転生貴族のスローライフ

マツユキ

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カリナが作ってくれた通信魔道具が、ちゃんと機能する事を確認した後、僕は加工品の事をカリナに話した

「―――って事で、甘味料になると思うんだ。甘味料が出来れば、料理の幅も増えるし、量産できれば商人と取引も可能だと思う。どうかな?」

「か、甘味料…!つまり砂糖が生産出来るって事ですね!?」

「え?う、うん。ただ、この作物から出来る砂糖って、他のよりも優しい感じになるんだ。少し物足りないと感じてしまう人もいると思う。だから、この作物以外にも甘味料になるのはまだあるから、手に入り次第生産できるようにして行こうと思ってる」

「ほ、他にも?砂糖以外に甘味料はあるのですか?」

「え?うん、あるよ。砂糖って一言で言っても、色々種類はあるし、砂糖以外にもハチミツなんかもある。ただ、砂糖は原材料が揃えば生産は出来るけど、ハチミツはそうもいかないんだ」

「ハチミツ…?そんな甘味料があるのですか?」

「うん。前世ではミツバチって言う虫の巣から、人間がおすそ分けしてもらってたんだけど、この世界にミツバチがいるかどうかも分からないからね…」

僕がこういうと、カリナはもの凄くガックリとしていた。何だか期待させてしまって申し訳なくなってしまった

『それは虫?とやらではないとだめなのか?』

「え?」

『確か魔物の中に、虫型でそなたの言っていた様な習性のある奴がいたと思うぞ?』

『あぁ、あ奴ですか。確かに主の言っていた様な習性を持っていますな』

「え!?ハチの魔物がいるの!?」

『主の言うハチかどうかは分からぬが、あ奴らは巣を作るし、巣からは蜜がとれる。きっと主が言うハチミツとやらで間違いないと思うが』

「まじか!!その魔物って、何処にいるのかな?この大陸にもいると思う?」

『調度ダノバスとコリンがいる付近に生息しておるぞ』

何と言う事だ!!僕にとって魔物であるって事はラッキーな事だ。虫だったとしたら、生産するまでに相当大変な思いをするだろうからね

魔物だったら、従魔契約をして拠点付近に巣を作ってもらい、蜜を分けてもらえばいい!

しかし、やっぱり魔物って言っても色んな個体がいるんだなぁ

『では、行くか?』

「うん!」

早速ハチミツを作ってくれる魔物と、従魔契約をする為に、ダノバス達がいると言う場所に向かう事にした。善は急げって言うだろ?

ゲルドラ様が転移で送ってくれるって言ってくれたんだけど、久々に運動も兼ねて白虎に乗って向かう事にした。ゲルドラ様は、拠点にカリナが一人になってしまうから、何もないだろうけど残ってくれるって言ってくれて、安心して出発する事が出来た

「ここから距離はあるの?」

『いや、そんなに遠くは無い。まぁ、人の足で行くならばかなり距離はあるが、我にかかれば僅かな時間よ』

白虎はそう言うとニヤリと笑い、次の瞬間とんでもないスピードで駆け出した

「あ、ぶふぅっ…び、びゃっこ……っ!」

あまりの速さに、テレビでしか見た事の無い顔になってしまっている。お笑い芸人が良くやる、強風を顔に受けるやつ。みなまで言わなくても分かってくれるよね?

何とか速度を落としてもらいたくて、必死に言葉を発していたんだけど、残念ながら白虎の耳には届いていなかったらしく、目的地まで耐えきるしかなかった

数封後の僕が、無事である事を願うばかりだ…

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