44 / 45
44
しおりを挟む
スクリーンには、光と結良を襲った3人の男が映っていた
『こいつだよ。この写真を持っていけよな!こいつ、無能のくせして、俺の邪魔ばかりするんだ!許せないだろ!?だから、懲らしめてやるんだ!』
『あぁ、分かった。だが、懲らしめるって、少し脅せばいいんだな?』
『ダメだ!!再起不能にするんだよ!こんな奴死んだって誰も何も思わないさ!捕まえたら好きにしていいんだぞ!!』
『殺せって事か?おいおい…それじゃぁこれっぽっちの金じゃぁな』
ニヤニヤと笑いながら、舐めるように光の体を見る男たち。光もそれに気づいたのか、それはもう嬉しそうに言った
『仕方ないな!』
そう言って、恥ずかしげもなく衣服を脱ぎ始める光、そして
『一杯愛してくれよな!』
頬を染め、いやらしく男に体を寄せ、行為が始まった。3人の男に恥辱されながら、嬉しそうな声を上げる光
そこまでの映像が流れると、ブツリと映像が消え、会場に灯りが戻った
「これが、君の息子だよ」
「いや、いやよ…そんな、こんな事ありえないわ…」
「信じたくなくとも、これが現実だ。君たち親が、正しく導いてこなかったから、彼は間違った方向へ進み続けた。その結果が今の状況だ」
「ちが、違う…違うわ!そうでしょ、光ちゃん!」
そう言って光に詰め寄った母親
「あー!!お前かっこいいな!」
結良の父を指さし、そう言った光
「ひ、光ちゃん…?」
「おれは光だ!光って呼んでもいいんだからな!名前は何て言いうんだ?」
「光ちゃん!!」
「友達になってやってもいいんだぞ!」
母の言葉など、光にはとうに届いていなかった。光は壊れてしまっていたから。肯定され続けて来た光は、この学園に来て、初めて否定された。愛されなかった。普通なら、些細な事として済ませる事が出来ても、光にはとても大きな事で、耐えられない事だったのだ
少しずつ壊れて行った光は、今は既に正気を失っている。現実を認めたくなくて、放棄したかのように
「そ、そんな…」
光の母は、床に崩れ落ちた
「――――同情なんて、誰もしないよ。自業自得さ。家族もろとも罪を償わせるから、そのつもりでいるんだね」
「あぁ、そうじゃ。日の目を見れると、思うでないぞ?」
「な、に?」
「当然じゃろう?可愛い孫を、あんな目にあわせられたんじゃ。それ相応に、報復させてもらう。お主らが勝手に犯した犯罪とは別に、の」
「そん、な…」
「こんな、事…」
「二度とわし等の前に現れるなよ?わし等の耳に入るような事もするな。不愉快じゃからな」
「気を付ける事だ。我等、花瀬から隠れる事は不可能だからね。普通に生きて行く事を、お勧めするよ―――まぁ、日の目を見れたらの話だがね」
結良の父がそう言ったのを合図に、数人のスーツを来た男たちが、光を含めた矢井田一家を連行していった
これから彼らに何が待っているのか、それは花瀬以外には誰にも分からない
大企業、そして古からある名家。彼らの社会的立場は高い。しかし、そんな彼等にも、恐れる者達がいる。それが「花瀬一族」なのだ
裏の世界のみならず、表の世界でも花瀬一族は恐れられ、花瀬に目を付けられる事は、「終わり」を意味する、とさえ言われるほど
竜元は、改めて思った。結良の家族に、自分の事を認めてもらうのは、至難の業だと。しかし、諦める様な事はしない
必ず認めてもらい、結良をこの腕の中に囲うのだ。そして、誰も触れられぬように…
『こいつだよ。この写真を持っていけよな!こいつ、無能のくせして、俺の邪魔ばかりするんだ!許せないだろ!?だから、懲らしめてやるんだ!』
『あぁ、分かった。だが、懲らしめるって、少し脅せばいいんだな?』
『ダメだ!!再起不能にするんだよ!こんな奴死んだって誰も何も思わないさ!捕まえたら好きにしていいんだぞ!!』
『殺せって事か?おいおい…それじゃぁこれっぽっちの金じゃぁな』
ニヤニヤと笑いながら、舐めるように光の体を見る男たち。光もそれに気づいたのか、それはもう嬉しそうに言った
『仕方ないな!』
そう言って、恥ずかしげもなく衣服を脱ぎ始める光、そして
『一杯愛してくれよな!』
頬を染め、いやらしく男に体を寄せ、行為が始まった。3人の男に恥辱されながら、嬉しそうな声を上げる光
そこまでの映像が流れると、ブツリと映像が消え、会場に灯りが戻った
「これが、君の息子だよ」
「いや、いやよ…そんな、こんな事ありえないわ…」
「信じたくなくとも、これが現実だ。君たち親が、正しく導いてこなかったから、彼は間違った方向へ進み続けた。その結果が今の状況だ」
「ちが、違う…違うわ!そうでしょ、光ちゃん!」
そう言って光に詰め寄った母親
「あー!!お前かっこいいな!」
結良の父を指さし、そう言った光
「ひ、光ちゃん…?」
「おれは光だ!光って呼んでもいいんだからな!名前は何て言いうんだ?」
「光ちゃん!!」
「友達になってやってもいいんだぞ!」
母の言葉など、光にはとうに届いていなかった。光は壊れてしまっていたから。肯定され続けて来た光は、この学園に来て、初めて否定された。愛されなかった。普通なら、些細な事として済ませる事が出来ても、光にはとても大きな事で、耐えられない事だったのだ
少しずつ壊れて行った光は、今は既に正気を失っている。現実を認めたくなくて、放棄したかのように
「そ、そんな…」
光の母は、床に崩れ落ちた
「――――同情なんて、誰もしないよ。自業自得さ。家族もろとも罪を償わせるから、そのつもりでいるんだね」
「あぁ、そうじゃ。日の目を見れると、思うでないぞ?」
「な、に?」
「当然じゃろう?可愛い孫を、あんな目にあわせられたんじゃ。それ相応に、報復させてもらう。お主らが勝手に犯した犯罪とは別に、の」
「そん、な…」
「こんな、事…」
「二度とわし等の前に現れるなよ?わし等の耳に入るような事もするな。不愉快じゃからな」
「気を付ける事だ。我等、花瀬から隠れる事は不可能だからね。普通に生きて行く事を、お勧めするよ―――まぁ、日の目を見れたらの話だがね」
結良の父がそう言ったのを合図に、数人のスーツを来た男たちが、光を含めた矢井田一家を連行していった
これから彼らに何が待っているのか、それは花瀬以外には誰にも分からない
大企業、そして古からある名家。彼らの社会的立場は高い。しかし、そんな彼等にも、恐れる者達がいる。それが「花瀬一族」なのだ
裏の世界のみならず、表の世界でも花瀬一族は恐れられ、花瀬に目を付けられる事は、「終わり」を意味する、とさえ言われるほど
竜元は、改めて思った。結良の家族に、自分の事を認めてもらうのは、至難の業だと。しかし、諦める様な事はしない
必ず認めてもらい、結良をこの腕の中に囲うのだ。そして、誰も触れられぬように…
100
お気に入りに追加
1,562
あなたにおすすめの小説
春を拒む【完結】
璃々丸
BL
日本有数の財閥三男でΩの北條院環(ほうじょういん たまき)の目の前には見るからに可憐で儚げなΩの女子大生、桜雛子(さくら ひなこ)が座っていた。
「ケイト君を解放してあげてください!」
大きなおめめをうるうるさせながらそう訴えかけてきた。
ケイト君────諏訪恵都(すわ けいと)は環の婚約者であるαだった。
環とはひとまわり歳の差がある。この女はそんな環の負い目を突いてきたつもりだろうが、『こちとらお前等より人生経験それなりに積んどんねん────!』
そう簡単に譲って堪るか、と大人げない反撃を開始するのであった。
オメガバな設定ですが設定は緩めで独自設定があります、ご注意。
不定期更新になります。
愛する人
斯波良久@出来損ないΩの猫獣人発売中
BL
「ああ、もう限界だ......なんでこんなことに!!」
応接室の隙間から、頭を抱える夫、ルドルフの姿が見えた。リオンの帰りが遅いことを知っていたから気が緩み、屋敷で愚痴を溢してしまったのだろう。
三年前、ルドルフの家からの申し出により、リオンは彼と政略的な婚姻関係を結んだ。けれどルドルフには愛する男性がいたのだ。
『限界』という言葉に悩んだリオンはやがてひとつの決断をする。
俺はすでに振られているから
いちみやりょう
BL
▲花吐き病の設定をお借りしている上に変えている部分もあります▲
「ごほっ、ごほっ、はぁ、はぁ」
「要、告白してみたら? 断られても玉砕したら諦められるかもしれないよ?」
会社の同期の杉田が心配そうに言ってきた。
俺の片思いと片思いの相手と病気を杉田だけが知っている。
以前会社で吐き気に耐えきれなくなって給湯室まで駆け込んで吐いた時に、心配で様子見にきてくれた杉田に花を吐くのを見られてしまったことがきっかけだった。ちなみに今も給湯室にいる。
「無理だ。断られても諦められなかった」
「え? 告白したの?」
「こほっ、ごほ、したよ。大学生の時にね」
「ダメだったんだ」
「悪いって言われたよ。でも俺は断られたのにもかかわらず諦めきれずに、こんな病気を発病してしまった」
片思いの練習台にされていると思っていたら、自分が本命でした
みゅー
BL
オニキスは幼馴染みに思いを寄せていたが、相手には好きな人がいると知り、更に告白の練習台をお願いされ……と言うお話。
今後ハリーsideを書く予定
気がついたら自分は悪役令嬢だったのにヒロインざまぁしちゃいましたのスピンオフです。
サイデュームの宝石シリーズ番外編なので、今後そのキャラクターが少し関与してきます。
ハリーsideの最後の賭けの部分が変だったので少し改稿しました。
風紀委員長様は王道転校生がお嫌い
八(八月八)
BL
※11/12 10話後半を加筆しました。
11/21 登場人物まとめを追加しました。
【第7回BL小説大賞エントリー中】
山奥にある全寮制の名門男子校鶯実学園。
この学園では、各委員会の委員長副委員長と、生徒会執行部が『役付』と呼ばれる特権を持っていた。
東海林幹春は、そんな鶯実学園の風紀委員長。
風紀委員長の名に恥じぬ様、真面目実直に、髪は七三、黒縁メガネも掛けて職務に当たっていた。
しかしある日、突如として彼の生活を脅かす転入生が現われる。
ボサボサ頭に大きなメガネ、ブカブカの制服に身を包んだ転校生は、元はシングルマザーの田舎育ち。母の再婚により理事長の親戚となり、この学園に編入してきたものの、学園の特殊な環境に慣れず、あくまでも庶民感覚で突き進もうとする。
おまけにその転校生に、生徒会執行部の面々はメロメロに!?
そんな転校生がとにかく気に入らない幹春。
何を隠そう、彼こそが、中学まで、転校生を凌ぐ超極貧ド田舎生活をしてきていたから!
※11/12に10話加筆しています。
転生貧乏貴族は王子様のお気に入り!実はフリだったってわかったのでもう放してください!
音無野ウサギ
BL
ある日僕は前世を思い出した。下級貴族とはいえ王子様のお気に入りとして毎日楽しく過ごしてたのに。前世の記憶が僕のことを駄目だしする。わがまま駄目貴族だなんて気づきたくなかった。王子様が優しくしてくれてたのも実は裏があったなんて気づきたくなかった。品行方正になるぞって思ったのに!
え?王子様なんでそんなに優しくしてくるんですか?ちょっとパーソナルスペース!!
調子に乗ってた貧乏貴族の主人公が慎ましくても確実な幸せを手に入れようとジタバタするお話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる