召喚アラサー女~ 自由に生きています!

マツユキ

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「では、『召喚』の試験に移りましょう」

「はい。どうすればいいでしょうか」

「魔法の事を考えれば、凝った儀式は必要ないでしょう。ただミナさんが思う様に、召喚してみて下さい。あ、ただ魔力は最小限に、お願いしますね」

「はい!」

魔力を最小限に―――要は、全力はダメって事だよね

「『我が呼びかけに答えし者よ。我の前に姿を現せ―――召喚』」

唱え終わると、、私を中心に風の渦が立ち始める。渦は段々と大きくなり、様々な色が浮かんでは消えていく。最終的に、光と闇が混じったような、不思議な色が浮かぶと、一気に渦が立ち、激しく渦巻いたかと思ったら、一気に霧のように散った

散った霧の中心には、2匹の狼が佇んでいた。地球で見た狼よりも、4倍程の大きさの狼だった

『我が主よ。お呼び頂き、参上致しました』

まるで真珠の様な、真っ白な美しい毛並みの狼が言った

『我が主』

今度は、まるで闇を纏っているかの様な、これまた真っ黒な美しい毛並みの狼が言った

『『我等、主と共に』』

そう言って、同時にこうべを垂れる

「あ、よ、宜しく!」

召喚が上手くいって嬉しい事は嬉しいけど、これであっているのか分からないな…

そう思って、ニスカさんを見ると、目を見開いた状態のまま、固まったニスカさんがいた

「あ、あの…ニスカさん?」

私が声をかけると、ハッとした様に我に返り、ニスカさんは、私の肩をガバッと勢いよく掴んでくる

「あっあれだけ言ったじゃないですか!魔力は最小限にと!」

涙目の涙声で、ニスカさんが私に訴えかけてくる

「あっちょっ…ニスカさん!わ、私、魔力は殆ど、使って、ませんよ!」

肩を揺さぶられながら喋ったものだから、言葉が途切れ途切れになってしまう

「―――え?」

「ですから、魔力は言われた通り、殆ど使ってません!」

私が再度言うと、ニスカさんはまたフリーズしてしまった。召喚が上手くいったのか、これで召喚自体が終わりなのかも分からないのに、どうすればいいの!

あれこれと考えていると、ようやくニスカさんが、我に返ってくれた

「あの、ニスカさん。召喚はあってますか?それとも、召喚はまだ終わっていないんでしょか?」

「ほ、本来なら、召喚したのち、召喚した者、すなわち『精霊』『聖獣』『悪魔」などですね。彼らの了承を得て、契約の完了となります。ですが、ミナさんの場合は…完了しているみたいですね』

「あ、そうなんですか?」

『さよう。契約は完了しており、すでに我等は主の従魔となっている』

『主よ、我らに「名」を与えて下さい』

「名前?無いの?」

『我らには種族名はありますが、名はないのです』

「分かった…じゃぁ、真っ白な毛並みの君は、『ハク』。真っ黒な毛並みの君は『クロ』。安易な名前だけど、どうかな?」

『私はハク』

『我はクロ』

「これから宜しく、ハク、クロ」

『『我等、主と共に』』


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