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キャロルの新な人生
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「あー!おっはよう!キャロル」
元気な声が響く。振り向くとニーナが駆け寄ってくる所だった
「おはよう、ニーナ。いつも元気だね」
「あったりまえよ!元気出して今日も頑張ろー!」
右手を上に突き上げ、おー!と言うニーナを見ていると、不思議と安堵するキャロル
「はっはっはっ!元気なのはいいことさね。ほらほら、準備するよ!」
シニアが豪快に笑いながら言った
「「はーい!」」
ここはシニアが営む食事処である
刑を終えた受刑者を、積極的に受け入れてくれる職場の一つで、理由はシニア自身も受刑者であった事が大きい
シニアは友人から嵌められ、友人が犯した罪を押し付けられた。いわば冤罪により受刑者となった身だった
潔白を訴えたが、出てくる証拠はどれもシニアに不利な事ばかりで、誰も潔白を信じてはくれなかったのだ
受刑者として生活を始めた時の、シニアの心境はキャロルと変わらなかったが、周りの受刑者と過ごす内に心は平静を取り戻し、穏やかになっていった
そうしてシニアは気付いたのだ。この受刑場にいる受刑者に本当の悪人はいないと
人を殺めた受刑者も勿論いたが、殆どが『自分の身を守った結果』に犯した罪だった
人を騙すにしても、殺すにしても、私利私欲の為か否かで大きく変わるものだとシニアは思う
シニアと同様に冤罪の受刑者も沢山いた。騙された者や、誤って起きた事故に近い罪を犯した者を庇って罪を背負った者
そこに根っからの悪人はいなかった
だからこそ、シニアは思った。世間の目は冷たい。それは刑を終えてから今以上に如実に感じるだろうと
ならば、自分が安心出来る場所を作ろうと考え、刑を終えてから直ぐに実行に移す
何度も壁にぶつかり、上手くいかない事ばかりだったが、時が経つにつれ受け入れて貰えるようになっていった
それが、シニアの営む食事処『フライ亭』だった
元気な声が響く。振り向くとニーナが駆け寄ってくる所だった
「おはよう、ニーナ。いつも元気だね」
「あったりまえよ!元気出して今日も頑張ろー!」
右手を上に突き上げ、おー!と言うニーナを見ていると、不思議と安堵するキャロル
「はっはっはっ!元気なのはいいことさね。ほらほら、準備するよ!」
シニアが豪快に笑いながら言った
「「はーい!」」
ここはシニアが営む食事処である
刑を終えた受刑者を、積極的に受け入れてくれる職場の一つで、理由はシニア自身も受刑者であった事が大きい
シニアは友人から嵌められ、友人が犯した罪を押し付けられた。いわば冤罪により受刑者となった身だった
潔白を訴えたが、出てくる証拠はどれもシニアに不利な事ばかりで、誰も潔白を信じてはくれなかったのだ
受刑者として生活を始めた時の、シニアの心境はキャロルと変わらなかったが、周りの受刑者と過ごす内に心は平静を取り戻し、穏やかになっていった
そうしてシニアは気付いたのだ。この受刑場にいる受刑者に本当の悪人はいないと
人を殺めた受刑者も勿論いたが、殆どが『自分の身を守った結果』に犯した罪だった
人を騙すにしても、殺すにしても、私利私欲の為か否かで大きく変わるものだとシニアは思う
シニアと同様に冤罪の受刑者も沢山いた。騙された者や、誤って起きた事故に近い罪を犯した者を庇って罪を背負った者
そこに根っからの悪人はいなかった
だからこそ、シニアは思った。世間の目は冷たい。それは刑を終えてから今以上に如実に感じるだろうと
ならば、自分が安心出来る場所を作ろうと考え、刑を終えてから直ぐに実行に移す
何度も壁にぶつかり、上手くいかない事ばかりだったが、時が経つにつれ受け入れて貰えるようになっていった
それが、シニアの営む食事処『フライ亭』だった
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