召喚アラサー女~ 自由に生きています!

マツユキ

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『中途半端だった召喚を、そなたが完了させた。そして、我がそなたを気に入った。故に、そなたは我の主になった。簡単な道理だ』

何が、簡単な道理だ…よ!

確かに、暴走していたから、魔力を注いで完了はさせたけど、

『何打、可能性は無いとは思うが、不満なのか?』

ズイッと大きく凶悪な顔を近づけてくる

「不満とか、そんなんじゃなくて」

『ならばよいではないか。何も問題は無い』

「いや、問題はあるよ!あなた、」

『我はディスタインと言う。好きに呼ぶがいい』

長い名前だな…

「じゃ、ディーって呼ぶね。あ、私はミナ。えーっと、ディーはどう見ても、高位の魔獣?だよね?」

『魔獣だと!失敬な!我は魔獣にあらず。聖獣である。そして、ミナの言う通り、我は最上位の聖獣、帝の称号を冠する者である』

「帝…」

『帝とは、統治する者の称号。つまり、長とも王ともいえるな。系統の種族全ての頂点に立つ者の事を言う』

「え、じゃ帝の称号を持っている魔獣や聖獣は、沢山いるの?」

ハクやクロも、帝の称号を持っているし、案外沢山いるかもしれないのか

『否。数える程しか存在しない。それに、人間は見た事もないだろう。遥か古の時代に、帝の称号を持った者が、一人の人間を気に入って、人間界に居た事がある故、存在自体は知っている者も、いるやもしれぬが』

「…やっぱり、問題じゃん!私、少々やらかしてるから、あんまり目立つ事はしたくないのに…」

『諦める事だ。我は、そなたを気に入った故に、離れるつもりは無い』

「はぁ…分かったよ」

帰ってくれと言っても、聞いてくれそうにないし。諦めてしまう方が、早い

「じゃ、上に行こうか…」

『承知。久方ぶりの人間界だ。存分に楽しませてもらうぞ!』

かなりウキウキした様子の、ディー。こっちはどう説明しようか、悩んでるってのに、呑気なもんだよ

ため息をつきながら、地上への階段を上ろうとしたけれど、崩れた瓦礫で、来た道が塞がっていた

「まじか・・・・」

ここ以外のルートなんて、ありはしない。なんせ、建物は崩壊しているだから

どうするか考えていると、ディーが、

『この上に、人はいるのか?』

天井を見ながらそう言った

教会の周辺にあった建物は、全て倒壊していたし、避難していたのか、人もいなかった

「ううん。この上は誰もいなかったし、建物も既に壊れていたから、大丈夫。なんで?」

『ならば、我に乗れ』

そう言って、屈むディーに、言われるままに乗ると、

「しっかりと、掴まっておけよ?」

言ったそばから、天井向かって飛躍するディー

結界魔法を使っているのか、瓦礫が当たる事はなかったけど、ものすごい速さと圧で、正直・・・・怖かった。叫ばなかっただけ、頑張ったと褒めてやりたいくらいには
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