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第一章 運命の出会い
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あれからしばらくして落ち着いた玲は、晃と一緒に夕食を摂る事に。明るい場所で見た晃は、顔が整っていると言うレベルでは無く、玲が驚愕に目を見開いたのは言うまでもない
夕食を食べた後、時間も遅かった為、そのまま泊まる事になった。お風呂から上がると晃がリビングで、コーヒーを飲んみ寛いでいた。その姿は様になっていて、とてもカッコいいと思ってしまう玲
「お風呂、ありがとうございます」
「あぁ」
晃の容姿を見て、驚きはしたものの、近寄りがたい等とは思わなかった。ただ、自分でいいのだろうかと、強く思っただけだった。流石にべったりとくっついて座るのは気が引けたので、少し距離を置いて腰かける
「…どうしてそんな所に座るんだ」
気にくわないとばかりに、玲の腰に腕を回し強引に引き寄せる
「うぅ…」
真っ赤な顔をして、恥ずかしがる玲に満足した晃は、徐に口を開いた
「玲は一人で暮らしているのか?」
「え?…はい」
不思議そうにする玲に晃はつづけた
「そうか、それは良かった」
「何が良かったんですか?」
小首を傾げて今だ不思議そうにしている玲に、晃はニヤッと笑う
「一緒に住めるだろう?」
「へっ!?」
治まっていた赤みが再び顔を出す
「嫌か?」
嫌かと言われれば、答えはNOだ。晃は、玲の答えをわかっているかのように笑っていた
「それは…いや、ではないです」
恥ずかしさのあまり俯く玲を、愛おしそうに見つめる
「決まりだな」
やや強引な晃。それでも嫌悪感は感じない
その夜、二人はより添いながら眠った。今までに感じたことが無い程に、幸福な時間だった。これからずっと、この人の側に居れる。その事実が更に幸せだった
―――翌朝
起きてすぐに、晃の行動力の凄さを実感する事に。昨日話し合ったばかりであったが、目覚めるとあと数時間で荷物が届くと伝えられたのだ
どうやって住所を知ったのか、どうやって部屋に入ったのか。そんな事は聞かない方がいいのだ
数時間後、本当に届いた荷物をほどき、片付けが終わった頃。晃が仕事の為外出すると聞き、玲も報告したい人がいると伝え家を出る
連絡を取り、待ち合わせの場所で待っていると、そこに現れたのは達矢であった。玲は自分の唯一の友人に、心配してくれていた幼馴染に、報告したかったのだ
近くのファミレスに入り、人が少ない席に座ると、達矢が言った
「で、話ってなんだ?」
達矢は何処か心配そうに、玲を見つめていた
「昨日、な…」
「おう」
「発情期が、来たんだ」
「おう…えっ!?」
突然告げられた事に、達矢はビックリしてしまう。発情期に入れば、最低でも一週間は続く。外に居て大丈夫なのか、と心配をしてしまう達矢。そんな達矢の心配を余所に、玲の話は続いた
「それで…」
「お、おう」
「襲われて…」
「おう、…ブフォッ…お、襲われたぁ!?」
平静を保とうと飲んでいた水を、吹き出してしまう。どう言う事だと、問いただそうとした達矢だが、
「それで…」
「お、おう」
「助けてもらって、」
「おう」
(助けられたって事は、未遂だったんだな…よかった)
「その人が番だったんだ」
「ブフォッ」
(つ、ついていけねぇ…どこぞの少女漫画かよ!)
「その人と、一緒に暮らすことになった」
玲のボソボソと話す内容を、頭の中でまとめた達矢は、安堵したようにため息をついた
「…はぁ、玲。俺は安心したよ」
「えっ?」
不安そうに見つめる玲の頭を軽く小突く。オメガでありながら平凡な容姿で、自分に自信が持てない玲を、達矢はずっと見て来た
見た来たからこそ、玲が番に憧れている事も、そのくせ恋愛に消極的な事も知っている
玲は確かに平凡な顔をしているが、明るく優しい性格をしているから、いつかきっと玲の良さが分かる奴が現れると、そう思っていた
「まぁ、どんな奴かはちゃんと確認するがな!」
ニッと笑う達矢に、少し安堵を見せる玲
「で、そいつの名前は?」
「か、海藤晃さん」
「そっか―――はぁぁあ!?か、海藤って!」
「え?知ってるの?」
キョトンとする玲
「おまっ!逆になんで知らないだよ!」
頭を抱える達矢に、玲は不思議そうに小首をかしげるばかりだった
夕食を食べた後、時間も遅かった為、そのまま泊まる事になった。お風呂から上がると晃がリビングで、コーヒーを飲んみ寛いでいた。その姿は様になっていて、とてもカッコいいと思ってしまう玲
「お風呂、ありがとうございます」
「あぁ」
晃の容姿を見て、驚きはしたものの、近寄りがたい等とは思わなかった。ただ、自分でいいのだろうかと、強く思っただけだった。流石にべったりとくっついて座るのは気が引けたので、少し距離を置いて腰かける
「…どうしてそんな所に座るんだ」
気にくわないとばかりに、玲の腰に腕を回し強引に引き寄せる
「うぅ…」
真っ赤な顔をして、恥ずかしがる玲に満足した晃は、徐に口を開いた
「玲は一人で暮らしているのか?」
「え?…はい」
不思議そうにする玲に晃はつづけた
「そうか、それは良かった」
「何が良かったんですか?」
小首を傾げて今だ不思議そうにしている玲に、晃はニヤッと笑う
「一緒に住めるだろう?」
「へっ!?」
治まっていた赤みが再び顔を出す
「嫌か?」
嫌かと言われれば、答えはNOだ。晃は、玲の答えをわかっているかのように笑っていた
「それは…いや、ではないです」
恥ずかしさのあまり俯く玲を、愛おしそうに見つめる
「決まりだな」
やや強引な晃。それでも嫌悪感は感じない
その夜、二人はより添いながら眠った。今までに感じたことが無い程に、幸福な時間だった。これからずっと、この人の側に居れる。その事実が更に幸せだった
―――翌朝
起きてすぐに、晃の行動力の凄さを実感する事に。昨日話し合ったばかりであったが、目覚めるとあと数時間で荷物が届くと伝えられたのだ
どうやって住所を知ったのか、どうやって部屋に入ったのか。そんな事は聞かない方がいいのだ
数時間後、本当に届いた荷物をほどき、片付けが終わった頃。晃が仕事の為外出すると聞き、玲も報告したい人がいると伝え家を出る
連絡を取り、待ち合わせの場所で待っていると、そこに現れたのは達矢であった。玲は自分の唯一の友人に、心配してくれていた幼馴染に、報告したかったのだ
近くのファミレスに入り、人が少ない席に座ると、達矢が言った
「で、話ってなんだ?」
達矢は何処か心配そうに、玲を見つめていた
「昨日、な…」
「おう」
「発情期が、来たんだ」
「おう…えっ!?」
突然告げられた事に、達矢はビックリしてしまう。発情期に入れば、最低でも一週間は続く。外に居て大丈夫なのか、と心配をしてしまう達矢。そんな達矢の心配を余所に、玲の話は続いた
「それで…」
「お、おう」
「襲われて…」
「おう、…ブフォッ…お、襲われたぁ!?」
平静を保とうと飲んでいた水を、吹き出してしまう。どう言う事だと、問いただそうとした達矢だが、
「それで…」
「お、おう」
「助けてもらって、」
「おう」
(助けられたって事は、未遂だったんだな…よかった)
「その人が番だったんだ」
「ブフォッ」
(つ、ついていけねぇ…どこぞの少女漫画かよ!)
「その人と、一緒に暮らすことになった」
玲のボソボソと話す内容を、頭の中でまとめた達矢は、安堵したようにため息をついた
「…はぁ、玲。俺は安心したよ」
「えっ?」
不安そうに見つめる玲の頭を軽く小突く。オメガでありながら平凡な容姿で、自分に自信が持てない玲を、達矢はずっと見て来た
見た来たからこそ、玲が番に憧れている事も、そのくせ恋愛に消極的な事も知っている
玲は確かに平凡な顔をしているが、明るく優しい性格をしているから、いつかきっと玲の良さが分かる奴が現れると、そう思っていた
「まぁ、どんな奴かはちゃんと確認するがな!」
ニッと笑う達矢に、少し安堵を見せる玲
「で、そいつの名前は?」
「か、海藤晃さん」
「そっか―――はぁぁあ!?か、海藤って!」
「え?知ってるの?」
キョトンとする玲
「おまっ!逆になんで知らないだよ!」
頭を抱える達矢に、玲は不思議そうに小首をかしげるばかりだった
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