがどう出て来るのか、見せてもらおう)
ーーーー客室
(すごく豪華な所……僕は今日からここでくらすんだ)
ガチャ
「お待たせして申し訳ない」
心地よいバリトンの声が聞こえた
少年は振り返ると息をのんだ
(なんて美しい人……この人は僕のものだ)
「初めまして殿下。精霊の愛し子、アニタと申します」
綺麗にお辞儀をして見せるアニタ。
「アニタ殿、何を持って愛し子と言っておられるのかお聞きしたいのだが」
ラシードが言うとアニタは分かりましたと言って精霊を召喚した
「これは…」
ラシードが見た先にいたのは人型の見目麗しい精霊がいたのだ
「これが証拠です」
「これ、か」
精霊をこれと呼ぶ少年に怒りがこみ上げる
「はい殿下。これは精霊王のべヒモス。これが愛し子である証」
「そうか…初めてお目にかかりますべヒモス様」
ラシードは恭しく丁寧にあいさつをするが返ってはこない
「…べヒモス様は話す事が出来ないのか?」
「あっは、はい。これはもとから離せませんので…」
アニタが動揺を見せたのをラシードは見逃さなかった
目の前に居るのは確かに本物の精霊だ。だが精霊の様子がおかしいのだ
「……少し席を外しても構わないだろうか?」
「え、えぇかまいません」
「失礼する」
精霊の愛し子と名乗る少年。その精霊の様子の不振
シェリを取り巻く嵐の始まりだった
「ここがブルタニア帝国か…」
天使のような容姿の小柄な少年がお城を見つめながらつぶやいた
「僕は選ばれた人間だもの。すむ場所はこのくらいでないとね……さぁ、行こうか」
少年はわき目も振らずまっすぐとお城へ向かい歩き出した
ーーーー城内 執務室
「殿下、シェリ様は覚えが早くてとても優秀な方ですね」
「そうか、それは喜ばしい事だな。だが、あまり無理はさせないでくれよ?」
「分かっています。シェリ様は頑張り屋さんですので私が止めているくらいです」
「ふふ、シェリ様らしいですね」
ほのぼのとした空気の中
バンッ
「た、大変だ!」
ジェラルドが慌ただしく入って来た
「いったい何事ですか。騒々しい」
「そ、それが」
言葉につまり中々話し出さないジェラルド
「なんです?早く言ってください。」
しびれを切らしたユアンが眉を顰め先を促す
「今、客室に自分は『精霊の愛し子』だと名乗っている少年がきているん…」
「なんですって!?」
「どう言う事だ!精霊の愛し子を名乗るなど!それに何故私の許可もなく客室へ通しているんだ!」
ラシードは怒りで声が大きくなる。愛し子を軽々しく名乗るなどあってはならない事だからだ
「それが…ラシードに話が行く前に大臣に話がいってしまって…」
大臣と聞き不振に思ったラシードは確認の為ジェラルドに問うた
「……なに?大臣とはガランか?」
「そうだ」
「……裏がありそうですね。」
ガランは老臣であるが、常に自分の利になる事ばかりを考えている。その為ならば何でもする男だ。
「必ずな。計画していたように周到だ」
臣下より先に城の者が伝令をすることは殆どない。ガランに等は特にだ
「どうする?」
「……付き合ってやるさ。シェリが愛し子なのは変えられない事実だからな。」
ニヤリと笑うラシード。
「そうだな……でも俺たち以外は知らない事だぞ?」
「それを利用するのですね?」
シェリの事を知っているのは幸いにも近しい者達ばかりであった
「ふ、そうだ。しばらくはシェリが愛し子だと言う事は伏せておく」
「わかりました」
(これからガランがどう出て来るのか、見せてもらおう)
ーーーー客室
(すごく豪華な所……僕は今日からここでくらすんだ)
ガチャ
「お待たせして申し訳ない」
心地よいバリトンの声が聞こえた
少年は振り返ると息をのんだ
(なんて美しい人……この人は僕のものだ)
「初めまして殿下。精霊の愛し子、アニタと申します」
綺麗にお辞儀をして見せるアニタ。
「アニタ殿、何を持って愛し子と言っておられるのかお聞きしたいのだが」
ラシードが言うとアニタは分かりましたと言って精霊を召喚した
「これは…」
ラシードが見た先にいたのは人型の見目麗しい精霊がいたのだ
「これが証拠です」
「これ、か」
精霊をこれと呼ぶ少年に怒りがこみ上げる
「はい殿下。これは精霊王のべヒモス。これが愛し子である証」
「そうか…初めてお目にかかりますべヒモス様」
ラシードは恭しく丁寧にあいさつをするが返ってはこない
「…べヒモス様は話す事が出来ないのか?」
「あっは、はい。これはもとから離せませんので…」
アニタが動揺を見せたのをラシードは見逃さなかった
目の前に居るのは確かに本物の精霊だ。だが精霊の様子がおかしいのだ
「……少し席を外しても構わないだろうか?」
「え、えぇかまいません」
「失礼する」
精霊の愛し子と名乗る少年。その精霊の様子の不振
シェリを取り巻く嵐の始まりだった
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