転生貴族のスローライフ

マツユキ

文字の大きさ
上 下
38 / 80

38

しおりを挟む
「お、おい。大丈夫か?」

『うむ…少々やりすぎたかもしれぬ』

目的地に着いた僕と白虎。あまりのスピードに、後半は失神しかけながらも、必死に白虎にしがみついていた僕は、着いた瞬間に地面に倒れ込むように着地した

突然現れた僕と白虎に、驚いただろうにその上、真っ青な顔をして倒れ込んだ僕を見て、ダノバスが心配してくれている

「うっ…だ、大丈夫だよ」

そうは言ったものの、暫く動けなかった僕。そんな僕が回復するまで、みんな待ってくれて回復してからハチの魔物がいる場所まで移動する事に


白虎が案内してくれた場所は、大きな木が幾つも生息している場所だった。幹の太さもさることながら、天辺が確認できない位に背の高い木だった

「ここにその魔物がいるの?」

『うむ。あ奴らの名は、キラービーと言ってな。この木のある場所にしか生息していないのだ』

「この木の場所だけ?なんでだ?」

『理由は単純だな。ここまで背の高い木が、この木しかないからだ』

「生息する条件が、背の高い木がある場所って事なのかな?」

『うむ、正解だコリン。キラービーの巣は巨大だ。それもあって高い場所でないと、巣を守る事が出来ないのだ』

「つまり、巣を狙う魔物がいるって事か」

『その通りだ、主。キラービーの巣からは、溢れてしまった蜜が巣から漏れ出す。その蜜を好物としている魔物がいるのだ。巣が下の方にあれば、巣を壊される危険性がある。だから、高い位置に巣を作り、木の幹に溢れた蜜を流しておけば、巣にたどり着く前に満足して去って行く寸法だ。虫型の魔物にしては、賢い奴だな』

と、感心している白虎。確かに賢いなと、僕も思う。蜜はどうしても溢れてしまう。なら、溢れてしまったその蜜を利用し、外敵から巣を守る

考えてと言うより、生存本能なのだろう

「でも、あんなに高い場所にあるなら、どうやっても登れないよ。どうやって従魔契約すればいいの?」

『なに、簡単だ。あ奴らは巣が危険にさらされると集団で襲ってくる。その習性をついてしまえば、おびき寄せる事は出来る。キラービー自体を使役したいのであれば、この方法で問題は無いが、主の目的は蜜だ。それならばこの方法は使えん』

「何故だ?」

『奴らは統率のとれた集団だ。兵隊を使役した所で、巣は手に入らん。巣を手に入れたいのであれば、使役するのは女王一体でいいのだ』

「あ、そうか。女王以外のキラービーは、みんな女王に従属してるって事か。だから、女王を使役すれば他のキラービーが襲って来る事は無いって事だ」

『その通り。しかし、女王が巣から出て来る事はない。だから、巣ごと眠らせてしまえばいい。巣は壊す事になるが女王を使役すれば、街の近くに巣を作ってもらえば良いだろう?』

「かなりの数のキラービーを使役する事になると思っていたから、かなり楽になるな。よし、やろう!」

こうして、ハチミツ確保の為に僕達は動き出したのだった
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

クラス転移から逃げ出したイジメられっ子、女神に頼まれ渋々異世界転移するが職業[逃亡者]が無能だと処刑される

こたろう文庫
ファンタジー
日頃からいじめにあっていた影宮 灰人は授業中に突如現れた転移陣によってクラスごと転移されそうになるが、咄嗟の機転により転移を一人だけ回避することに成功する。しかし女神の説得?により結局異世界転移するが、転移先の国王から職業[逃亡者]が無能という理由にて処刑されることになる 初執筆作品になりますので日本語などおかしい部分があるかと思いますが、温かい目で読んで頂き、少しでも面白いと思って頂ければ幸いです。 なろう・カクヨム・アルファポリスにて公開しています こちらの作品も宜しければお願いします [イラついた俺は強奪スキルで神からスキルを奪うことにしました。神の力で学園最強に・・・]

リリゼットの学園生活 〜 聖魔法?我が家では誰でも使えますよ?

あくの
ファンタジー
 15になって領地の修道院から王立ディアーヌ学園、通称『学園』に通うことになったリリゼット。 加護細工の家系のドルバック伯爵家の娘として他家の令嬢達と交流開始するも世間知らずのリリゼットは令嬢との会話についていけない。 また姉と婚約者の破天荒な行動からリリゼットも同じなのかと学園の男子生徒が近寄ってくる。 長女気質のダンテス公爵家の長女リーゼはそんなリリゼットの危うさを危惧しており…。 リリゼットは楽しい学園生活を全うできるのか?!

転生したら死んだことにされました〜女神の使徒なんて聞いてないよ!〜

家具屋ふふみに
ファンタジー
大学生として普通の生活を送っていた望水 静香はある日、信号無視したトラックに轢かれてそうになっていた女性を助けたことで死んでしまった。が、なんか助けた人は神だったらしく、異世界転生することに。 そして、転生したら...「女には荷が重い」という父親の一言で死んだことにされました。なので、自由に生きさせてください...なのに職業が女神の使徒?!そんなの聞いてないよ?! しっかりしているように見えてたまにミスをする女神から面倒なことを度々押し付けられ、それを与えられた力でなんとか解決していくけど、次から次に問題が起きたり、なにか不穏な動きがあったり...? ローブ男たちの目的とは?そして、その黒幕とは一体...? 不定期なので、楽しみにお待ち頂ければ嬉しいです。 拙い文章なので、誤字脱字がありましたらすいません。報告して頂ければその都度訂正させていただきます。 小説家になろう様でも公開しております。

無能と呼ばれたレベル0の転生者は、効果がチートだったスキル限界突破の力で最強を目指す

紅月シン
ファンタジー
 七歳の誕生日を迎えたその日に、レオン・ハーヴェイの全ては一変することになった。  才能限界0。  それが、その日レオンという少年に下されたその身の価値であった。  レベルが存在するその世界で、才能限界とはレベルの成長限界を意味する。  つまりは、レベルが0のまま一生変わらない――未来永劫一般人であることが確定してしまったのだ。  だがそんなことは、レオンにはどうでもいいことでもあった。  その結果として実家の公爵家を追放されたことも。  同日に前世の記憶を思い出したことも。  一つの出会いに比べれば、全ては些事に過ぎなかったからだ。  その出会いの果てに誓いを立てた少年は、その世界で役立たずとされているものに目を付ける。  スキル。  そして、自らのスキルである限界突破。  やがてそのスキルの意味を理解した時、少年は誓いを果たすため、世界最強を目指すことを決意するのであった。 ※小説家になろう様にも投稿しています

加護とスキルでチートな異世界生活

どど
ファンタジー
高校1年生の新崎 玲緒(にいざき れお)が学校からの帰宅中にトラックに跳ねられる!? 目を覚ますと真っ白い世界にいた! そこにやってきた神様に転生か消滅するかの2択に迫られ転生する! そんな玲緒のチートな異世界生活が始まる 初めての作品なので誤字脱字、ストーリーぐだぐだが多々あると思いますが気に入って頂けると幸いです ノベルバ様にも公開しております。 ※キャラの名前や街の名前は基本的に私が思いついたやつなので特に意味はありません

異世界転移しましたが、面倒事に巻き込まれそうな予感しかしないので早めに逃げ出す事にします。

sou
ファンタジー
蕪木高等学校3年1組の生徒40名は突如眩い光に包まれた。 目が覚めた彼らは異世界転移し見知らぬ国、リスランダ王国へと転移していたのだ。 「勇者たちよ…この国を救ってくれ…えっ!一人いなくなった?どこに?」 これは、面倒事を予感した主人公がいち早く逃げ出し、平穏な暮らしを目指す物語。 なろう、カクヨムにも同作を投稿しています。

男子高校生だった俺は異世界で幼児になり 訳あり筋肉ムキムキ集団に保護されました。

カヨワイさつき
ファンタジー
高校3年生の神野千明(かみの ちあき)。 今年のメインイベントは受験、 あとはたのしみにしている北海道への修学旅行。 だがそんな彼は飛行機が苦手だった。 電車バスはもちろん、ひどい乗り物酔いをするのだった。今回も飛行機で乗り物酔いをおこしトイレにこもっていたら、いつのまにか気を失った?そして、ちがう場所にいた?! あれ?身の危険?!でも、夢の中だよな? 急死に一生?と思ったら、筋肉ムキムキのワイルドなイケメンに拾われたチアキ。 さらに、何かがおかしいと思ったら3歳児になっていた?! 変なレアスキルや神具、 八百万(やおよろず)の神の加護。 レアチート盛りだくさん?! 半ばあたりシリアス 後半ざまぁ。 訳あり幼児と訳あり集団たちとの物語。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 北海道、アイヌ語、かっこ良さげな名前 お腹がすいた時に食べたい食べ物など 思いついた名前とかをもじり、 なんとか、名前決めてます。     *** お名前使用してもいいよ💕っていう 心優しい方、教えて下さい🥺 悪役には使わないようにします、たぶん。 ちょっとオネェだったり、 アレ…だったりする程度です😁 すでに、使用オッケーしてくださった心優しい 皆様ありがとうございます😘 読んでくださる方や応援してくださる全てに めっちゃ感謝を込めて💕 ありがとうございます💞

転生したので好きに生きよう!

ゆっけ
ファンタジー
前世では妹によって全てを奪われ続けていた少女。そんな少女はある日、事故にあい亡くなってしまう。 不思議な場所で目覚める少女は女神と出会う。その女神は全く人の話を聞かないで少女を地上へと送る。 奪われ続けた少女が異世界で周囲から愛される話。…にしようと思います。 ※見切り発車感が凄い。 ※マイペースに更新する予定なのでいつ次話が更新するか作者も不明。

処理中です...