転生貴族のスローライフ

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門に着くと、既に到着していたバハトが僕に気付き手を振っていた。隣には難民と言うにはいい服を着ている人と、その後ろにも十数人の人達がいた

「バハト！お帰り！」

「只今戻りましたぞい」

「うん！帰ってくるのが遅かったから、心配したんだよ？連絡もしてこないしさ」

「いやいや、それはすまんかったですな。ちと、忙しくしておったもんでな。すっかり通信魔道具の事を忘れておったわい」

ハハハっと笑うバハトに、呆れてしまう僕。すると、バハトの隣にいた人がバハトに耳打ちをした

「おぉ、そうじゃった！マリス様。こちらはユリウスと言う。儂の友人の息子じゃ」

「お初にお目にかかります。ユリウスと申します」

「あ、初めまして。僕はこの街の領主をしています、マリスと言います」

優しげな雰囲気をまとっている、穏やかそうな人だと思った

「マリス様。此奴の見た目に騙されたらいけませんぞ？こう見えて一流の商人じゃ。穏やかそうに見えても、損得勘定はシビアな奴じゃ」

「嫌だなぁ、私は父のではありませんよ？」

「此奴、父を自然に貶しおって･･･お主も大概じゃわい」

確かにフフフっと笑うユリウスさんの目は、何処か怖さもあるなと思ったよ

「って、ユリウスさんは商人なの！？」

「そうじゃぞ？なに、街を発展させるには商人の力は必要だと思ってな。調度儂の知り合いに商人をやっておる奴がいたのでな。声を掛けに行ったと言う訳だ」

「そうだったんだね。調度、街の残る課題も流通をどうするかって事だったんだ。他はある程度の形は出来たからね」

「うむ。街に着いて驚きましたぞ？出た時とは様変わりしておったのでな。それに、人も増えたようだ」

「そうなんだ。あ、バハトが声をかけた人達も、無事にここまで来たよ。ちなみに、一番のりでね」

フフッと笑いながら言うと、バハトは至極嬉しそうに

「そうかそうか！いやはや、心配はしておったのじゃ。ここまでの道のりはとても近く容易いとは言えませんからな。念の為に保護魔法をかけて、携帯食を持たせはしたが、それ以前に体力がかなり落ちていたから、それが心配でな。でも、杞憂だったようで何よりじゃ」

「途中でバルトが声をかけた人達と合流したみたいでね。それもあったから、って言うのもあるかもね」

「そうじゃったか。それは確かにな。人は１人でいるよりも、２人、３人と増えていけば心強くなるもの。しかし、この街の手前にも街が出来ておったが…それだけ人が増えたと言う事かの？それにしては、ここからかなり距離があるが」

「あ、そうだったね。バハトにも話しておかないと。ユリウスさんにも関係ない事じゃないから、一緒に」

色々決まった事を、バハトに報告するために、僕は邸宅に向かう事にした

ついでにハンスさんとフランクさんも紹介しないとね