心からの愛してる

マツユキ

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――――バゴンッ

「な、なんだ!」

欲望に濡れた目に、少し理性が戻った男は、急にものすごい音を立てて、倒れた扉を唖然として見ていた

(な、何なんだよ!何で、扉が倒れてくんだよ!あの扉、相当重くて頑丈だったろう!?)

そんな事を考えていた男の目に、人間のシルエットが映る。少しずつ近づいてくるその影が、恐ろしいと思ってしまう

そうして、男の目にシルエットの人物の姿が映った。背が高く、筋肉質な体つき。極めつけは、かなりの美形だと言う事

「ま、まじかよ…」

少し見惚れてしまった男だが、彼の目を見て恐怖に固まる。酷く冷たい目をした彼は言った

「何をしている?結良に…俺のものに何故触れているんだ?」

静かな声音で紡がれる言葉が、うすら寒くなるほどの恐怖を与える

恐怖で何も言えず、動く事すらも出来ない男たちの前に、とうとう彼、竜元がやって来る

竜元は、静かに視線を結良に向ける。体には暴行を受けたであろう跡が、無数に残っており、痛々しい程だった。そして、ズボンは完全に脱がされ、下着も脱がされかけている。上半身には何も身に着けていなかった

暴行の跡に、紛れるかのように残された強姦の印。鬱血がちらほらと見て取れる

「肌に、触れたのか?」

視線を男たちに戻し、竜元が言った。そして、何も答えない男の前髪を掴み、持ち上げ再度言った

「肌に、触れたのかと、聞いている」

「あ…あ…」

無表情の上に、何処までも冷たい目に見られて、声が出ない男を、竜元は力一杯地面に叩きつける

「ゴッ…ガハッ…!」

「結良の、美しい肌に、触れていいのは、俺だけだ」

そう言いながら、男を蹴る竜元に、容赦は無かった

暫く蹴り続ける竜元。それに耐えられなかったのは、男の方だった

意識を飛ばした男を見て、竜元は最後に強い力で蹴り上げ、次の男に移っていった

(結良に触れていいのは、俺だけだ。こんな、薄汚い奴らが、触れていいはずはない…!)

竜元は、倉庫に入った瞬間に、怒りで理性を飛ばしていたのだ。今の竜元は、己の中にある、怒りのみで動いている様なものだった

激しい怒りが、収まる事は無く。男を見ていれば見ている程、溢れてくる

(許さない…!許さない…!!許してなるものか!!結良が味わった恐怖と、屈辱を味あわせてやる!!)

そうして、怒りは竜元をのみ込もうとしていた。最悪の事態に、

(殺してやる…!恐怖の中で死ね!!!)

無表情の竜元の胸の中は、男たちを殺す事で、怒りを満たそうとする。理性の切れてしまった竜元は、その感情に抗う事無く、実行しようと動いていた
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