召喚アラサー女～ 自由に生きています！

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執務室に戻ったサウストは一連の事と、これからの事を考え、深く溜め息をついた

サウストが考えを巡らせていたとき、執務室の扉が開きラスディノと、ノーズベルトが入って来た

「ご苦労だった」

「…陛下、気にやまれなすな。此はあの者達が選んだ事、してきた事の結果に過ぎないのです」

「…そうだな。しかし、ステフに関して言えば私の…」

「陛下。ステフ王子も同様です」

ラスディノとノーズベルトの目は厳しいまま

「それよりも、被害にあってきた者達の講師ですが…」

「それならば、ステフの母君、ティファ殿にお願いした」

「な、なんですと！？」

「…陛下、臣下との協議もせず、何故ティファ様に？」

「…ん？そう言われれば…何故だ？」

「…」

「…」

執務室は無言の静けさに包まれた 



―――― 


『…兄上、戻ったのですね』

『あぁ』

クロはミナの側にいるハクの元へ歩き出す

「…クロ…おかえり…」

『…あ、主起きたのか？』

秘密で出掛けた事がバレた、とクロは焦ったがミナは目を瞑ったままだった

『…主は眠ったままの様です、ね』

『寝言か？』

「クロ…王様はどうだった…ちゃんと…やりたい事…出来たんだね」

ミナの言葉にギョッとする２匹

「…クロ、ハク…王様と…王妃様に…黒い影が…助けてあげないと…」

『…黒い、影』

「悪い人が…影を潜め…国を…脅かす」

『…』

「王様では…太刀打ち出来ない…同郷の子達にも危険が迫っている」

『…此は、』

『予言、ですか？』

「助けてあげないと…導いてあげて」

その言葉を最後に、ミナは寝息をたてはじめる

『…関わるなと、言って来たばかりなのだが』

『主の願いです。我らは従うのみ』

クロとハクは、どうやって導こうか考える。そもそも、導くも何も関わって良いものかどうか。そこが一番の問題だ

しかし、自分の主が『導け』と言うならば、答えは一つだけ。言葉通り、導くだけである

『手っ取り早いのは、あやつに、情報を流す事、だな』

『そうですね。いくら、我らが強者であっても、これは別の問題。力で解決する訳にもいきません。人間の問題は、人間が解決する方が良いでしょうし』

『そうだな。人間は細かすぎる。故に、我らに理解出来ぬ事が、原因やもしれん。そこは、我らには、どうする事も出来んしな。ま、行ってくるとしよう』

そういって、クロは再び霧となって消えた



――――


[ふぁ～…」

背伸びをして、ベットから降りる。今日もとてもいい天気である

顔を洗い身支度を整え、朝食をとる。ゴーレムが農園や、加工品を生産してくれるようになってからと言うもの、日本に居た頃よりも、食生活は充実しているかもしれない

こちらの世界の野菜は勿論だけど、元の世界の食材も充実している。加工品は日本の物を中心に生産しているから、食事の味の再現は、当然完璧である

それに洗剤類も充実しているから、無くて困る物は特にない

食事を済ませて、外に出る

「今日は、何をしようかな？」

大自然の中、のんびりと暮らしてはいるが、生産系をゴーレムに任せたので、割とする事が無いのだ

「どうするかな…」

働き詰めで、する事が無いなんて、今まで無かったから、どうしていいのか分からない

ま、時間もたっぷりあるんだし、じっくり考えるか


と、言う事で。考えた結果、ダルゴラン様の所に行く事にした。話し相手になってくれって、言っていたし問題ない

そうと決まれば、出発だ。ハクに乗って、ダルゴラン様がいる、太湖へと出発するのであった